2010年12月15日

ありがとうございました! (今日のテーマ)

BlogPet 今日のテーマ ありがとうございました!
「あなたのブログペットに、一言どうぞ!」
今まで、あんまりいい飼い主だったとは云えませんでしたが…。
たまたま…通っていたブログに貼り付けられていたものを見て登録して、ブログ引越しの際にもついて来て貰った訳ですが…。
登録した時期がそれほど昔ではなく、一緒にいたのはたいして長くなかったのですが…。
それでも、ルル、スザク、ゼロ…いなくなると寂しいなぁ…と思います。
以前、オンラインペットで気持ちを入れ込み過ぎてそのサービスが終了と云う時に大泣きした記憶があったので、なるべく気持ちを入れ込まないようにしていたのですが…。
やっぱり、お別れとなると寂しいものです。
いつか、このサービスが復活して、再登録したとしても、この子たちじゃないんですよね…。
コンピュータのプログラムされた子たちだと解っちゃいるんですが…。
やっぱり、オンラインペット…やめた方がいいのかなぁ…。
元々、営利目的の企業が企画しているものですから、採算が取れなければ、飼い主の気持ちは完全無視の状態でこうした形で無理矢理別れることになってしまいますからね…。
それでも、リアルでペットを飼えない環境にある者としては…こうしたサービスは結構癒されるツールですよね…。

ここまで…あんまりいい飼い主じゃなかったけれど…
でも、かまってやるといつも何か返してくれたこの子たちには感謝です。





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posted by 和泉綾 at 07:38| Comment(0) | TrackBack(0) |

2010年12月12日

回復(BlogPet)

きょう和泉綾と、リンクっぽい回復するはずだった。

*このエントリは、ブログペットの「スザク」が書きました。
posted by 和泉綾 at 11:19| Comment(0) | TrackBack(0) |

2010年12月11日

いよいよ…やばい事になりそうですね…

12月に6月、否決された都条例が再提出された話し…。
どうやら、民主が賛成に回るようですね…。
となると、これから、単純に行政官の独断と偏見で漫画や小説などの表現が規制される訳です。
規制対象の基準が定められておらず、どこからがクロでどのあたりならグレーゾーン、どこまでならシロという基準があいまい過ぎて解らない…。
和泉も一応その都条例改正案を読んだんですけれど…。
ぶっちゃけ、基準があいまいで、審査官となった人の感覚が全て…といった感じです。
だから、政府や行政にとって都合の悪い表現が入っていたら、適当に『この表現はアウト!』とその作品の出版禁止を命じる事も出来る訳です。
しかも、都の動きに追随して他の大都市圏でも…特に大阪が割とそれに乗り気なので、困ったことになる訳ですよね…。
で、出版大手10社が来年の東京国際アニメフェアのボイコットを表明したそうな…。
見てみると…かなりの大手なので、そこがボイコットとなるとかなり寂しいアニメフェアになるんじゃないかと…。
それに、同人誌も個別に審査できないから…大丈夫じゃね?という話は甘い!
東京でイベントそのものが規制されてしまうんですから…それこそ、同人誌だって人ごとじゃない…。


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posted by 和泉綾 at 09:24| Comment(0) | TrackBack(0) |

2010年12月08日

『Amethyst Eyes』開設2周年記念リクエスト 03

Repeat 3



 なんだか、不思議な感覚だった。
と云うのも、あれから…ルルーシュはこの学園の理事長の孫娘であり、生徒会長である女生徒、ミレイ=アッシュフォードに紹介した。
その後…どう見ても不審者でしかあり得ないライをこの学園の生徒として、ルルーシュ達の暮らしているクラブハウスの一室で暮らしてもいいと云う事になってしまっていたのだ。
目覚めた場所…そこはどう考えても物騒極まりない場所であったし、ここだって、支配者側の人間が暮らしているエリアであるのだから、不審者を匿う様な真似をする事がどれほど危険な事か…解らない筈はない。
それでも、ミレイは
『人を疑ってかかったらきっと…キリがないわ…。それに、この学園はナンバーズも受け入れている学園ですもの…。貴方が記憶喪失であると云うのなら、なおさら…放っておく訳にはいかないわ…』
と、平然と云ってのけていた。
正直、ライとしては戸惑ってしまうが…。
周囲を見ていても、ブリタニア人ばかりだ。
―――確かに…被支配者の場合、こうした状況でこんな色々とお金のかかりそうな学校に通う事なんて事実上無理だよな…。
と素直に思った。
そんな風に自然に考えられる自分について…色々考えてしまうが…。
記憶がないながら…こうした侵略され、植民地化された地域についてこんな形で考えられる自分に気づいた時…。
自分の記憶があった頃は…きっと、そう云った者を目の当たりにしていたのではないかと…客観的に考えていた。
そんな事、恐らく感情で考えていたら要らぬ事を考えてしまいそうであったのに…。
酷く冷静だった。
自分がそう云った環境にいたかもしれない…。
しかも、支配されていた立場であるのであれば、少し離れた場所から…全体像を見る形で考える様な事はあるまい。
目の前にある物事を感情的に見つける方向へと思考が向いていただろう。
そんな事を考えていると…
「ライ…授業が終わったぞ…」
そう、肩を軽く叩かれて、声をかけられた。
声の主はルルーシュだ。
「あ、そうか…」
「ふっ…授業中…ちゃんと話しを聞いていたのか?」
ルルーシュが苦笑いしてライに訊ねてきた。
ライはその質問に苦笑するしかない。
「あ…否…。先生…怒っていたかな…」
「まぁ、この教室の中で数学の授業をまともに聞いている奴の方が少ないがな…」
「そんな事でいいの???」
「それぞれ、自己責任でやっているんだ…。別にかまわないんじゃないのか…」
「一応、テキストは一通り見たんだけど…とりあえず、テキストを見ただけで困ることはなさそうだったし…。記憶については本当に…自分に関わっている事だけが失われているみたいだ…」
こんな事を話してもいいのだろうか…などと考えない訳じゃないが…。
それでも、考えれば考える程、客観的に見ながら自分の事が少しずつ解って来る。
それが不安の要因の一つ…でもあるわけだが…。

 そんなライを見て、ルルーシュが複雑な表情を見せた。
「お前…本当に頭がいいんだな…。だからこそ、記憶がないと云うその事実を客観的に考える事が出来ている。それに、このテキストを読んだだけで理解出来るとなると…相応の供用があったと云う事か…」
確かに…数学は基本的な事が理解出来ていなければ解らない教科だ。
逆に云えば、基本がしっかり出来ていれば、計算そのものは解く事が出来るし、応用問題とて、文章を理解すれば解けるものだ。
「なんだか…そうみたいだね…。ここに来てから色んな授業を受けて見て思ったのは…一通りの教養は叩きこまれている…って事かな…。テキストを見ていて、理解出来たし…。歴史とか、語学とか…そう云った事も問題なかったよ…」
ライがそんな事を云った時、ルルーシュが怪訝そうな顔をした。
「?それはそうだろう…。数学や化学などの数式を覚えているなら、そう云った教科に関しても別に問題はないだろう?」
「あ、そうだな…」
ルルーシュにそう云って、ルルーシュからそう云われて…。
ハッと気が付いた。
そして…そう云った言動の中に自分の記憶のピースが隠されているのかもしれないと…思ってはみる。
ただ、今のところ、記憶がない事で不都合は感じていないし、気になる事はあるものの…それが気になって何も手につかない…という感じでもない。
記憶喪失の割に…非常に冷静だと思えた。
そんな風に考え込んでいるルルーシュが苦笑する。
「本当にお前は…色々と考えているな…。そして…自分の置かれている状況に対して冷静だ…」
「そう…かな…」
自覚をしているのだが…こうして云われると、どう反応していいか解らず、そんな風に答えてみる。
こうしてルルーシュと話しをしていると…。
客観的に自分自身が見ている自分に対して…何かを訴えているけれど…。
それが何であるのか…解らない。
「自身の状況把握を出来る事は…生きて行く上で大切なことだ…。それが、出来ないと云うのも、出来ているのにその情報を活用しないと云うのも、確実に自分の生きる為の道を狭めて行く事になる…。特に…こんな世界では…」
ルルーシュは…その言葉を発しながら、何か別の事を考えている事が解る。
それが何であるのか解らないし、今の段階でそれを追求するつもりもない…。
ただ、C.C.の言葉を思い出す。
ライは…ルルーシュの力になれるのだと…。
もしそうであるなら、いずれ、ルルーシュは話してくれるだろうし、何かの形で今のルルーシュの言葉の裏側を知ることが出来るであろうと…そんな風に考える。
だから、そんな意味深な言葉のその先を訊ねる事はせずに…黙って聞いている。
「まぁ、その状況把握が出来ているのか…僕自身は良く解らないけれど…。それでも、僕自身、今の僕でも、記憶を取り戻した僕でも、きっと、君に仇成す事をしたくないと…そう考えられると思うんだ…」
ライの言葉に…ルルーシュが驚いた顔を見せている。
本当は自分でもびっくりしている。
そんな言葉が…こんなに自然に…当たり前の様に出て来るなんて…。
でも、それは至極当然であると考えている自分もいる。
―――なんだか…不思議な感覚だ…

