2009年08月21日

僕たちの学園生活シリーズ

真夏の夜空



 アッシュフォード学園は現在夏休み…
と云っても、その夏休みも半分以上が過ぎている。
大抵の生徒たちはまだ残る多くの宿題をどうしようか悩み始めるころだが…
その辺りは結構要領よくこなしているルルーシュはそれほど心配していない。
と云うか、ルルーシュとしては、同居人のスザクの宿題の心配をしなくてはならないので自分の宿題など、さっさと終わらせておかないとまずい事をこれまでの経験でよく知っている。
スザクの場合、根は真面目なのだが、ルルーシュに『体力バカ』と言わしめる程の運動人間だ。
初日から頑張るも…ルルーシュほどコンスタントに夏休みに出された課題をこなす事が出来ない。
と云うか、スザクの場合、スポーツ万能と云う才能でかの名門校、アッシュフォード学園に通っているのだが…
しかし、勉学も重んじるアッシュフォード学園では、いくらスポーツだけ出来ても意味はなく、ある一定の学業の成績を残す必要があるのだ。
また、運動が苦手なルルーシュも同じ事が云えるのだが…運動神経と云うのはどうしても持って生れた才能が大きく関わっており、普通の人間ではどれ程努力しても乗り越えられない壁が当然ながらあるのだ。
まぁ、勉学も同じ事が云えるのだが…
文武両道を掲げるアッシュフォード学園では、ルルーシュとスザクが一人になるとちょうどいいと云えるのかもしれないが…
ただ…ルルーシュは『要領がいい』という才能を持ち合わせていたおかげで、体育の授業もその『要領の良さ』で何とか乗り切っている。
スザクの場合…その『要領の良さ』がないので、こういった長期休みに出される宿題に関してはルルーシュに頼る事になるのだが…
しかし、スザクの場合、全ての才能が運動能力に持って行かれてしまっているらしく…いつもテスト前であるとか、長期休みの宿題とか、ルルーシュがいなければどうしていたのかと尋ねたくなるような状況に陥るのだ。
今年は…スザクは夏休み中もルルーシュのマンションにいる事となったので、とにかく…ルルーシュと一緒にきちんと宿題をこなしてから遊びに行くという生活をしていたおかげで、これまでにない程気楽な夏休み後半を迎えている。
ただ…夏休みが始まった当初は完璧主義なルルーシュの下で、それこそ、スパルタ教育と云うべきルルーシュのしごき(?)で大変な目には遭っているのだが…
それでも、それなりにバランス感覚のあるルルーシュは
『今日の分の課題が終わったら、お前の好きなおかずを夕飯に作ってやる…』
と云う事で、頑張らせた。
実は、ルルーシュの料理の腕前と云うのは、プロ並みなので、スザクとしても、自分の好きなおかず…しかも、毎日違うものを云っても必ずそのスザクのリクエストしたおかずを作ってくれるルルーシュのお陰で毎年、非常にたくさん出る夏休みの宿題をこつこつとクリアして行った…

 そのお陰もあって…日本のお盆近くに集中している花火大会では…ルルーシュもスザクも余裕を持ってみに行く事が出来るのだが…
しかし、大規模な花火大会と云うのは、どんな状況であっても人が集まって来るもので…
場所取りが大変なのだ。
ルルーシュとしても自分の実家の権力を使って特等席と確保するという事を極端に嫌うので…
ルルーシュが花火を見たいという事を知ったらいらん事をする父親や異母兄にばれないように計画を立てていた。
しかし、普通に身に行くのもそれはそれで大変だ…
元々人混みを嫌うルルーシュ…
スザクとしても何とか特等席を…と考え、夏休みが始まったばかりの頃から宿題をやったお陰で、時間的に余裕を持っていたので…何とか、人混みに紛れることなく、それでも、ちゃんと見られる場所を一生懸命探した。
まぁ、ルルーシュの恋人であるカレンも今日の花火大会には一緒に付いてくる事になるのだが…
スザクとしては、ルルーシュと二人で…と云う風にしたいのだが…
しかし、その辺りはどうしようもないという部分もあり、また、ルルーシュに嫌われるのを極端に恐れるスザクは涙をのんでいる。
そして、漸く見つけた特等席…
ちょっと、ルルーシュは体力的に大変かもしれないが…
それでも、その場所は、多分、人があまり来ない場所だ…
と云うか、夏場であれば、訪れたいと思う人間とそうは思わない人間がいるだろうが…
しかし、花火大会の日にそう訪れたいと思うものは多くないと思われる場所なのだが…
「……この辺りで有名な心霊スポット…?」
「うん…まぁ、幽霊とか怖いとか思わない人なら平気かな…と思って…。帰るときは、心霊スポットって云うだけあって…薄気味悪いと思うけどね…」
「まぁ…俺はそう云った非科学的なものに興味はないが…」
ルルーシュとスザクが花火大会へ行こうという計画を話しあっているが…
その中にはカレンとナナリーもいる…
「まぁ…心霊スポットですか…。私でもいけるでしょうか?」
心なしかわくわくしたような表情を見せながらナナリーがスザクに尋ねる。
「うん…必要なら僕がおぶっていくし…簡単だけど、腰掛けられるところ…ちゃんと作ってきたから…」
「いつの間にそんな事をしていたんだ?」
ルルーシュが楽しそうにそんな事を云っているスザクに呆れ顔で尋ねる。
「うん…今年もルルーシュのお陰で夏休みの宿題…もう殆ど終わっちゃったからね…。運動部の助っ人の帰りに少しずつ準備していたんだ…。お盆時期はどうしても心霊スポットマニアが集まっちゃうから…お盆が過ぎてから準備しているから…相当簡単なものしか出来なかったけどね…」
その表情は…本当に楽しそうだ…
こう言う時のスザクの表情は…本当に見ていて…みている方が幸せになれる様な気がするのだが…
しかし…そんな中…一人だけ…うかない表情をしている人物が一人…

 さっきから話に入ってこない人物が気になったのか…ルルーシュが声をかける。
「カレン?どうした?」
ルルーシュのその一言にカレンがびくっと肩を震わせる。
「え?あ…別に…」
カレンのその様子に…スザクが、何かに気づいたようだった。
「ねぇ…ひょっとして…カレンって…心霊スポットとか…苦手な人???」
その言葉にぎくりと反応を返した。
「べ…別に…」
一生懸命取り繕おうとするカレンの姿に…3人は同じ事を考える…
―――あ…怖いのか…
と…
「大丈夫だって…一人で肝試ししようっていう訳じゃないし…」
「そうですよ…。大丈夫ですよ…。お兄様やスザクさんがいますから…」
「カレンにそんな弱点があったなんてね…」
三人三様…勝手な事を云っているが…
「怖い訳じゃないわよ!別に…子供じゃあるまいし…」
カレンが躍起になってそう怒鳴るが…
逆に、聞いている方は更に確信を持つだけの結果となる。
中々解りやすい女である。
「やめておくか?そんなに怖いなら…」
ルルーシュのこの一言でどうやら、カレンに火をつけてしまったようである。
「バカにしないで!別に怖くなんてないわよ!それに…目的は心霊スポット巡りじゃなくて花火を見に行くんでしょ!行くわよ…」
半ばやけっぱちにも見えるが…それでも、本人が興奮状態とはいえ、行くと云っているのだから、止める理由はない。
ただ…この状況で連れて行って…花火を見ている間はいいが、買える時は大丈夫なのか…少々心配ではあるのだが…
それでも…
「とりあえず、午後7時に現地集合…と云っても、全員一緒に行く事になりそうだけど…。カレンは浴衣に着替えてくる?」
スザクがカレンに尋ねると、話題が変わった事でカレン自身が気を取り戻して普段のカレンに戻る。
「そうね…。着替えたらまた、ここに来るわ…。と云っても着替えてすぐに戻って来る事になりそうだけど…」
「解った…。じゃあ、俺たちも準備して待っているからな…」
カレンの言葉にルルーシュがそう答えると、カレンはルルーシュのマンションを出て行った。
カレンが部屋を出て行ったのを見届けると…
「カレンさん…なんだか、ホントは怖いと思っているように見えましたけれど…」
「確かに…そう云うのを嫌いな人は本当に嫌いだからね…。ナナリーは平気?」
ナナリーの言葉にスザクが尋ねるが…
「私…幽霊さんにお会いした事ないので…一度お会いしてみたいんです…。学校のお友達でも、色んなものが見えるお友達がいて…。でも私には見えなくって…。そのお友達は、なんだか、そう云う心霊現象が起きる場所に行って、そこで幽霊さんを見た後からそう云うものが見えるようになったって…云っていたので…」
目をキラキラさせながらそんな事を話しているのだが…
しかし…その『お友達』とやらが、カレンと同じような人間であれば…そんな能力はナナリーにくれてやりたいと思うだろうし、見えない人間だからそうも思えるのだろう…
「ナナリーなら…誰とでも仲良くなれそうだな…」
そんな風にナナリーに話しかけるルルーシュの方は…出来れば面倒な知人入らないという表情だ…

 準備を終えたカレンが戻ってきて、全員が揃ったところでスザクが準備した場所へと向かった。
途中…
「あれ?ルルにスザク君…。カレンと…ナナちゃん?」
声をかけてきたのは、ミレイやリヴァル、ニーナと一緒に花火を見に行こうとしていたシャーリーだった。
「こんにちは…ミレイさん、シャーリーさん、リヴァルさん、ニーナさん…」
「やぁ、リヴァル達も花火を見に行くの?」
「ああ…一応、場所取りは出来ているし…お前たちは?」
「スザクが、絶対に人の来ない特等席を用意してくれたんだが…リヴァル達もそっちに来るか?ちょっと虫さされの心配があるから、虫除けの薬は必要だが…」
とくに詳しく話す事はなく、ルルーシュがそう告げると…
「へぇ…そんなところがあるの?どこ?」
「ああ…あの、心霊現象で有名な丘の上の廃屋だよ…」
そこまで云った時…『ひっ』と声を上げたのはリヴァルとニーナだった。
こっちはカレンと違ってそう云った時の反応は素直だったらしい…
「ああ…よしよしニーナ…。私たちは遠慮しとくわ…ニーナはそう云うの苦手だし、リヴァルがこれじゃあ…頼りにならないしね…」
ミレイが二人の反応を見て苦笑しながらそう告げた。
「そっか…カレン…カレンも会長たちとそっちに行くか?」
ルルーシュがリヴァルとニーナの様子を見て、カレンにそう声をかける。
しかし、カレンがそこで素直に『Yes』と答える筈もなく…
「何言ってんのよ…ルルーシュ…。別に怖くないって云ってるでしょ!」
と、怒鳴って、先に歩いて行ってしまった…
このカレンの姿に少し苦笑してしまう…
少なくともアッシュフォード学園で最強の女生徒なのだが…やっぱり人間だから弱点はあるという事だ。
「じゃあ、俺たちはそっちの人の少ないところで見る事にするよ…。ナナリーを人混みの中に連れて行くのは避けたいし…折角スザクが見つけて準備してくれたからな…」
そう云って、今、会った生徒会メンバーたちと別れて、スザクが見つけた場所へと歩いて行く。
丘の上で…心霊スポットが存在するような場所だから…どうしても人の行きにくい場所で…道もそれほどいい訳じゃない。
「あ〜あ…浴衣なんて着て来るんじゃなかった…」
そうぼやくのはカレンだった。
それでも、花火を見に行くならやっぱり浴衣がいいと考えてものだったのだが…
スザクに花火を見る為の場所を聞いた時点で頭の中から浴衣と云う選択肢を切り離すべきだったと思った。
「確かに…道はあんまりよくないな…。大丈夫か?カレン…」
「別に…ちょっと動きにくいだけ…。ルルーシュよりはるかに運動神経はしっかりしているから…」
まだ、やや明るい筈なのだが…この道はどうも暗くて…懐中電灯が必要となっている。
確かに…薄気味悪くて花火を見に行くと云うよりも…心霊スポットに肝試しに行くような気分だが…

 やっと、スザクが準備した特等席についた。
周囲は確かに薄気味悪いが…スザクが相当頑張ったらしくて、花火を見る為の場所にはきちんと簡単なベンチが準備されていた。
そして、そのベンチに腰掛けた時…一発目の花火が上がった…
「わぁ…綺麗ですね…」
その一言をまず口にしたのはナナリーだった。
さっきまでこの薄気味悪い場所に顔をしかめていたカレンも顔をほころばせている。
花火…火薬を使った…空をキャンパスにした火の芸術…
その火薬も…使い方によっては人を殺す恐ろしいものになるが…。
しかし、使い方によってはこんな風に人の心を和ませる芸術となる…
色とりどりの花火が打ち上げられては…消えて行き…
夏の晴れた空を彩っている。
「綺麗だな…。ブリタニアにも花火はあるが…やっぱり日本の花火は違うな…」
「そうだね…。日本の花火職人って…この夏の為に…自分の技術を1年かけて芸術にするって云うし…」
「最近では、色んな形の花火が出来て…不思議よね…」
「日本の夏って…ホントに素敵ですよね…」
各々が花火を見ながらそれぞれの感想を口にする。
この花火大会が終わると…夏休みの終わりが近い事を皆が自覚し始める。
夏…暑い…イヤな季節でもあるけれど…
たくさんの思い出もある季節でもある。
ルルーシュとスザクが初めて会ったのも…子供の頃の夏休み…
「あの頃…俺自身は…こんな風に笑えるなんて…思ってなかったよ…」
スザクの隣でルルーシュがそんな事を呟いた。
ルルーシュの生まれた家の複雑な事情…
多分、スザクがいなければルルーシュは笑えなかった…
ルルーシュはそんな風に思っている。
実際に…スザクは自覚がなくても、ルルーシュ自身、スザクのお陰だと思う事がたくさんある。
「確かに…初めて会った頃は仏頂面ばっかりだったよね…。でも…あの時も花火大会に連れて行ったら…君は笑ってくれた…」
スザクが花火を見たまま、そうルルーシュに云ってやる。
子供の頃、父親の持つ別荘に行った時に…ルルーシュとナナリーはスザクと出会った…
そして…そこで友達になり…その年の後は…必ずその別荘に行くようになっていた…
夏休みが…楽しみだった…
「でも…花火大会が終わると…東京に帰らなくちゃいけなかったからな…。俺も、ナナリーも…楽しみだった反面、夏休みは終わりだと告げられるのが嫌だった…」
「それは僕も一緒だよ…。だから…僕、東京に来ちゃったんじゃないか…。僕、毎日が楽しいよ…こっちに来てから…ずっと…」
スザクが二人で並んで花火を見ているカレンとナナリーの後ろ姿を見ながら笑顔をつくる。
最近ではなくなったけれど…ルルーシュの複雑な事情をこの中で知っているのは…スザクだけだ…
「いいのか?このまま俺と一緒にいると…また、巻き込まれるかもしれないぞ?」
「別に…そんな事は気にしないよ…。そんな事よりも僕が君の傍にいたいんだから…。君のご飯がないと僕、生きていけないし…」
スザクの言葉に…少しだけ泣きそうになって…苦笑する…
「これからも毎年…皆でこの花火を見られると…いいな…」
ルルーシュは…大きく花開いた花火を見ながら…そう口にした…

