2010年07月03日

Novel Rebellion開設2周年記念リクエスト企画 27

つかまえていて Final



※設定:ルルーシュ(♀)とスザクは孤児院で出会った同じ歳で、現在恋人同士です。
ルルーシュには孤児院に入るまで複雑な環境にあり、5歳のときに両親と死に別れたスザクと出会ってから、少しずつ、変わって行きますが…。
ルルーシュの中のトラウマは…大学を卒業して、就職して、スザクと同棲している今でも中々消し去る事が出来ない様です。

このお話しは紫翠さまからのリクエストです。リクエスト、有難う御座居ました。なお、この作品で今企画の最後のリクエスト作品となります。リクエスト下さった皆様、有難う御座居ました。

 ルルーシュが、ある決意をして、ひとしきり泣いている内に…。
自分が今、両手で押さえている場所には…その中には…
―――優しい…スザクの血を引いた子供がいる…。
そうして、ルルーシュはむくりと起き上がり、先ほどまでの自分の考えていたことの恐ろしさに震えて来た。
優しいスザクの子供…。
きっと、こんな恐ろしい事を考えてしまうルルーシュと違って、きっと、とても優しい子だ。
そんな子を…
―――私は…なんて…恐ろしい事を考えていた?私…私の事しか考えていなくて…。自分の事しか考えられなくて…。
そう思った時、また、涙が出て来た。
自分の恐ろしさに、自分自身が怖くなる。
自分のお腹の中には…あの優しいスザクの子供がいる…。
そう思った時、きっと、ルルーシュにはその子を捨てられないと…そんな風に思う。
誰からも必要とされなかったルルーシュを…必要だと云ってくれた…。
確かに…スザクにとって、ルルーシュの代わりは居るかもしれない。
でも、今、ルルーシュの中で一生懸命生きている…。
こんな恐ろしい事を考えているルルーシュの中で必死に生きている命がいるのだ。
その命には…
―――私しかいない…。この命を守れるのは…私しか…いない…。
ひょっとしたら、スザクにとって迷惑な子供になってしまうのかもしれない。
今、ルルーシュと一緒に暮らしてくれているのは、そのスザクのやさしさと責任感の強さからだ…。
そんな風に思えるけれど。
ひょっとしたら、このお腹の命は…ルルーシュを必要としてくれるのかもしれない。
否、今は、ルルーシュに守られていなくてはすぐにも消えてしまう命だ。
「ねぇ…あなたは…あなたのお母さんは…こんな弱いお母さんだけど…お母さんを…必要としてくれる?こんな、お母さんを…必要としてくれる?」
その命の宿っているその場所にそっと手を当てて、撫でてみる。
まだ、ふくらみはないけれど…。
触れても実感はあまりないけれど…。
でも、確かにそこには…命が宿っているのだ。
今のルルーシュの悪阻は…この子の自己主張なのだと思う。
『自分は…ここにいる…』
と云う…。
ルルーシュに知らせている…。
きっと、必死の思いで自分の存在に気づいて欲しいと知らせているのだ。
ルルーシュもそうだった。
誰かに気づいて欲しかった。
誰かに必要として欲しかった。
だから、ルルーシュの存在を認識してくれて、必要としてくれたスザクに惹かれたのだ。
ルルーシュは意を決したように、携帯を手に取る。
そして、ある人物の携帯にメールを送った。
覚悟は…まだ足りないけれど、でも、覚悟を決めなくてはいけないから。
「大丈夫…。もう大丈夫…。あなたの事は、ちゃんと私が守るから…。私があなたを必要とするから…。誰があなたをいらないと云っても、私にとってはあなたが必要だから…」
そう云いながら、ルルーシュは短く打った文章を確認して、送信ボタンを押した。
―――大丈夫…。私一人でも…ちゃんと育てて見せるから…。

 スザクが会社のメンバー達に遊ばれた後、終業時間と同時に会社を後にして、いつも使っている駅の前まで来た時…。
携帯が鳴った。
これは、ルルーシュからのメールの着信音…。
スザクは慌てて携帯を手に取り、ルルーシュからのメールを開いた。
『今日、帰ってきたら大事な話がある』
こんなメール、来た事がない。
先ほどまで思いっきりからかわれていると云う程度の認識しかなかった、会社でのやり取り…。
そのメールの文章にスザクの顔が引きつった。
あまりのタイミングだ…。
―――まさか…本当に…?ひょっとして、本当に…?
冷静に考えれば、ルルーシュの性格を一番よく知っているスザクがそんな結論に至る訳もないのだけれど。
先ほどの話しが異様にリアリティがある様に感じてしまう。
確かに、今だって、決して稼ぎがいい訳じゃない。
ルルーシュの仕事の多い時はルルーシュの方が稼ぎが多い。
ルルーシュのトラウマにしたって、中々克服方法を見つける事も出来ず…。
寧ろ、その事を利用してルルーシュの傍にいる様な気さえ、最近しているのだけれど。
元々、先に惚れたのはスザクの方で…。
たまたま、ルルーシュの中でそんな風に安心できる相手がスザクだっただけで…。
ここまで付き合って来て、肉体関係を許してはくれていたけれど…。
でも、ひょっとして、ルルーシュにとってはそれはスザクが無理強いしているような気がしていたとか?
ルルーシュは力では絶対にスザクには勝てない事を解っていて、無駄に痛い思いをするくらいなら、従順にしていた方がいい…と云う事で、許してくれていた…というか、妥協して自分の身を守っていたのかもしれない…。
でも、昼間一人でいて、そんなときにルルーシュにとって、心を開ける存在が現れたのかもしれない。
そんな、結構無茶苦茶なネガティブ思考が頭の中を暴走している。
スザクは約1分ほど呆然と呆けた後、すぐに我に返り、それこそ、アニメに出て来る超人的パワーを発揮して電車に飛び乗り、ルルーシュの待つアパートへと向かった。
―――ルルーシュ…俺以外の男なんて…いないよな?あれは…社長やジノ達の…勝手な作り話だよな?
電車の中はそろそろ、学生の帰宅時間帯のピークで、会社員の姿もちらほら見える、少しずつ混雑し始めている状態であったが…。
スザクの発しているその、暗黒ネガティブオーラの所為で、結構たくさんの人が乗っている筈なのに…。
スザクの周囲2メートルほどに人は誰もいなかった。
相当、混み合っている空間に人々が集まり、その暗黒ネガティブオーラを離れたところから見ている。
ぶっちゃけ、混み合い始めた時間帯にこんなオーラを醸す奴は迷惑以外の何物でもないのだけれど。
ただならぬ『負のオーラ』で誰も、思ってはいても口に出す事も出来ず…。
都会の電車の中なので色々な人が乗っているのだけれど。
その全ての人々が、例外なく、そのスザクのオーラに気圧され、近寄る事が出来なかった。
スザクはそんな周囲の状況把握出来る訳もなく。
傍迷惑なオーラを全開にしつつ、約30分程の電車移動をしていた。

 いつもの3倍は急ぐ気持ちで最寄りの駅からバスに乗って移動する。
とにかく、普段と同じペースで動いている電車もバスも…。
今のスザクにとって、亀の歩みよりも遅いと感じてしまう。
自分の足での移動なら…自分の限界の速さで走って見せる…などと、アホな事を考えてしまう。
やっと、最寄りのバス停に着いて、今日のバスの運転手がスザクの顔を知っている運転手で、定期で乗っている事を知っている運転手だったから、良かったものの…。
到着した途端に、定期も見せずに飛び出して行った。
そして、バス停から歩いて10分の場所にあるアパート…。
今日のスザクは5分で到着した。
アパートは4階建ての3階…。
階段を駆け上って普段、ルルーシュに鍵をかけるように云っている玄関には、鍵がかかっていて…。
呼び鈴を鳴らしながら、鍵を引っ張り出してガチャガチャと鍵を開けて、玄関の扉を乱暴に開けて中に走り込んで行く。
最近、体調が悪くて、ずっと、夕食を作る事が出来ずにいたルルーシュが、キッチンに立っている。
―――まさか…最後の晩餐???
更にネガティブな思考に走り、今日は完全にネガティブキャンペーン実施中である。
スザクがルルーシュの姿を見るなり、力いっぱい抱きついた。
最近、ちゃんと食べていない事が解る。
―――また…細くなってる…
「ス…スザク…?」
いきなりスザクが飛び込んで来たかと思ったら、力いっぱい抱きついてきた。
ルルーシュが驚いた声でスザクの名前を呼んだ。
「ルルーシュ…俺は絶対に別れないからな!お前がこれまで俺のプロポーズに対して首を縦に振らなかったけれど、気持ちは俺は夫婦だと思ってるんだからな!いいか!俺はルルーシュと絶対に別れないからな!」
本当に…かっこ悪い…。
そんな風に思う。
どうせ別れ話されるなら、こんな、みっともない姿を見せる事はないだろうに…と思うが…。
それでも本気で惚れた女に別れを切り出されて、平静に保っていられる程、スザクの気持ちはいい加減なものじゃない…。
その自覚はある。
誰よりルルーシュを愛していると云う自負もある。
恐らく、ルルーシュ自身よりもルルーシュの事を愛している…。
ルルーシュは恐らく、スザクも話しでしか知らない、ルルーシュの過去が…自分自身を愛せない状態にしている。
だから、スザクはルルーシュの分までルルーシュを愛そうと思った。
そして、ずっとそうして来た。
確かに、話しを聞いていると、複雑そうで、本当は話しに聞くよりも遥かに根の深いもので…。
―――それを思い知らされる現実を…見て来たから…。だから、俺はルルーシュの分までルルーシュを愛しているのに…なんで…。ルルーシュを口説いたアホより絶対に俺の方がルルーシュを愛しているのに…
段々、考えている事が情けない方向に行っている気がするけれど。
なり振りなど構っていられない。
ルルーシュは…いつも勘違いしているから…。
ルルーシュは…いつも誤解しているから…。
「スザク…えっと…何を云っているんだ…?」

 ルルーシュのその一言にスザクが我に返る。
スザクは力を抜いて、ルルーシュの顔を見ると…驚いている…、そして、その後何か覚悟を決めた様な顔をした。
「だって…さっき…大事な話しがあるって…」
スザクが少し声を震わせて、言葉を紡ぐ。
そんなスザクを見て、ルルーシュが少しだけ、切なげに笑った。
「少し、座って話そう…。私、ちゃんと覚悟ができているから…」
ルルーシュのその言葉に、スザクはまたも驚いた顔を見せるけれど…。
でも、今の状態では、ルルーシュは何も話してはくれない…と思う。
だから、ダイニングテーブルの椅子に向かい合って腰かけた。
ルルーシュの意味深な言葉…。
スザクの中で色々考えてしまうけれど。
でも、話しを聞かない事にはルルーシュのその話しを勝手に予想して、勝手に完結させる訳にはいかない。
二人が腰かけて、互いの顔を見た。
ルルーシュが何か、覚悟を決めたような表情をしている。
「スザク…これまで黙っていて…御免…。云おうと思っていて…ずっと云えずにいたんだ。ずっと、スザクに云わなくちゃいけないと思いながら…でも、怖くて云えなくて…。でも、もう…決めたんだ…」
ルルーシュが落ち着いた表情でゆっくりと話し始めた。
スザクは膝の上で拳を握っている。
その拳が…僅かに震えている。
「それは…俺と…別れるって…事なのか…?」
スザクが恐る恐る口を開いた。
最後まで黙って聞こうと思っていたのだけれど。
結局我慢できなくて…。
「スザクに、そう云われても仕方ないと思っている。スザクがそう思ったなら、私は受け入れるしかない。スザクは優しいから…。でも、これ以上、私の為にスザクが犠牲になる必要はないんだ…」
ルルーシュのその言葉にスザクは目を見開いた。
彼女の云っている事が…理解出来ない。
スザクは別にルルーシュの為に犠牲になんてなっていない。
スザクは別に別れたいなんて思っていないし…。
でも、ルルーシュがそう云うセリフを口にすると云う事は…。
「俺以外に…好きな奴が…出来たのか…?」
スザクが震える声を絞り出した。
ルルーシュの顔を見る事が出来ない。
下を向いて、ルルーシュの答えを待つ。
答えが…返って来ない…。
これは…是の意味なのか…?
スザクは耐えきれず、顔をあげてルルーシュを見ると…
「ルルーシュ…?」
ルルーシュが黙って、目を見開いて涙を流していた。
スザクの中では泣きたいのはこっちの方だと云う思いがあふれて来るけれど…。
「スザクは…そんな風に思っていたのか?私が…どうして企業に…就職出来なかったかを知っていて…そんな風に…思っていたのか…?」
その時、スザクの言葉がルルーシュの心をどれほど抉ったかが解った。
スザクが流石に言葉が過ぎたと謝ろうとした時、ルルーシュが立ち上がってスザクに怒鳴りつけた。
「解った…。私は…この子と二人で生きて行く…。スザクにそんな風に思われていて…一緒になんていられない…。スザク…本当は私が妊娠した事…気付いていたんだな?で、そんな風に云って、私の父親だと云う男が私の母を捨てた様に…私を捨てるんだな?だったら何故、そんな風に遠まわしに云ったりするんだ!別に、子供が迷惑だっていうなら、私はスザクの邪魔をしたりしない!この子と、スザクの知らないところでひっそりと暮らして行くさ…。スザクに迷惑をかけるつもりはないからな!」