 不思議な感覚を抱きながら…時間が流れて行った。
本当に…記憶がないのに…。
こんなに平穏に過ぎて行く毎日があまり、自分の身体に馴染んでいない…と云う自覚さえ生じて来ていた。
―――僕は…混乱の最中に…いたのか…?
そんな事を考えつつも、ミレイの計らいでライは生徒会のメンバーとなった。
その事実は…。
生徒会の男子サイドに大変喜ばれた。
と云うのも…この学園は生徒会長であるミレイの思いつきで、生徒会のみの規模から、学園全体の規模まで…様々なイベントが繰り広げられている。
イベントでは…規模は関係なく、本格的な準備を施す。
その為、力仕事も当然出て来るのだけれど…生徒会に所属している男子は大変非力な男子が揃っていた。
ライは、その度に、荷物運びや、舞台装置などの設営で活躍した。
「僕って…こう云う事も得意だったのか…」
荷運びをしながらそんな事を口の中で呟いた。
「記憶喪失って…そう云う事も忘れちゃうのね…」
「ミレイさん…」
声をかけて来たのは、ミレイだった。
ライがこの学園にいる事が出来るようにしてくれたその人だ。
「僕も…僕の過去に何があったかとか、自分がどこから来たのかとか…そう云った事は何も思い出せないんですけれど…。ただ、こうした生活に必要な事はちゃんと覚えているみたいですね…」
恐らく、これは差し障りのない返事だ。
そして、全く嘘のない言葉…。
「まぁ、焦らなくていいと思うわよ?それに、この生活に馴染んだら、それはそれでいいと思うし…」
「そのまま…進んで行ってくれるという大前提があれば…僕も安心できるんですけれど…」
「あら…何か不安なの?」
「自己分析していくと…こうした、穏やかな雰囲気には…慣れていないと云う事が解りまして…。で、記憶が戻った時…どうなってしまうのかな…と云うのが心配になるんです。ミレイさんもルルーシュも…いい人だから…」
素直に答えた。
それは今のライにとっての本音であった。
自己分析できる能力があると云うのはこう云った時には中々厄介だ。
自分がどんな存在であったのか、どんな存在であるのか…そう云った事が自分の中で解釈出来てしまった場合…。
いい方へ考えられる事は少ない。
自己分析をしている時…自分では冷静だと思っていても、その分析結果を『マイナス』に考えてしまう場合が多い。
否、そう云った方向に考えているからこそ、自分は冷静であると錯覚する事も多々あるのだ。
恐らく、今のライはそんな状態なのかもしれない。
この分析が今のライに出来るかどうかは解らないが…。
「大丈夫よ…。今の君はきっと、まっさらな君よ?なら、そう考える事が出来る君が本当の君だって事じゃない…」
明るく話す、目の前の女生徒に対して…ルルーシュが何故、ライについて、相談したのかが良く解った気がした。
「ルルーシュが…貴女に逆らえない理由が…解る気がしましたよ…」
「あら…そんなの当然でしょ?この学園で一番偉いのは私なんだから…」
目の前で明るく笑っている彼女につられて、ライも少しだけ笑みを見せた。
「そう!その顔よ!」

 ミレイが突然ライの顔を見て、ライを指差し、まさに『それだ!』と云う感じに云い放った。
ライにしてみれば何の事だか解らない。
「え?」
「だからぁ…。そう云う、笑った顔をルルーシュにも見せてあげてよ…。ルルーシュはツンデレ標準装備だから…解り難いけれどね…。ずっと心配しているのよ?貴方の事…。その顔を見せてあげれば、ルルーシュもきっと安心するわ…」
「ルルーシュが…?」
「彼さ…ホント、結構複雑な事情があるからねぇ…。ま、クラブハウスで暮らしているって云う時点でまぁ、色々ある事は解るわよね…。いくら妹さんに障害があるからって…」
確かに…。
妹の事を心配しているからと云って、このような特別扱いは普通ならあり得ない。
それに、学生寮だって、そう云った事情を持つ者達に対してだって解放している訳だから、きちんとそう云ったケアをするだけの者は整っている筈だ。
「確かに…。そうですね…」
「そんな、ルルーシュが妹でもない相手に、あそこまで気持ちを傾けるって…初めてなのよ…。だからね…ちょっとだけ、私、貴方には期待しているのよね…」
何となく意味深な言葉に聞こえる。
どう云う事なのかは…微妙に解らないと云う部分は否めず、その正直な気持ちが顔に出てしまったようで…。
「そんなに真剣に悩まなくていいわよ…。ただ、これまで通りにルルーシュと接してよ…。ただ、時々…そんな、硬い表情じゃなくて、さっきみたいに笑って見せてあげてよ…。そう云うのって、結構、気持ち的に救われる事があるのよ…」
これまた、意味深な言葉だと思うのだけれど…。
ただ、彼女の云い方は…。
「ミレイさん…貴女は不思議な人ですね…」
「女はミステリアスな方がいいに決まっているわ!云い女の条件の一つなの♪」
この女性(ひと)には敵わないとも思う。
「そんな事より、それが終わったら帰っていいわよ?とはいってもクラブハウスだけれど…。なんだか最近、ルルーシュったらぼーっとしている事が多いのよ…。授業中、居眠りしているのは日常茶飯事なんだけれど…」
「ああ…彼、授業を聞いているふりをして眠るのが上手ですよね…」
「あ、否、問題はそこじゃないんだけど…。授業中、居眠りもせずに何か考え込んでいるみたいだっていうから…。ちょっと注意して見ていてあげて?なんだかね…色々と何かが変わって行きそうな気がするのよ…。何となく…なんだけれど…」
先ほどまで明るく話していた彼女ではあったけれど…。
少しだけ、声のトーンが下がった気がした。
否、確実に下がっている。
「ミレイさん…」
「ルルーシュがあんな風に誰の目にも解る形で誰か、個人に対して心を砕くのって初めてなのよ…。ナナリーは別にしてもね…。私にはどうする事も出来ないから…頼むわね…」
期待されても困ってしまうと云う心情ではあるのだけれど…。
それでも、ルルーシュは恩人であると云う事もあるが…それ以外に何かがライ自身に訴えている事がある。
それが何であるのか、何を意味しているのかなんて解らないが…。
「僕に何が出来るか…解りませんが…。それでも、出来る事をします…」
「頼むわね…」

 それから、クラブハウスに入って行くと…。
リビングの前で咲世子と目があった。
「あら…ライ様…。これから、ルルーシュ様とナナリー様のお茶の準備をするところなのですが、ライ様もご一緒されますか?」
そう訊ねられて…いいものか、悪いものか、少々悩んでしまうのだが…。
「えっと…いいんですか?」
「はい…きっと、ナナリー様は御喜びになりますよ…。いつも、ルルーシュ様と二人きりですし…。たまには他の方とお話しもなさりたいでしょうし…」
「なら…一緒させて貰おうかな…。生徒会の仕事で結構のども渇いたし…」
「畏まりました。では、すぐにご用意致しますので…」
そう云いながらリビングに入って行くと…。
リビングのテレビが点いていて…どうやら、緊急速報が流れている様だった…。
『クロヴィス殿下を殺した犯人が捕まりました!名誉ブリタニア人…枢木スザク一等兵です!』
その言葉が耳に飛び込んできて…。
そして…その部屋の空気が凍りついているのが解る…。
「スザク…」
「スザクさん…」
どうやら、この兄妹の知り合いらしい…。
ただ、彼らはブリタニア人で、そして、ニュースで報道されているのは『名誉ブリタニア人』という名称を使われていることから、確実に被支配者階級である事が解るが…。
「ルルーシュ?ナナリー?」
その様子に…ライ自身、どうしたらいいか解らない。
と云うよりも、ただ、その場面を素直に受け止めると…。
それは…。
今、速報で流されている映像の人物がルルーシュとナナリーの恐らく親しい間柄の人間であり、その人物が犯罪者として捕らえられて、こうした形で報道されている…と云う事実だ。
「ウソ…ウソです!スザクさんが…」
「ああ…あり得ない…。何故スザクが…」
「お兄様…」
その会話の様子を見ていて…ルルーシュの様子がおかしいとかすかに感じたのは気のせいなのだろうか?
解らない…。
「ルルーシュ…このテレビに映っている人…君の知り合いかい?」
ライが意を決したようにルルーシュに声をかけた。
すると、ルルーシュが少しだけ声を震わせて…答えた。
「俺の…初めての友達だ…」
その言葉に…ズキリと何かが突き刺さった。
余程大切な存在であるのだろうと云う事は解るが…。
ここに来てから、最近のこの地区の情勢を調べてはいたが…。
「ニュースで…名誉ブリタニア人だって…」
「ああ…。恐らく、軍内部で総督、皇族を殺した犯人を捕まえてクロヴィスの命を落とさせてしまった失態への汚名をなんとしても返上し、名誉挽回したいと云ったところだろう。きっと、その軍幹部の誰かがたまたま傍に居合わせたアイツを…」
ルルーシュの言葉にライが少しだけ…反応した。
話しの内容や状況を見ていると…確かになんとかこの混乱を収めたい軍の上層部が話しをでっちあげて犯人を作り上げた…という可能性もあるのだろうと考える事も出来た。
それに、あの一件以来、ゲットーの治安も悪くなっていると云う事なのだから…。
「そう…。まぁ、以外と解りやすい構図だね…。被差別階級の人間が総督…しかも皇族である人間の傍に行く事なんてほぼ不可能なのに…」
ライの言葉に…ルルーシュがふっとライの方を見た。
そして…
「俺の部屋に…来てくれないか?話したい事が…ある…」
ルルーシュの言葉に…ナナリーはニュースに聞き入っているようで、聞こえなかったのか反応を見せなかった。
ライは…その言葉に黙って頷いて…ルルーシュの後について行ったのだった…