END


あとがきに代えて



微妙に花火大会の時期には遅い気もするんですが…
花火ネタをやってないなぁと思いまして…
微妙にナナリーとカレンが邪魔ものっぽいですが…
このシリーズ、ホントはルルーシュの彼女がカレンと云う設定なんですけど…
和泉自身が拒否反応を見せるようになって、一気にカレンの扱いが悪くなっております。
まぁ、元々、二次創作始めて速い地味に始まっているので…この話…
まだ、本編でスザクがおっかない目をしていた頃で、カレンに対してそれほど負の感情を持っていなかった頃なので…
これから…ちゃんとカレンに対してもう少し冷静な扱いが出来るようになるまではあんまり書かない方がいいかなぁ…と思ってもいる訳ですが…

後…お気づきの方もいらっしゃるかも知れませんが、今日の未明、拍手のお礼ページを入れ替えました。
興味のある方はぜひ読破してみて下さい。


☆拍手のお返事


紫翆さま:こんばんは、コメントありがとうございます。
ホントに久しぶりの『騎士皇子シリーズ』でしたが…お楽しみいただけたでしょうか?
まぁ、無茶ぶりも限度を知らない…と云うのは怖いですね…
ミレイさんの無茶ぶりは結構絶妙なところで頑張っていますからね…(しかも、だれも逆らえないオーラを醸し出しているが故に、おそらく、無茶ぶりをされた方は自分の限界を超えた力を発揮している様にも見えますが)
まぁ、ちゃんと反省して、バカップルになってくれたので…これはこれでよいかな…と…
また、思いついたらこのバカップルを書いていきます。

お盆休みで実家に行っていて…帰ってきた途端に猛暑にたたきこまれて…結構しんどいです。
でも、去年と比べれはかなり楽な夏です。(去年の夏はそれこそ激やせしましたから)
ご心配頂きありがとうございます。
頑張ります。


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僕たちの学園生活シリーズ

真夏の夜空



 アッシュフォード学園は現在夏休み…
と云っても、その夏休みも半分以上が過ぎている。
大抵の生徒たちはまだ残る多くの宿題をどうしようか悩み始めるころだが…
その辺りは結構要領よくこなしているルルーシュはそれほど心配していない。
と云うか、ルルーシュとしては、同居人のスザクの宿題の心配をしなくてはならないので自分の宿題など、さっさと終わらせておかないとまずい事をこれまでの経験でよく知っている。
スザクの場合、根は真面目なのだが、ルルーシュに『体力バカ』と言わしめる程の運動人間だ。
初日から頑張るも…ルルーシュほどコンスタントに夏休みに出された課題をこなす事が出来ない。
と云うか、スザクの場合、スポーツ万能と云う才能でかの名門校、アッシュフォード学園に通っているのだが…
しかし、勉学も重んじるアッシュフォード学園では、いくらスポーツだけ出来ても意味はなく、ある一定の学業の成績を残す必要があるのだ。
また、運動が苦手なルルーシュも同じ事が云えるのだが…運動神経と云うのはどうしても持って生れた才能が大きく関わっており、普通の人間ではどれ程努力しても乗り越えられない壁が当然ながらあるのだ。
まぁ、勉学も同じ事が云えるのだが…
文武両道を掲げるアッシュフォード学園では、ルルーシュとスザクが一人になるとちょうどいいと云えるのかもしれないが…
ただ…ルルーシュは『要領がいい』という才能を持ち合わせていたおかげで、体育の授業もその『要領の良さ』で何とか乗り切っている。
スザクの場合…その『要領の良さ』がないので、こういった長期休みに出される宿題に関してはルルーシュに頼る事になるのだが…
しかし、スザクの場合、全ての才能が運動能力に持って行かれてしまっているらしく…いつもテスト前であるとか、長期休みの宿題とか、ルルーシュがいなければどうしていたのかと尋ねたくなるような状況に陥るのだ。
今年は…スザクは夏休み中もルルーシュのマンションにいる事となったので、とにかく…ルルーシュと一緒にきちんと宿題をこなしてから遊びに行くという生活をしていたおかげで、これまでにない程気楽な夏休み後半を迎えている。
ただ…夏休みが始まった当初は完璧主義なルルーシュの下で、それこそ、スパルタ教育と云うべきルルーシュのしごき(?)で大変な目には遭っているのだが…
それでも、それなりにバランス感覚のあるルルーシュは
『今日の分の課題が終わったら、お前の好きなおかずを夕飯に作ってやる…』
と云う事で、頑張らせた。
実は、ルルーシュの料理の腕前と云うのは、プロ並みなので、スザクとしても、自分の好きなおかず…しかも、毎日違うものを云っても必ずそのスザクのリクエストしたおかずを作ってくれるルルーシュのお陰で毎年、非常にたくさん出る夏休みの宿題をこつこつとクリアして行った…

 そのお陰もあって…日本のお盆近くに集中している花火大会では…ルルーシュもスザクも余裕を持ってみに行く事が出来るのだが…
しかし、大規模な花火大会と云うのは、どんな状況であっても人が集まって来るもので…
場所取りが大変なのだ。
ルルーシュとしても自分の実家の権力を使って特等席と確保するという事を極端に嫌うので…
ルルーシュが花火を見たいという事を知ったらいらん事をする父親や異母兄にばれないように計画を立てていた。
しかし、普通に身に行くのもそれはそれで大変だ…
元々人混みを嫌うルルーシュ…
スザクとしても何とか特等席を…と考え、夏休みが始まったばかりの頃から宿題をやったお陰で、時間的に余裕を持っていたので…何とか、人混みに紛れることなく、それでも、ちゃんと見られる場所を一生懸命探した。
まぁ、ルルーシュの恋人であるカレンも今日の花火大会には一緒に付いてくる事になるのだが…
スザクとしては、ルルーシュと二人で…と云う風にしたいのだが…
しかし、その辺りはどうしようもないという部分もあり、また、ルルーシュに嫌われるのを極端に恐れるスザクは涙をのんでいる。
そして、漸く見つけた特等席…
ちょっと、ルルーシュは体力的に大変かもしれないが…
それでも、その場所は、多分、人があまり来ない場所だ…
と云うか、夏場であれば、訪れたいと思う人間とそうは思わない人間がいるだろうが…
しかし、花火大会の日にそう訪れたいと思うものは多くないと思われる場所なのだが…
「……この辺りで有名な心霊スポット…?」
「うん…まぁ、幽霊とか怖いとか思わない人なら平気かな…と思って…。帰るときは、心霊スポットって云うだけあって…薄気味悪いと思うけどね…」
「まぁ…俺はそう云った非科学的なものに興味はないが…」
ルルーシュとスザクが花火大会へ行こうという計画を話しあっているが…
その中にはカレンとナナリーもいる…
「まぁ…心霊スポットですか…。私でもいけるでしょうか?」
心なしかわくわくしたような表情を見せながらナナリーがスザクに尋ねる。
「うん…必要なら僕がおぶっていくし…簡単だけど、腰掛けられるところ…ちゃんと作ってきたから…」
「いつの間にそんな事をしていたんだ?」
ルルーシュが楽しそうにそんな事を云っているスザクに呆れ顔で尋ねる。
「うん…今年もルルーシュのお陰で夏休みの宿題…もう殆ど終わっちゃったからね…。運動部の助っ人の帰りに少しずつ準備していたんだ…。お盆時期はどうしても心霊スポットマニアが集まっちゃうから…お盆が過ぎてから準備しているから…相当簡単なものしか出来なかったけどね…」
その表情は…本当に楽しそうだ…
こう言う時のスザクの表情は…本当に見ていて…みている方が幸せになれる様な気がするのだが…
しかし…そんな中…一人だけ…うかない表情をしている人物が一人…

 さっきから話に入ってこない人物が気になったのか…ルルーシュが声をかける。
「カレン?どうした?」
ルルーシュのその一言にカレンがびくっと肩を震わせる。
「え?あ…別に…」
カレンのその様子に…スザクが、何かに気づいたようだった。
「ねぇ…ひょっとして…カレンって…心霊スポットとか…苦手な人???」
その言葉にぎくりと反応を返した。
「べ…別に…」
一生懸命取り繕おうとするカレンの姿に…3人は同じ事を考える…
―――あ…怖いのか…
と…
「大丈夫だって…一人で肝試ししようっていう訳じゃないし…」
「そうですよ…。大丈夫ですよ…。お兄様やスザクさんがいますから…」
「カレンにそんな弱点があったなんてね…」
三人三様…勝手な事を云っているが…
「怖い訳じゃないわよ!別に…子供じゃあるまいし…」
カレンが躍起になってそう怒鳴るが…
逆に、聞いている方は更に確信を持つだけの結果となる。
中々解りやすい女である。
「やめておくか?そんなに怖いなら…」
ルルーシュのこの一言でどうやら、カレンに火をつけてしまったようである。
「バカにしないで!別に怖くなんてないわよ!それに…目的は心霊スポット巡りじゃなくて花火を見に行くんでしょ!行くわよ…」
半ばやけっぱちにも見えるが…それでも、本人が興奮状態とはいえ、行くと云っているのだから、止める理由はない。
ただ…この状況で連れて行って…花火を見ている間はいいが、買える時は大丈夫なのか…少々心配ではあるのだが…
それでも…
「とりあえず、午後7時に現地集合…と云っても、全員一緒に行く事になりそうだけど…。カレンは浴衣に着替えてくる?」
スザクがカレンに尋ねると、話題が変わった事でカレン自身が気を取り戻して普段のカレンに戻る。
「そうね…。着替えたらまた、ここに来るわ…。と云っても着替えてすぐに戻って来る事になりそうだけど…」
「解った…。じゃあ、俺たちも準備して待っているからな…」
カレンの言葉にルルーシュがそう答えると、カレンはルルーシュのマンションを出て行った。
カレンが部屋を出て行ったのを見届けると…
「カレンさん…なんだか、ホントは怖いと思っているように見えましたけれど…」
「確かに…そう云うのを嫌いな人は本当に嫌いだからね…。ナナリーは平気?」
ナナリーの言葉にスザクが尋ねるが…
「私…幽霊さんにお会いした事ないので…一度お会いしてみたいんです…。学校のお友達でも、色んなものが見えるお友達がいて…。でも私には見えなくって…。そのお友達は、なんだか、そう云う心霊現象が起きる場所に行って、そこで幽霊さんを見た後からそう云うものが見えるようになったって…云っていたので…」
目をキラキラさせながらそんな事を話しているのだが…
しかし…その『お友達』とやらが、カレンと同じような人間であれば…そんな能力はナナリーにくれてやりたいと思うだろうし、見えない人間だからそうも思えるのだろう…
「ナナリーなら…誰とでも仲良くなれそうだな…」
そんな風にナナリーに話しかけるルルーシュの方は…出来れば面倒な知人入らないという表情だ…

 準備を終えたカレンが戻ってきて、全員が揃ったところでスザクが準備した場所へと向かった。
途中…
「あれ?ルルにスザク君…。カレンと…ナナちゃん?」
声をかけてきたのは、ミレイやリヴァル、ニーナと一緒に花火を見に行こうとしていたシャーリーだった。
「こんにちは…ミレイさん、シャーリーさん、リヴァルさん、ニーナさん…」
「やぁ、リヴァル達も花火を見に行くの?」
「ああ…一応、場所取りは出来ているし…お前たちは?」
「スザクが、絶対に人の来ない特等席を用意してくれたんだが…リヴァル達もそっちに来るか?ちょっと虫さされの心配があるから、虫除けの薬は必要だが…」
とくに詳しく話す事はなく、ルルーシュがそう告げると…
「へぇ…そんなところがあるの?どこ?」
「ああ…あの、心霊現象で有名な丘の上の廃屋だよ…」
そこまで云った時…『ひっ』と声を上げたのはリヴァルとニーナだった。
こっちはカレンと違ってそう云った時の反応は素直だったらしい…
「ああ…よしよしニーナ…。私たちは遠慮しとくわ…ニーナはそう云うの苦手だし、リヴァルがこれじゃあ…頼りにならないしね…」
ミレイが二人の反応を見て苦笑しながらそう告げた。
「そっか…カレン…カレンも会長たちとそっちに行くか?」
ルルーシュがリヴァルとニーナの様子を見て、カレンにそう声をかける。
しかし、カレンがそこで素直に『Yes』と答える筈もなく…
「何言ってんのよ…ルルーシュ…。別に怖くないって云ってるでしょ!」
と、怒鳴って、先に歩いて行ってしまった…
このカレンの姿に少し苦笑してしまう…
少なくともアッシュフォード学園で最強の女生徒なのだが…やっぱり人間だから弱点はあるという事だ。
「じゃあ、俺たちはそっちの人の少ないところで見る事にするよ…。ナナリーを人混みの中に連れて行くのは避けたいし…折角スザクが見つけて準備してくれたからな…」
そう云って、今、会った生徒会メンバーたちと別れて、スザクが見つけた場所へと歩いて行く。
丘の上で…心霊スポットが存在するような場所だから…どうしても人の行きにくい場所で…道もそれほどいい訳じゃない。
「あ〜あ…浴衣なんて着て来るんじゃなかった…」
そうぼやくのはカレンだった。
それでも、花火を見に行くならやっぱり浴衣がいいと考えてものだったのだが…
スザクに花火を見る為の場所を聞いた時点で頭の中から浴衣と云う選択肢を切り離すべきだったと思った。
「確かに…道はあんまりよくないな…。大丈夫か?カレン…」
「別に…ちょっと動きにくいだけ…。ルルーシュよりはるかに運動神経はしっかりしているから…」
まだ、やや明るい筈なのだが…この道はどうも暗くて…懐中電灯が必要となっている。
確かに…薄気味悪くて花火を見に行くと云うよりも…心霊スポットに肝試しに行くような気分だが…