 ルルーシュの涙混じりの怒鳴り声に…スザクの思考が停止する。
―――妊娠?子供?
その言葉が頭を過った時、スザクの表情が変わって行く…。
そして、すぐに椅子から立ちあがって、ルルーシュの背後に移動して、ぎゅっと抱き締める。
頭では何も考えていない。
ただ、その言葉を認識した時、勝手に身体が動いたのだ。
「は…放せ!」
ルルーシュがスザクの腕の中でじたばたと暴れ始めた。
「ルルーシュ…そんな風に暴れると…お腹の子供がびっくりしちゃうよ…」
ルルーシュの耳元でスザクがそっとささやいた。
そのスザクの言葉に、ルルーシュが大人しくなる。
子供に障る…そんな風に云われてしまっては今のルルーシュは下手な事は出来ない。
一度は中絶を考えながら、それでも、スザクの子供だと云う事で、一人でも育てて行こうと思ったから…。
「ルルーシュ…結婚しよう…。これは、申し込みじゃないし、君の意思は聞かない。結婚するんだ…。俺達は…」
その一言に、ルルーシュが身体を震わせた。
「御免…ずっと、一人で悩んでいたんだね…。ルルーシュの事、知っていたのに…。きっと悩むって解っていたのに…。強引にでも、無理矢理にでも結婚していれば…もっと安心して、その事を教えてくれた?」
スザクのその言葉に…ただ、肩を震わせるだけだった。
ルルーシュの身体から力が抜ける。
「でも…結婚していない場合、男は困るんだろ?女が妊娠してしまったら…困るんだろ?だから…お母さん、お父さんに、捨てられたって…」
「俺、ずっとルルーシュと結婚したいって云っていただろ?それなのに…ルルーシュはちっともOKしてくれなかったじゃないか…」
「だって…だって…」
ルルーシュがそれ以上続けられなくなる。
「俺は、ルルーシュが思っている程優しくないし、ルルーシュが思っている程、俺の傍に人なんていないよ…。俺の一番傍にいるのは…ルルーシュだ…」
「迷惑…じゃないのか?私なんかが…スザクの子供を…」
「ルルーシュの子供なら…俺は欲しい。ルルーシュと俺の子供なら、もっと欲しい…」
スザクはそう云って、ルルーシュを自分の方に向かせた。
そして、ルルーシュの顔を見ると…。
「なんだ…涙でぐちゃぐちゃになっているぞ?」
そう云いながら、止まらない涙をぬぐってやる。
「それにしたって、結構心外だぞ?ルルーシュとルルーシュのお母さんを捨てた様ないい加減な男と、俺を一緒にするなんて…。俺、結構ルルーシュの信用を得られるように…頑張って来たつもりなんだけどな…」
そう、ちょっと困ったように、ルルーシュを宥める。
「だ…だって…」
「男にだって色々いるけどさ。俺もルルーシュも家族がいない…。でも、これで俺達が結婚して、子供が生まれれば、家族が出来るだろ?ルルーシュは俺と家族になるの嫌か?」
スザクの言葉にルルーシュがぶんぶん頭を横に振った。
そんな訳ないと…。
「だったら、結婚しよう?で、俺とルルーシュがこの子の両親になるんだ…」
そう云いながら、スザクはルルーシュの下腹部にそっと触れた。
まだ、良く解らないけれど…でも、確実に宿った命がそこにいるのだ。
「返事は?」
泣いている状態でしゃくりが止まらず、とてもじゃないけど話しが出来る状態じゃないルルーシュに問いかける。
「ルルーシュ≂ランペルージさん、俺と結婚して下さい…」
スザクが涙にぬれているルルーシュの目を見ながら云うと…。
ルルーシュはまだ涙の乾かないその顔で笑顔を作り、こくりと頷いた。

END


あとがきに代えて



何となく、書き足りないなぁ…と思いながら終わりにしちゃいました。
このネタ…ホント、色々思いつくネタで…。
一部、 本当に詳しく書かれたネタに逆らって書いている部分もありまして…。
リクを下さった紫翠さま、いかがでしたでしょうか?
後日談も書けそうですけれど…。
というか、『Σこれで終わりにすんの?』という感じなのですが…。
この先は皆様の妄想力を十二分に発揮して頂ければ…と思います。

これにて、リク企画作品は終了です。
リクエスト下さった皆様、有難う御座居ました。
告知した通り、ささやかではありますが、教えて頂いたメアドにお礼を送らせて頂きます。
7月末日までにはお送りする予定です。(少々時間が必要なので、お待ち下さい)

あと、お気づきの方はいらっしゃいますでしょうか?
『Novel Rebellion』最後の拍手対談を入れ替えました。
よろしければ読んでやって下さい。


細々と、ランキングに参加中…。この記事を読んで、お気に召して頂いた方は、お手数ですが、バナーを一回クリックしてください。拍手ページは10ページほどの対談(2010/05/26更新)を用意しています。
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posted by 和泉綾 at 01:09| Comment(0) | TrackBack(0) | Novel Rebellion開設2周年

Novel Rebellion開設2周年記念リクエスト企画 27

つかまえていて Final



※設定:ルルーシュ(♀)とスザクは孤児院で出会った同じ歳で、現在恋人同士です。
ルルーシュには孤児院に入るまで複雑な環境にあり、5歳のときに両親と死に別れたスザクと出会ってから、少しずつ、変わって行きますが…。
ルルーシュの中のトラウマは…大学を卒業して、就職して、スザクと同棲している今でも中々消し去る事が出来ない様です。

このお話しは紫翠さまからのリクエストです。リクエスト、有難う御座居ました。なお、この作品で今企画の最後のリクエスト作品となります。リクエスト下さった皆様、有難う御座居ました。

 ルルーシュが、ある決意をして、ひとしきり泣いている内に…。
自分が今、両手で押さえている場所には…その中には…
―――優しい…スザクの血を引いた子供がいる…。
そうして、ルルーシュはむくりと起き上がり、先ほどまでの自分の考えていたことの恐ろしさに震えて来た。
優しいスザクの子供…。
きっと、こんな恐ろしい事を考えてしまうルルーシュと違って、きっと、とても優しい子だ。
そんな子を…
―――私は…なんて…恐ろしい事を考えていた?私…私の事しか考えていなくて…。自分の事しか考えられなくて…。
そう思った時、また、涙が出て来た。
自分の恐ろしさに、自分自身が怖くなる。
自分のお腹の中には…あの優しいスザクの子供がいる…。
そう思った時、きっと、ルルーシュにはその子を捨てられないと…そんな風に思う。
誰からも必要とされなかったルルーシュを…必要だと云ってくれた…。
確かに…スザクにとって、ルルーシュの代わりは居るかもしれない。
でも、今、ルルーシュの中で一生懸命生きている…。
こんな恐ろしい事を考えているルルーシュの中で必死に生きている命がいるのだ。
その命には…
―――私しかいない…。この命を守れるのは…私しか…いない…。
ひょっとしたら、スザクにとって迷惑な子供になってしまうのかもしれない。
今、ルルーシュと一緒に暮らしてくれているのは、そのスザクのやさしさと責任感の強さからだ…。
そんな風に思えるけれど。
ひょっとしたら、このお腹の命は…ルルーシュを必要としてくれるのかもしれない。
否、今は、ルルーシュに守られていなくてはすぐにも消えてしまう命だ。
「ねぇ…あなたは…あなたのお母さんは…こんな弱いお母さんだけど…お母さんを…必要としてくれる?こんな、お母さんを…必要としてくれる?」
その命の宿っているその場所にそっと手を当てて、撫でてみる。
まだ、ふくらみはないけれど…。
触れても実感はあまりないけれど…。
でも、確かにそこには…命が宿っているのだ。
今のルルーシュの悪阻は…この子の自己主張なのだと思う。
『自分は…ここにいる…』
と云う…。
ルルーシュに知らせている…。
きっと、必死の思いで自分の存在に気づいて欲しいと知らせているのだ。
ルルーシュもそうだった。
誰かに気づいて欲しかった。
誰かに必要として欲しかった。
だから、ルルーシュの存在を認識してくれて、必要としてくれたスザクに惹かれたのだ。
ルルーシュは意を決したように、携帯を手に取る。
そして、ある人物の携帯にメールを送った。
覚悟は…まだ足りないけれど、でも、覚悟を決めなくてはいけないから。
「大丈夫…。もう大丈夫…。あなたの事は、ちゃんと私が守るから…。私があなたを必要とするから…。誰があなたをいらないと云っても、私にとってはあなたが必要だから…」
そう云いながら、ルルーシュは短く打った文章を確認して、送信ボタンを押した。
―――大丈夫…。私一人でも…ちゃんと育てて見せるから…。

 スザクが会社のメンバー達に遊ばれた後、終業時間と同時に会社を後にして、いつも使っている駅の前まで来た時…。
携帯が鳴った。
これは、ルルーシュからのメールの着信音…。
スザクは慌てて携帯を手に取り、ルルーシュからのメールを開いた。
『今日、帰ってきたら大事な話がある』
こんなメール、来た事がない。
先ほどまで思いっきりからかわれていると云う程度の認識しかなかった、会社でのやり取り…。
そのメールの文章にスザクの顔が引きつった。
あまりのタイミングだ…。
―――まさか…本当に…?ひょっとして、本当に…?
冷静に考えれば、ルルーシュの性格を一番よく知っているスザクがそんな結論に至る訳もないのだけれど。
先ほどの話しが異様にリアリティがある様に感じてしまう。
確かに、今だって、決して稼ぎがいい訳じゃない。
ルルーシュの仕事の多い時はルルーシュの方が稼ぎが多い。
ルルーシュのトラウマにしたって、中々克服方法を見つける事も出来ず…。
寧ろ、その事を利用してルルーシュの傍にいる様な気さえ、最近しているのだけれど。
元々、先に惚れたのはスザクの方で…。
たまたま、ルルーシュの中でそんな風に安心できる相手がスザクだっただけで…。
ここまで付き合って来て、肉体関係を許してはくれていたけれど…。
でも、ひょっとして、ルルーシュにとってはそれはスザクが無理強いしているような気がしていたとか?
ルルーシュは力では絶対にスザクには勝てない事を解っていて、無駄に痛い思いをするくらいなら、従順にしていた方がいい…と云う事で、許してくれていた…というか、妥協して自分の身を守っていたのかもしれない…。
でも、昼間一人でいて、そんなときにルルーシュにとって、心を開ける存在が現れたのかもしれない。
そんな、結構無茶苦茶なネガティブ思考が頭の中を暴走している。
スザクは約1分ほど呆然と呆けた後、すぐに我に返り、それこそ、アニメに出て来る超人的パワーを発揮して電車に飛び乗り、ルルーシュの待つアパートへと向かった。
―――ルルーシュ…俺以外の男なんて…いないよな?あれは…社長やジノ達の…勝手な作り話だよな?
電車の中はそろそろ、学生の帰宅時間帯のピークで、会社員の姿もちらほら見える、少しずつ混雑し始めている状態であったが…。
スザクの発しているその、暗黒ネガティブオーラの所為で、結構たくさんの人が乗っている筈なのに…。
スザクの周囲2メートルほどに人は誰もいなかった。
相当、混み合っている空間に人々が集まり、その暗黒ネガティブオーラを離れたところから見ている。
ぶっちゃけ、混み合い始めた時間帯にこんなオーラを醸す奴は迷惑以外の何物でもないのだけれど。
ただならぬ『負のオーラ』で誰も、思ってはいても口に出す事も出来ず…。
都会の電車の中なので色々な人が乗っているのだけれど。
その全ての人々が、例外なく、そのスザクのオーラに気圧され、近寄る事が出来なかった。
スザクはそんな周囲の状況把握出来る訳もなく。
傍迷惑なオーラを全開にしつつ、約30分程の電車移動をしていた。