To Be Continued

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2010年12月05日

『Amethyst Eyes』開設2周年記念リクエスト 02

Repeat 2



 拘束衣を着ていて、どう見ても無罪放免で釈放された人間には見えない目の前を歩いて行く『C.C.』と名乗る少女…。
否、姿は少女であるが…
―――絶対に外見年齢と実年齢にギャップがあるな…
などと考えてしまっている。
周囲を見回してみても…記憶の中にその場所がある様には感じられないが…。
デジャヴの様なものを感じるのは気のせいだろうか…。
初めての筈だし、ここがどこであるのか訊ねられたらきっと、答えられない。
ただ、頭の中で、何かを感じている事だけは解る。
言葉に出して表現するのはまず無理だ。
この感じをどう説明していいかなんて皆目見当もつかない。
そんな風に考えていると…
「別に気にするな…。お前はやりたい事をやればいい…。自分の頭で考えて自分で決めればいい…」
C.C.が根拠の解らない事を云っている。
正直、自分の事さえ解らない状態の中で、何を云われたところでどうしたらいいかなんて解らない状態になってしまうのはある意味致し方ない。
ただ、一つ解っているのは、現在、自分の事を知っているらしいのは目の前にいるこのC.C.と名乗る少女の姿をした存在だけだ。
「君こそ…どこか行くあてがあるのかい?そんなカッコをしていて、おまけに一人で歩いているのに…どこか行くあてがある様には見えないけれど…」
「余計な心配だな…。お前だって何となく解っているのだろう?『どう見たって怪しい奴』だと…。そう云う傍から見て『怪しい奴』にはそれなりの生きる術くらいはある…。まぁ、今夜の雨風を凌げるところくらいはあるとは思うが…」
ライに対して云っているのか、それとも独り言なのか…。
良く解らない言葉を彼女は紡いでいるが…。
結局、彼女の話しを聞いていたところで解る事など何一つありはしなかった。
それでも、今のところ、ライの事を知らない存在よりも多少はマシ…と思える程度の存在である事は確かだ。
どうみても、ここは治安がいいとは云えない。
と云うか、何も解らず歩いていたら危険極まりない事は良く解る。
さっき、目を醒ましたときだって銃声が聞こえてきた。
戦争状態と云うよりも、領土内でのテロ鎮圧…であった様だと、ライは判断しているが、恐らくその判断は間違っていない。
と云うのも、今、彼女と歩いている場所が、余りに荒れている状態で…。
人の生活をしている感じがしているのがなんだか不自然で、違和感を覚える。
こんな人の住んでいるところで戦闘が行われていると云う事は、確実に市街地のゲリラ戦だ。
と考えると、確実に反体制勢力に対しての武力による抗議だろう事は解る。
国同士の戦争となればこんなゲリラ戦を繰り広げると云うのは、よっぽどの国力差がなければ国策として行う国は少ないだろう。
ゲリラ戦とは地の利を生かしての武力行使だ。
基本的に圧倒的に自分達より強い相手に対して自分達にとって有利な地の利の下で効率的に武力を使うと云う事だ。
だからこそ、テロリストが最もよく使う方法となっているわけだ。
隠れて攻撃し易く、そして、逃げ易い…。
そんな名残を感じる…土地であると云うのは、ライの印象だった。

 やがて、恐らく正規のゲートではない場所から随分綺麗なインフラ整備された街に出た。
先ほどの光景とのギャップにライは驚きを隠せない。
「ここはブリタニアの租界だ…。少しだけ説明しやると、ここは日本と云う東の小さな島国だ。そこにブリタニアと云う大国が宣戦布告し、日本を植民エリアとして支配下に置いている…」
C.C.がこの場所についての説明を始めた。
彼女自身、そんな世界情勢に興味があるとはとても思えないのだが…。
「で、そんな囚人服を着ている君がこんな綺麗な街をほっつき歩いていたら目立つと思うんだけど?」
「気にするな…。気にしたら負けだ…」
一体何を云っているのかが良く解らないが…。
しかし、気にしていたところでこの先、ライにとって利益になるとも思えないので、とりあえず今のところはスルーする事にした。
そして、辿り着いたところは…
「ここだ…」
見ると…かなり立派な作りの学校である事が解った…。
と云うのも立っているところの真ん前に『私立アッシュフォード学園』と彫られている門があった。
「学校…だろう?ここは…」
「ほぅ?ここが学校であると云う事が解っていて、どう云うところであるかくらいは解るようだな…。なら、助かるよ…」
ふっと笑いながら彼女が門を乗り越えて中に入って行った。
ライはその彼女の行動に驚きを隠せなかったが…彼女の後について行く。
軽々この門を乗り越えたところを見ると、ライ自身はそれなりに運動能力があると云う事なのだろうと云う事はぼんやりと考えていた。
―――これって…不法侵入じゃ…
などと考えながら…こうして、主観的に見ている自分のちょっと離れたところで客観的に見ている自分もいて…。
そう云った状態を総合的に考えてそれなりに自分の事を分析する力はあるらしい事は解った。
そして、C.C.が遠慮なしに中へと進んで行く…。
流石に躊躇いが生まれて来るが…。
それでも、彼女について行かない事には、自分自身、ここまで付いて来てしまい、この先どうする事も出来ないのだから、困ってしまう。
そうして…校舎とは少し作りの違う建物へと入って行く。
「おい…いいのか?」
「ここに…私の契約者が住んでいるんだ…。行方不明のままにしておいたらわざわざ契約した意味もないしな…」
本当に訳が解らない…。
この言葉を聞いていて…少しだけ思うのは…。
―――僕の記憶があったとしても、きっと…彼女の云っている事を理解出来ないんだろうな…。
と云う事であった。
そして、彼女の後について行き…とりあえず黙ってついて行った先には…。
「まぁ…お兄様のお知り合い何ですか…?」
そう…二人に声をかけて来たのは…。
目と足の不自由な少女だった。
「あ…えっと…僕は…」
「こいつの事はルルーシュは知らん…。ただ、記憶がないと云うのでは放っておくわけにもいかんだろう?」
「まぁ…記憶喪失…なのですか?でしたら…お兄様なら何か云い方法を考えてくれるかもしれません…。ライさん…でしたよね?お兄様が帰って来るまで私と一緒にお茶でも飲みませんか?」