 やっと、スザクが準備した特等席についた。
周囲は確かに薄気味悪いが…スザクが相当頑張ったらしくて、花火を見る為の場所にはきちんと簡単なベンチが準備されていた。
そして、そのベンチに腰掛けた時…一発目の花火が上がった…
「わぁ…綺麗ですね…」
その一言をまず口にしたのはナナリーだった。
さっきまでこの薄気味悪い場所に顔をしかめていたカレンも顔をほころばせている。
花火…火薬を使った…空をキャンパスにした火の芸術…
その火薬も…使い方によっては人を殺す恐ろしいものになるが…。
しかし、使い方によってはこんな風に人の心を和ませる芸術となる…
色とりどりの花火が打ち上げられては…消えて行き…
夏の晴れた空を彩っている。
「綺麗だな…。ブリタニアにも花火はあるが…やっぱり日本の花火は違うな…」
「そうだね…。日本の花火職人って…この夏の為に…自分の技術を1年かけて芸術にするって云うし…」
「最近では、色んな形の花火が出来て…不思議よね…」
「日本の夏って…ホントに素敵ですよね…」
各々が花火を見ながらそれぞれの感想を口にする。
この花火大会が終わると…夏休みの終わりが近い事を皆が自覚し始める。
夏…暑い…イヤな季節でもあるけれど…
たくさんの思い出もある季節でもある。
ルルーシュとスザクが初めて会ったのも…子供の頃の夏休み…
「あの頃…俺自身は…こんな風に笑えるなんて…思ってなかったよ…」
スザクの隣でルルーシュがそんな事を呟いた。
ルルーシュの生まれた家の複雑な事情…
多分、スザクがいなければルルーシュは笑えなかった…
ルルーシュはそんな風に思っている。
実際に…スザクは自覚がなくても、ルルーシュ自身、スザクのお陰だと思う事がたくさんある。
「確かに…初めて会った頃は仏頂面ばっかりだったよね…。でも…あの時も花火大会に連れて行ったら…君は笑ってくれた…」
スザクが花火を見たまま、そうルルーシュに云ってやる。
子供の頃、父親の持つ別荘に行った時に…ルルーシュとナナリーはスザクと出会った…
そして…そこで友達になり…その年の後は…必ずその別荘に行くようになっていた…
夏休みが…楽しみだった…
「でも…花火大会が終わると…東京に帰らなくちゃいけなかったからな…。俺も、ナナリーも…楽しみだった反面、夏休みは終わりだと告げられるのが嫌だった…」
「それは僕も一緒だよ…。だから…僕、東京に来ちゃったんじゃないか…。僕、毎日が楽しいよ…こっちに来てから…ずっと…」
スザクが二人で並んで花火を見ているカレンとナナリーの後ろ姿を見ながら笑顔をつくる。
最近ではなくなったけれど…ルルーシュの複雑な事情をこの中で知っているのは…スザクだけだ…
「いいのか?このまま俺と一緒にいると…また、巻き込まれるかもしれないぞ?」
「別に…そんな事は気にしないよ…。そんな事よりも僕が君の傍にいたいんだから…。君のご飯がないと僕、生きていけないし…」
スザクの言葉に…少しだけ泣きそうになって…苦笑する…
「これからも毎年…皆でこの花火を見られると…いいな…」
ルルーシュは…大きく花開いた花火を見ながら…そう口にした…

END


あとがきに代えて



微妙に花火大会の時期には遅い気もするんですが…
花火ネタをやってないなぁと思いまして…
微妙にナナリーとカレンが邪魔ものっぽいですが…
このシリーズ、ホントはルルーシュの彼女がカレンと云う設定なんですけど…
和泉自身が拒否反応を見せるようになって、一気にカレンの扱いが悪くなっております。
まぁ、元々、二次創作始めて速い地味に始まっているので…この話…
まだ、本編でスザクがおっかない目をしていた頃で、カレンに対してそれほど負の感情を持っていなかった頃なので…
これから…ちゃんとカレンに対してもう少し冷静な扱いが出来るようになるまではあんまり書かない方がいいかなぁ…と思ってもいる訳ですが…

後…お気づきの方もいらっしゃるかも知れませんが、今日の未明、拍手のお礼ページを入れ替えました。
興味のある方はぜひ読破してみて下さい。


☆拍手のお返事


紫翆さま:こんばんは、コメントありがとうございます。
ホントに久しぶりの『騎士皇子シリーズ』でしたが…お楽しみいただけたでしょうか?
まぁ、無茶ぶりも限度を知らない…と云うのは怖いですね…
ミレイさんの無茶ぶりは結構絶妙なところで頑張っていますからね…(しかも、だれも逆らえないオーラを醸し出しているが故に、おそらく、無茶ぶりをされた方は自分の限界を超えた力を発揮している様にも見えますが)
まぁ、ちゃんと反省して、バカップルになってくれたので…これはこれでよいかな…と…
また、思いついたらこのバカップルを書いていきます。

お盆休みで実家に行っていて…帰ってきた途端に猛暑にたたきこまれて…結構しんどいです。
でも、去年と比べれはかなり楽な夏です。(去年の夏はそれこそ激やせしましたから)
ご心配頂きありがとうございます。
頑張ります。


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2009年07月02日

僕たちの学園生活シリーズ

一触即発U



 ルルーシュの必死の抵抗虚しく…否、ルルーシュがこの企画の業務から逃げたばかりに、(恐らくワザとだと思われるが)『ルルーシュ一日メイド券10枚つづり(利用期限なし)』のチケットは、ワープロソフトで適当に作ったものが準備され、簡単にコピー可能なものとされた。(しかも、コンビニで1枚10円でコピー可能な白黒のプリントアウト)
その状況をルルーシュが知ったのは、その企画開催日の前日であった。
しかも、彼らが作った(コピー可能な)『ルルーシュ一日メイド券10枚つづり(利用期限なし)』は、ミレイの策略により、ミレイの胸の谷間に挟んでいると云う…暴挙によって守られていた。
となれば…後は、どうやって、この企画をぶち壊すかにかかっていたが…
きっと、当日逃走してもイベントそのものは開催される。
そして、ルルーシュの知らないところで勝者が決められ、その、『ルルーシュ一日メイド券10枚つづり(利用期限なし)』はスザクかカレンのどちらかの手に渡る。
ここ最近、この二人のルルーシュをめぐる争いは日に日に激しくなっている事はルルーシュも気づいている。
その為に間に挟まれるルルーシュはいつも、とんだ目に遭っているのだ。
まぁ、この二人が色んな形でバケモノを発揮してくれるおかげで、余計な事を考えて色々な手を使ってモーションを掛けて来る校内外、男女問わない命知らずは減っているが…
そして、色々策を考えている内に、とっととそのイベント日の前日となってしまい…アッシュフォード家のスーパーメイドとして名高い篠崎咲世子の手によって捕縛、拘束、監禁される事となった。
この時ばかりは、スザクもカレンも、賞品に逃げられちゃ困るって事でミレイに対しても、そのスーパーメイドに対しても手を出す事をしなかった。
その事実を知った時…
『スザク…カレン…俺を裏切ったなぁぁぁぁ…』
と、連行されながらルルーシュが涙目になって、叫んでいた事については確かに心が痛む…
しかし、やっぱり、『ルルーシュを自分の専属メイドにしたい!』と云う二人の煩悩はルルーシュのこの涙と叫びさえも受け入れた。
『ごめん…でも、世界で一番幸せなメイドにしてあげるから…』
そんな思いを抱いていたが…
ここで間違ってはいけないのが、ルルーシュは別にメイドになりたい訳ではないし、女装趣味もない。(無理矢理やらされる事は多々あるが)
そして、彼らの心の中のルルーシュへの謝罪は完全に間違っている。
ここで、ルルーシュがメイドになって、どんな扱いをしたところで、幸せになるのは、その権利をGet!した本人であって、ルルーシュではない。
しかし、その辺りは、『まぁ、細かい事は気にしなぁぁい…』と云う、ミレイ=アッシュフォードの影響を色濃く受けている二人には通用しないツッコミであった。

 そして、ルルーシュがどんよりとした表情で朝を迎えていた。
どうやら、前日の二人の裏切り行為に関しては相当ショックが大きかったらしく、一睡も出来なかったらしく、アッシュフォード学園一の美少女…じゃなくて、美貌を誇るルルーシュの顔は完全に青ざめていた。
そして、生徒会室のあるクラブハウスのバルコニーにルルーシュの本意ではない恰好をさせられて柱に縛りつけられた状態でミレイがイベント開催の挨拶をする。
ちなみに、ルルーシュが興奮して騒いで、舌を噛まない様にと云う(表向きの)名目の下、ルルーシュの口にはしっかりと猿轡がされている。
そして、その姿は…
ひざ上何cm???と尋ねてしまいそうなほど短いミニスカート…
お約束の白いフリフリエプロン…
胸元には紅い大きなリボンがあしらわれて、濃紺のワンピースとマッチしている。
そして、普通に男がつけていたら気持ち悪いだけの、メイドのヘッドドレス…
どこからどう見ても女の子にしか見えない…そして、これから始まるのは、自分の一番のお気に入りのメイド姿のプリンセスを救い出す為の闘い…と云う演出が如何なく発揮されている状況だ。
「ふぅぅぅ…ふぐぅぅぅ…」
猿轡をされているルルーシュは、きっといろんな文句があるのだろうが…
それでも、その猿轡を外さない限り、ルルーシュが何を云っているか解らないだろう。
そして、今回、戦いの観客となっている生徒たちはそのルルーシュの姿を見て、様々な妄想に駆られている。
その内容だけで、きっと、『ふと思いついて書いた1時間仕上げ小説』の一回分の長さを凌駕する事になりそうなので、割愛させて頂くが…
しかし、この様子を、バトル参加控室にいたスザクとカレンが殺意を抱きながら眺める事となる。
そして…隣同士で立っているライバルと…意見が一致する事となる。
「明日から…ルルーシュを守るのは命がけかもね…」
「と云うより、24時間見張っていないとホントに老若男女問わず、ルルーシュに襲いかかってくるわよ…」
「ミレイ会長…ルルーシュにあんなカッコさせたら…ルルーシュの身に危険が及ぶじゃないか…」
「多分、会長の事だから、それさえもイベントの一環として考えていると思うけど…」
「ああ…確かに…。ルルーシュ…君の事は僕が命を変えても守るからね…。あそこの野獣と化した野獣からも、こんなおっかない彼女からも…」
「どさくさに紛れて随分言ってくれるじゃないの…。ルルーシュの彼女は私なのを忘れないでよね…」
カレンがそこまで云った時…リヴァルがノックして控室に入ってきた。
リヴァルがこの二人の異様な殺気にのけ反っている。
「あ…あの…二人とも…お話し中申し訳ないけど…時間だから…」

 恐る恐る声をかけて来るリヴァルを見てここには同情をしてくれる第三者がいない。
既に、アッシュフォード学園最強ファイターが二人…完全臨戦態勢に入っているのだ。
リヴァル自身、この二人の臨戦態勢を知らない訳ではない。
一般の生徒と比べればはるかにこの二人の殺気を感じた事はある。(もちろん、リヴァルに向けられているものではないが)
それでも、この二人の殺気をまともに浴びて平然としていられる一般人はルルーシュとミレイくらいのものだろう…
「解ったよ…リヴァル…」
「こっちは準備万端だから…」
リヴァルの一言に二人の目つきが変わった。
リヴァルは…普段、雑用係でいいと思っているのだが…こうして、命がけの呼び出しをするときだけは、非常にこの雑用係である自分の身を憐れんでいる。
そんなリヴァルの怯えた表情を見て、二人は『大丈夫…自分たちのターゲットはリヴァルじゃないから…』そんな視線を送られるが…それでも怖いものは怖いのだ。
二人はそんなリヴァルをその場に残して、自分たちのリングとなるクラブハウス前の広場に設置された(突貫工事で作られた)会場へと歩き出した。
そして…二人が会場へと出て行くと…今回の賭けに参加した生徒たちがベットした方のサイドへと二分していた。
正直、スザクもカレンも、ベットした生徒たちの数なんてどうでもいい話だ。
『ルルーシュ一日メイド券10枚つづり(利用期限なし)』をGet!出来ればそれでいいのだ。
そして、野獣どもの目に晒されている『萌え♪』な…じゃなくて、哀れなルルーシュを救い出す事…彼らの気持ちはそんなところだ。
二人が真ん中まで歩いて行くと、ミレイが二人の中央に立った。
「二人とも…ルールは解っているわね?」
「はい…致命傷を負わせなければ何でもあり…相手に一撃を加えられれば勝ち…」
「勝者は『ルルーシュ一日メイド券10枚つづり(利用期限なし)』を貰える…」
結構物騒なルールだが…この二人にかすり傷一つ負わせられること自体、非常に難しい事なので、そんなルールが成立するのだ。
そう、対戦型ゲームで見せられる、普通はあり得ないような技が繰り出されるのだ。
「ルルーシュ…待っててね…。僕が必ず君を救い出すから…」
「あんた…一体何さまよ…」
バトル前から白熱している二人に…ミレイも『そうでなくっちゃ…』と云う表情を浮かべて…
「レディィィィ…ゴォォォ!」