 いつもの3倍は急ぐ気持ちで最寄りの駅からバスに乗って移動する。
とにかく、普段と同じペースで動いている電車もバスも…。
今のスザクにとって、亀の歩みよりも遅いと感じてしまう。
自分の足での移動なら…自分の限界の速さで走って見せる…などと、アホな事を考えてしまう。
やっと、最寄りのバス停に着いて、今日のバスの運転手がスザクの顔を知っている運転手で、定期で乗っている事を知っている運転手だったから、良かったものの…。
到着した途端に、定期も見せずに飛び出して行った。
そして、バス停から歩いて10分の場所にあるアパート…。
今日のスザクは5分で到着した。
アパートは4階建ての3階…。
階段を駆け上って普段、ルルーシュに鍵をかけるように云っている玄関には、鍵がかかっていて…。
呼び鈴を鳴らしながら、鍵を引っ張り出してガチャガチャと鍵を開けて、玄関の扉を乱暴に開けて中に走り込んで行く。
最近、体調が悪くて、ずっと、夕食を作る事が出来ずにいたルルーシュが、キッチンに立っている。
―――まさか…最後の晩餐???
更にネガティブな思考に走り、今日は完全にネガティブキャンペーン実施中である。
スザクがルルーシュの姿を見るなり、力いっぱい抱きついた。
最近、ちゃんと食べていない事が解る。
―――また…細くなってる…
「ス…スザク…?」
いきなりスザクが飛び込んで来たかと思ったら、力いっぱい抱きついてきた。
ルルーシュが驚いた声でスザクの名前を呼んだ。
「ルルーシュ…俺は絶対に別れないからな!お前がこれまで俺のプロポーズに対して首を縦に振らなかったけれど、気持ちは俺は夫婦だと思ってるんだからな!いいか!俺はルルーシュと絶対に別れないからな!」
本当に…かっこ悪い…。
そんな風に思う。
どうせ別れ話されるなら、こんな、みっともない姿を見せる事はないだろうに…と思うが…。
それでも本気で惚れた女に別れを切り出されて、平静に保っていられる程、スザクの気持ちはいい加減なものじゃない…。
その自覚はある。
誰よりルルーシュを愛していると云う自負もある。
恐らく、ルルーシュ自身よりもルルーシュの事を愛している…。
ルルーシュは恐らく、スザクも話しでしか知らない、ルルーシュの過去が…自分自身を愛せない状態にしている。
だから、スザクはルルーシュの分までルルーシュを愛そうと思った。
そして、ずっとそうして来た。
確かに、話しを聞いていると、複雑そうで、本当は話しに聞くよりも遥かに根の深いもので…。
―――それを思い知らされる現実を…見て来たから…。だから、俺はルルーシュの分までルルーシュを愛しているのに…なんで…。ルルーシュを口説いたアホより絶対に俺の方がルルーシュを愛しているのに…
段々、考えている事が情けない方向に行っている気がするけれど。
なり振りなど構っていられない。
ルルーシュは…いつも勘違いしているから…。
ルルーシュは…いつも誤解しているから…。
「スザク…えっと…何を云っているんだ…?」

 ルルーシュのその一言にスザクが我に返る。
スザクは力を抜いて、ルルーシュの顔を見ると…驚いている…、そして、その後何か覚悟を決めた様な顔をした。
「だって…さっき…大事な話しがあるって…」
スザクが少し声を震わせて、言葉を紡ぐ。
そんなスザクを見て、ルルーシュが少しだけ、切なげに笑った。
「少し、座って話そう…。私、ちゃんと覚悟ができているから…」
ルルーシュのその言葉に、スザクはまたも驚いた顔を見せるけれど…。
でも、今の状態では、ルルーシュは何も話してはくれない…と思う。
だから、ダイニングテーブルの椅子に向かい合って腰かけた。
ルルーシュの意味深な言葉…。
スザクの中で色々考えてしまうけれど。
でも、話しを聞かない事にはルルーシュのその話しを勝手に予想して、勝手に完結させる訳にはいかない。
二人が腰かけて、互いの顔を見た。
ルルーシュが何か、覚悟を決めたような表情をしている。
「スザク…これまで黙っていて…御免…。云おうと思っていて…ずっと云えずにいたんだ。ずっと、スザクに云わなくちゃいけないと思いながら…でも、怖くて云えなくて…。でも、もう…決めたんだ…」
ルルーシュが落ち着いた表情でゆっくりと話し始めた。
スザクは膝の上で拳を握っている。
その拳が…僅かに震えている。
「それは…俺と…別れるって…事なのか…?」
スザクが恐る恐る口を開いた。
最後まで黙って聞こうと思っていたのだけれど。
結局我慢できなくて…。
「スザクに、そう云われても仕方ないと思っている。スザクがそう思ったなら、私は受け入れるしかない。スザクは優しいから…。でも、これ以上、私の為にスザクが犠牲になる必要はないんだ…」
ルルーシュのその言葉にスザクは目を見開いた。
彼女の云っている事が…理解出来ない。
スザクは別にルルーシュの為に犠牲になんてなっていない。
スザクは別に別れたいなんて思っていないし…。
でも、ルルーシュがそう云うセリフを口にすると云う事は…。
「俺以外に…好きな奴が…出来たのか…?」
スザクが震える声を絞り出した。
ルルーシュの顔を見る事が出来ない。
下を向いて、ルルーシュの答えを待つ。
答えが…返って来ない…。
これは…是の意味なのか…?
スザクは耐えきれず、顔をあげてルルーシュを見ると…
「ルルーシュ…?」
ルルーシュが黙って、目を見開いて涙を流していた。
スザクの中では泣きたいのはこっちの方だと云う思いがあふれて来るけれど…。
「スザクは…そんな風に思っていたのか?私が…どうして企業に…就職出来なかったかを知っていて…そんな風に…思っていたのか…?」
その時、スザクの言葉がルルーシュの心をどれほど抉ったかが解った。
スザクが流石に言葉が過ぎたと謝ろうとした時、ルルーシュが立ち上がってスザクに怒鳴りつけた。
「解った…。私は…この子と二人で生きて行く…。スザクにそんな風に思われていて…一緒になんていられない…。スザク…本当は私が妊娠した事…気付いていたんだな?で、そんな風に云って、私の父親だと云う男が私の母を捨てた様に…私を捨てるんだな?だったら何故、そんな風に遠まわしに云ったりするんだ!別に、子供が迷惑だっていうなら、私はスザクの邪魔をしたりしない!この子と、スザクの知らないところでひっそりと暮らして行くさ…。スザクに迷惑をかけるつもりはないからな!」

 ルルーシュの涙混じりの怒鳴り声に…スザクの思考が停止する。
―――妊娠?子供?
その言葉が頭を過った時、スザクの表情が変わって行く…。
そして、すぐに椅子から立ちあがって、ルルーシュの背後に移動して、ぎゅっと抱き締める。
頭では何も考えていない。
ただ、その言葉を認識した時、勝手に身体が動いたのだ。
「は…放せ!」
ルルーシュがスザクの腕の中でじたばたと暴れ始めた。
「ルルーシュ…そんな風に暴れると…お腹の子供がびっくりしちゃうよ…」
ルルーシュの耳元でスザクがそっとささやいた。
そのスザクの言葉に、ルルーシュが大人しくなる。
子供に障る…そんな風に云われてしまっては今のルルーシュは下手な事は出来ない。
一度は中絶を考えながら、それでも、スザクの子供だと云う事で、一人でも育てて行こうと思ったから…。
「ルルーシュ…結婚しよう…。これは、申し込みじゃないし、君の意思は聞かない。結婚するんだ…。俺達は…」
その一言に、ルルーシュが身体を震わせた。
「御免…ずっと、一人で悩んでいたんだね…。ルルーシュの事、知っていたのに…。きっと悩むって解っていたのに…。強引にでも、無理矢理にでも結婚していれば…もっと安心して、その事を教えてくれた?」
スザクのその言葉に…ただ、肩を震わせるだけだった。
ルルーシュの身体から力が抜ける。
「でも…結婚していない場合、男は困るんだろ?女が妊娠してしまったら…困るんだろ?だから…お母さん、お父さんに、捨てられたって…」
「俺、ずっとルルーシュと結婚したいって云っていただろ?それなのに…ルルーシュはちっともOKしてくれなかったじゃないか…」
「だって…だって…」
ルルーシュがそれ以上続けられなくなる。
「俺は、ルルーシュが思っている程優しくないし、ルルーシュが思っている程、俺の傍に人なんていないよ…。俺の一番傍にいるのは…ルルーシュだ…」
「迷惑…じゃないのか?私なんかが…スザクの子供を…」
「ルルーシュの子供なら…俺は欲しい。ルルーシュと俺の子供なら、もっと欲しい…」
スザクはそう云って、ルルーシュを自分の方に向かせた。
そして、ルルーシュの顔を見ると…。
「なんだ…涙でぐちゃぐちゃになっているぞ?」
そう云いながら、止まらない涙をぬぐってやる。
「それにしたって、結構心外だぞ?ルルーシュとルルーシュのお母さんを捨てた様ないい加減な男と、俺を一緒にするなんて…。俺、結構ルルーシュの信用を得られるように…頑張って来たつもりなんだけどな…」
そう、ちょっと困ったように、ルルーシュを宥める。
「だ…だって…」
「男にだって色々いるけどさ。俺もルルーシュも家族がいない…。でも、これで俺達が結婚して、子供が生まれれば、家族が出来るだろ?ルルーシュは俺と家族になるの嫌か?」
スザクの言葉にルルーシュがぶんぶん頭を横に振った。
そんな訳ないと…。
「だったら、結婚しよう?で、俺とルルーシュがこの子の両親になるんだ…」
そう云いながら、スザクはルルーシュの下腹部にそっと触れた。
まだ、良く解らないけれど…でも、確実に宿った命がそこにいるのだ。
「返事は?」
泣いている状態でしゃくりが止まらず、とてもじゃないけど話しが出来る状態じゃないルルーシュに問いかける。
「ルルーシュ≂ランペルージさん、俺と結婚して下さい…」
スザクが涙にぬれているルルーシュの目を見ながら云うと…。
ルルーシュはまだ涙の乾かないその顔で笑顔を作り、こくりと頷いた。

END

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posted by 和泉綾 at 01:09| Comment(0) | TrackBack(0) | Novel Rebellion開設2周年

2010年07月01日

Novel Rebellion開設2周年記念リクエスト企画 26

つかまえていて 03



※設定:ルルーシュ(♀)とスザクは孤児院で出会った同じ歳で、現在恋人同士です。
ルルーシュには孤児院に入るまで複雑な環境にあり、5歳のときに両親と死に別れたスザクと出会ってから、少しずつ、変わって行きますが…。
ルルーシュの中のトラウマは…大学を卒業して、就職して、スザクと同棲している今でも中々消し去る事が出来ない様です。

このお話しは紫翠さまからのリクエストです。リクエスト、有難う御座居ました。なお、この作品で今企画の最後のリクエスト作品となります。リクエスト下さった皆様、有難う御座居ました。

 ルルーシュとスザクが出会ってから既に15年の月日が経っていた。
二人とも、二人が出会った孤児院を出て、生活している。
高校の時、ルルーシュと恋人同士になって、以来、二人の関係は続いている。
現在も同棲中だ。
尤も、スザクとしてはルルーシュのトラウマを知っていると云う事もあって、目が離せなかったと云うのもあるが…。
出会った時から、非常に危うい感じがしていた。
ルルーシュはあの時の事を思い出すと、時々パニック状態に陥る。
初めて孤児院でその状態に陥った時にはみんな、驚いていたけれど…。
孤児院の院長が、ルルーシュを見て、
『余程辛い目に遭っていたようだ…』
と、一言零したのをスザクは聞き逃さなかった。
同じ歳の彼女が…精神的に追い詰められて、そんなパニック状態に陥ると云うのは…。
子供ながら、なんだか、彼女の力になりたいと云うか…どうしても彼女の笑顔を見たいと思ったスザクは…。
高校の時にルルーシュと恋人同士になり、そして、最近では結婚をも考え始めている。
大学を卒業して、同棲して、二人とも、裕福な生活ではないにしても、自立して働いていて…。
ルルーシュは幼い頃のトラウマを引きずったままで、人とうまく話しをする事が出来なかった。
今でも時々、パニック状態になる事もある。
カウンセラーに相談して事もあったけれど…。
心の病と云うものはそう簡単に克服できるものではなく…。
スザクは会社勤めをしているけれど、ルルーシュは家でパソコン関連の仕事の下請けをしていた。
大学へ入る段階で、スザクは様々な事情からルルーシュと同じアパートで暮らした。
当然だけれど、この複雑な事情を抱える二人に部屋を貸すと云う点では、色々問題を起こされては困ると云う大家や仲介の不動産屋は中々いい顔はしなかった。
それでも、全国有数の偏差値を誇る高校の特待生と云う肩書はこの時には非常に役に立ったのだ。
高校での素行も決して悪くなかった二人の保証人には、高校の時の生活指導の教師がなってくれたのだ。
高校側も二人の複雑な環境を承知して、特待生としての受け入れだったから…。
それに、環境はどうであれ、高校の時の二人の成績は素晴らしいものであったし、勉学以外の活動でも目を見張るものがあったから。
だから、高校側としても、住居がないから進学できなかった…と云う汚点を作らない為の対処をしてくれたようだ。
そして、その高校が複雑な事情を持ち、その事で、入学して間もなくの定期試験後の成績発表の際に騒ぎになった張本人に対して、そこまで手扱った理由は、今でも解らない。
それでも、二人にとっては助かった。
大学を卒業して…二人は社会人となった。
大学在学中にルルーシュは様々なパソコンのプログラミングを覚えて、自分でプログラムしたソフトの売り込みをしていた。
だから、学費にしても生活費にしても、途中からかなり楽になった。