 結局、その目と足の不自由な少女と一緒にお茶をする事となっていた。
どうやら、C.C.と云う人物はどうやら、肝が据わっていると云うか、なんと云うか…。
普通にお茶を飲みつつ、その少女と話しながら笑っていたり、ついには折り紙などを始めていた。
そんな風に和やかに過ごしながら、どれほど時間が経っただろうか…。
「ナナリー…ただいま…」
扉が開いたと同時に…その声と黒髪で男子としてはかなり細い学生服姿の少年が入ってきた。
そして…リビングで世話役の咲世子が淹れたお茶でナナリーと和んでしまっているC.C.とライの姿を見て彼の動きが止まった事が解る。
「あら…おかえりなさい…お兄様…。C.C.さんとライさんがいらっしゃっています…。お兄様にこんなお友達がいるなんて知りませんでした…」
ナナリーが楽しそうに、にこやかにその、『兄』と呼んでいる少年に報告している。
そりゃ、彼にとっても『お友達』になった覚えはないだろうから…。
C.C.に関しては解らないが、ライとは完全に初対面だ。
「遅かったじゃないか…ルルーシュ…。待ちくたびれたぞ…」
C.C.がその少年の事を『ルルーシュ』と呼んだ。
その、ルルーシュがC.C.とライを見て顔を盛大に引き攣らせている事が良く解る。
「ちょ…ちょっと来い!」
そう云いながらルルーシュがC.C.とライの手首を引っ張ってリビングの外へと連れ出し恐らくルルーシュの部屋であろう部屋に連れて来られた。
至極当然だろう。
いきなり、どうやら、C.C.とは面識があるようだが、ライは見た事もない相手だ。
そんな輩が自分の居住空間にいたのだから…。
ここで和やかにお話しされても逆にそちらの方を怪しんでしまう。
「お前はさっきの…。それに、お前は誰だ!」
これもまた当然と云えば当然の言葉だろう。
使う言葉は違っても恐らく100人中100人がこうした反応を見せるに違いない。
「あ…えっと…僕は…その…。あの、瓦礫の建物の中で倒れていて…それで、名前しか覚えていなくて…。困っていたところで彼女に会って…連れて来られて…」
微妙にウソを交えながら説明する。
まぁ、どの辺がウソかと云えば、結構言葉尻をつつくような話しになるが…。
今のところ、そんな事は問題ではない。
「それに!お前…生きていたのか…」
こっちはこっちで大層な反応をしている。
「ふっ…私があんな戦闘用の銃ごときで死ぬわけがない…」
云っている事が恐ろしい…。
というか、銃で死なないなら何をすれば死ぬんだ???と訊いたら負けだろうか?
そんな事を考えつつもとりあえず、自分の事は説明したし、様子を窺う事にしたが…。
「お前…自分の云っている事が解っているのか…」
「勿論解っている…。さっきも見ただろう?お前は…」
C.C.のその言葉にルルーシュがピクリと反応した。
何を見たかは解らないのだが…それでも、彼を見ていて…なんだか…。
とても…複雑な感情が過って行く…。
悪い感情じゃない…。
それだけは解る。
ただ、そこに踏み込んで行っていいのかどうか…。
そして、その踏み込んだ先には…
「…っ…」
そこまで考えた時…突然コメカミ部分が痛んだ。
一瞬の事ではあったが…。
「どうした?ライ…」
「あ…否…。二人の今の会話を聞いていて…ちょっと…頭痛がしただけだよ…。大した事はない…」

 一瞬だったから大したことはないと…そう思うが…。
「具合が悪いのか?」
ルルーシュがライに対して訊ねてきた。
「あ…否…大丈夫だけど…。というか、本当に御免…。何も知らなかったとは云え…留守中に…」
「この女と違ってお前は随分遠慮深いんだな…」
ライの言葉にルルーシュがそんな事を云った。
「あ、否…普通、自分の家に見ず知らずの人間がいたら君の反応は至極当然だし…。あ、僕の事なら…なんとかするから…」
結構、見通しの立っていない状態でのこの発言だが…。
かと言って、このままここに厄介になるのはいかがなものかと思えてくる。
記憶はなくとも一般常識くらいはちゃんと身体にしみついているらしい。
「記憶を失っている割には、社会常識くらいは弁えているのか…。まぁ、ミレイ会長に云えば相談に乗ってくれるかもしれないが…」
「あ…否…その…」
ルルーシュの言葉にライが慌てるが…。
正直、治安の悪い状態と云えるこの土地で…。
自分の事が解らず、そして、テロ活動が盛んでそれに対して正規軍が動いている様な情勢の中で記憶喪失であると云う事実は非常に危ういポジションにいると云う事だ。
恐らく、正規軍を指揮している側も、テロ活動をしている側も、こんな訳の解らない人間がいたら普通に警戒するだろう。
そんな存在がこんな、『学校』などと云う場所にいたりしたら…。
そんな事を考えていると…。
「何となく…云いたい事は解る…。まぁ、俺達もお前と余り立場としては変わらないかもしれないからな…。とりあえず、俺とナナリーの姿を見られている状態で現在の状況の解っていないお前を外に放り出す事は俺としてもあまり好ましくはないんだ…」
困っているライに対して、ルルーシュがそんな事を云っている。
―――以前にも…確か…
そんな事を一瞬だけ頭をよぎり…そして消え去って行く…。
先ほどから色んな記憶の断片が頭を過って行く…という感覚を一瞬だけ気付く…という事を繰り返している。
「君達も…何か…」
そこまで云いかけた時…ルルーシュがライからふっと目を逸らした。
そこまで云っておいて…という思いもあるが、こちらも得たいが知れない事は事実だし、余り迷惑になりたくないと…これは本気で思った。
そんな二人のやり取りを黙って見ていたC.C.がふと声をかけてきた…。
「安心しろ…ルルーシュ…。この男はいずれ、必ずお前の力になる…」
意味深な言葉…。
そして、彼女自身、確信していると云う感じでその言葉を吐いた様に見える。
根拠が解らないけれど…。
ただ、ライ自身もルルーシュやナナリーを見て不思議な感覚に包まれた事は確かだ。
「俺にしてみればお前の方が遥かに胡散臭いがな…」
「そう云うな…。命拾いはしただろう?」
C.C.がそこまで云った時、ルルーシュがぐっと黙った。
どうやら、彼女の云っている事は正しいらしいが、ライにしてみれば訳が解らない。
そんなライを見て今度はライに話しかけてきた。
「お前にもいずれ解るぞ…。お前も…こいつと同類…だからな…」
「一体…何を云っているんだ…」

 彼女の言葉…
なんだか意味深に聞こえるが…考えたところで何の事か解らない。
そんなライに対して、意味深に笑っている。
本当に訳が解らない…。
それでも、現在のライの状況としては…。
訳の解らない女(C.C.)に目の前の少年(ルルーシュ)の元へ連れて来たと云う事だけは、何も考えなくても解る。
そして、そこに、彼女なりの考えがあると云う事だ…。
二人の会話を聞いていても、C.C.とルルーシュも恐らくルルーシュが一方的に訳が解らないと云う状態である事は解る。
「とりあえず、ライ…と云ったか…。このまま放りだすのは気が引けるから、とりあえず、咲世子さんに客間を用意して貰うから…。今日のところは泊まって行け…」
「あ、でも…」
「今更遠慮してどうする?って、あの女は…?」
二人で話していた時間は大した時間ではなかった筈なのだが…
姿が見えなくなっている。
周囲を見回していると…
「私は疲れたから寝る…。とりあえず、話しが付いたみたいで良かったな…ライ…」
そう云いながら彼女はこの部屋の持ち主の寝どこであろうベッドに入り込んでそんな事を云い放った。
「おい!キサマ!」
「おやすみ…」
C.C.がそう云うと、その後、何を云ってもその確保した場所を動く事はなかった。
ここまで高慢な態度をとっていたとしても相手は女…という事でそれ相応の躊躇があるらしい。
「一体何なんだ!」
ルルーシュがわなわなと拳を震わせながらそう、低く吐き出した。
本当に、吐き出したという表現が正しいと云えるほど様々な…主に『憤り』と云うか『怒り』が色濃く見える表情をしている。
確かに…ライだってこんな状況に陥ったら目の前にいるルルーシュほど冷静さを保っていられるかは自信がない。
「あ…えっと…。御免…」
ルルーシュの様子に謝ってしまう。
まぁ、当たり前と云えば当たり前だ。
このような状況に放り込まれてそして、目の前では盛大に迷惑を被っている存在がいれば…。
謝るしかないだろうと思う。
「あ、否…。とりあえず…明日、相談できる人物に会わせてやるから…。今日は隣の客間を使ってくれ…」
「君は?」
「俺は…まぁ、適当に寝るから…」
なんだかんだ云ってこうした状況の中では、目の前の相手を見捨てる事が出来ないらしい。
そう思うと更に申し訳ないと思ってしまうし…。
そして、何となく、懐かしい感覚にもなる…。
―――以前…これに似た様な…
そんな思いを抱えながら目の前の少年について行く。
そして、その案内された部屋は…シングルサイズのベッドがある。
「僕は…床で寝るから…。どうせ野宿するつもりだったんだから…。屋根のあるところで眠れるなんて思っていなかったし…」
「本当に気を使わなくていい…。俺もやらなくてはならない事もあるからな…。着替えも俺ので良ければ貸してやる。シャワー…浴びて来るか?」
何かと世話を焼いてくれている目の前の少年…。
こんな風に細かい気遣いをしてくれるこの少年に対して不思議な感覚を覚えるが…。
それでも、その不思議な感覚の正体を…今のところ知る事も出来る筈はなかったのであった…。