 ミレイの掛け声と同時に二人のバトルが繰り広げられる。
その様は…一言でいえば…
『すさまじい…』
その一言に尽きる。
本当に映画さながらのバトルを目の前で繰り広げているのだ。
生徒たちはこの賭けでどちらにベットするか…散々悩みに悩んだ。
普段のルルーシュ争奪戦を見ても勝率は五分だ。
スザクが右足を振りあげるとカレンはそれを左手で受け止め、バランスの悪い状態のスザクに一撃を加えようと右拳をスザクの鳩尾を狙う。
しかし、スザクも持ち前の反射神経でさっと後方へよけ、着地と同時にその反動を利用してカレンの腹をめがけて突進する。
そんな戦いをリアルに、目の前で繰り広げられて興奮しない生徒がいない筈もない。
ただ…一人を除いては…
そう、バルコニーに縛りあげられているルルーシュだ…
ルルーシュの目には…この戦いで興奮状態にある生徒たちが鬼か悪魔みたいに見えているのかもしれない。
こんな恥ずかしいカッコで縛りあげられ、晒し者にされて、このバトルに買った方の賞品にされるのだ。
そんなルルーシュの嘆きなどお構いなしにバトルはどんどん白熱して行く。
スザクもカレンも、ただ、目の前の敵を倒す事しか頭になくなっているような…そんな風に見えている。
バトル前のあの、『ルルーシュを守る!』という決意はすっかり頭から消え去っているのではないか…と、バトル開始から少し遅れて会場に戻ってきたリヴァルは思う。
こう言ったイベントにいつも乗り気なシャーリーはともかく、普段、あまり感情を見せる事の多くないニーナも、この時ばかりは興奮状態にあるらしい。
そして、涙目になっている賞品ことルルーシュを見て…
―――ごめんな…ルルーシュ…。おまえは俺にとって大切な友達だけど…でも、やっぱり俺は命を惜しんじゃう小市民なのよ…
心の中で哀れな友人に同情と謝罪を告げる。
まぁ、このリヴァルの思いは…ルルーシュに伝わる事はないのだが…
それでも、こうして自己満足させてくれてもいいだろう…
リヴァルは今、そんな思いだった。

 バトルは1時間にも及んでいる。
流石にこれだけハードなバトルを繰り広げていたら、二人の息も上がってきている。
「はぁはぁ…相変わらずやるね…カレン…」
息を切らせつつも、まだ、笑顔を浮かべるだけの余裕はあるようだ。
「はぁはぁ…あんたなんかにルルーシュをやれないもの…。だから…負ける訳にいかないのよ!」
カレンも相変わらず殺気を振りまきながらスザクの言葉に対して悪態づいている。
「じゃあ、僕の新必殺技をご披露しちゃおうかな…」
スザクのその一言でカレンだけでなく、会場全体が息をのむ。
―――一体…どんな技だ?
誰もがスザクの動きに注意を払う。
そして、スザクが
「カレン…じゃんけんポン…」
カレンは咄嗟の事で、日本人の習性なのか…思わずその言葉に乗って手を出してしまう。
スザクはパーで…カレンがグー…
そして、
「あっち向いてほい…」
スザクの指先とカレンの向いた方向が一致する。
「よし、シッペね…」
じゃんけんしたままの体勢で腕を出していたカレンの右手を引っ張って、その手首にスザクが二本指で一撃を加えた。
「はい、一撃…」
スザクがにっこり笑って勝利宣言…
周囲もあっけにとられる。
「な!」
「だって…相手に致命傷を負わせなければ何でもありだし…これも一撃は一撃だもん…。流石に、君に傷の残るような一撃を加えたら、ルルーシュ…優しいから凄く気にするだろうしね…」
空気を読まない、そして、マイペースなスザクのあっけない勝利宣言…
さっきまでのあの、すさまじいバトルは何だったの?
見ている方としてはそう思ってしまっても仕方ないだろう。
そして、周囲があっけにとられているすきにスザクがバルコニーに飛び移り、猿轡をされ、拘束されているルルーシュを開放する。
「スザク…お前…」
「ああ…お説教は後ね…。皆の殺気が怖いから…」
そう言って、スザクはルルーシュを横抱きにしてクラブハウスの部屋に飛び移り、会場の裏側に飛び降りた。
いくらルルーシュを抱えていると云っても、このアッシュフォード学園の中でスザクの足に追いつける者はいない。
そして…
「あ!逃げられた!」
「早く追うぞ!」
生徒たちが完全に反応が遅れた状態で気がついても時は既に遅い。
それに、二人は同じ屋根の下で暮らしているのだ。(スザクが居候しているのだが)
「そっか…スザクには『ルルーシュ一日メイド券10枚つづり(利用期限なし)』なんてなくても…毎日いろいろお世話して貰ってるんだもんね…」
ミレイのその一言は…マイクを通し…生徒たちの耳に届いた。

 そこで悔しがっているのは…
カレンだった…
「あんの…腹黒めぇぇぇぇ…」
カレンのこの叫びは…学園中にとどろいたのだった。

END

 

あとがきに代えて



はい、先週のバトルに決着付けました。
ちょっと、中途半端感はあるんですが…
まぁ、今回はカレンに華を持たせる気はなかったので…

えっと…ちょっとお知らせです。
もしかしたら、明日から入院になるかもしれません。
熱発しました。
入院するとしたらたぶん千葉です。
あした、こうした形での更新がなければ入院したと思って下さい。
まぁ、元気になったら、携帯でお知らせします。
出来るだけ、明日の内に帰ってこようと考えていますが…
それでも、明日は行進をお休みさせて頂きます。
予めご了承ください。



☆拍手のお返事


めいさま:こんばんは、はじめまして。
コメントありがとうございます。

ハチャメチャをしてくれるユーフェミアは結構好きなんですね…
今回はギャグに走ってみた訳ですが…
ホント、ルルーシュがみんなに愛されていると幸せになれます。

後…本編に関しては…
確かに、シュナイゼルが『ギアス』をかけられちゃっているんで、『ゼロ』の云う事にしたがっちゃうから、政治力を発揮できませんし…
神楽耶も意外とおバカキャラだったので…期待できませんしね…
でも、歴史っていうのは恐ろしいもので、彼らが生きているうちにばれるかどうかは別にしても、必ず、真実が明かされていきます。
ルルーシュが望まなくても…
和泉はそこの部分にかけていますけれど…


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僕たちの学園生活シリーズ

一触即発U



 ルルーシュの必死の抵抗虚しく…否、ルルーシュがこの企画の業務から逃げたばかりに、(恐らくワザとだと思われるが)『ルルーシュ一日メイド券10枚つづり(利用期限なし)』のチケットは、ワープロソフトで適当に作ったものが準備され、簡単にコピー可能なものとされた。(しかも、コンビニで1枚10円でコピー可能な白黒のプリントアウト)
その状況をルルーシュが知ったのは、その企画開催日の前日であった。
しかも、彼らが作った(コピー可能な)『ルルーシュ一日メイド券10枚つづり(利用期限なし)』は、ミレイの策略により、ミレイの胸の谷間に挟んでいると云う…暴挙によって守られていた。
となれば…後は、どうやって、この企画をぶち壊すかにかかっていたが…
きっと、当日逃走してもイベントそのものは開催される。
そして、ルルーシュの知らないところで勝者が決められ、その、『ルルーシュ一日メイド券10枚つづり(利用期限なし)』はスザクかカレンのどちらかの手に渡る。
ここ最近、この二人のルルーシュをめぐる争いは日に日に激しくなっている事はルルーシュも気づいている。
その為に間に挟まれるルルーシュはいつも、とんだ目に遭っているのだ。
まぁ、この二人が色んな形でバケモノを発揮してくれるおかげで、余計な事を考えて色々な手を使ってモーションを掛けて来る校内外、男女問わない命知らずは減っているが…
そして、色々策を考えている内に、とっととそのイベント日の前日となってしまい…アッシュフォード家のスーパーメイドとして名高い篠崎咲世子の手によって捕縛、拘束、監禁される事となった。
この時ばかりは、スザクもカレンも、賞品に逃げられちゃ困るって事でミレイに対しても、そのスーパーメイドに対しても手を出す事をしなかった。
その事実を知った時…
『スザク…カレン…俺を裏切ったなぁぁぁぁ…』
と、連行されながらルルーシュが涙目になって、叫んでいた事については確かに心が痛む…
しかし、やっぱり、『ルルーシュを自分の専属メイドにしたい!』と云う二人の煩悩はルルーシュのこの涙と叫びさえも受け入れた。
『ごめん…でも、世界で一番幸せなメイドにしてあげるから…』
そんな思いを抱いていたが…
ここで間違ってはいけないのが、ルルーシュは別にメイドになりたい訳ではないし、女装趣味もない。(無理矢理やらされる事は多々あるが)
そして、彼らの心の中のルルーシュへの謝罪は完全に間違っている。
ここで、ルルーシュがメイドになって、どんな扱いをしたところで、幸せになるのは、その権利をGet!した本人であって、ルルーシュではない。
しかし、その辺りは、『まぁ、細かい事は気にしなぁぁい…』と云う、ミレイ=アッシュフォードの影響を色濃く受けている二人には通用しないツッコミであった。

 そして、ルルーシュがどんよりとした表情で朝を迎えていた。
どうやら、前日の二人の裏切り行為に関しては相当ショックが大きかったらしく、一睡も出来なかったらしく、アッシュフォード学園一の美少女…じゃなくて、美貌を誇るルルーシュの顔は完全に青ざめていた。
そして、生徒会室のあるクラブハウスのバルコニーにルルーシュの本意ではない恰好をさせられて柱に縛りつけられた状態でミレイがイベント開催の挨拶をする。
ちなみに、ルルーシュが興奮して騒いで、舌を噛まない様にと云う(表向きの)名目の下、ルルーシュの口にはしっかりと猿轡がされている。
そして、その姿は…
ひざ上何cm???と尋ねてしまいそうなほど短いミニスカート…
お約束の白いフリフリエプロン…
胸元には紅い大きなリボンがあしらわれて、濃紺のワンピースとマッチしている。
そして、普通に男がつけていたら気持ち悪いだけの、メイドのヘッドドレス…
どこからどう見ても女の子にしか見えない…そして、これから始まるのは、自分の一番のお気に入りのメイド姿のプリンセスを救い出す為の闘い…と云う演出が如何なく発揮されている状況だ。
「ふぅぅぅ…ふぐぅぅぅ…」
猿轡をされているルルーシュは、きっといろんな文句があるのだろうが…
それでも、その猿轡を外さない限り、ルルーシュが何を云っているか解らないだろう。
そして、今回、戦いの観客となっている生徒たちはそのルルーシュの姿を見て、様々な妄想に駆られている。
その内容だけで、きっと、『ふと思いついて書いた1時間仕上げ小説』の一回分の長さを凌駕する事になりそうなので、割愛させて頂くが…
しかし、この様子を、バトル参加控室にいたスザクとカレンが殺意を抱きながら眺める事となる。
そして…隣同士で立っているライバルと…意見が一致する事となる。
「明日から…ルルーシュを守るのは命がけかもね…」
「と云うより、24時間見張っていないとホントに老若男女問わず、ルルーシュに襲いかかってくるわよ…」
「ミレイ会長…ルルーシュにあんなカッコさせたら…ルルーシュの身に危険が及ぶじゃないか…」
「多分、会長の事だから、それさえもイベントの一環として考えていると思うけど…」
「ああ…確かに…。ルルーシュ…君の事は僕が命を変えても守るからね…。あそこの野獣と化した野獣からも、こんなおっかない彼女からも…」
「どさくさに紛れて随分言ってくれるじゃないの…。ルルーシュの彼女は私なのを忘れないでよね…」
カレンがそこまで云った時…リヴァルがノックして控室に入ってきた。
リヴァルがこの二人の異様な殺気にのけ反っている。
「あ…あの…二人とも…お話し中申し訳ないけど…時間だから…」

 恐る恐る声をかけて来るリヴァルを見てここには同情をしてくれる第三者がいない。
既に、アッシュフォード学園最強ファイターが二人…完全臨戦態勢に入っているのだ。
リヴァル自身、この二人の臨戦態勢を知らない訳ではない。
一般の生徒と比べればはるかにこの二人の殺気を感じた事はある。(もちろん、リヴァルに向けられているものではないが)
それでも、この二人の殺気をまともに浴びて平然としていられる一般人はルルーシュとミレイくらいのものだろう…
「解ったよ…リヴァル…」
「こっちは準備万端だから…」
リヴァルの一言に二人の目つきが変わった。
リヴァルは…普段、雑用係でいいと思っているのだが…こうして、命がけの呼び出しをするときだけは、非常にこの雑用係である自分の身を憐れんでいる。
そんなリヴァルの怯えた表情を見て、二人は『大丈夫…自分たちのターゲットはリヴァルじゃないから…』そんな視線を送られるが…それでも怖いものは怖いのだ。
二人はそんなリヴァルをその場に残して、自分たちのリングとなるクラブハウス前の広場に設置された(突貫工事で作られた)会場へと歩き出した。
そして…二人が会場へと出て行くと…今回の賭けに参加した生徒たちがベットした方のサイドへと二分していた。
正直、スザクもカレンも、ベットした生徒たちの数なんてどうでもいい話だ。
『ルルーシュ一日メイド券10枚つづり(利用期限なし)』をGet!出来ればそれでいいのだ。
そして、野獣どもの目に晒されている『萌え♪』な…じゃなくて、哀れなルルーシュを救い出す事…彼らの気持ちはそんなところだ。
二人が真ん中まで歩いて行くと、ミレイが二人の中央に立った。
「二人とも…ルールは解っているわね?」
「はい…致命傷を負わせなければ何でもあり…相手に一撃を加えられれば勝ち…」
「勝者は『ルルーシュ一日メイド券10枚つづり(利用期限なし)』を貰える…」
結構物騒なルールだが…この二人にかすり傷一つ負わせられること自体、非常に難しい事なので、そんなルールが成立するのだ。
そう、対戦型ゲームで見せられる、普通はあり得ないような技が繰り出されるのだ。
「ルルーシュ…待っててね…。僕が必ず君を救い出すから…」
「あんた…一体何さまよ…」
バトル前から白熱している二人に…ミレイも『そうでなくっちゃ…』と云う表情を浮かべて…
「レディィィィ…ゴォォォ!」