 だから、スザクとしては、大学を卒業して、就職した…と云う事に凄くほっとした。
スザクがルルーシュのひもをやっているような気がして、少し自分の中にある男としてのプライドが傷ついていたから。
尤も、ルルーシュに云えば、どんな反応を見せるのか、すぐに解ったので、云わなかったけれど。
ルルーシュはスザクと違う会社に行く事を極端に嫌がった。
事情を知る者であれば仕方ないと思えるが、世の中、早々我儘も云っていられない。
スザクとしては、稼ぎは少ないけれど、そのまま結婚出来れば…などと目論んでいたけれど、ルルーシュが中々建てに首を振らなかった。
漸く、別れ話をしなくなったかと思えば…。
次から次へと難問がきちんと用意されているのだ。
ルルーシュは学生の頃にソフトを売り込んでいた会社に社員としては居るのではなく、『取り引き先』の下請けという形を取ったのだ。
それなら、時間に縛られる事も、人に縛られる事もないからだ。
それに、何より、ルルーシュは高校の時に、10歳のときに追い出された家の息子と再会して以来、とにかく、極力人と関わらないように…という姿勢を崩さなかった。
と云うのも、スザクが彼を殴った件では周囲の目が一部始終を見ていて、スザクが理由もなく彼を殴った訳ではないと云う事が証言されてしまって、逆に彼の方が非難の的となってしまい…。
その後、泥沼になった。
彼自身、ただ、やられて終わり…と云う事にはならず…。
ルルーシュの生い立ちを学校中にばらまいた。
当然だけれど、ルルーシュはパニック状態になった。
元々、それほど性格のいい奴だとは思ってはいなかったが、そこまでねじ曲がっていると逆に解り易い。
勉強の成績は良くても頭の悪いタイプだ。
皮肉な事に、ルルーシュに近寄る生徒が極端に減った。
本人が悪い訳じゃないのに、ここまで人とは他人を蔑む事が出来るものなのかと…スザクは正直、呆れもした。
その代わり、人が近づかないと云う事はルルーシュにとっては、本人の周囲半径2メートル以内にはあまり人が来ないと云う事なのだ。
元々、孤児院で知り合った人物以外に心を開かないルルーシュにしてみれば、誰もちょっかいを出して来ないのはルルーシュにとって都合が良かったのだろう。
ただ、そうやって、人を遠ざけたおかげで社会人となる際にも会社勤めと云うのを困難にした。
大学でも…。
講義は真面目に受けていたものの…他の人間と一切関わろうとしなかった。
いつ、どこで、あの頃の事を知る人が目の前に現れ、その事を高校の時の様にばらまかれる事を恐れたからだ。
人が周囲にいない事は気にしない。
でも、あの時の記憶を抉りだされる事はルルーシュに取って我慢がならず…。
というか、我慢ならないと云うよりも、ルルーシュの精神が耐えられなかった。
それほどの子供時代を送っている。
就職活動の時も…就職説明会などはスザクが隣にいないと足を運ぶ事が出来ず…あの時、ルルーシュが10歳のときにあの家を追い出されるきっかけを作った男性と同じ年頃の男性を見るとその場で失神した事さえあった。
だから、スザクもルルーシュに会社勤めは無理だと判断した。
そのまま結婚に…と思ったわけだけれど…。
ルルーシュは家で出来る仕事を探した。
スザクの『結婚したい』と云うその言葉にも首を縦に振らなかった。
―――もう、結婚している様なものなんだけどなぁ…
そんなもやもやを抱えて既に、3年という月日が経っていた。

 スザクが就職した会社と云うのは、リラクゼーショングッズを開発、生産、卸し、販売をしている最近になって急成長を見せている企業だ。
社長は若い女性でスザクより10歳くらい上だと云う。
ルルーシュ同様、学生の頃から色々手がけていたらしく、大学在学中に起業していたとか…。
大学を卒業してから急成長を遂げて、東証二部への上場も果たしている。
スザクはそこの営業担当だ。
スザクは元々人あたりが良くて愛想もいいので新人としては目覚ましい成績を残した後、それからは営業成績はトップをキープしている。
尤も、社員の数が多くないので、競争相手も少ないのだけれど。
「スザクく〜〜〜ん…ちょっと来てくれない?」
パソコンの前で数字とにらめっこしているこの会社の創始者で社長のミレイ=アッシュフォードがスザクを呼んだ。
恐らく、過剰受注してしまったことへの抗議だろう。
スザクが営業に行くと、何故か、過剰受注をして帰って来るのだ。
過剰発注も困るが、過剰受注も困るのだ。
「はい、また俺、過剰受注しちゃいました?」
スザクが頭をカリカリ掻きながらミレイの許へと歩いて行く。
少しだけ、胸ポケットに入っている携帯電話を気にしながら…。
「そうじゃなくって…週末の接待、私の代わりに行ってくれない?」
唐突にこう云った話しを持って来るのはあまり珍しい事でもないのだけれど。
普段なら、いやいやながらもそう云った、『普通に嫌な』残業に関しては割と奮発して手当てをくれるから、妥協していたのだけれど。
ただ、今のスザクには少し気にかかる事があって…。
「う〜〜〜ん…ジノかロイドさんじゃダメなんですか?」
その気にかかる事があるから他の、なんとかミレイの云う事を強引に押し通せそうな人物の名前をあげて見た。
「あら…珍しい…。スザク君のかわい〜い奥さんの為にたくさん稼ぐからって…そう云うの、引き受けてくれるくせに…。ちゃんと今回も手当て付きよ?それに、今回の接待はあの、取材お断りだけど、超有名なあの『皇亭』の懐石よ?お土産付き…」
ミレイが片っ端からプラスの部分を強調して行くけれど。
確かに、その店は一度だけ、接待で付いて行った事があった。
確かに凄い店で、孤児院出身のスザクには場違いに思えるほどの店ではあったけれど。
でも、細やかな気遣いなどは流石に口コミだけで全国レベルの有名店になるだけの事はあると思った。
出された料理も『ルルーシュに食べさせてやりたいなぁ…』と思う程美味だった。
その時もお土産を貰って帰って、ルルーシュにそれを食べさせたら…ルルーシュが驚いた顔をしていた。
ルルーシュが食べた事もない様なそんな、折詰だったから。
だから、お土産は欲しいけれど…
「今回は…他の人にお願い出来ませんか?ちょっと…気になる事があるんです…」
スザクはミレイに申しつけられた仕事を初めて断っている。
これはこの会社の中ではサプライズだ。
スザクが接待を断ってその後の影響よりも、接待を断った事実と云う、サプライズにミレイが目を輝かせている。

 そんなミレイのキラキラした瞳を見て…スザクは大きくため息を吐いた。
そして、ある程度話をしない事には残業代なしで拘束される事になりそうだ。
現在の時間、終業時間10分前…。
二人の話しに、更にギャラリーが増える。
「どうした?スザク…。スザクには勿体ないあの、かわいい奥さん、ついにスザクに愛想尽かしたか?」
とても嬉しそうに話に割り込んで来たジノ…。
正直、スザクとしてはこいつにルルーシュの話しをしたくはないのだけれど。
「ひょっとして倦怠期ぃ〜〜〜?なら、今、僕が開発している刺激のない生活に刺激を3倍増しになるこの薬を…」
一体どんな怪しい薬だ?と思いっきり尋ねたくなるような発言をかましたのはスザクの直接の上司のロイドだった。
どう見てもこいつら、遊んでいるようにしか見えないのだ。
「あらあら…皆さん…。そんな風にスザク君を苛めちゃダメですよ?特にロイドさん、スザク君はロイドさんと違って心が濁っていないんですから…」
助け舟なのか、あおっているのか解らない発言をかましたのはロイドをその鉄拳で操るセシルだった。
スザクはつくづく思う。
ここにいるメンツに相談できるような事じゃないと…。
「というか、どうしちゃったわけ?スザク君がそんな風に接待を断るって初めてだし…。命じた側としてはちょっと気になっちゃうのよね…。一応、多少の事は私達も知っているわけで…」
ミレイの顔からふざけた表情は消えた。
そんなミレイを見て、スザクは大きくため息を吐いた。
「実は…ルルーシュの様子がおかしいんです。まぁ、皆さんも一応、一通りの事を知っていらっしゃるから云っちゃいますけど…。最近、ルルーシュ、体調が悪そうなんです。まぁ、人間なんだから体調を崩す事もあるんでしょうけれど…。なら、ちゃんと休んでくれればいいし、具合悪い時は必ず俺に云っていたのに…。心配で電話しても昼間、電話に出ないし、うちに帰ると寝ている事も多くて…。起きていても、凄く辛そうで…」
スザクの話し方と表情に、大真面目に悩んでいる事は解る。
「もしかして、浮気でもしてるんじゃないのぉ〜」
「あの奥さんなら、俺、浮気だろうが遊びだろうが、一度くらい遊ばれてみたいし…」
「ルルちゃん綺麗だもんね〜。日中家に1人でしょ?狙われるわよね〜。悪いご近所さんに騙されて危ないパートしてたりして」
「あぁ、団地妻ってやつですか?」
「あら?ジノ、よくそんな言葉知ってるわね」
「この前テレビで見たんですよ」
やはりと云うべきか…なんと云うべきか…普通に遊ばれている。
ここでぶっちゃけてしまった事を心底後悔するけれど、他に相談できるところもない。
セシルだけはロイドに鉄拳をくらわしたり、ジノやミレイを窘めたりしているけれど。
「まぁ、理由が解るまでは俺、残業しませんから…」
遊ばれる事10分…。
こうなる事を解っていて何故、自分は放してしまったのだろうか…。
そんな思いを胸にしつつも…。
終業時間となってスザクは職場を後にした。

 異変に気付いたのは、2週間くらい前…。
スザクに内緒で買ってきた…その検査薬…。
「どうして…?どうして…」
ルルーシュは幼い頃の栄養状態が悪くて、成長障害が出ており、生理が不安定にくる。
だから、本人がどれほど気にしていても、気を使っていても…。
ひょっとして、検査薬が間違っているのかもしれないと云う、淡い期待を込めて病院へ行くと…。
ドクターが検査結果を見ながら無情な現実を突き付けた。
『ご懐妊です…。現在8週目です…』
その言葉を聞いたのが2週間前…。
なんとかしないといけないとルルーシュは必死に思っている。
ルルーシュの母親はルルーシュが生まれたから自分が不幸になってしまったと云っていた。
そして、自身の幸せをつかむ為にルルーシュを捨てたのだ。
「子供ができたって知ったらスザクも私を捨てる?お母さんが私を捨てたみたいに?」
そう口の中で呟くとすぐに目の前がかすみ、涙が止まらなくなる。
ルルーシュの母親はルルーシュがいたから、捨てられたと云っていた。
ルルーシュにとって、スザクは唯一無二の存在で、スザクにまで見放されたら…今度こそ生きていけない。
心を閉ざしていたルルーシュに温かい手を差し伸べてくれたのはスザクだったから。
ルルーシュが無視しても、酷い事をしてもスザクはルルーシュの心を開く努力を惜しまなかった。
だからこそ、ルルーシュは何とか、人として生きていける。
スザクの周りにはたくさんの人がいる。
だから、スザクにとってルルーシュの代わりなんてたくさんいる。
でも、ルルーシュにとって、スザクは唯一の存在…。
そんな風に思っているから…だから、怖い。
また、あんな風に捨てられるのかと…。
そして、このお腹の子供にそんな酷い事を云って、ルルーシュはその子供を捨てるのかと…。
今ならまだ、中絶してしまえば…
そう思う。
でも、それは人の命を断つと云う事…。
人一人の命を奪う決断を下すのか…と…また恐ろしくなる。
ルルーシュの母親だってルルーシュに対して『あんたのせいで私は捨てられたのよ!』と別れて何年も経った男の事を云っていたのだ。
そのくらい、母親もその男の事を愛していたのだ。
でも、そんなに愛していた男の子供でも…母親はルルーシュを憎んでいた。
ルルーシュもそれと同じくらい、否、他に何もないと云う事を考えた時、それ以上にスザクを愛しているのだ。
スザクの子供だと思えば…愛せるのだろうか…?
そんな事を自問自答している内に、また、吐き気が襲ってきた。
ここ数日、お腹に何かを入れるとすぐに嘔吐してしまっている。
既に、胃酸くらいしか出るものがなくなっていて…。
考える事も出来なくなっていた。
―――明日…病院へ行こう…。スザクには…この事を絶対に…云わない…。私一人の罪…。ごめんね…ごめんね…。あなたのお母さん、とても弱い人間なの…。スザクがいないと、生きていけないとても弱い人間なの…。だから…ごめんね…
ルルーシュはベッドに横になって、その命がいるであろう、その場所を両手で優しく抑えていた。
それは…とても優しい手で…慈悲に満ちた手だったけれど…。
ルルーシュはその手の優しさに気づかず、ただ、涙を流していた。