To Be Continued

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2010年11月30日

『Amethyst Eyes』開設2周年記念リクエスト企画 01

Repeat 1



※設定:『ロスカラ ギアス編』終了後、ライが本編stage1に逆行すると云うお話しです。
C.C.以外、ライの記憶について、正体を知る存在は居ません。

これはharukaさまのリクエストです。
リクエスト有難う御座居ました。

 再び、彼は長い眠りについた…。
結局、『ギアス』の能力に…振り回された…と云う事なのか…。
それでも…
―――再び出来た…大切な存在を…傷つけたくない…。二度と…失いたくない…。
その思いから…彼は、自ら神根島に赴いた…。
そして、再び…長い眠りにつく事となった。
眠りの落ちる時…彼が思ったのは…
―――心残りがあるとしたら…多分…僕の特別な存在を…
その想いだった…。
その時…
『お前は…まだ…未練があると云うのか…?』
―――誰だ???
『お前は…あの存在に未練があると云うのか…?』
不思議な声が…眠りにつこうとして、薄れて行く意識の中に語りかけてきた。
この感じ…覚えがある…。
しかし、色々考えられるだけの余裕はなく…。
―――ないと云ったら…ウソになる…。あの人が…僕にとって…きっと初めて…
『ならば…もう一度会わせてやろうか?』
―――一体…何を…
『お前の事を知らないあいつに会わせてやってもいい…。次で3回目だ…。間違わない方法を見つける事が出来るかもしれない…』
―――云っている意味が…
『もう、返事を聞いている暇はないな…。とりあえず…連れて行ってやる…。お前がそこまで望む…その存在の元へ…』
―――っな…何を…
『安心しろ…。今の記憶はすべて消える。もっと云えば…お前はあの連中との出会いを1からやり直す…と云う事になる…』
―――やり…直す…?
『そうだ…。何もない状態からお前はあの世界であの連中と出会った訳だが…。また、何もない状態から違った出会い方をすれば…手放さずに…お前が再び眠りにつかなくても良くなるかもしれないぞ?』
―――バカな…僕の『ギアス』は…
『また戻るんだぞ?それを抑える方法もあるかもしれない…』
脳に直接語りかけて来るその言葉は…。
余りに魅力があり過ぎて…。
本当は…『彼』と離れたかった訳じゃない…。
でも、一緒にいたら…何れ…自分の手で…
その恐怖を抱いてしまい…そして…身を引いたと云えば聞こえはいいが…。
結局、その力を押さえる事が出来ずに、逃げ出した…と云う事だ…。
『お前は…本当にあんな形で身を引いて…何の後悔もないのか…?』
その一言は…ある意味トドメとも云えるかもしれないと…。
彼は思った…。
その一言は、ある意味卑怯とも云えるほど…そちらの方向に思いを傾かせる力を持っていた。
それこそ、自分の心の中をほじくり返され、曝け出されて、目の前に突き付けられた…。
そんな気分にさせた。
―――僕は…僕は…
『迷っている時間はない…。それに、お前の存在が仇成すものであると云う恐怖を抱くのはある意味仕方ない…。しかし、そうじゃない結果を齎す事もあるかもしれない…。勝手な思い込みで…物事を決めるから…あの時の悲劇は起こったのではないか…?』
この言葉は…。
とどめだった…。
―――解った…。君と行こう…。そして、君なら…失敗はするかもしれないけれど…間違ったりはしない方向を…探す為の力になってくれるのだろう?
『あまりアテにはするなよ?』
その言葉で…彼はその声について行く事にしたのだった…。

 目が覚めると…そこは…
「なんだ…ここは…」
どこかの廃墟にいる様な…そんな感じで…。
火薬の匂いがする…。
そして、ちょっと見まわすと煙も見える。
軍の装甲車やKMFが走っているのも見える。
「ここは…。それに、なんでこれほどブリタニアの軍人が動いている…って…何故僕は…」
自分の口から出てきた言葉に驚いている。
何故、そんな言葉がすらすらと自分の口から飛び出してくるのか解らない。
否、そんな事より、何故、自分がこんなところで目を醒ましたのかさえ解らない。
ここがどこなのかも良く解らない。
ただ、なんだかよく解らない残像が時々、頭の奥に映し出されている事に気付く。
それは…一体何であるのか…解らない。
とにかく、ここはどこであるかも解らないし、自分が何故ここで倒れていたのかも解らない。
はっきりと自分の事で口に出して云えるのは…。
恐らく名前だけだろう…。
頭の中を過って行った…
『ライ』
と云う名前…。
それ以外は自分が何者なのか解らないし、ここで生まれた訳ではなさそうな事だけは解るけれど、自分の生まれたのはどこだったのか解らない。
どこで生まれて、どこからここにどうやってきたのかも解らないまま…この、崩れかけた建物の中を歩いていると…
左側の方から強い光がこちらまで照らして来た。
そして、その光に反射的に彼は身を翻して、物陰に隠れた。
「なんで咄嗟にこんな行動を取れるんだか…。まぁ、とても平和な場所とは云い難いところである事は確かだな…。何がそうさせているのかは解らないが…今はこの、自分でもわけの解らない潜在的な記憶を頼るしかなさそうだ…」
一人で口の中で呟きながら一つ一つ、物事を整理していく。
ここは恐らく、自分がそれまで生きていた場所とは違う…。
それは、確かに記憶を失っているらしい事が解っても、本能がそれを覚えている。
身体がその場所は自分が生まれ育った場所でない事を教えてくれている。
そのくせ、この場所は…以前にも来た事ある様な感覚もある。
一体何が起きているのかさっぱり解らないが…。
それにしても知らない場所である筈なのに…。
今の状況を全く知らない筈なのに…。
―――僕は…多分、『知って』いるんだ…。この…今立っている、この世界を…。
そんな風に考えながら…周囲の様子を窺う。
それは…ライは思った。
―――この緊張感…初めてではない…。
と…。
以前にもきっと、こう云った場面に出くわしている。
でも、それは頭では覚えていなくて…身体が覚えていると云う感じだ。
身体が教えてくれる…彼の記憶…。
しかし、そんな事を考えていられる余裕などないと云う事はすぐに解る。
先ほど、光った場所から銃声が連発して聞こえてきた。
恐らく、先ほどからこの辺りを騒がしている軍人の誰かが撃ったものである事は容易に想像が付く。
しかし…こんな誰もいないところ…。
しかも、確かにテロリストが隠れている可能性もあるが、作りから見て、テロリストが隠れ場所にするには余りに目立ち過ぎるし、こんなところに逃げ込んできたら袋のねずみになる事くらいは想像付きそうなものだ。
―――そんな事も想像できない程の、テロリストなのか?そんな相手に今この辺りを横行している軍人たちは出動しているのか?

 頭の中でも色々な可能性やら、この場の現状把握から導き出される様々な物がぐるぐると回っている。
そんな自分を少々自嘲したくなるが…。
―――どうやら僕は…こうしたところに立った事があるらしいな…。
非常に冷静だ。
恐らく、そう云った経験のないものがこんなところに立っていたら、平常心ではいられないであろうことも頭の中で冷静に分析しているのだ。
少なくとも、恐らくこの、崩れかけの建物の中でも軍人に怯えながら隠れている人々よりもこう云った場面でどうするべきか、どんな可能性があるかを判断できるだけの『経験』がある事だけは良く解った。
先ほど、何発か銃声が響いた後…。
この周囲には恐らくKMFや装甲車が先ほどよりも殺気だったような音を上げながら移動しているし、ライが隠れている周辺にもどたばたと軍人たちの足音が聞こえる。
とりあえず、自分が何者であるか解らない以上、のこのこと軍人の前に出て行くのは自殺行為だ。
どう見ても戦争と云うよりも反体制勢力の鎮圧をしているように見える。
だとするなら、身元がはっきりしないライが軍人に捕まればロクな事にならない。
その事だけは良く解る。
とりあえず、ライが逃げ込んだ場所は、恐らく、テロリストたちがいざという時に身を顰める為に用意されていたものなのかもしれない。
非常に外の様子を窺い易いが、外からは解り難くなっている。
息を潜めていれば見付からないと云う確信を持てた。
良く出来ていると思うが…。
そう思った時…。
外では更に大きな戦闘をしている音が聞こえてきた。
「KMF同士の…戦いか…?」
そんな事まで何の疑問も抱かずに言葉に出した。
それは…一体何を示しているのか…。
どう見ても正規軍と反体制勢力との戦いに見える。
だとしたら、テロリスト側は正規軍に対して真正面からぶつかるような真似はしないだろう。
理由はある。
正規軍の方が遥かに軍備を整えているからだ。
そして、真っ向勝負で勝てる相手であれば、今頃、こんな反体制勢力がテロを起こしたりはしない。
だからこそ、テロリストは周囲の目から見て『卑怯』な手段を取ることが多い。
街中のゲリラ戦や公共施設や交通網の不当占拠などは戦力を温存しながら、相手にダメージを与える事の出来る手段である事は確かだ。
ただ、正攻法とは云えないし、それを鎮圧する側にとっては非常に面倒な相手となるので、鎮圧する側は『卑怯』というレッテルを貼る。
そもそも、正規軍と対等に真正面から戦えるだけの力があれば、正規軍側も相手の話しを聞く耳を持たざるを得なくなる訳だが…。
実際に、反体制勢力側はゲリラ戦を繰り広げるしか術がないと云う事だ。
それだけの力がないから、結局は、こんな形での悲劇を生みだしている…と云う事なのだろうか…。
状況を見ていると…どうやら、あの正規軍の方は進駐軍…のようにも見える。
恐らく、戦争をしてこの国が負けて現在、どこかの国の支配下にあると云う事か…。
だとするなら、力が小さくとも、抵抗しようと云う芽は次から次へと出て来そうなものである。
「にしても…さっきの光と銃声は…」
この辺りの軍人たちの靴音が小さくなった事に気づいた。
そして…ライがそう、口に出して呟いた時…
「心配はいらん…」