 ミレイの掛け声と同時に二人のバトルが繰り広げられる。
その様は…一言でいえば…
『すさまじい…』
その一言に尽きる。
本当に映画さながらのバトルを目の前で繰り広げているのだ。
生徒たちはこの賭けでどちらにベットするか…散々悩みに悩んだ。
普段のルルーシュ争奪戦を見ても勝率は五分だ。
スザクが右足を振りあげるとカレンはそれを左手で受け止め、バランスの悪い状態のスザクに一撃を加えようと右拳をスザクの鳩尾を狙う。
しかし、スザクも持ち前の反射神経でさっと後方へよけ、着地と同時にその反動を利用してカレンの腹をめがけて突進する。
そんな戦いをリアルに、目の前で繰り広げられて興奮しない生徒がいない筈もない。
ただ…一人を除いては…
そう、バルコニーに縛りあげられているルルーシュだ…
ルルーシュの目には…この戦いで興奮状態にある生徒たちが鬼か悪魔みたいに見えているのかもしれない。
こんな恥ずかしいカッコで縛りあげられ、晒し者にされて、このバトルに買った方の賞品にされるのだ。
そんなルルーシュの嘆きなどお構いなしにバトルはどんどん白熱して行く。
スザクもカレンも、ただ、目の前の敵を倒す事しか頭になくなっているような…そんな風に見えている。
バトル前のあの、『ルルーシュを守る!』という決意はすっかり頭から消え去っているのではないか…と、バトル開始から少し遅れて会場に戻ってきたリヴァルは思う。
こう言ったイベントにいつも乗り気なシャーリーはともかく、普段、あまり感情を見せる事の多くないニーナも、この時ばかりは興奮状態にあるらしい。
そして、涙目になっている賞品ことルルーシュを見て…
―――ごめんな…ルルーシュ…。おまえは俺にとって大切な友達だけど…でも、やっぱり俺は命を惜しんじゃう小市民なのよ…
心の中で哀れな友人に同情と謝罪を告げる。
まぁ、このリヴァルの思いは…ルルーシュに伝わる事はないのだが…
それでも、こうして自己満足させてくれてもいいだろう…
リヴァルは今、そんな思いだった。

 バトルは1時間にも及んでいる。
流石にこれだけハードなバトルを繰り広げていたら、二人の息も上がってきている。
「はぁはぁ…相変わらずやるね…カレン…」
息を切らせつつも、まだ、笑顔を浮かべるだけの余裕はあるようだ。
「はぁはぁ…あんたなんかにルルーシュをやれないもの…。だから…負ける訳にいかないのよ!」
カレンも相変わらず殺気を振りまきながらスザクの言葉に対して悪態づいている。
「じゃあ、僕の新必殺技をご披露しちゃおうかな…」
スザクのその一言でカレンだけでなく、会場全体が息をのむ。
―――一体…どんな技だ?
誰もがスザクの動きに注意を払う。
そして、スザクが
「カレン…じゃんけんポン…」
カレンは咄嗟の事で、日本人の習性なのか…思わずその言葉に乗って手を出してしまう。
スザクはパーで…カレンがグー…
そして、
「あっち向いてほい…」
スザクの指先とカレンの向いた方向が一致する。
「よし、シッペね…」
じゃんけんしたままの体勢で腕を出していたカレンの右手を引っ張って、その手首にスザクが二本指で一撃を加えた。
「はい、一撃…」
スザクがにっこり笑って勝利宣言…
周囲もあっけにとられる。
「な!」
「だって…相手に致命傷を負わせなければ何でもありだし…これも一撃は一撃だもん…。流石に、君に傷の残るような一撃を加えたら、ルルーシュ…優しいから凄く気にするだろうしね…」
空気を読まない、そして、マイペースなスザクのあっけない勝利宣言…
さっきまでのあの、すさまじいバトルは何だったの?
見ている方としてはそう思ってしまっても仕方ないだろう。
そして、周囲があっけにとられているすきにスザクがバルコニーに飛び移り、猿轡をされ、拘束されているルルーシュを開放する。
「スザク…お前…」
「ああ…お説教は後ね…。皆の殺気が怖いから…」
そう言って、スザクはルルーシュを横抱きにしてクラブハウスの部屋に飛び移り、会場の裏側に飛び降りた。
いくらルルーシュを抱えていると云っても、このアッシュフォード学園の中でスザクの足に追いつける者はいない。
そして…
「あ!逃げられた!」
「早く追うぞ!」
生徒たちが完全に反応が遅れた状態で気がついても時は既に遅い。
それに、二人は同じ屋根の下で暮らしているのだ。(スザクが居候しているのだが)
「そっか…スザクには『ルルーシュ一日メイド券10枚つづり(利用期限なし)』なんてなくても…毎日いろいろお世話して貰ってるんだもんね…」
ミレイのその一言は…マイクを通し…生徒たちの耳に届いた。

 そこで悔しがっているのは…
カレンだった…
「あんの…腹黒めぇぇぇぇ…」
カレンのこの叫びは…学園中にとどろいたのだった。

END

 

あとがきに代えて



はい、先週のバトルに決着付けました。
ちょっと、中途半端感はあるんですが…
まぁ、今回はカレンに華を持たせる気はなかったので…

えっと…ちょっとお知らせです。
もしかしたら、明日から入院になるかもしれません。
熱発しました。
入院するとしたらたぶん千葉です。
あした、こうした形での更新がなければ入院したと思って下さい。
まぁ、元気になったら、携帯でお知らせします。
出来るだけ、明日の内に帰ってこようと考えていますが…
それでも、明日は行進をお休みさせて頂きます。
予めご了承ください。



☆拍手のお返事


めいさま:こんばんは、はじめまして。
コメントありがとうございます。

ハチャメチャをしてくれるユーフェミアは結構好きなんですね…
今回はギャグに走ってみた訳ですが…
ホント、ルルーシュがみんなに愛されていると幸せになれます。

後…本編に関しては…
確かに、シュナイゼルが『ギアス』をかけられちゃっているんで、『ゼロ』の云う事にしたがっちゃうから、政治力を発揮できませんし…
神楽耶も意外とおバカキャラだったので…期待できませんしね…
でも、歴史っていうのは恐ろしいもので、彼らが生きているうちにばれるかどうかは別にしても、必ず、真実が明かされていきます。
ルルーシュが望まなくても…
和泉はそこの部分にかけていますけれど…


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2009年06月25日

僕たちの学園生活シリーズ

一触即発



 ルルーシュ≂ランペルージ(17)
彼はアッシュフォード学園で、色んな意味でもてる。
本人は何をしているつもりもない。
正直、目立たないように生活したいと思っているが…(しかし、彼の周囲にいるスザクやカレンがとんでもない人間離れした人間だから彼らを引き連れている時点で既に目立つ存在だが)
最近では、ロッカーや靴箱にいろんなものが入っている事が多くて、最初の頃は律儀に持ち帰っていたのだが…毎日手紙やらプレゼントやら持ち帰るのがめんどくさくなり、それに、よく解らない人間から食べ物とか貰っても扱いに困るから鍵をつけてそう言ったところには置けないようにした。
しかし、敵も考えるもので、今では生徒会室に届けられたり、教室の机の中には手紙が…机の上には様々なプレゼントが置かれている。
「あ、ルルーシュ…今日も凄いね…」
すっかり他人事なスザクがルルーシュの教室の机の上を見てそう声をかける。
スザクはルルーシュの家に居候中ではあるが、スザクはクラブの朝練があるので、いつもルルーシュよりも早く家を出てくる。
今日は朝練が休みだと云う事でルルーシュと一緒に登校してきた訳だが…
「他人事だと思って…」
ルルーシュが机の中も確認すると…案の定、びっしりと手紙が詰まっている。
最近では他校の女子からの手紙も入っている。
ぶつくさ言いながら机の中身をかき出し、あらかじめ準備してきた紙袋に入れて行く。
扱いとしては結構ぞんざいだ。
「いいの?皆…ルルーシュの事が好きでこうして手紙を書いているのに…」
「俺の迷惑も考えろ…。俺はこう云うものを貰った喜ぶアイドルじゃないんだ…。それに、どこの誰かも解らん奴から貰っても…気味が悪いだけだろ…」
確かに…ルルーシュの言い分も一理ある。
そして、ルルーシュが手紙を袋に収めている中、一通、ひらりと床に落ちた。
「ルルーシュ…落ちたよ?」
そう云いながらスザクがその手紙を拾い上げて、何気なく差し出し人の名前を見てみると…
スザクはその差出人の名前を見ようとした訳じゃない…
目に入っただけ…と云う表現が一番正しい…
その目に入っただけの差出人の名前を見て…凍りついた。
スザクの様子がおかしいと思ったルルーシュはスザクの方を向いた。
「どうした?スザク…手紙はあとそれだけ…」
スザクが青ざめて手紙を握り締めて固まっている。
「?」
「ルルーシュ…君って…男からもこんな手紙を貰っているんだね…」
いつもべたべたしたがるスザクにそんな事は云われたかないが…スザクが凍りついている理由が漸く解った。
「おまえ…人のこと云えるのか…」

 青ざめているスザクにルルーシュは一刀両断してやる。
しかし、この辺りのスザクは結構ご都合主義だ。
こんな状態で正論をかざしても決してひるむ事なんてない。
「言えるよ!ルルーシュにはあんなにおっかない彼女がいて、ルルーシュ自身は全然体力ないのにトラブルの中に自ら飛び込んで行く姿を見て、絶対に見返りなんてない事を解っていながら僕は必ず助けに行く!知ってる?神楽耶がルルーシュのヌードを描きたいって言った時、ルルーシュを助けたおかげで…僕とルルーシュがペアでモデルをやった後、僕が神楽耶にどんな仕打ちを受けたか…」
涙ながらに訴えるスザクを見て、流石にルルーシュも怯んで後ずさってしまう。
「な…何があったんだ…?」
恐る恐る聞いてみると…
「あの後、僕、神楽耶と子供の時からの師匠である藤堂さんに連れて行かれたでしょ?」
記憶の糸をたどると確かに…
ただ…あの時神楽耶は、『是非ともスザクと一緒にお食事をしたいんですの…。今日は私にスザクをお貸し下さいませね…』と云っていたのだが…
「あれは…皇先輩とあの、お前の師匠とか云う藤堂と云う人と夕食を一緒に食べたんだろ?おまけにお前自身が『神楽耶の家に泊まるから帰れない…』って、メールを送ってよこしたじゃないか…」
こう言う時だけ文面を素直に信じるルルーシュにスザクは涙してしまう。
スザクにしてみれば一番疑ってかかって欲しかったところだが…
「あのね…神楽耶に拉致されて…メールしかよこさなかった時点で疑ってよ…。僕、帰れない時にはちゃんと電話しているでしょ?」
スザクの涙ながらの言葉にルルーシュ自身、『ああ…そう言えば…』と、本来無駄に頭のいい彼の頭脳が色々と分析を始めた。
「ひょっとして…あれ…皇先輩に脅されていたのか?」
「それ以外に何があるっていうのさ…。ルルーシュは知らないんだよ…あの神楽耶の恐ろしさを…」
アッシュフォード学園剣道部のエースでどんな相手にだって素手で負けた事がない…
おまけにルルーシュを姫抱きにしながら、アッシュフォード学園の運動部の攻撃をことごとく振り払うスザクである。
「そんなに…怖い存在なのか?皇先輩って…」
ルルーシュが少々顔を引き攣らせ気味に尋ねると…
スザクの二つの翡翠からは…滝のような涙が流れていた…
どうやら…スザクには女難の相が出ているらしい…
よくよく考えてみれば、スザクだって相当もてる方だ。
運動神経は人並み外れているし、それでも変に筋肉で身体のあらゆる所が太くなっているような体系でもなく、顔は恐らく、女子に好まれるであろう童顔…
そして、何より、ルルーシュにはない他人への気配りが出来て、屈託のない笑顔を見せられる性格だ…

 そんな風に思いながらスザクによしよし…と頭を撫でてやっているところに…
「なぁにやってんのよ…スザク…」
現れたのはスザクの天敵、カレン=シュタットフェルトだった。
「君には関係ないだろ…今は僕とルルーシュの二人の世界に浸っているんだ…邪魔しないでくれ…」
仮にも…カレンは学園公認のルルーシュの彼女と云う立場だ。
おまけに、このカレンに肉弾戦で対等に戦える相手はスザクしかいないと云う凄腕の持ち主だったりする。
「何…?スザク…それは、全力で私に喧嘩を売っているって思っていいのかしら?」
顔を引き攣らせている自分の彼女の笑顔に…ルルーシュの方が顔を青ざめる。
「ま…まぁまぁ…カレン…。落ち着け…」
ルルーシュがそこで何とかカレンを宥めようとするが…
その言葉にスザクも反応する。
「ルルーシュ…君は僕が落ち込んでいるっていうのに、カレンの方が気になるの?」
そう聞かれればカレンの方はルルーシュの彼女なのだから普通なら、『当たり前だ!』と返すところなのだろうが…
すっかり、ルルーシュと二人きりの世界から現実に無理矢理引き戻されたスザクの虫の居所は相当悪くなっているようだ。
スザクの場合、神楽耶以外に怖いと思う存在はルルーシュくらいで、後の人間は別に怒らせようが、泣かせようが、基本的に関係ない。(恐らく、スザクのソトヅラの良さで皆、騙されていると思われる)
「ルルーシュ…?あんたの彼女って…私だったわよね?なんで、スザクの為にそんな風に私の怒りを宥めようとする訳?」
さっきのルルーシュの言葉でこっちの怒りの炎にも点火してしまったようだ。
そんなセリフを吐きながらスザクからルルーシュを引きはがそうとする。
スザクもそんなカレンの動きに即行で気がついてルルーシュは渡さないとばかりにルルーシュの腕にしがみついている。
こうなった時…一番迷惑を蒙るのは誰か…
まぁ、冷静にその様子を見ていられる方々ならご存知だろう。
そう、この二人の間に挟まれているルルーシュだ。
基本的にルルーシュは同じ年ごろの男子よりも体力的にも運動神経的にも、ちょっとばかり不自由がある。
ルルーシュの両サイドを固めているのはこの学園でこいつらに素手でかなう奴などいないと云う二巨頭の二人だ。
下手に首を突っ込んでとばっちりを受けたら恐らく、命が危ない…。
そこに…数少ない解決策を知る同級生…リヴァルの登場だ。
「リ…リヴァル…会長を…」