To Be Continued


あとがきに代えて



サブキャラいっぱい出て来たけど…続きにどれくらい出てくるのか解りません。
多分、もう、出て来ないかも…Σ( ̄◇ ̄;;;;
ホントにスザルルしか出て来ないお話しです。
こう云った話しになるとホント、ルルーシュはあっさり自己完結して勝手に決めてしまいます。
これは和泉のパターンですね。
ベッタベタな感じですが、内容…凄くヘビーですね…。
自分で書いていて、ここまで和泉は書くんだなぁ…と思っております。
確かに、基礎設定はリクを下さった方がして下さっていますが、そこに脚色しているのは和泉ですので…。
つくづく自分がくらい陰湿な人間だなぁ…と思ってしまうのは気のせいでしょうか?
このネタを頂いた段階で、実は、ニコニコ動画で『つかまえていて』(『つかまえていて 1
』の記事に張ったMADを参照して下さい)を探しだしたんです。
過去にこのCDを持っていたのですけれど、現在、手元にあるかどうか解らなくて、荷物から探し出すだけの時間の余裕もなくてオンライン上で探したんです。
で、和泉的にこれはイメージがピタリだな…と思ったわけです。
最近、適当にYou Tubeやニコニコ動画を張り付けているんですが…。
『つかまえていて 1』の記事のニコニコ動画の歌は聞くとこの物語がまた、違った形で楽しめると思います。(これはホント)
張り付けた動画に関して感想をいただいた事はありませんが、これに関しては感想を頂いてみたいと思っていたりします。

あと、拍手の入れ替え、少々遅れておりますが、遅くても今週中には入れ替えます。
予告通りに行かなくて申し訳ありません。


☆拍手のお返事


紫翆さま:こんばんは、コメント有難う御座居ます。

こちらの気候…中々鬼です。
蒸し暑くて、不快指数毎日高い数値を出しております。
体力的にもしんどいですが、今のところ、何とか頑張っております。

『つかまえていて01&02』
流石にやりすぎたかなぁ…とは思いつつも…。
まぁ、いいか…と、据えておりました。
というか、無反応状態だったので、正直、1話目を読んで皆さん、引いちゃったのかなぁ…なんて…。
相変わらず暗い展開続いて居ますしね…(-_-;)

徹底的にルルーシュいじめをしているので、スザクに頑張って貰わないと行けなくなりまして…ヾ(▽^;)ゞうへへ
で、スザク、すっごく逞しくなりました。
ルルーシュに関しては、後ろで真っ黒オーラを全開にしておりますが…この際気にしない事にします。
盥回しの間も、少しくらい救いがないと、ホントに児童虐待話になっちゃうので、一か所くらいルルーシュにとって少しはホッとできるところを作りたくて…。
一応、ルルーシュにひどい事をしている自覚はあるので…。
それでも、最後には幸せになれると思うので…。
試練、頑張って頂く事にします。

『It's Destiny』
今回はカノンさん、やりたい放題でしたね。
というか、そのくらいの事をして、シュナパパもルルーシュを自分のところにとどめておく事を考えるでしょうし。
ルルーシュって、割と、脅迫に弱いですしね。
だから、本編ではC.C.に童貞ボウヤなどと云われて、遊ばれていた訳ですが…
カノンさんの目的はルルーシュの回復ではなく、ルルーシュをシュナパパに献上する事なので…
記憶のあるカノンさんなら、ルルーシュにはどういう脅迫が一番効果的なのか解っているでしょうしね。
ホント、チョイ役のつもりでしたが…ここまで重要人物になるとは思いませんでした。

で、スザクとマオもきっと黙っちゃいないと思いますしね。
学校の方もカノンさんが乗り込んだおかげで大騒ぎになっているでしょうし…。
この話はとにかくひっちゃかめっちゃかになっていて、この先どうなる事やら…。
元々、思い付きで始めて、『ふと思いついて書いた1時間仕上げ小説』から始まったこの作品ですが…。
結構頑張ってくれていますね。
これからも色々弄り倒したいと思います。

『幼馴染シリーズ』
ルルーシュの場合、『ツッコミどころはそこじゃないだろ!』っていうところが結構ある人なので、割とこういうボケはあると思います。
ナナリーもこれで、それまでルルーシュが、自分が倒れるたびにどんな気持ちで居たのか、少しは解ったかもしれません。
ノネットさんは元々、ルルーシュの為に日本への留学を決めた人なので、スザクに対してはあまりいいイメージは持っていませんでしたし。
それでも、そろそろ、この二人もおさまるところに収まるかな…という感じですね。
さっさとくっつけよ!このヤロー!
と書いている本人も思って居ましたので…(笑)
ホント、さっさとくっついて下さいよ…お二人さん…っていう感じです。
今でも…

『皇子とレジスタンス』
こちらの皇子様は完全にツンデレ標準装備なので。
でもって、ヘタレでもプライド高い皇子様なので、扱いも難しいのです。
それこそ、背中に『取り扱いの注意事項』と一杯書いておきたいくらいに…(笑)
この話、スザルルカラーがあまりに薄くて…書いている方としてもじれったくて仕方なかったのですが…。
しかし、続きをかく事になれば、更にじりじりした感じが続くんでしょうね…。
それはそれで面白いんですけど。
スザクの苦労はまだまだ続きます。
そろそろライが出てきて欲しいなと思いつつも…話が全然進んで居なくって…ヾ(▽^;)ゞうへへ
頑張ります。


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posted by 和泉綾 at 23:28| Comment(0) | TrackBack(0) | Novel Rebellion開設2周年

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つかまえていて 03



※設定:ルルーシュ(♀)とスザクは孤児院で出会った同じ歳で、現在恋人同士です。
ルルーシュには孤児院に入るまで複雑な環境にあり、5歳のときに両親と死に別れたスザクと出会ってから、少しずつ、変わって行きますが…。
ルルーシュの中のトラウマは…大学を卒業して、就職して、スザクと同棲している今でも中々消し去る事が出来ない様です。

このお話しは紫翠さまからのリクエストです。リクエスト、有難う御座居ました。なお、この作品で今企画の最後のリクエスト作品となります。リクエスト下さった皆様、有難う御座居ました。

 ルルーシュとスザクが出会ってから既に15年の月日が経っていた。
二人とも、二人が出会った孤児院を出て、生活している。
高校の時、ルルーシュと恋人同士になって、以来、二人の関係は続いている。
現在も同棲中だ。
尤も、スザクとしてはルルーシュのトラウマを知っていると云う事もあって、目が離せなかったと云うのもあるが…。
出会った時から、非常に危うい感じがしていた。
ルルーシュはあの時の事を思い出すと、時々パニック状態に陥る。
初めて孤児院でその状態に陥った時にはみんな、驚いていたけれど…。
孤児院の院長が、ルルーシュを見て、
『余程辛い目に遭っていたようだ…』
と、一言零したのをスザクは聞き逃さなかった。
同じ歳の彼女が…精神的に追い詰められて、そんなパニック状態に陥ると云うのは…。
子供ながら、なんだか、彼女の力になりたいと云うか…どうしても彼女の笑顔を見たいと思ったスザクは…。
高校の時にルルーシュと恋人同士になり、そして、最近では結婚をも考え始めている。
大学を卒業して、同棲して、二人とも、裕福な生活ではないにしても、自立して働いていて…。
ルルーシュは幼い頃のトラウマを引きずったままで、人とうまく話しをする事が出来なかった。
今でも時々、パニック状態になる事もある。
カウンセラーに相談して事もあったけれど…。
心の病と云うものはそう簡単に克服できるものではなく…。
スザクは会社勤めをしているけれど、ルルーシュは家でパソコン関連の仕事の下請けをしていた。
大学へ入る段階で、スザクは様々な事情からルルーシュと同じアパートで暮らした。
当然だけれど、この複雑な事情を抱える二人に部屋を貸すと云う点では、色々問題を起こされては困ると云う大家や仲介の不動産屋は中々いい顔はしなかった。
それでも、全国有数の偏差値を誇る高校の特待生と云う肩書はこの時には非常に役に立ったのだ。
高校での素行も決して悪くなかった二人の保証人には、高校の時の生活指導の教師がなってくれたのだ。
高校側も二人の複雑な環境を承知して、特待生としての受け入れだったから…。
それに、環境はどうであれ、高校の時の二人の成績は素晴らしいものであったし、勉学以外の活動でも目を見張るものがあったから。
だから、高校側としても、住居がないから進学できなかった…と云う汚点を作らない為の対処をしてくれたようだ。
そして、その高校が複雑な事情を持ち、その事で、入学して間もなくの定期試験後の成績発表の際に騒ぎになった張本人に対して、そこまで手扱った理由は、今でも解らない。
それでも、二人にとっては助かった。
大学を卒業して…二人は社会人となった。
大学在学中にルルーシュは様々なパソコンのプログラミングを覚えて、自分でプログラムしたソフトの売り込みをしていた。
だから、学費にしても生活費にしても、途中からかなり楽になった。

 だから、スザクとしては、大学を卒業して、就職した…と云う事に凄くほっとした。
スザクがルルーシュのひもをやっているような気がして、少し自分の中にある男としてのプライドが傷ついていたから。
尤も、ルルーシュに云えば、どんな反応を見せるのか、すぐに解ったので、云わなかったけれど。
ルルーシュはスザクと違う会社に行く事を極端に嫌がった。
事情を知る者であれば仕方ないと思えるが、世の中、早々我儘も云っていられない。
スザクとしては、稼ぎは少ないけれど、そのまま結婚出来れば…などと目論んでいたけれど、ルルーシュが中々建てに首を振らなかった。
漸く、別れ話をしなくなったかと思えば…。
次から次へと難問がきちんと用意されているのだ。
ルルーシュは学生の頃にソフトを売り込んでいた会社に社員としては居るのではなく、『取り引き先』の下請けという形を取ったのだ。
それなら、時間に縛られる事も、人に縛られる事もないからだ。
それに、何より、ルルーシュは高校の時に、10歳のときに追い出された家の息子と再会して以来、とにかく、極力人と関わらないように…という姿勢を崩さなかった。
と云うのも、スザクが彼を殴った件では周囲の目が一部始終を見ていて、スザクが理由もなく彼を殴った訳ではないと云う事が証言されてしまって、逆に彼の方が非難の的となってしまい…。
その後、泥沼になった。
彼自身、ただ、やられて終わり…と云う事にはならず…。
ルルーシュの生い立ちを学校中にばらまいた。
当然だけれど、ルルーシュはパニック状態になった。
元々、それほど性格のいい奴だとは思ってはいなかったが、そこまでねじ曲がっていると逆に解り易い。
勉強の成績は良くても頭の悪いタイプだ。
皮肉な事に、ルルーシュに近寄る生徒が極端に減った。
本人が悪い訳じゃないのに、ここまで人とは他人を蔑む事が出来るものなのかと…スザクは正直、呆れもした。
その代わり、人が近づかないと云う事はルルーシュにとっては、本人の周囲半径2メートル以内にはあまり人が来ないと云う事なのだ。
元々、孤児院で知り合った人物以外に心を開かないルルーシュにしてみれば、誰もちょっかいを出して来ないのはルルーシュにとって都合が良かったのだろう。
ただ、そうやって、人を遠ざけたおかげで社会人となる際にも会社勤めと云うのを困難にした。
大学でも…。
講義は真面目に受けていたものの…他の人間と一切関わろうとしなかった。
いつ、どこで、あの頃の事を知る人が目の前に現れ、その事を高校の時の様にばらまかれる事を恐れたからだ。
人が周囲にいない事は気にしない。
でも、あの時の記憶を抉りだされる事はルルーシュに取って我慢がならず…。
というか、我慢ならないと云うよりも、ルルーシュの精神が耐えられなかった。
それほどの子供時代を送っている。
就職活動の時も…就職説明会などはスザクが隣にいないと足を運ぶ事が出来ず…あの時、ルルーシュが10歳のときにあの家を追い出されるきっかけを作った男性と同じ年頃の男性を見るとその場で失神した事さえあった。
だから、スザクもルルーシュに会社勤めは無理だと判断した。
そのまま結婚に…と思ったわけだけれど…。
ルルーシュは家で出来る仕事を探した。
スザクの『結婚したい』と云うその言葉にも首を縦に振らなかった。
―――もう、結婚している様なものなんだけどなぁ…
そんなもやもやを抱えて既に、3年という月日が経っていた。