 後ろから声をかけられた。
そして、振り返ると…なんだか…。
非常に違和感を覚える黄緑色の髪の長い…そして、良くは解らないが、囚人の高速服の様な服を着て立っていた。
それだけでも驚くべき光景なのに…。
その白い拘束服には血痕が残っている。
普通は、袖口や腰のベルトがその身体を拘束すべく、占められている筈なのだが…。
その少女の来ている拘束服は…それらがすべて解かれている状態であった。
「え?…あの…君は…?」
ライが恐る恐る…と云った感じでその少女に声をかけた。
そのライの声に、その少女はふっと笑った。
「私は…まぁ、どう云っていいかは困るのだが…。そうか…お前が例の男か…」
ライの質問に答える事無く、独り言をぶつぶつと呟いていた。
ライを見て、質問には答えず、勝手に納得しているのだ。
正直、これは見ていてあまり気持ちのいいものではない。
ライが少し、ムッとした表情を見せる。
しかし、目の前の少女は相変わらず不遜な態度のままで、ライの事などお構いなしだ。
「君は…一体何をして軍に捕まったんだい?それ…拘束服だろ?作りを見ると、恐らく、刑事事件で捕まったって、そんなものを着せられる事はない…。恐らく、軍の重大な軍紀違反でも犯したか、テロリストか…そんなところに見えるんだけど…」
ライの言葉に…。
C.C.と名乗ったその少女が一度、ライを睨みつけるように見てから、ふっと笑った。
「なるほど…話しの通りだな…。記憶はなくとも…その能力は消えない…と云うところか…」
「!」
彼女の言葉にライの表情が変わる。
そして、彼女はまた、クスッと笑った。
「お前な…。もし、私が何者かを捕まえる為のおとりでこんなものを着せられていたとしたらどうするんだ?あまりバカ正直に顔に出すな…」
彼女の言葉にライはぐっと奥歯を噛み締める。
確かに、彼女の云う通りだ。
記憶がないし、解っている事は『ライ』と云う名前と、自分の身体が教えてくれる、身体にしみついている記憶の中身だけだ。
そんなもの、話しをしたところでそのまま受け入れて、納得できる者などいる訳がない。
特に、軍の様にそう云った事に対して警戒心をむき出しにするような組織であればなおさらだ。
「まぁ、相手が私で良かったぞ…。とりあえず、お前の事は私が面倒見てやる…。まぁ、身分証明書がないのは私も同じ…だが…」
云っている事が…結構めちゃくちゃだと思うが…。
ただ、彼女自身、この世界の理を知っていてこんな風にあっけらかんとしている様に見るのは確かで…。
何も解らないライにとっては彼女がこうして声をかけて来てくれた事に感謝すべきなのだろうか?
良くは解らないが…。
それでも、一人でふらふらしているよりも遥かにまし…と云うところであると考える。
実際にこんなところにいつまでもいたところで、軍人に見つからなくても、先ほど、正規軍を相手にしていたテロリストたちに見つかる可能性は高いのだ。
正直、そんな面倒な事に首を突っ込むのは御免だ…。
そう思っていると…。
「今のこの世界で…身分証明も出来ない奴が騒ぎに巻き込まれない…と云うのはあり得ない話しだ…。否、古今東西…その社会に認められていない存在はどうやったって何かに巻き込まれるぞ…」

目の前の少女は…一体どこまで本気で云っているのだろうか?
どう考えても初対面の相手だ。
そして、その相手がなんだか自分よりも自分の事を知っている…。
そんな風に思える。
そう思った時…
「その通りだ…。少なくとも、記憶のないお前よりもお前の事を私は知っているぞ…」
さっきから、全て彼女に自分の頭の中を読まれているかのように彼女の口から色々な物が出て来る。
「僕の事を…知っている…?」
「ああ、ちょっとな…。まぁ、少なくとも私がこんなカッコしている時点で私がその辺の学生には見えないだろう?」
「確かにね…」
彼女の一言にライは素直に答えた。
恐らく、初めて素直に返した…。
「まぁ、ちょっと事情があって、今のお前は記憶が封印されている…。恐らく、お前にとってはその方が幸せかもしれないが、何れ知りたいと思うだろう事は予想出来るが…」
彼女がさっきから良くぺらぺらと良く喋っている。
確かに彼女の云う通り、彼女はその辺の中高生には見えない。
今、着ている衣服だけではなく、その醸し出されている雰囲気でもそう…見える。
「今は…生きる為にその気持ちも記憶と一緒に封印しておけ…。きっと、必要になれば…解放されるからな…」
この辺りは行っている事が良く解らないが…。
それでも、何も解らないライにとっては彼女の力を借りざるを得ないと云う…その判断だけはしっかりと下せる。
「とりあえず…君の話しを聞いている限りは…。今の僕が頼りに出来るのは…君だけって判断出来るけれど…。そう云う事なのかな?」
「まぁ、他の連中に連れて行かれるよりは多少まし…と云う程度だがな…」
「今の状態が正直、あまり僕にとってあまり喜ばしい状況でない事は解るよ…。とりあえず、身の振り方が決まるまでは君を頼りにさせて貰おうかな…」
「見かけによらず結構尊大だな…」
「それはお互い様だ…。それに、君が僕の事を知っていると云うのなら、僕は君について行くのが賢明だろう?僕がどうしてここにいるのかも、ここがどこなのかも解らないんだ…」
「状況把握が早い奴は助かるな…」
そう云って、彼女はふっと笑う。
敵ではないかもしれないが…味方でもない…。
ライはそう判断した。
とりあえず、自分に害が及ばない内は彼女と行動を共にした方が賢明だと…。
そんな風に思えてきた。
先ほどまでの自分を思い返してみれば、自分自身、ある程度の身の危険を察知できるだけの能力があると判断出来そうだ。
「済まないが…暫く世話になる…」
「私としては私の計画を遂行したいんでね…。その為の布石だ…お前は…」
「なら、僕も遠慮する必要はないって事か…」
「口が減らんな…」
二人の会話は…。
今会ったばかりの相手と話している様には聞こえないけれど…。
「僕はライだ…」
「私はさっきも云った…。とりあえず、ついて来い…。きっと、この先のお前の生きて行く道が何本も見えてくる場所に連れて行ってやる…」
彼女のその言葉は…。
正直よく解らないが…。
でも、何となく…その言葉に惹かれている自分がいる事に気付きながら…敢えて、無視する。
自分がここに来た理由と意味は…。
きっとその先にあると…そう判断出来た…。

To Be Continued

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posted by 和泉綾 at 23:48| Comment(0) | TrackBack(0) |

2010年11月28日

質問(BlogPet)

きょうスザクは震えも見え隠れしなかった。
だけど、和泉綾は策力っぽい質問しなかった?