 恐らく、ルルーシュは絶対に使いたくなかった相手を救世主として選んだ。
多分、この事態を治められるのは、この学園の生徒会長…ミレイ=アッシュフォードしかいない。
一つ断わっておくが、ミレイ自身に、こいつらと対等に戦えるだけの腕力はない。
リヴァルもそれは解っている。
それでも、リヴァルもそれしかないとルルーシュの言葉に頷いて、ミレイのいる教室へと駆けて行った。
ルルーシュは心の中で、『後が怖いが…早く来てくれ…』と、自称『世界で一番ルルーシュを愛しているのは自分だ!』の二人の間でもみくちゃにされている。
教室に集まっているクラスメイト達はすっかり傍観者だ。
ここで変に手出し、口出しなどして自分たちの身の安全の保証がされないし、恐らく、下手な事をすると逆にルルーシュに身の危険が及ぶ。
「ルル…もうちょっとだから…頑張って…」
一応心配はしているものの、他人事として納めたいシャーリーが一言そう告げる。
恐らく他のクラスメイト達の気持ちも同じだ。
スザクもカレンも…個人としてはとてもいい人たちだと思う。
それは、恐らく、この学園の生徒全員が認めるところだ。
しかし、ルルーシュが間に挟まると、どうにも手の付けようがなくなるのだ。
さっきからルルーシュが『痛いから放せ…』とか、『苦しい…』とかもがいているが…
そんな中、クラスメイト達はある、共通の思いがある。
『ここでルルーシュが二人に『手を放せ…放さなければ絶交する…』その一言で丸く収まるだろうな…。少なくともスザクは放すだろうし…』
と…
この辺りはクラスメイト達もこの3人の事をよく見ている。
そして、ルルーシュがそんなセリフを吐けない事もよく理解している。
なんだかんだ言いつつ、ルルーシュはこの二人の事をものすごく気に入っているのだ。
それは…クラスメイト達の目にも一目瞭然で…
基本的にルルーシュは他人に自分の身体に触れさせる事がない。
しかし、この二人にはこんなのもみくちゃにされているのだ。
スザクとは幼馴染だと聞いているが…過去に何かあったらしい事は気付いていても、それが何であるのか知っているのはルルーシュとスザクだけだ。
カレンに至っては、基本的にどうしてそう言う事になったのか、よく解らないのだが…それでもルルーシュ自身、彼女の事は学園公認の彼女として云われていても何も言わない。
確かに肯定もしないが否定もしないのだ。
目立つ事の嫌いなルルーシュがこんなに目立つカレンを彼女にしていると云う噂が立てばどんな手を使ってでも揉み消す事は間違いないし…
「はいはい…二人とも…そこまで!ルルーシュを間に争ったりしていたらルルーシュが壊れちゃうわよ?」

 そこに現れたのがミレイだった。
リヴァルが呼びに行って今、到着したらしい。
ルルーシュを心配していると思いきや、結構楽しそうな表情をしている。
ミレイの一声でスザクもカレンもルルーシュから手を放した。
やっと解放されて、ルルーシュがへなへなとへたり込んだ。
こう言うルルーシュを見ていると、クラスメイト達は『ルルーシュも大変なんだな…』と同情してしまうが、それを庇う事は決してない。
自分の命は自分で大切にしなければ誰も大切にしてくれないから…
「まぁったく…あんたたち…ルルーシュを大好きなのはいいけどね…少しはルルーシュの体力とか、運動神経とかを考えてあげなさいよ…」
ミレイが教室に入ってきて二人に説教をし始める。
微妙にルルーシュとしてはプライドを傷付けられる言葉もある訳だが…
しかし、真実だし、この二人にもみくちゃにされていたので、それを否定する言葉は出て来ない。
「まぁ…何が原因かは知らないけど…どうせやるなら、ルルーシュを間に挟んでいるんじゃとてもじゃないけど、本気は出せないでしょ?」
ミレイがにやりと笑いながら二人を見た。
そして、その一言でルルーシュが再び顔を青ざめる。
まだ、脱力した状態ではあったが、ミレイの方を見て…恐る恐る聞いてみる事にする。
「まさか…会長?」
「さっすがルルーシュ…私の考えている事が解るのね…♪」
明るい声でミレイが云うと、リヴァルもシャーリーもため息をついた。
「「それ…ルルーシュじゃなくても解りますよ…会長…」」
「流石はアッシュフォード学園の生徒会メンバーや優秀ね…」
ミレイがわくわくしたようにそう言うと…
「第一回!ルルーシュ争奪戦バトルを開催しまぁ〜す!今回はスザクとカレンだけね…。で、皆はどっちが勝つかベットしてね…♪」
「会長…賭け事まで持ち込む気ですか…」
ルルーシュが尋ねると…
「お金じゃないわよ…。とりあえず、全員にチップを配るわ…。買った方に賭けた人は…まぁ、倍率は多分トントンだと思うんだけど…学食のAランチ券を進呈しまぁす!まぁ、ベット状況を見て、倍率が変わると思うけど…」
楽しそうに話すミレイにリヴァルが素朴な質問を投げかける。
「で…その予算は?」
「もっちろん…我が生徒会の超有能副会長に任せるにきまっているじゃない…。それに、スザクとカレンが戦って、買った方に『ルルーシュ1日メイド券』10枚つづり(利用期限なし)を進呈しまぁす♪」
ルルーシュの悪い予感はどんぴしゃりと当たってしまったらしい…
ルルーシュは当日、どうやって逃げるか…逃走ルートを模索し始めた。

END

 

あとがきに代えて



久しぶりの『僕たちの学園生活』でしたが…なんだか、ずっと書いていない『ミレイさんの生徒会日記』と被るネタでした。
この続き…まぁ、近いうちに書きます。
忘れた頃になってしまうと、探すのが大変ですしね…
ちなみに初めて読む方々に説明すると…ここには『ギアス』も『ナイトメア』もありません。
ルルーシュは世界的財閥の息子で、シャルルパパを含めて彼に近しい異母兄姉妹たちから溺愛されています。
と云うか、ここに出てくるキャラクターでルルーシュを嫌いなキャラクターはいません。
過去の話を見てみたいと云う方は『Amethyst Eyes』へどうぞ…
このブログから探すのは大変だと思われますので…
久しぶりに書いたこのシリーズ…
このシリーズの場合、どれだけ無茶振りしても何とか許して貰えそうな…そんな安心感があります…


☆拍手のお返事


水流さま:こんばんは、いつもコメントありがとうございます。
『騎士皇子シリーズ』の騎士皇子は完全に和泉の趣味によって彼らを弄くり倒しています。
二人とも、相当色々優秀なんだけど…人間臭さのある設定となっていまして…
オンライン以外にも書いているんですけれど…オフセットでは出した事ないこのシリーズの二人…
コピー本で大人のお話を出しています。(一応、この二人、両想いの恋人同士なんで…。ルルーシュはすっかりスザクに引きずられて、調教されちゃっていますが)

メイドルルは…
うちに一人欲しいです…。
家事が完ぺきでセクハラし放題なんて…なんたる至福…(やめなさい!)
メイドルルはいろいろと妄想が膨らみます。
メイドルルネタは結構いろんなところで使われていますが…どこのメイドルルを見ても『萌え♪』られる、素晴らしいネタだと思っています。


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彼はアッシュフォード学園で、色んな意味でもてる。
本人は何をしているつもりもない。
正直、目立たないように生活したいと思っているが…(しかし、彼の周囲にいるスザクやカレンがとんでもない人間離れした人間だから彼らを引き連れている時点で既に目立つ存在だが)
最近では、ロッカーや靴箱にいろんなものが入っている事が多くて、最初の頃は律儀に持ち帰っていたのだが…毎日手紙やらプレゼントやら持ち帰るのがめんどくさくなり、それに、よく解らない人間から食べ物とか貰っても扱いに困るから鍵をつけてそう言ったところには置けないようにした。
しかし、敵も考えるもので、今では生徒会室に届けられたり、教室の机の中には手紙が…机の上には様々なプレゼントが置かれている。
「あ、ルルーシュ…今日も凄いね…」
すっかり他人事なスザクがルルーシュの教室の机の上を見てそう声をかける。
スザクはルルーシュの家に居候中ではあるが、スザクはクラブの朝練があるので、いつもルルーシュよりも早く家を出てくる。
今日は朝練が休みだと云う事でルルーシュと一緒に登校してきた訳だが…
「他人事だと思って…」
ルルーシュが机の中も確認すると…案の定、びっしりと手紙が詰まっている。
最近では他校の女子からの手紙も入っている。
ぶつくさ言いながら机の中身をかき出し、あらかじめ準備してきた紙袋に入れて行く。
扱いとしては結構ぞんざいだ。
「いいの?皆…ルルーシュの事が好きでこうして手紙を書いているのに…」
「俺の迷惑も考えろ…。俺はこう云うものを貰った喜ぶアイドルじゃないんだ…。それに、どこの誰かも解らん奴から貰っても…気味が悪いだけだろ…」
確かに…ルルーシュの言い分も一理ある。
そして、ルルーシュが手紙を袋に収めている中、一通、ひらりと床に落ちた。
「ルルーシュ…落ちたよ?」
そう云いながらスザクがその手紙を拾い上げて、何気なく差し出し人の名前を見てみると…
スザクはその差出人の名前を見ようとした訳じゃない…
目に入っただけ…と云う表現が一番正しい…
その目に入っただけの差出人の名前を見て…凍りついた。
スザクの様子がおかしいと思ったルルーシュはスザクの方を向いた。
「どうした?スザク…手紙はあとそれだけ…」
スザクが青ざめて手紙を握り締めて固まっている。
「?」
「ルルーシュ…君って…男からもこんな手紙を貰っているんだね…」
いつもべたべたしたがるスザクにそんな事は云われたかないが…スザクが凍りついている理由が漸く解った。
「おまえ…人のこと云えるのか…」

 青ざめているスザクにルルーシュは一刀両断してやる。
しかし、この辺りのスザクは結構ご都合主義だ。
こんな状態で正論をかざしても決してひるむ事なんてない。
「言えるよ!ルルーシュにはあんなにおっかない彼女がいて、ルルーシュ自身は全然体力ないのにトラブルの中に自ら飛び込んで行く姿を見て、絶対に見返りなんてない事を解っていながら僕は必ず助けに行く!知ってる?神楽耶がルルーシュのヌードを描きたいって言った時、ルルーシュを助けたおかげで…僕とルルーシュがペアでモデルをやった後、僕が神楽耶にどんな仕打ちを受けたか…」
涙ながらに訴えるスザクを見て、流石にルルーシュも怯んで後ずさってしまう。
「な…何があったんだ…?」
恐る恐る聞いてみると…
「あの後、僕、神楽耶と子供の時からの師匠である藤堂さんに連れて行かれたでしょ?」
記憶の糸をたどると確かに…
ただ…あの時神楽耶は、『是非ともスザクと一緒にお食事をしたいんですの…。今日は私にスザクをお貸し下さいませね…』と云っていたのだが…
「あれは…皇先輩とあの、お前の師匠とか云う藤堂と云う人と夕食を一緒に食べたんだろ?おまけにお前自身が『神楽耶の家に泊まるから帰れない…』って、メールを送ってよこしたじゃないか…」
こう言う時だけ文面を素直に信じるルルーシュにスザクは涙してしまう。
スザクにしてみれば一番疑ってかかって欲しかったところだが…
「あのね…神楽耶に拉致されて…メールしかよこさなかった時点で疑ってよ…。僕、帰れない時にはちゃんと電話しているでしょ?」
スザクの涙ながらの言葉にルルーシュ自身、『ああ…そう言えば…』と、本来無駄に頭のいい彼の頭脳が色々と分析を始めた。
「ひょっとして…あれ…皇先輩に脅されていたのか?」
「それ以外に何があるっていうのさ…。ルルーシュは知らないんだよ…あの神楽耶の恐ろしさを…」
アッシュフォード学園剣道部のエースでどんな相手にだって素手で負けた事がない…
おまけにルルーシュを姫抱きにしながら、アッシュフォード学園の運動部の攻撃をことごとく振り払うスザクである。
「そんなに…怖い存在なのか?皇先輩って…」
ルルーシュが少々顔を引き攣らせ気味に尋ねると…
スザクの二つの翡翠からは…滝のような涙が流れていた…
どうやら…スザクには女難の相が出ているらしい…
よくよく考えてみれば、スザクだって相当もてる方だ。
運動神経は人並み外れているし、それでも変に筋肉で身体のあらゆる所が太くなっているような体系でもなく、顔は恐らく、女子に好まれるであろう童顔…
そして、何より、ルルーシュにはない他人への気配りが出来て、屈託のない笑顔を見せられる性格だ…