 スザクが就職した会社と云うのは、リラクゼーショングッズを開発、生産、卸し、販売をしている最近になって急成長を見せている企業だ。
社長は若い女性でスザクより10歳くらい上だと云う。
ルルーシュ同様、学生の頃から色々手がけていたらしく、大学在学中に起業していたとか…。
大学を卒業してから急成長を遂げて、東証二部への上場も果たしている。
スザクはそこの営業担当だ。
スザクは元々人あたりが良くて愛想もいいので新人としては目覚ましい成績を残した後、それからは営業成績はトップをキープしている。
尤も、社員の数が多くないので、競争相手も少ないのだけれど。
「スザクく〜〜〜ん…ちょっと来てくれない?」
パソコンの前で数字とにらめっこしているこの会社の創始者で社長のミレイ=アッシュフォードがスザクを呼んだ。
恐らく、過剰受注してしまったことへの抗議だろう。
スザクが営業に行くと、何故か、過剰受注をして帰って来るのだ。
過剰発注も困るが、過剰受注も困るのだ。
「はい、また俺、過剰受注しちゃいました?」
スザクが頭をカリカリ掻きながらミレイの許へと歩いて行く。
少しだけ、胸ポケットに入っている携帯電話を気にしながら…。
「そうじゃなくって…週末の接待、私の代わりに行ってくれない?」
唐突にこう云った話しを持って来るのはあまり珍しい事でもないのだけれど。
普段なら、いやいやながらもそう云った、『普通に嫌な』残業に関しては割と奮発して手当てをくれるから、妥協していたのだけれど。
ただ、今のスザクには少し気にかかる事があって…。
「う〜〜〜ん…ジノかロイドさんじゃダメなんですか?」
その気にかかる事があるから他の、なんとかミレイの云う事を強引に押し通せそうな人物の名前をあげて見た。
「あら…珍しい…。スザク君のかわい〜い奥さんの為にたくさん稼ぐからって…そう云うの、引き受けてくれるくせに…。ちゃんと今回も手当て付きよ?それに、今回の接待はあの、取材お断りだけど、超有名なあの『皇亭』の懐石よ?お土産付き…」
ミレイが片っ端からプラスの部分を強調して行くけれど。
確かに、その店は一度だけ、接待で付いて行った事があった。
確かに凄い店で、孤児院出身のスザクには場違いに思えるほどの店ではあったけれど。
でも、細やかな気遣いなどは流石に口コミだけで全国レベルの有名店になるだけの事はあると思った。
出された料理も『ルルーシュに食べさせてやりたいなぁ…』と思う程美味だった。
その時もお土産を貰って帰って、ルルーシュにそれを食べさせたら…ルルーシュが驚いた顔をしていた。
ルルーシュが食べた事もない様なそんな、折詰だったから。
だから、お土産は欲しいけれど…
「今回は…他の人にお願い出来ませんか?ちょっと…気になる事があるんです…」
スザクはミレイに申しつけられた仕事を初めて断っている。
これはこの会社の中ではサプライズだ。
スザクが接待を断ってその後の影響よりも、接待を断った事実と云う、サプライズにミレイが目を輝かせている。

 そんなミレイのキラキラした瞳を見て…スザクは大きくため息を吐いた。
そして、ある程度話をしない事には残業代なしで拘束される事になりそうだ。
現在の時間、終業時間10分前…。
二人の話しに、更にギャラリーが増える。
「どうした?スザク…。スザクには勿体ないあの、かわいい奥さん、ついにスザクに愛想尽かしたか?」
とても嬉しそうに話に割り込んで来たジノ…。
正直、スザクとしてはこいつにルルーシュの話しをしたくはないのだけれど。
「ひょっとして倦怠期ぃ〜〜〜?なら、今、僕が開発している刺激のない生活に刺激を3倍増しになるこの薬を…」
一体どんな怪しい薬だ?と思いっきり尋ねたくなるような発言をかましたのはスザクの直接の上司のロイドだった。
どう見てもこいつら、遊んでいるようにしか見えないのだ。
「あらあら…皆さん…。そんな風にスザク君を苛めちゃダメですよ?特にロイドさん、スザク君はロイドさんと違って心が濁っていないんですから…」
助け舟なのか、あおっているのか解らない発言をかましたのはロイドをその鉄拳で操るセシルだった。
スザクはつくづく思う。
ここにいるメンツに相談できるような事じゃないと…。
「というか、どうしちゃったわけ?スザク君がそんな風に接待を断るって初めてだし…。命じた側としてはちょっと気になっちゃうのよね…。一応、多少の事は私達も知っているわけで…」
ミレイの顔からふざけた表情は消えた。
そんなミレイを見て、スザクは大きくため息を吐いた。
「実は…ルルーシュの様子がおかしいんです。まぁ、皆さんも一応、一通りの事を知っていらっしゃるから云っちゃいますけど…。最近、ルルーシュ、体調が悪そうなんです。まぁ、人間なんだから体調を崩す事もあるんでしょうけれど…。なら、ちゃんと休んでくれればいいし、具合悪い時は必ず俺に云っていたのに…。心配で電話しても昼間、電話に出ないし、うちに帰ると寝ている事も多くて…。起きていても、凄く辛そうで…」
スザクの話し方と表情に、大真面目に悩んでいる事は解る。
「もしかして、浮気でもしてるんじゃないのぉ〜」
「あの奥さんなら、俺、浮気だろうが遊びだろうが、一度くらい遊ばれてみたいし…」
「ルルちゃん綺麗だもんね〜。日中家に1人でしょ?狙われるわよね〜。悪いご近所さんに騙されて危ないパートしてたりして」
「あぁ、団地妻ってやつですか?」
「あら?ジノ、よくそんな言葉知ってるわね」
「この前テレビで見たんですよ」
やはりと云うべきか…なんと云うべきか…普通に遊ばれている。
ここでぶっちゃけてしまった事を心底後悔するけれど、他に相談できるところもない。
セシルだけはロイドに鉄拳をくらわしたり、ジノやミレイを窘めたりしているけれど。
「まぁ、理由が解るまでは俺、残業しませんから…」
遊ばれる事10分…。
こうなる事を解っていて何故、自分は放してしまったのだろうか…。
そんな思いを胸にしつつも…。
終業時間となってスザクは職場を後にした。

 異変に気付いたのは、2週間くらい前…。
スザクに内緒で買ってきた…その検査薬…。
「どうして…?どうして…」
ルルーシュは幼い頃の栄養状態が悪くて、成長障害が出ており、生理が不安定にくる。
だから、本人がどれほど気にしていても、気を使っていても…。
ひょっとして、検査薬が間違っているのかもしれないと云う、淡い期待を込めて病院へ行くと…。
ドクターが検査結果を見ながら無情な現実を突き付けた。
『ご懐妊です…。現在8週目です…』
その言葉を聞いたのが2週間前…。
なんとかしないといけないとルルーシュは必死に思っている。
ルルーシュの母親はルルーシュが生まれたから自分が不幸になってしまったと云っていた。
そして、自身の幸せをつかむ為にルルーシュを捨てたのだ。
「子供ができたって知ったらスザクも私を捨てる?お母さんが私を捨てたみたいに?」
そう口の中で呟くとすぐに目の前がかすみ、涙が止まらなくなる。
ルルーシュの母親はルルーシュがいたから、捨てられたと云っていた。
ルルーシュにとって、スザクは唯一無二の存在で、スザクにまで見放されたら…今度こそ生きていけない。
心を閉ざしていたルルーシュに温かい手を差し伸べてくれたのはスザクだったから。
ルルーシュが無視しても、酷い事をしてもスザクはルルーシュの心を開く努力を惜しまなかった。
だからこそ、ルルーシュは何とか、人として生きていける。
スザクの周りにはたくさんの人がいる。
だから、スザクにとってルルーシュの代わりなんてたくさんいる。
でも、ルルーシュにとって、スザクは唯一の存在…。
そんな風に思っているから…だから、怖い。
また、あんな風に捨てられるのかと…。
そして、このお腹の子供にそんな酷い事を云って、ルルーシュはその子供を捨てるのかと…。
今ならまだ、中絶してしまえば…
そう思う。
でも、それは人の命を断つと云う事…。
人一人の命を奪う決断を下すのか…と…また恐ろしくなる。
ルルーシュの母親だってルルーシュに対して『あんたのせいで私は捨てられたのよ!』と別れて何年も経った男の事を云っていたのだ。
そのくらい、母親もその男の事を愛していたのだ。
でも、そんなに愛していた男の子供でも…母親はルルーシュを憎んでいた。
ルルーシュもそれと同じくらい、否、他に何もないと云う事を考えた時、それ以上にスザクを愛しているのだ。
スザクの子供だと思えば…愛せるのだろうか…?
そんな事を自問自答している内に、また、吐き気が襲ってきた。
ここ数日、お腹に何かを入れるとすぐに嘔吐してしまっている。
既に、胃酸くらいしか出るものがなくなっていて…。
考える事も出来なくなっていた。
―――明日…病院へ行こう…。スザクには…この事を絶対に…云わない…。私一人の罪…。ごめんね…ごめんね…。あなたのお母さん、とても弱い人間なの…。スザクがいないと、生きていけないとても弱い人間なの…。だから…ごめんね…
ルルーシュはベッドに横になって、その命がいるであろう、その場所を両手で優しく抑えていた。
それは…とても優しい手で…慈悲に満ちた手だったけれど…。
ルルーシュはその手の優しさに気づかず、ただ、涙を流していた。

To Be Continued

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posted by 和泉綾 at 23:28| Comment(0) | TrackBack(0) | Novel Rebellion開設2周年

2010年06月30日

Novel Rebellion開設2周年記念リクエスト企画 25

つかまえていて 02



※設定:ルルーシュ(♀)とスザクは孤児院で出会った同じ歳で、現在恋人同士です。
ルルーシュには孤児院に入るまで複雑な環境にあり、5歳のときに両親と死に別れたスザクと出会ってから、少しずつ、変わって行きますが…。
ルルーシュの中のトラウマは…大学を卒業して、就職して、スザクと同棲している今でも中々消し去る事が出来ない様です。

このお話しは紫翠さまからのリクエストです。リクエスト、有難う御座居ました。なお、この作品で今企画の最後のリクエスト作品となります。リクエスト下さった皆様、有難う御座居ました。

 ルルーシュにとって、彼との出会いは、自分の人生の転機だったと思う。
スザクと初めて出会ったのは10歳の時…。
たった10歳で?などと、驚く事はない。
それ相応にそれまで、ルルーシュは普通の子供とはちょっと違った環境で生きて来たのだから。
ここで、『育てられてきた』という表現を使わないのは、使えないからだ。
ルルーシュの中で、誰かに育てられた…という記憶があるのは10歳以降だ。
それ以前は…。
8歳までは実の母と暮らしていたけれど…。
その母との思い出というのは、いつも、ルルーシュに対して怒っている印象しかなかった。
ルルーシュの父親というのは、母が仕事先で知り合った男との間に生まれた子供だった。
お互いに割り切った付き合い…のつもりでいたらしいが、その男はルルーシュの母が身ごもった事を知ると、さっさと上司のすすめる見合いを受けて結婚してしまった。
ルルーシュの母は夜の仕事を生業としていた。
だから、当時、母と付き合っていたそのエリートサラリーマンの男としてはそんな水障害の女と結婚という話しになるのはその先の出世を考えた時、邪魔になるだけだからだ。
勿論、母もその男の考えは解っていた。
その男は、さっさとルルーシュの母を捨てた。
理由に挙げられたのは…
『お前みたいな女の子供がいても困るんだよ…』
その一言だった。
それ故に、ルルーシュの母はルルーシュを疎ましく思った。
ならば、責任を持てない命などこの世に誕生させなければ…とも思うのだが…。
ルルーシュの母がどうしてもその男を自分に繋ぎとめていたかった。
それ故に、中絶をせずにいた。
既に法的に中絶出来ない時期になった時に…完全にその男は母の前から姿を消したのだ。
その男は、何でも…。
その会社の専務の娘と結婚した。
それによって、その男の将来は保証されたのだ。
本当は様々な要因があったのだけれど…。
ルルーシュの母親は身近にいた、ルルーシュにその責任を押しつけた。
物心の付いた頃には、ルルーシュの目の前に現れる母親はいつも酔っぱらっていた。
夜の仕事をしているのだから、仕方ないとは云え…。
そして、寄っている母はいつもルルーシュを責めた。
『あんたのせいで私は捨てられたのよ!あんたなんか生まれてこなければ良かった!』
そう、ルルーシュに怒鳴りつける母の顔が…ルルーシュにとっての母の顔だった。
大人の云っている事が理解出来ない時には…ただ、怖いと云う気持ちになっただけだったけれど…。
段々、大人の云っている事が理解出来始めると、怖いと思うと同時に、悲しくなった。
自分の存在を否定されていると…。
自分はここにはいちゃいけないと…。
そんな風に思えてしまったから。
ルルーシュが8歳のときに…学校から帰って来て、もぬけの殻になったアパートの中を見た時には…。
ただ、自分を責めた。
―――わたしのせいで…おかあさんはつらいおもいをしていたんだ…