*このエントリは、ブログペットの「スザク」が書きました。
posted by 和泉綾 at 11:32| Comment(0) | TrackBack(0) |

2010年11月26日

ふと思いついて書いた1時間仕上げ小説220

黒猫ルルにゃん17



 あの時…ルルーシュの衝撃的な言葉により、再起不能になったかと思われたルルーシュの異母兄…シュナイゼルは…。
「ロイド!私のルルーシュはどこへ行った!!」
もの凄い剣幕でロイドの職場に乗り込んできていた。
そして…
「まぁ…シュナイゼル異母兄さま!ルルーシュは私のルルーシュです!ルルーシュにあんな事とか、こんな事とか、あまつさえそんな事までしていいのは私だけです!」
「シュナイゼル異母兄さま!ユフィ異母姉さま!全力で間違っています!お兄様は私のお兄様です!ユフィ異母姉様…思いっきり物騒な発言をかまさないで下さい!」
「何を云っているの!ナナリーだって同じ事を考えているくせに!」
「いいえ!私はそんな事を考えてはいませんわ…。ただ、お兄様が眠っている時…猫の姿になってパジャマの中にコソコソっと…」
「おや…ナナリー…君は意外といい事を思いつくんだね…。私もそれをしてみたいね…」
とまぁ…完全に煩悩を吐きだしている状態となっていた。
尤も、シュナイゼルに関しては、今のところ、ロイドにルルーシュの行方を訊ねているだけで、煩悩を暴露はしていないのだが…。
物騒な発言をかましているのはユーフェミアとナナリーだ…。
「ナナリーったらズルイ!私もそれをやりたい!」
既に話しの種子が変わっている様である…。
そのうるさい云い争い(?)を背後に聞きながら…。
ロイドはルルーシュが作って置いて行ったプリンの最後の一つに手をつけようとしていた。
プリンと云うのは市販のぷっちんプリンならともかく、手作りのプリンの賞味期限は非常に短い。
前日にルルーシュがスザクに休みをくれたお礼と云う事でルルーシュがロイドの為に10個、プリンをおいて行ったのだが…。
一晩で残り一つとなっていた。
「ん…この匂いは…」
シュナイゼルがどうやらプリンの匂いに気づいたらしい。
人間であるセシルは驚いた顔を見せるが、猫の嗅覚は人間の嗅覚よりも遥かに鋭いのだ。
「あ…これはルルーシュのカスタードプリン…」
「お兄様のプリンですか?あ、ロイドが持っています!」
「ゲッ…」
このメンツが揃っている中で食べようとしているロイドが間抜けなのだが…。
ロイドがそのプリンを守る様に3人を恐る恐る見ている。
ルルーシュの手作りプリンはここには一つしかない。
昨夜、ロイドは一人で9つ食べてしまっていたのだ。
何故、この時間に1つだけ残っていたのかと云えば…。
単純に仕事で呼び出しをくらったからであり…実は、楽しみを先延ばしにされそうになったところをセシルに首根っこを掴まれてずるずると引っ張って行かれたのだ。
そして、ようやくありつけたプリンだから…守る為に必死である。
気持ちは解らないでもないが…このメンツがいる中で食べようと思うこと自体、少々無理があるのではないかと云うツッコミは敢えて、明後日の方向に追いやっておこう。
「ロイド!私のルルーシュを隠した上に更にはルルーシュ手作りのプリンまでも一人占めしようと云うのか!」
「ロイド!貴方は皇族に対して逆らうのですか?」
「それは…国家反逆罪に問えないんですか???」
3人が好き勝手な事を云っている。
こう云った時にこの発言を一つ一つ実行されていたら、恐らくロイドは100回死んでも足りないだろう。
今更なので、ロイドも動じないが…そんなロイドにセシルが一喝入れる。
「ロイドさん!あんまりバカな事ばかりしているとプリンは没収です!」
その一言で、ロイドは押し黙り…。
セシルのそのオーラを見た皇族3人…ポカンとその姿を見ていた。

 職場ではそんな騒ぎとなっていたのだが…。
当のルルーシュとスザクは…。
大掃除の疲れでそのまま寝てしまったらしく…到着当日はとりあえずルルーシュを溺愛する異母兄妹達にとっては『事なきを得た』ようである。
とはいっても、まだ二日目だ…。
スザクがそんな風に構えていたら、さっさと1週間など過ぎ去って行くだろう。
ただ…今回は天もスザクに味方をしたらしい。
「みゃあ!」
そう云って寝室のベッドから這い出てカーテンを開けたルルーシュがまだ、ベッドにもぐりこんだ状態のスザクに声をかけた。
一応、解説すれば、この寝室には二つのベッドがあり、ルルーシュが窓側のベッドを使い、スザクが廊下に続く扉側のベッドを使っていたわけだが…。
「ん…どうしたの…?ルルーシュ…」
「みゃあ!みゃあみゃあ!」
ここは山間部の別荘地…。
平地よりも冬の訪れは早い。
そして、今年はラニーニャ現象と恐らく、地球規模の異常気象によって夏が長く、秋はあっという間に消え去ったと云う…中々寂しい年ではあったのだが…。
ルルーシュの声に促されて外を見ると…
「ああ…雪だね…。僕、多分、この時期に雪を見るのは初めてだな…。この辺り、冬が早いとは聞いていたけれど…今年は変な気候だったからかな…」
スザクがそう云いながらルルーシュの後ろに立った。
窓からはひんやりとした空気を感じる。
いくら暖房があるとは云っても、パジャマ姿で外は雪が降っている状態で窓際に立っていたら寒いに決まっている…。
「ルルーシュ…そんなカッコで寒いだろう?それにこれだけの降りだと…お昼頃には地面も白くなるかもしれないよ…」
「みゃ?みゃみゃあ…。みゃあ…」
ルルーシュがスザクに促されつつも…何となく名残惜しそうに窓を見ながらそんな事を云った。
「東京じゃ、滅多に雪なんて降らないしね…。ルルーシュはあの時、どのくらいこの世界にいたの?」
「みゃあ…。みゃあ…みゃあ…」
考え込んでいるそぶりを見せて…。
そして、スザクの手に『紅葉は見た』と書いた。
「そっか…あの時点でこっちに来てからそれほど経っていなかったって事か…。まぁ、あの状態では放っておいたらルルーシュ…飢え死にしていたかもしれないもんね…」
スザクは自分でそこまで云って…さぁ〜〜〜と青ざめてきた。
―――もし…僕がルルーシュと出会わなかったら…世知辛いこの日本の中でも更に世知辛い東京では…
そう考えると、あの時、驚きはしたものの、ルルーシュを連れて帰った自分を褒めてやりたくなった。
「あの時の僕…偉いぞ…。良くやった…」
口の中でぼそりと呟いた。
「みゃ?」
ルルーシュがスザクのその一言をきちんと聞いていたかどうかは知らないが、怪訝そうにスザクを見た。
「ううん…何でもないよ…」
スザクが適当に笑って誤魔化した。

 外の天気は…どんどん雪が強くなって行っている。
「みゃ…みゃみゃあ…。みゃあ…」
ルルーシュが外を見ながら不思議そうに何かを云っている。
何か、納得できないと云った感じなのだが…。
恐らく、ルルーシュは、ネットか何かで『雪』の資料を見たのだろう。
そして、ルルーシュにしてみると、何となく違うと云いたいと判断した。
雪と一口に云っても霙の様な水っぽい雪であれば、粒が大きく、そして落ちたらすぐに消えてしまう。
しかし、粉雪の様な雪は粒が小さい。
そして、その粉雪に近い雪は解けにくく、積り易い。
今降っている雪は…どうやら、積もるタイプの雪らしい…。
「ああ、それは上空の気温の問題もあると思うんだけど…雨粒が凍って雪になるんだけど、気温が高めであれば雪は落ちてくる間に水っぽくなって、低いと凍った状態でさらさらした雪になるんだ…」
「みゃあ…みゃみゃあ…」
ルルーシュがスザクの言葉にそう返した。
何を云っているのか、良く解らないけれど…。
そう云えば…初めて会った時にはルルーシュは猫の姿で…。
でもって、猫の姿のまま食べ物を強請ってきた…。
人間の言葉で…。
それが…今は一緒に暮らして…ルルーシュは人間の事をちょっと勘違いしながらも、頑張って勉強して、スザクと一緒にいる為に色々してくれている。
「ルルーシュ…雪は初めてなの?」
スザクがそう訊ねるとルルーシュはこくこくと頷いた。
きっと、ルルーシュの暮らしている『猫帝国』とやらは温暖な気候なのだろうと思った。
「じゃあ…こう云う寒いのって…辛いと思う事はある?」
スザク自身、一体何を訊いているのだろうと…思いながら、質問を続けている。
その質問にはルルーシュはふるふると横に首を振った。
「どうして?」
ルルーシュのその返事にスザクがそう、訊ねた。
猫の鳴き声しか音に出す事の出来ない今のルルーシュに…。
スザクに解る言葉で答える事が出来ない事を解っているのだけれど…。
思わず訊ねてしまった。
スザクの解らない言葉で話す時のルルーシュだから…訊けた事なのかもしれない…。
暫くの沈黙が続く。
スザクはルルーシュが困ってしまっているのだろうと…そんな風に思っていたが…。
「……から…」
今、言葉を出したのはスザクではない。
スザクは声を出していないのだから…。
しかし…猫の鳴き声以外の『言葉』を聞いた…。
「え?」
スザクが一瞬止まって、やっと出てきたのは、ひらがな一文字だった。
「…って…スザクの…傍にいれば…温かいから…」
その先に続いたルルーシュの言葉は…。
ここまで、ルルーシュが猫の鳴き声しか出せなくなってしまったのは、スザクの所為だと云う思いがあっただけに…。
スザクは動きを止めた。
「ルルーシュ…?」
恐る恐る、スザクがルルーシュの名前を呼んだ。
「あ…俺…」
どうやら、ルルーシュも気付いていなかったらしく…本人も驚いている様子だ。
二人の間にある空間は約1.5メートル…。
その空間に…静寂が訪れた…。
その時間が一体どれほどの時間なのか…。
長いようにも…短いようにも…感じてしまうその時間…。