 そんな風に思いながらスザクによしよし…と頭を撫でてやっているところに…
「なぁにやってんのよ…スザク…」
現れたのはスザクの天敵、カレン=シュタットフェルトだった。
「君には関係ないだろ…今は僕とルルーシュの二人の世界に浸っているんだ…邪魔しないでくれ…」
仮にも…カレンは学園公認のルルーシュの彼女と云う立場だ。
おまけに、このカレンに肉弾戦で対等に戦える相手はスザクしかいないと云う凄腕の持ち主だったりする。
「何…?スザク…それは、全力で私に喧嘩を売っているって思っていいのかしら?」
顔を引き攣らせている自分の彼女の笑顔に…ルルーシュの方が顔を青ざめる。
「ま…まぁまぁ…カレン…。落ち着け…」
ルルーシュがそこで何とかカレンを宥めようとするが…
その言葉にスザクも反応する。
「ルルーシュ…君は僕が落ち込んでいるっていうのに、カレンの方が気になるの?」
そう聞かれればカレンの方はルルーシュの彼女なのだから普通なら、『当たり前だ!』と返すところなのだろうが…
すっかり、ルルーシュと二人きりの世界から現実に無理矢理引き戻されたスザクの虫の居所は相当悪くなっているようだ。
スザクの場合、神楽耶以外に怖いと思う存在はルルーシュくらいで、後の人間は別に怒らせようが、泣かせようが、基本的に関係ない。(恐らく、スザクのソトヅラの良さで皆、騙されていると思われる)
「ルルーシュ…?あんたの彼女って…私だったわよね?なんで、スザクの為にそんな風に私の怒りを宥めようとする訳?」
さっきのルルーシュの言葉でこっちの怒りの炎にも点火してしまったようだ。
そんなセリフを吐きながらスザクからルルーシュを引きはがそうとする。
スザクもそんなカレンの動きに即行で気がついてルルーシュは渡さないとばかりにルルーシュの腕にしがみついている。
こうなった時…一番迷惑を蒙るのは誰か…
まぁ、冷静にその様子を見ていられる方々ならご存知だろう。
そう、この二人の間に挟まれているルルーシュだ。
基本的にルルーシュは同じ年ごろの男子よりも体力的にも運動神経的にも、ちょっとばかり不自由がある。
ルルーシュの両サイドを固めているのはこの学園でこいつらに素手でかなう奴などいないと云う二巨頭の二人だ。
下手に首を突っ込んでとばっちりを受けたら恐らく、命が危ない…。
そこに…数少ない解決策を知る同級生…リヴァルの登場だ。
「リ…リヴァル…会長を…」

 恐らく、ルルーシュは絶対に使いたくなかった相手を救世主として選んだ。
多分、この事態を治められるのは、この学園の生徒会長…ミレイ=アッシュフォードしかいない。
一つ断わっておくが、ミレイ自身に、こいつらと対等に戦えるだけの腕力はない。
リヴァルもそれは解っている。
それでも、リヴァルもそれしかないとルルーシュの言葉に頷いて、ミレイのいる教室へと駆けて行った。
ルルーシュは心の中で、『後が怖いが…早く来てくれ…』と、自称『世界で一番ルルーシュを愛しているのは自分だ!』の二人の間でもみくちゃにされている。
教室に集まっているクラスメイト達はすっかり傍観者だ。
ここで変に手出し、口出しなどして自分たちの身の安全の保証がされないし、恐らく、下手な事をすると逆にルルーシュに身の危険が及ぶ。
「ルル…もうちょっとだから…頑張って…」
一応心配はしているものの、他人事として納めたいシャーリーが一言そう告げる。
恐らく他のクラスメイト達の気持ちも同じだ。
スザクもカレンも…個人としてはとてもいい人たちだと思う。
それは、恐らく、この学園の生徒全員が認めるところだ。
しかし、ルルーシュが間に挟まると、どうにも手の付けようがなくなるのだ。
さっきからルルーシュが『痛いから放せ…』とか、『苦しい…』とかもがいているが…
そんな中、クラスメイト達はある、共通の思いがある。
『ここでルルーシュが二人に『手を放せ…放さなければ絶交する…』その一言で丸く収まるだろうな…。少なくともスザクは放すだろうし…』
と…
この辺りはクラスメイト達もこの3人の事をよく見ている。
そして、ルルーシュがそんなセリフを吐けない事もよく理解している。
なんだかんだ言いつつ、ルルーシュはこの二人の事をものすごく気に入っているのだ。
それは…クラスメイト達の目にも一目瞭然で…
基本的にルルーシュは他人に自分の身体に触れさせる事がない。
しかし、この二人にはこんなのもみくちゃにされているのだ。
スザクとは幼馴染だと聞いているが…過去に何かあったらしい事は気付いていても、それが何であるのか知っているのはルルーシュとスザクだけだ。
カレンに至っては、基本的にどうしてそう言う事になったのか、よく解らないのだが…それでもルルーシュ自身、彼女の事は学園公認の彼女として云われていても何も言わない。
確かに肯定もしないが否定もしないのだ。
目立つ事の嫌いなルルーシュがこんなに目立つカレンを彼女にしていると云う噂が立てばどんな手を使ってでも揉み消す事は間違いないし…
「はいはい…二人とも…そこまで!ルルーシュを間に争ったりしていたらルルーシュが壊れちゃうわよ?」

 そこに現れたのがミレイだった。
リヴァルが呼びに行って今、到着したらしい。
ルルーシュを心配していると思いきや、結構楽しそうな表情をしている。
ミレイの一声でスザクもカレンもルルーシュから手を放した。
やっと解放されて、ルルーシュがへなへなとへたり込んだ。
こう言うルルーシュを見ていると、クラスメイト達は『ルルーシュも大変なんだな…』と同情してしまうが、それを庇う事は決してない。
自分の命は自分で大切にしなければ誰も大切にしてくれないから…
「まぁったく…あんたたち…ルルーシュを大好きなのはいいけどね…少しはルルーシュの体力とか、運動神経とかを考えてあげなさいよ…」
ミレイが教室に入ってきて二人に説教をし始める。
微妙にルルーシュとしてはプライドを傷付けられる言葉もある訳だが…
しかし、真実だし、この二人にもみくちゃにされていたので、それを否定する言葉は出て来ない。
「まぁ…何が原因かは知らないけど…どうせやるなら、ルルーシュを間に挟んでいるんじゃとてもじゃないけど、本気は出せないでしょ?」
ミレイがにやりと笑いながら二人を見た。
そして、その一言でルルーシュが再び顔を青ざめる。
まだ、脱力した状態ではあったが、ミレイの方を見て…恐る恐る聞いてみる事にする。
「まさか…会長?」
「さっすがルルーシュ…私の考えている事が解るのね…♪」
明るい声でミレイが云うと、リヴァルもシャーリーもため息をついた。
「「それ…ルルーシュじゃなくても解りますよ…会長…」」
「流石はアッシュフォード学園の生徒会メンバーや優秀ね…」
ミレイがわくわくしたようにそう言うと…
「第一回!ルルーシュ争奪戦バトルを開催しまぁ〜す!今回はスザクとカレンだけね…。で、皆はどっちが勝つかベットしてね…♪」
「会長…賭け事まで持ち込む気ですか…」
ルルーシュが尋ねると…
「お金じゃないわよ…。とりあえず、全員にチップを配るわ…。買った方に賭けた人は…まぁ、倍率は多分トントンだと思うんだけど…学食のAランチ券を進呈しまぁす!まぁ、ベット状況を見て、倍率が変わると思うけど…」
楽しそうに話すミレイにリヴァルが素朴な質問を投げかける。
「で…その予算は?」
「もっちろん…我が生徒会の超有能副会長に任せるにきまっているじゃない…。それに、スザクとカレンが戦って、買った方に『ルルーシュ1日メイド券』10枚つづり(利用期限なし)を進呈しまぁす♪」
ルルーシュの悪い予感はどんぴしゃりと当たってしまったらしい…
ルルーシュは当日、どうやって逃げるか…逃走ルートを模索し始めた。

END

 

あとがきに代えて



久しぶりの『僕たちの学園生活』でしたが…なんだか、ずっと書いていない『ミレイさんの生徒会日記』と被るネタでした。
この続き…まぁ、近いうちに書きます。
忘れた頃になってしまうと、探すのが大変ですしね…
ちなみに初めて読む方々に説明すると…ここには『ギアス』も『ナイトメア』もありません。
ルルーシュは世界的財閥の息子で、シャルルパパを含めて彼に近しい異母兄姉妹たちから溺愛されています。
と云うか、ここに出てくるキャラクターでルルーシュを嫌いなキャラクターはいません。
過去の話を見てみたいと云う方は『Amethyst Eyes』へどうぞ…
このブログから探すのは大変だと思われますので…
久しぶりに書いたこのシリーズ…
このシリーズの場合、どれだけ無茶振りしても何とか許して貰えそうな…そんな安心感があります…


☆拍手のお返事


水流さま:こんばんは、いつもコメントありがとうございます。
『騎士皇子シリーズ』の騎士皇子は完全に和泉の趣味によって彼らを弄くり倒しています。
二人とも、相当色々優秀なんだけど…人間臭さのある設定となっていまして…
オンライン以外にも書いているんですけれど…オフセットでは出した事ないこのシリーズの二人…
コピー本で大人のお話を出しています。(一応、この二人、両想いの恋人同士なんで…。ルルーシュはすっかりスザクに引きずられて、調教されちゃっていますが)

メイドルルは…
うちに一人欲しいです…。
家事が完ぺきでセクハラし放題なんて…なんたる至福…(やめなさい!)
メイドルルはいろいろと妄想が膨らみます。
メイドルルネタは結構いろんなところで使われていますが…どこのメイドルルを見ても『萌え♪』られる、素晴らしいネタだと思っています。


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2008年12月19日

僕たちの学園生活シリーズ

Dear.My Brother



 ルルーシュには兄弟がたくさんいる。
とは言っても、父親が同じだが、母親は違うというおまけつきだが…。
父も母も同じなのは一緒に暮らしているナナリーだけだ。
実は、顔も知らない兄弟姉妹がいるのだ。
実際に、今知る、異母兄弟姉妹も基本的には、母、マリアンヌが秘書をしている関係で知り合った女性の子供たちばかりだし、数えきれない兄弟の事を全員把握している者が、ルルーシュ達兄弟の中でいるのかさえ分からない。
それでも、今のところは差し障りがないので、放置…と言った感じだ。
これで、父に何かあった時の相続争いは大変なことだろうとは思う。
ルルーシュとしては、シュナイゼルあたりが次期社長になってくれれば、ルルーシュの就職先も安泰だし、これから先、仲のいい異母兄姉妹たちとは、協力関係が作れるような気がする。
しかし、ルルーシュが仲のいい異母兄姉達は、どうにも、自分はブリタニアグループを継ぐ気がない者ばかりで、彼らの中ではルルーシュにブリタニアグループを…と考えているらしい。
ルルーシュとしては、そんな表舞台に立つ事など絶対に嫌だった。
顔も知らない兄弟姉妹たちから敵意丸出しで命を狙われるとか、逆に、いきなり媚を売りに付きまとう輩が出てくることが想像できるからだ。
確かに、ルルーシュは社長である、シャルルにとって一番のお気に入りの息子らしいが、こっちとしても、そんな理由のために会社の命運をかけるような真似をしないと、心の中で信じていた。
そりゃ、自分の気に入っている子供に継がせたいのは解るが、その子供にそれだけの才能があるかどうかは別の話なのであるから…。
ブリタニアグループは世界でも有数の大企業だ。
金と権力を狙う母親たちの考えの甘さにも呆れ果てるが…それを背負わされる子供の方はたまらない。
末端の関連会社まで含めると、億単位の人間がそのトップの行動によって左右されることにもなるのだから…。
そんな現実を知っているのか、いないのか、金と権力を求めるバカな母親どもは愛する我が子を権力闘争へと導いていく。
ルルーシュの場合、母親が父、シャルルの秘書をやっていたので、そう云う現実をよく知る立場にあった。
だから、ルルーシュ自身、絶対に父親の跡を継ぐなど、断固拒否したかった。
正妻が望むまま、正妻の長男、オデュッセウスが後を継げばいい。
あの凡庸な長男にどこまであの巨大グループを守れるかは知らないが…。

 アッシュフォード学園では相変わらずのお祭り騒ぎのような日常が繰り返されていた。
「カレン…なんで、そこまで僕からルルーシュを遠ざけるんだ!」
スザクは天敵のカレンに怒鳴りつけている。
「あんたの場合、ルルーシュと二人きりにしておくとルルーシュに危険が及ぶ事が解っているからよ!あんたの場合、ルルーシュに対する目が何か違うんだもの…」
生徒会室ではスザクとカレンでルルーシュの争奪戦が繰り広げられていた。
当のルルーシュはと言えば、自分で淹れた紅茶をすすりながら、パソコン画面を眺めて生徒会業務に勤しんでいる。
他のメンバーもいつもの事…と言った感じで今日の勝負はどちらに軍配が上がるかをかけていた。
勝敗の決め方は簡単…ルルーシュが立ち上がり、生徒会室から連れ出した方の勝ち…。
この場でルルーシュが手を引いて行った方と、その日は一緒に帰っていくからだ。
ルルーシュも何を考えているかはよく分からないが、二者択一なのに、意外とランダムで見当をつけにくいのだ。
大体、ルルーシュも、本命のカレンと親友のスザク…どちらも大切にしているのは解るのだが、ルルーシュの中でのウェイトがよく解らない。
だからこそ、賭けにもなるのだが…。
そんなとき、いきなり生徒会室のドアがノックされた。
ミレイが驚いて、入口を開けると…
「ルルーシュ!最近、ちっとも会いに来てくれないから…来てしまったよ…」
そこに立っていたのは、このアッシュフォード学園の卒業生、クロヴィスだった。
ルルーシュがげんなりして、パソコンのキーボードを叩いていた手をとめた。
「クロヴィス兄さん、予告なしに、しかも、学園の生徒会室に乗り込んでこないでくださいよ!ある意味、シュナイゼル兄さんよりタチが悪いです!」
本当に、ルルーシュの家族…とりわけ、ルルーシュと親しい間柄にある場合、まるでストーカーの様にルルーシュを追いかけまわしているフシがある。
「ルルーシュ…君が悪いんだよ?食事に誘ってもなかなか来てくれないし、シュナイゼル兄さんが行く時は君がいるのに、僕が君のマンションに行く時はいつもいない…。不公平じゃないか!」
「それは、シュナイゼル兄さんが、どこからか、俺とアッシュフォード学園の行事予定を調べ上げていますから…。クロヴィス兄さんの場合、いつも、俺がいない日を選んだかのような時に来るんですから、仕方ありません。コーネリア姉さんやユーフェミアとは時々会っていますよ?」
周囲がこの兄弟のやり取りを興味深そうに見ている。
この兄弟姉妹たちのルルーシュ争奪戦は、第三者から見ているとこれ以上ないほど楽しい。
気が気でないと思っているのは約二名…。