 とりあえず、実年齢よりも遥かにしっかりしていたルルーシュは、時々、ルルーシュに夕食のおかずを分けてくれた隣の部屋のおばあさんのところに相談に行った。
流石に自分で何とか生活して行く…というにはルルーシュの出来る事があまりに少なかったからだ。
隣のおばあさんが一通りの話しを聴いてくれた直後、その部屋にアパートの管理人と大家がルルーシュとおばあさんの居る部屋に入って来たのだ。
『ルルーシュちゃん…お母さんは?』
いきなり入って来た大人二人の開口一番がその言葉だった。
随分慌てている表情だったけれど。
その時の大人達の表情は…ルルーシュにとってあまりいい答えをくれないと云う事を察した。
だから、学校から帰ってきたらもぬけの殻になっていた事をそのまま話したのだ。
その後…大人達は右往左往していた。
最初に話しを聞いてくれたおばあさんだけが、ルルーシュをそっと抱き締めて、頭を撫でていてくれた。
とりあえず、幼いながら、聞き耳を立てていると、ルルーシュの母親は一応、管理人には出て行く事を伝えたらしい。
但し、その日の朝、ルルーシュが学校へ出かけて行った直後…にだったけれど。
ただ、直接云われたのではなく、管理人の部屋の郵便受けに茶封筒が入っていたという。
中にはB5サイズの味気ない便箋に数行、書かれていただけだったという。
締めくくりは
『こちらの住所に親戚と呼べる者達が住んでおりますので、ルルーシュの事はそちらに相談して下さい。』
と書かれており、その下には3件程住所と電話番号と名前が書かれていた。
ルルーシュは自分の身に降りかかっている事なのだけれど、冷静に物事を分析していた。
まず、自分に親戚と呼べるような存在がいた事は初めて知った。
ルルーシュの父親の事は何も知らないし、母親の親戚だって、祖父母さえ知らない。
もう少し突っ込んで話を進めると、そこに書かれていた名前は全て母のいとこという続柄だと云う。
そんな遠い親戚に自分の事を相談される事になるのか…と、ルルーシュは優しいおばあさんの腕の中で考えていた。
元々、母親という存在はルルーシュを怒鳴りつけて、喚き散らすだけの存在に見えていたから。
いつか、自分を置いてどこかへ行くのではないかと思っていた。
寧ろ、現在の自分の年齢は8歳だ。
―――8年間…あの人がよく頑張った方だ…。
そんな事を考えていた。
ただ、8歳という年齢ではどうやって自力で生きて行くかが問題だ。
働くとしても、恐らく、芸能人の子役くらいしか仕事がないだろう。
そんな非現実的な選択は当然だけれど出来る訳がない。
だとすると、母が書き置きに残した親戚の家の厄介になるか、こうした、身寄りのない子供の世話をしてくれる施設に入るか…。
正直、子供らしくないと思う自分がいるけれど、ここで、子供らしさを発揮していたって、これから先、ルルーシュに生きて行く術はないのだ。
今、ルルーシュの頭を撫でてくれているおばあさんも来月、息子夫婦のところに行くと云っていた。
だとするなら、今ある情報の中で選択するしかない。
そして、ルルーシュはそのおばあさんの腕をすりぬけて、慌てて、厄介な残しものをしてくれた…という思いが隠しきれていない大人に対して口を開いたのだった。

 その後、ルルーシュは母の書き置きに書かれていたある、一軒の家の者に迎えに来られた。
あからさまに歓迎されていないと解る態度だ。
確かに、ルルーシュも知らない親戚で…。
いきなり、いとこの娘の母親が失踪したと云う話しを聞かされて、引き取って欲しいと云う連絡が入れば、戸惑うし、憤りも感じるだろう。
その、親戚が迎えに来た時、おばあさんだけが、泣いてくれていた。
『ごめん…ごめんねぇ…ルルちゃん…。私がルルちゃんを引き取って上げられれば良かったんだけど…』
『有難う…おばあさん。でも、おばあさんのその気持ちだけ頂いて行きます…』
その一言におばあさんはその場に崩れ落ちて泣いてしまったけれど、ルルーシュはそれ以上何も話さなかったし、表情も崩さなかった。
『すみません、母がご迷惑をおかけいたしまして…。お世話になります…』
ルルーシュは迎えに来た夫婦に頭を下げた。
そして、その夫婦に促されて車に乗り込んだ。
その時、決して後ろを振り返る事もなかったし、涙の一つを落とす事もなく…迎えに来た夫婦が驚いていた。
年相応に育っていない事が解るし、見る人によっては鼻に付く、生意気な子供に見えるだろう。
その少女の思いを知る者は、その時には既に、ルルーシュの周囲からはいなくなっていた。
あのおばあさんだけは、ルルーシュに優しかった。
完全にネグレクトとなっていた母の事に気付いていた学校も、自ら厄介事を抱え込まない為に見て見ぬ振りをしていた。
管理人も、母ではらちが明かないと云う事で、ルルーシュに家賃の請求に来た事もあった。
ルルーシュは最低限、母親から渡されていた『食費』の中から家賃を払っていた。
給食費も滞っていたし、学校で購入するように云われるものも、基本的にはその『食費』から出していた。
だから、ルルーシュがまともに食事を摂れたのは、学校の給食とおばあさんが時々おすそ分けしてくれる夕食くらいだった。
学校の転校手続きに行った親戚の夫婦がどんな状態でルルーシュが学校に通っていたのかを知って、驚愕していた。
給食費の滞納額が半端ではなくて…。
『まったく…とんだ疫病神が来たものだわ…』
『かといって、放り出して、ニュースにでもなったら俺の出世に響くんだよ…。母親の失踪に加えてメモに書かれていた親戚の誰もが少女を見放した…なんて…。最近のワイドショーネタとしてはこんなに美味しいネタはないだろ…』
『まぁ、くじ運が悪かっただけなんだけれど…それにしても、こうもひどいとわね…』
迎えに来た車の中での夫婦の会話だ。
どうやら、母のいとこって云うのはこちらの旦那さんの方らしいとルルーシュは分析する。
ルルーシュは結局、どこへ行っても厄介な疫病神でしかない…。
それまで、何となくそんな風に思っていたけれど、この時、ルルーシュははっきりと自覚し、その意識を自分に植え付けた。
その自覚のないままこの家の御厄介になっていたらきっと…追い出されると…そう思ったから。
だから…我儘を云わない、口答えしない、逆らわない…。
とにかく、云う事を聞く、いい子でいようと、心の中の自分に誓ったのだった。

 日本では義務教育が終わらなければ、社会に出て一人立ちという奴が出来ないシステムになっている。
芸能人などをして仕事をしている子供でもちゃんと学校には在籍しているのだ。
親戚の家で厄介になる事になったルルーシュは、近所の小学校への転入手続きが成された。
最初の家はとにかく、旦那の方の出世の問題もあるからと、強引に働かせるとか、者を与えないとか云う事はしなかった。
ただ、ものは与えても、心の繋がりは一切なかった。
食事も、とりあえず、用意されていたけれど、ルルーシュは一人だけ自分に与えられた部屋で食べていた。
旦那さんの方はともかく、奥さんの方がルルーシュと折り合いが悪かったのだ。
ルルーシュの何でも見透かしているような目が嫌いだと云っていた。
ルルーシュにそんな自覚は全くない。
でも、そう思われてしまっているのなら、そうなのかもしれないとルルーシュ自身も、どうしたらいいか解らないながら、努力はしてのだけれど。
しかし、彼女にとっては幼いルルーシュがそんな風に頑張る姿が異様に苛立って仕方なくて…。
結局、ルルーシュが訪れて7ヶ月経ったときに、手をあげたのだ。
その時、彼女は完全に錯乱状態、ノイローゼとも云えるような状態で…。
元々、子供は得意ではないと云う事は旦那の方も解っていたけれど…。
旦那の出世の為に彼女は頑張っていたのだ。
そして、その頑張りがやがて、限界を達してルルーシュに全治1ヶ月と云う怪我を負わせる程、暴力を振るわせたのだ。
我に返った彼女は…ぐったりしているルルーシュを見て真っ青になっていた。
ルルーシュは一切抵抗しなかった。
逃げる事もしなかった。
彼女をここまで追い詰めたのは自分だと…。
ここまでの騒ぎになってしまい、流石に警察が介入しない訳にも行かなくなり、警察の事情聴取の時にも、ルルーシュは
『自分が悪い…。おばさんは悪くない…』
とだけ、繰り返していた。
そんな二人を見て、流石に引き取ると決めたその彼女の夫ではあったけれど…。
一緒にいさせてはお互いに不幸になると…あの時の手紙に書かれていた他の人物達に相談したのだ。
そして、ルルーシュは別の家に引き取られた。
次に引き取られた家は…
とにかく子供がたくさんいた。
どう見ても、ルルーシュの居場所などないと…そんな風に思えてしまう程…。
突然ルルーシュが入ってきたものの…。
前の家ほど歓迎されていないと云う感じはなかったけれど…。
物理的に無理があるだろうと…ルルーシュは思っていた。
それでも、流石に子だくさんの母親だと思えるのは…。
細かい事を機にしないと云う事だ。
子供が一人増えたところで、大して変わらないと云う態度で接してくれたし、そこにいたその家の兄弟達もルルーシュに対して冷たい態度を取る訳でもなかった。
ただ、何をするにも実力行使…早いもの勝ち…。
競争社会で競争に負ければ食事をする事さえできなくなるのだ。
そう云った事はあまり得意ではなかったけれど、その家の3女はルルーシュと同じ歳でお互いに協力し合っていた。
それはとても楽しいと思ったけれど…。
でも、その家の大黒柱であったその家の父親が仕事中の事故で亡くなったのだ。
そうなると…ルルーシュの状況は一変した。

 その、兄弟のたくさんいた家にいたのは僅か5ヶ月だった。
楽しかった。
でも、その家の子供ではないルルーシュは、その家の主であり、あの手紙の名前のあった人物が亡くなってしまっては、そこにいる事は出来なかった。
そこのおばさんも
『あんたは、ホントに料理も洗濯も掃除もたくさん手伝ってくれて、助かっていたんだけど…ごめんね…』
そう云ってくれた。
自分を厄介な疫病神だと思っていたルルーシュにとってこれ以上ない程嬉しい言葉だった。
でも、ここにいる事が出来なくなり…最後の家に引き取られる事になった。
ルルーシュと同じ歳の男の子がいると云う。
この家はルルーシュが来る事を最後の最後まで渋っていた。
と云うのも、その男の子の母親が息子を溺愛していて…他の存在が入って来る事が許せなかったのだ。
この家で…ルルーシュは心を封印した。
これまで引き取ってくれた家には、何かの形で救いがあった。
でも、ここには何の救いもなかった。
小学校には通わせて貰っていたし、お客さんがくると、体裁を取り繕う様に、ルルーシュを交えてお茶を飲んだりもするけれど。
人前でなければ、ルルーシュに対しての接し方は本当に酷いものだった。
大人から受ける苛めと云うのは…これほどまでに過酷なのか…とよく思った。
必要最低限のもの以外、全て取り上げられた。
持っているものもそれほど多くはなかったのだけれど。
家事を一通りこなす事は当たり前だったし、学校の成績でその家の息子より1点でも点数がいいと、ねちねちと苛められた。
ルルーシュ自身、その母親が責め立てる程、勉強できる時間などありはしないのだ。
ただ、授業中、一生懸命聞いているだけだった。
ルルーシュは将来、働きながら学校へ行きたかったから。
高校になれば、仕事をしながら夜間、学校に通う事が出来ると云う事なのだから…。
だとするなら、ちゃんとした成績は必要で…。
家に帰ってくれば、家の中の家事をさせられるのだ。
まだ10歳にも満たないルルーシュには学校と家の家事の両立は中々大変なものだ。
この時のルルーシュに自由時間と云えば、子供の睡眠時間と云うには成長段階でこれでは確実に支障が出ると云えるほど少ない睡眠時間だけだ。
栄養状態も決していいとは云えず…また、幼い頃からしっかりと栄養摂取が出来ていなかった為に成長障害が出て来ていた。
そんな状態が続いていたある日…
その家の息子と母親が外出していた時…。
ルルーシュをこの家に引き取ったこの家の主と二人きりになった。
その時…恐らく、その男性は息子にかかりきりの妻に不満があったのだろう…。
そして、二人きりの状態。
ルルーシュはその家の主に押し倒された。
ルルーシュはただ、声を殺して泣く事しか出来ず…ぶるぶる震えていた。
ルルーシュの服を全て脱がされた時…この家の息子とその母親が帰って来て…。
その場面を目撃されて…。
ルルーシュは最低限の服を身に纏った状態と、数少ない荷物を持って、ものすごい力でその母親に引っ張られて行った。
連れて行かれたのは…。
孤児院だった。
その時のルルーシュの顔に表情などなくなっていた。
いきなり、大人の男に押し倒され、それに怒り狂った女の怒りを全て受け止め、ここに連れて来られたのだから…。
その孤児院の庭には…一人の男の子がいた。
何か、土を弄っていたようだけれど…でも、ルルーシュにとっては、どうでもいい事だった。
心の中にあったのは…ただ…
―――死んでしまいたい…