 先に動いたのは…
「ルルーシュ!」
そう、ルルーシュの名前を呼んでその二人の間の距離を簡単に狭めて…。
そして、抱きしめたスザクだった…。
人間の姿でも…きっと苦しい程の力で…。
その時のスザクに、その力加減を出来る程の精神的余裕はない。
自分が何を考えているのかも解らないし、何を感じたのかも解らない。
ただ…ルルーシュの細い身体を力いっぱい抱きしめていた。
そして、抱きしめられているルルーシュに伝わる…。
スザクの身体の震え…。
小刻みにスザクの身体が震えている事が解るし、泣きそうになって我慢していて、逆に嗚咽が我慢できなくなっていると云う…。
そんな感じに思えた。
そんな状態のスザクに…スザクの力で力いっぱい抱きしめられて、苦しいし、接触している部分は相当痛いのに…。
でも、ちょっとの間だけ…ルルーシュはそんな状態にある事を体で感じる事が出来なかった。
ただ、ルルーシュの身体に触れているスザクの身体が震えていて、力いっぱいルルーシュの身体を抱きしめていると云う事だけは…きちんと解るが…。
苦痛を感じる事はなく…。
スザクのぬくもりとスザクの気持ちをひしひしと伝えて来るその震えと必死にスザクが我慢している嗚咽を感じていた。
「ルルーシュ…ルルーシュ…」
スザクがやっと、声を出したかと思ったら…ただ、ひたすらルルーシュの名前を呼び続けていた。
ずっと、心配していたのは知っている。
頭の中で理解していた。
でも、こんなに全身で感じさせるのは…。
スザクの中で緊張の糸が切れたからなのかもしれないと…ルルーシュはぼんやり思った。
普段であれば、これだけ強い力で抱きしめられていたなら、痛みとか、息苦しさとか、感じている筈なのに…。
でも、今はそう云った物は一切感じる事が出来なかった。
そして、ルルーシュが自分の両腕をそっと持ち上げて…スザクの背中にまわした。
背中にまわした腕から更にスザクが震えていて、嗚咽を漏らしている事が良く解った。
「ごめん…スザク…。心配…かけた…」
ルルーシュが小さくそう云った時…初めてスザクの抱きしめているその力が強過ぎて、呼吸がうまくできておらず、声がうまく出て来ない事に気が付いた。
「違う…ルルーシュの所為じゃない…。僕が…僕が…」
これほどまでにスザクは自分を責めていたのかと…初めてルルーシュは知った。
そして、少しだけもがいて、スザクの腕を緩めて欲しいと云う意思を伝える。
その事から、スザクは少し不安になった様で、顔をみるとすごく不安そうな顔をしている。
ルルーシュは少しだけ困った顔をしてスザクの頬に流れている涙をぺろりと舐めた。
スザクの表情が不安そうな表情から、驚いている顔に変化する。
そして、何かを耐えているような表情になる。
「スザク…?どうした?どこか…痛いのか…?」
ルルーシュの子供みたいな質問…。
普段ならここで止める事が出来たのに…。
今は…。
「ごめん…ルルーシュ…」
そう云って、スザクがルルーシュの身体をふわりと持ち上げた。
そして、先ほどまで眠っていた寝室へとルルーシュを運んで行く…。
流石のルルーシュも…スザクが何を考えているのかが解り…胸がドキドキし始めていた。

 先ほどまでスザクが眠っていたベッド…。
二つあったとはいえ、二人で眠っても大丈夫なほど大きなベッドで…。
ビジネスホテルなら普通にダブルとして利用されている様な大きさだった。
そのベッドの上にルルーシュをそっと下ろした。
それこそ、大切な…壊れものを、クッションに置く様な…そんな感じだ。
スザクの表情は…。
―――こんなスザクの顔…見た事無い…。
そんな風に思えるほどその顔は…真剣で…。
と云うか、いつもルルーシュの心配をして説教する時の真剣な顔ともちょっと違うと思った。
なんだか…怖いと思えてくるような…。
そんな表情…。
さっきまで泣いていたのに…と思うが…。
「ルルーシュ…この先…ずっと…僕と一緒にいて…。僕と一緒にこの世界で泣いたり、怒ったり、笑ったり、時にはけんかしたり…。そんな風にしたい…。だから…僕とずっと一緒にいて下さい…」
ルルーシュの上に覆い被さる様な体勢でスザクがルルーシュに告げている。
まるで、逃げる事は許さない…もし、断る様な事をしたらルルーシュが『はい』と云うまでそこを動かないし、ルルーシュも動かさない…と…。
無言でそう云っている様な表情だ。
敬語を使っているくせに…雰囲気が命令的である事に…ルルーシュの身体がふるりと震えた。
返事をしなければ…と思うのに…。
スザクのその、これまで見た事のないまなざしにルルーシュは言葉を紡ぐ事も、こくりと頷く事も出来なくなっていた。
「ルルーシュ…返事は…?」
スザクはそんなルルーシュの事情を知ってか知らずか、中々返事が出来ずにいるルルーシュに訊ねてきた。
―――答えたいのに…。俺、スザクと契約して、一緒にいたいって…そう云いたいのに…。
ルルーシュの頭の中ではそんな焦りで満たされている。
こんなスザクを見るのは初めてだったから…と云う事もあるかもしれないし…。
まるで予想外の状態で、ルルーシュの優秀な頭もうまく機能していない様である。
何となく察したのか…スザクがクスッと笑った。
「じゃあ、これから、僕がルルーシュにキスするから…もし、『はい』って事だったらちょっとだけ口を開いて…。口を開かなかったら…僕がこじ開けてあげるから…」
云っている事がむちゃくちゃだ…。
ルルーシュはそんな風に思う。
ルルーシュの意思なんて聞くつもりはないと…はっきりそう云っているのと同じだから…。
でも…いつもと違うスザクに…胸がドキドキしているのは解る。
そして…スザクがルルーシュの両頬をスザクの両手で包みこんで…。
ルルーシュの唇にスザクの唇が重なった…。
ルルーシュの答えなんて決まっていたから…。
最初から…その答えの状態になっている。
―――なんで…目を閉じているんだよ!
心の中で悪態づきながらも…ルルーシュにとって、初めての『恋人』のキスを…受け入れていた…。
最初は悪態づく余裕があったルルーシュだが…スザクのその口付けに頭がぼんやりして来て…。
自分自身も目を閉じてしまった事に…。
気付いていたのか、いなかったのか…。
知る術はないのだが…。
ただ、ルルーシュはスザクのキスをひたすら…『OK』の返事の状態で受け入れていたのだった…。

END

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posted by 和泉綾 at 23:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 二次創作(単発もの)

ちこっとお知らせです。

ご無沙汰しております。
和泉綾です。
えっと、冬コミの原稿は脱稿して、入稿するだけの状態となっておりますが…。
現在、知らなかったんですが…。
画像はないのですが、プリンセスサイドさんの方で予約受け付けが開始されていました。
リンクを張っておきますので、通販でご購入をお考えの方はこちらからご予約をお願い致します。

少しだけあらすじを云いますと…。
ルルーシュはある巨大組織の跡取り息子で、スザクはあるきっかけからルルーシュの護衛役となっています。ルルーシュには婚約者がいたり、ルルーシュの命を狙ったり、ルルーシュの婚約者の座を狙うものがいたりと…結構複雑な状況に置かれている…という、結構ベタっぽい話しとなっております。
一応、シリアスなのですが、ところどころに笑いが入っております。
ちなみにちょっとだけ大人のシーンも加えてあります。
今回も1冊で終わらなかったのですが…。
よろしければお手に取って下さいませ…。

Un sanctuaire solitaire (前編)

完全パラレルでいろんなところに予想外のフラグをばらまいてあります。
よろしければお手に取ってやって下さい。
宜しくお願い致します。

ひょっとしたら、この本も『Miss Rain2』同様、書店さんの取り扱いが終わるまでは自家通販はなしになるかもしれませんので、通販でご購入をお考えの方は、書店さんでお願い致します。

細々と、ランキングに参加中…。この記事を読んで、お気に召して頂いた方は、お手数ですが、バナーを一回クリックしてください。拍手ページは10ページほどの対談(2010/10/30更新)を用意しています。
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posted by 和泉綾 at 18:15| Comment(0) | TrackBack(0) | おしらせ

2010年11月21日

冬コミの原稿…脱稿しました…(BlogPet)

和泉綾の「冬コミの原稿…脱稿しました…」のまねしてかいてみるね

こんばんは、なぜにお入り下さい)

*このエントリは、ブログペットの「スザク」が書きました。
posted by 和泉綾 at 11:00| Comment(0) | TrackBack(0) |