賭けの対象となっていたカレンとスザクである。
ここで、この兄貴にルルーシュを持っていかれてしまうと、今日は週末の金曜日…。
カレンにとっては、ここで持って行かれてしまうのは一大事なのだ…。
スザクも、最近では、クラブ活動の方が盛んになり、なかなか一緒に暮らしているとはいえ、完全なすれ違い生活なので、真剣である。
「クロヴィスさん?いきなり来て、それはないんじゃないですか?」
「そうですよ…。僕たちだって、殆ど戦いのような状態で、ルルーシュと一緒にいる時間の争奪戦をしているんですから…」
こんなときばかり、この二人は意見が一致して、共同戦線を敷き、第三者の侵入を阻止しようとする。
こうなって来ると、ルルーシュ以外のギャラリーはますます観戦に熱が入る。
しかし、こういう時は、お坊ちゃん育ちのクロヴィスも引かない。
「君たちは、こうして学校でルルーシュと一緒にいるのだろう?なら、たまには僕にも貸して貰えると嬉しいのだけど?僕は彼の兄なんだから…肉親に会いたいと思うのは当然だろう?」
ルルーシュはしばらく放っておいて、生徒会業務を進めようと、再びパソコンのキーボードを叩いている。
とりあえず、この状況で横やりを入れても、余計なとばっちりが来るだけである。
ある程度、話の終止符が打たれるまでは、自分の仕事をしている。
自分がこうして、必要とされるのは良い。
確かに彼らは本当にルルーシュを大切にしてくれている。
しかし、それが、時に、自分の都合だけで動いているフシがあるのだ。
たまには、ルルーシュの都合も考えてほしい…時にルルーシュはそう思うのだ。
ここまで、愛されているのに、贅沢な事を言っているとは思うのだが…。
それでも、ルルーシュだって自分の時間は欲しいし、自分のやるべきことだってあるのだ。
とりあえず、生徒会メンバーも楽しそうに観戦しているようなので、あと、30分くらいは平気かなと思いながら、パソコンのディスプレイの時計を見ながら、再び、仕事を始めた。

 相変わらず、白熱した争奪戦が繰り広げられているが、流石に百戦錬磨のカレンとスザクにクロヴィスがだんだん置いて行かれているように見えた。
―――今日はクロヴィスか…
後で、カレンは怒りながら泣きだすだろうし、スザクは帰ってきたら、疲れきっているルルーシュを叩き起こして説教を始めるに違いないが…。
ルルーシュががたっと、その席を立って、パソコンの片づけをはじめ、自分のカバンを手に取った。
「クロヴィス兄さん、行きましょうか…」
この一言で勝負あり…。
実際にかけているメンバーたちも、この言い争い…もとい、ルルーシュ争奪戦の様子を見ながらでないと、どうにも予想がつかないのだ。
だから、ゴングが鳴る前に賭けるのだ。
その辺はルルーシュも冷静に状況を見ている。
「ルルーシュ…♪」
「「ルルーシュ!?」」
同じ名を呼ぶ3人だが、クロヴィスと敗れた二人の声の表情はまるで違う。
クロヴィスなどは、周りが一瞬でお花畑になったような表情でルルーシュをきらきらした目で見つめている。
ルルーシュはやれやれと言った表情で、二人の方に向き直る。
「すまない、カレン、スザク…。今日は兄さんと食事してくるよ…」
そういって、目をキラキラさせたクロヴィスを連れて、生徒会室を後にした。
そして残された二人…
「クロヴィスの奴…次あったら絶対シメる!」
「ルルーシュの奴…帰ってきたら、一晩中説教だぞ…覚悟してろよ!」

 学園の駐車場にはクロヴィスの車が停めてあった。
「クロヴィス兄さん、お願いですから、いきなり学園に乗り込んでくるのはやめてください。いつもだって、前もって連絡いただければ、俺も、出来る限り時間を作りますから…」
どうやら、ルルーシュもクロヴィスのこの唐突な行動には困っているのだ。
いくら卒業生だからと言って、いきなり車で乗り付けて、生徒会室に乗り込んでくるというのはいかがなものかと思う。
卒業生ではあっても、今は在校生ではないのだ。
下手をすると、本当に学園侵入者として、捕らえられても仕方ない行動だ。
「解ったよ…。ごめんよ…ルルーシュ。でも、ぜひ君を連れて行きたい店があってね…。きっと、喜んでくれる…」
嬉しそうに言っているクロヴィスを見ていると、どうしても、憎めなくなってしまう。
今までにも、こうした形で、スザクと遊びに行く約束やカレンとのデートをキャンセルさせられた事が何度もあったが…。
その所為で、あの二人からは恐ろしく邪魔もの扱いされている。
クロヴィスは自分の性格を把握してわざとやっているのか、本当にナチュラルにああなのか…時々、ルルーシュは悩んでいる。
チェスをしても、言い合いをしても、ルルーシュはクロヴィスに負けた事はない。
多分、性格の違いと、得意分野の違いだろう。
ルルーシュも懲りないクロヴィスは嫌いではなかった。
シュナイゼルと一緒の時には、心地いい緊張感を感じる。
クロヴィスと一緒の時には、適度な解放感を感じる。
ルルーシュにとって、この二人の兄は多分、必要な兄たちなのだ。
他にも、異母兄弟はいるが、多分、ルルーシュがこうして、気兼ねなく話せるのは、シュナイゼル、クロヴィス、コーネリア、ユーフェミア、そして、ナナリーだけだろう。
元々、それほど人との付き合いの上手な方ではない上に、あの複雑な家庭環境である。
彼らに対して心を開けたのも、多分、母のおかげだ。
クロヴィスの車に乗り込むと、クロヴィスらしい優しい雰囲気を出している。
クロヴィスは絵や音楽などの芸術関係が得意で、ルルーシュ自身はそう言った事についてはよく解らないが、クロヴィスの作りだす『美』は好きだった。
30分ほど、車を走らせ、一軒の多分、個人で経営しているであろう、小さなイタリアンレストランだった。
「ここが…俺が喜ぶ店?」
「まぁ、入って見てから、評価してくれないかな…」

 クロヴィスに促されて、店内に入った。
中は…どうやら、クロヴィスが貸し切りにしたらしい。
「もうすぐ、シュナイゼル兄さん、ユフィやコーネリア姉さんも来る。勿論、ナナリーも…」
「まさか…この為にわざわざ学園の生徒会室まで俺を拉致しに来たんですか?」
ルルーシュは目を丸くして、クロヴィスに尋ねる。
「僕のわがままだったんだけどね…。僕が、初めて、君たちと会った日だから…」
「……」
ルルーシュもそんな事は覚えていなかった。
クロヴィスはルルーシュよりも頭がいいとはお世辞にも言えない。
ゲームでも、同じ学年の成績にしても、芸術系以外はルルーシュの方がはるかに良かった。
でも…こうした…些細な…でも、大切な事は、多分、クロヴィスの方がよく覚えている。
「僕は、ルルーシュやナナリーのような弟妹が出来て嬉しかった。ナナリーは素直で優しくて、守ってやりたいと思うのに芯は強くて…ルルーシュは気位が高くて、プライドが高くて、でも、その気質にともなった美貌や頭脳も持ち合わせていて…。僕には自慢の弟妹だ…」
そう言って、店内を見回している。
そう言えば、飾られている絵は…クロヴィスのものだ。
ルルーシュにクロヴィスの絵が好きだと言われてからは、本当に絵を描く事が嬉しくて…。
何をやってもルルーシュに敵わなかったクロヴィスにとって、たった一つ、ルルーシュに認められたものだった。
だからこそ、力を入れていた。
そうしているうちに、それなりに名の通った、若手の画家として注目を集めるようになっていた。
「ルルーシュ…僕は君のおかげでここまで絵を好きになる事が出来た。そして、みんなにも認めて貰えるようになった。でも、誰に認めて貰えるよりも、君に認められた事が…僕は誰に褒められるよりもうれしかったんだ…」
飾られている絵の中に、両親とルルーシュ、ナナリーの4人が描かれている絵があった。
みんな、幸せそうに微笑んでいる。
「ルルーシュ…この絵を…貰ってはくれないか?」
家族4人が描かれている絵を指差してクロヴィスが言った。
ルルーシュは迷う事なく、首を縦に振った。
ルルーシュがクロヴィスの絵が好きなのは本当だ。
そして、この指さされた絵は、すごく優しさの込められている絵に見えた。

 間もなくして、シュナイゼルとナナリー、コーネリアとユーフェミアが店の中に入ってきた。
「おや、待たせてしまったかね?」
シュナイゼルが微笑みながら二人に問いかけた。
「いえ、大丈夫です。それにしても、クロヴィス兄さんの絵はやっぱり凄いですね…」
他に飾られている絵、一つ一つを丁寧に鑑賞した。
「クロヴィス兄様、最近、凄い活躍ですものね…。フランスへはいつ、お発ちに?」
ユーフェミアの言葉にルルーシュはふっと止まる。
「フランス?」
「え…ええ…。クロヴィス兄様、フランスの偉い画家の方に認められて…勉強しに行かれるって…。今日はその…」
ルルーシュはずっと知らなかった。
確かに、すれ違いな生活で…なかなか合う事もままならなかった。
「兄さん…だから…今日は…」
「そうだよ…。ちょっと無茶をしてしまった…」
「すみません…俺…」
何となく、項垂れてしまった。
「いや、僕も、シュナイゼル兄さんのように、ちゃんと君の行動を分析しながら君と会うべきだった…。やはり僕は頭が悪いね…」
そう言いながら、クロヴィスが笑っている。
「どのくらい、フランスへ行かれるのですか?」
「そうだな…僕が納得できる絵を描いて、自分が完璧だと思えるルルーシュを描ける様になるまで…かな…。ルルーシュは、本当に素晴らしい題材だと思う。君は見ているだけで、引き込まれそうな、強さを持っていて、自然にその姿に現れている…」
クロヴィスのルルーシュの評価にルルーシュは目を丸くして驚く。
クロヴィスにはどんなふうにルルーシュが写っているのだろう…その写っている姿が、否のクロヴィスの絵になるのだろう。
「そうですか…。クロヴィス兄さんの完璧だという俺を、ちゃんと見せてください…」
なんだか、とても優しい気持ちで、クロヴィスに言った。
そして、そのひと月後、クロヴィスはフランスへと飛び立った…

END


あとがきに代えて


久しぶりの『僕たちの学園生活シリーズ』です。
意外と評判が良かったのに、中々出す事が出来なくて…
各イベントとかだと、書きやすい題材なんですけれど…。
純粋にこのシリーズを書く事って、本当に時間のある時しかなくて…実は今回も、時間がなくて、書きためていたものを持ってきました。
今回は、私には珍しく、クロヴィスが出てきているんですよね…
しかもちゃんとセリフ付きで…(爆)
嫌いじゃないんですけど…扱いが難しくて…


☆拍手のお返事

未来さん:ご無沙汰しています。
良く寄らせて頂いているのに、なかなかお話しできる事も少なくって…
でも、ありがとうございますぅぅぅ…( ・_;)( ;_;)( ;_;)(>0<)ワーン
誰にも言って貰えないかと思ってましたぁぁぁ…(; ̄ー ̄川 アセアセ)
まぁ、めでたい年齢でもないんですけれど…でも、とっても嬉しかったです。

runeさま:『コード』を継承しない生存説ネタ…
時々みかけるんですけれど…生きている人たちが無理矢理ルルーシュを生かしていて、そこにルルーシュの意思がない事に気づいて、基本的に幽霊を信じていないのですが、あの世の人間に活躍してもらいました。
私も、一度、誰だか覚えていないんですけれど、臨死の時に追い返された経験があるので…(あくまでこれは脳内麻薬の見せている夢なので、私の場合は、自分の意思が作り上げた幻を見ていたのですが)
まぁ、アニメガイドの傾向は完全に『ルルーシュ死亡説』の方の声の方が大きいようですね…。
正直、私、見ていて泣きそうになりましたし…。
それでも、考え方は人の数だけあるので…自分の傷ついてしまうような板であるなら行かなければいいので、私はここで、自分の作品や考えを掲載していきます。
まぁ、戦争論などを少しでもかじると、必ず出てくるんですよ…軍人崩れの末路見たいな話が…。
第二次世界大戦の時でも、特攻隊の生き残りのみなさん…本当に辛い思いをされているんですよね…。
まぁ、その辺の詳しい話はネット上でも色々話がありますから…興味があれば、読んでみると、コードギアスの最終回の後、平和になったなんて、幻想に見えてきます。
あの最終回の後、ちゃんと平和になったと思いたい人は、あまり深く追求しない方がいいです。
まぁ、ルルーシュはうちの作品では、『コード』を継承して、人ではなくなっており、『ゼロ』として存在しているので、皇帝即位は絶対にないでしょうね…。
それに、年を取らないと云う時点で、きっと、またうるさくいってくる連中が出てきますしね…




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