To Be Continued


あとがきに代えて



凄い展開になりましたね。
と云うか、ルルーシュ、ここまで不幸を背負ってしまっていました。
スザクが苦労する訳です。
さて、過去話はここまでで、次から現在の恋人同士の二人のお話しになります。
このお話し、前段階がないと現在を書いていても解らないと云う感じだったので…。
ルルーシュの成長障害と云うのは、ヘ●バーンも、そうだったと云う事らしいのですが、成長期にきちんとした栄養を摂れていなかった為にいくら食べても体重が増えないと云うやつです。
ヘ●バーンも生涯、その体重が50kgを超える事はなかったそうです。
というか、体重を増やせるほど食べられなかったともいうのですが。
第二次世界大戦中の彼女のお話しを聞いていると、あんな、スクリーンではあんなに素敵な笑顔を見せているのに…と思う程壮絶な少女時代を過ごしているんですよね。
その事もあって、暴力シーンや戦闘シーンのある映画に関してはオファーが来ても全て断っていて…。
最後に一つだけ戦争に関連されてしまう仕事を受けているんですよね。
これは多分有名だったと思うんですが…
1990年にユニセフ主催のコンサートで『アンネの日記』を朗読しております。

そんな事はどうでもいい事ですね。
また、続きを読んで頂ければ幸いです。



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Novel Rebellion開設2周年記念リクエスト企画 25

つかまえていて 02



※設定:ルルーシュ(♀)とスザクは孤児院で出会った同じ歳で、現在恋人同士です。
ルルーシュには孤児院に入るまで複雑な環境にあり、5歳のときに両親と死に別れたスザクと出会ってから、少しずつ、変わって行きますが…。
ルルーシュの中のトラウマは…大学を卒業して、就職して、スザクと同棲している今でも中々消し去る事が出来ない様です。

このお話しは紫翠さまからのリクエストです。リクエスト、有難う御座居ました。なお、この作品で今企画の最後のリクエスト作品となります。リクエスト下さった皆様、有難う御座居ました。

 ルルーシュにとって、彼との出会いは、自分の人生の転機だったと思う。
スザクと初めて出会ったのは10歳の時…。
たった10歳で?などと、驚く事はない。
それ相応にそれまで、ルルーシュは普通の子供とはちょっと違った環境で生きて来たのだから。
ここで、『育てられてきた』という表現を使わないのは、使えないからだ。
ルルーシュの中で、誰かに育てられた…という記憶があるのは10歳以降だ。
それ以前は…。
8歳までは実の母と暮らしていたけれど…。
その母との思い出というのは、いつも、ルルーシュに対して怒っている印象しかなかった。
ルルーシュの父親というのは、母が仕事先で知り合った男との間に生まれた子供だった。
お互いに割り切った付き合い…のつもりでいたらしいが、その男はルルーシュの母が身ごもった事を知ると、さっさと上司のすすめる見合いを受けて結婚してしまった。
ルルーシュの母は夜の仕事を生業としていた。
だから、当時、母と付き合っていたそのエリートサラリーマンの男としてはそんな水障害の女と結婚という話しになるのはその先の出世を考えた時、邪魔になるだけだからだ。
勿論、母もその男の考えは解っていた。
その男は、さっさとルルーシュの母を捨てた。
理由に挙げられたのは…
『お前みたいな女の子供がいても困るんだよ…』
その一言だった。
それ故に、ルルーシュの母はルルーシュを疎ましく思った。
ならば、責任を持てない命などこの世に誕生させなければ…とも思うのだが…。
ルルーシュの母がどうしてもその男を自分に繋ぎとめていたかった。
それ故に、中絶をせずにいた。
既に法的に中絶出来ない時期になった時に…完全にその男は母の前から姿を消したのだ。
その男は、何でも…。
その会社の専務の娘と結婚した。
それによって、その男の将来は保証されたのだ。
本当は様々な要因があったのだけれど…。
ルルーシュの母親は身近にいた、ルルーシュにその責任を押しつけた。
物心の付いた頃には、ルルーシュの目の前に現れる母親はいつも酔っぱらっていた。
夜の仕事をしているのだから、仕方ないとは云え…。
そして、寄っている母はいつもルルーシュを責めた。
『あんたのせいで私は捨てられたのよ!あんたなんか生まれてこなければ良かった!』
そう、ルルーシュに怒鳴りつける母の顔が…ルルーシュにとっての母の顔だった。
大人の云っている事が理解出来ない時には…ただ、怖いと云う気持ちになっただけだったけれど…。
段々、大人の云っている事が理解出来始めると、怖いと思うと同時に、悲しくなった。
自分の存在を否定されていると…。
自分はここにはいちゃいけないと…。
そんな風に思えてしまったから。
ルルーシュが8歳のときに…学校から帰って来て、もぬけの殻になったアパートの中を見た時には…。
ただ、自分を責めた。
―――わたしのせいで…おかあさんはつらいおもいをしていたんだ…

 とりあえず、実年齢よりも遥かにしっかりしていたルルーシュは、時々、ルルーシュに夕食のおかずを分けてくれた隣の部屋のおばあさんのところに相談に行った。
流石に自分で何とか生活して行く…というにはルルーシュの出来る事があまりに少なかったからだ。
隣のおばあさんが一通りの話しを聴いてくれた直後、その部屋にアパートの管理人と大家がルルーシュとおばあさんの居る部屋に入って来たのだ。
『ルルーシュちゃん…お母さんは?』
いきなり入って来た大人二人の開口一番がその言葉だった。
随分慌てている表情だったけれど。
その時の大人達の表情は…ルルーシュにとってあまりいい答えをくれないと云う事を察した。
だから、学校から帰ってきたらもぬけの殻になっていた事をそのまま話したのだ。
その後…大人達は右往左往していた。
最初に話しを聞いてくれたおばあさんだけが、ルルーシュをそっと抱き締めて、頭を撫でていてくれた。
とりあえず、幼いながら、聞き耳を立てていると、ルルーシュの母親は一応、管理人には出て行く事を伝えたらしい。
但し、その日の朝、ルルーシュが学校へ出かけて行った直後…にだったけれど。
ただ、直接云われたのではなく、管理人の部屋の郵便受けに茶封筒が入っていたという。
中にはB5サイズの味気ない便箋に数行、書かれていただけだったという。
締めくくりは
『こちらの住所に親戚と呼べる者達が住んでおりますので、ルルーシュの事はそちらに相談して下さい。』
と書かれており、その下には3件程住所と電話番号と名前が書かれていた。
ルルーシュは自分の身に降りかかっている事なのだけれど、冷静に物事を分析していた。
まず、自分に親戚と呼べるような存在がいた事は初めて知った。
ルルーシュの父親の事は何も知らないし、母親の親戚だって、祖父母さえ知らない。
もう少し突っ込んで話を進めると、そこに書かれていた名前は全て母のいとこという続柄だと云う。
そんな遠い親戚に自分の事を相談される事になるのか…と、ルルーシュは優しいおばあさんの腕の中で考えていた。
元々、母親という存在はルルーシュを怒鳴りつけて、喚き散らすだけの存在に見えていたから。
いつか、自分を置いてどこかへ行くのではないかと思っていた。
寧ろ、現在の自分の年齢は8歳だ。
―――8年間…あの人がよく頑張った方だ…。
そんな事を考えていた。
ただ、8歳という年齢ではどうやって自力で生きて行くかが問題だ。
働くとしても、恐らく、芸能人の子役くらいしか仕事がないだろう。
そんな非現実的な選択は当然だけれど出来る訳がない。
だとすると、母が書き置きに残した親戚の家の厄介になるか、こうした、身寄りのない子供の世話をしてくれる施設に入るか…。
正直、子供らしくないと思う自分がいるけれど、ここで、子供らしさを発揮していたって、これから先、ルルーシュに生きて行く術はないのだ。
今、ルルーシュの頭を撫でてくれているおばあさんも来月、息子夫婦のところに行くと云っていた。
だとするなら、今ある情報の中で選択するしかない。
そして、ルルーシュはそのおばあさんの腕をすりぬけて、慌てて、厄介な残しものをしてくれた…という思いが隠しきれていない大人に対して口を開いたのだった。

 その後、ルルーシュは母の書き置きに書かれていたある、一軒の家の者に迎えに来られた。
あからさまに歓迎されていないと解る態度だ。
確かに、ルルーシュも知らない親戚で…。
いきなり、いとこの娘の母親が失踪したと云う話しを聞かされて、引き取って欲しいと云う連絡が入れば、戸惑うし、憤りも感じるだろう。
その、親戚が迎えに来た時、おばあさんだけが、泣いてくれていた。
『ごめん…ごめんねぇ…ルルちゃん…。私がルルちゃんを引き取って上げられれば良かったんだけど…』
『有難う…おばあさん。でも、おばあさんのその気持ちだけ頂いて行きます…』
その一言におばあさんはその場に崩れ落ちて泣いてしまったけれど、ルルーシュはそれ以上何も話さなかったし、表情も崩さなかった。
『すみません、母がご迷惑をおかけいたしまして…。お世話になります…』
ルルーシュは迎えに来た夫婦に頭を下げた。
そして、その夫婦に促されて車に乗り込んだ。
その時、決して後ろを振り返る事もなかったし、涙の一つを落とす事もなく…迎えに来た夫婦が驚いていた。
年相応に育っていない事が解るし、見る人によっては鼻に付く、生意気な子供に見えるだろう。
その少女の思いを知る者は、その時には既に、ルルーシュの周囲からはいなくなっていた。
あのおばあさんだけは、ルルーシュに優しかった。
完全にネグレクトとなっていた母の事に気付いていた学校も、自ら厄介事を抱え込まない為に見て見ぬ振りをしていた。
管理人も、母ではらちが明かないと云う事で、ルルーシュに家賃の請求に来た事もあった。
ルルーシュは最低限、母親から渡されていた『食費』の中から家賃を払っていた。
給食費も滞っていたし、学校で購入するように云われるものも、基本的にはその『食費』から出していた。
だから、ルルーシュがまともに食事を摂れたのは、学校の給食とおばあさんが時々おすそ分けしてくれる夕食くらいだった。
学校の転校手続きに行った親戚の夫婦がどんな状態でルルーシュが学校に通っていたのかを知って、驚愕していた。
給食費の滞納額が半端ではなくて…。
『まったく…とんだ疫病神が来たものだわ…』
『かといって、放り出して、ニュースにでもなったら俺の出世に響くんだよ…。母親の失踪に加えてメモに書かれていた親戚の誰もが少女を見放した…なんて…。最近のワイドショーネタとしてはこんなに美味しいネタはないだろ…』
『まぁ、くじ運が悪かっただけなんだけれど…それにしても、こうもひどいとわね…』
迎えに来た車の中での夫婦の会話だ。
どうやら、母のいとこって云うのはこちらの旦那さんの方らしいとルルーシュは分析する。
ルルーシュは結局、どこへ行っても厄介な疫病神でしかない…。
それまで、何となくそんな風に思っていたけれど、この時、ルルーシュははっきりと自覚し、その意識を自分に植え付けた。
その自覚のないままこの家の御厄介になっていたらきっと…追い出されると…そう思ったから。
だから…我儘を云わない、口答えしない、逆らわない…。
とにかく、云う事を聞く、いい子でいようと、心の中の自分に誓ったのだった。

 日本では義務教育が終わらなければ、社会に出て一人立ちという奴が出来ないシステムになっている。
芸能人などをして仕事をしている子供でもちゃんと学校には在籍しているのだ。
親戚の家で厄介になる事になったルルーシュは、近所の小学校への転入手続きが成された。
最初の家はとにかく、旦那の方の出世の問題もあるからと、強引に働かせるとか、者を与えないとか云う事はしなかった。
ただ、ものは与えても、心の繋がりは一切なかった。
食事も、とりあえず、用意されていたけれど、ルルーシュは一人だけ自分に与えられた部屋で食べていた。
旦那さんの方はともかく、奥さんの方がルルーシュと折り合いが悪かったのだ。
ルルーシュの何でも見透かしているような目が嫌いだと云っていた。
ルルーシュにそんな自覚は全くない。
でも、そう思われてしまっているのなら、そうなのかもしれないとルルーシュ自身も、どうしたらいいか解らないながら、努力はしてのだけれど。
しかし、彼女にとっては幼いルルーシュがそんな風に頑張る姿が異様に苛立って仕方なくて…。
結局、ルルーシュが訪れて7ヶ月経ったときに、手をあげたのだ。
その時、彼女は完全に錯乱状態、ノイローゼとも云えるような状態で…。
元々、子供は得意ではないと云う事は旦那の方も解っていたけれど…。
旦那の出世の為に彼女は頑張っていたのだ。
そして、その頑張りがやがて、限界を達してルルーシュに全治1ヶ月と云う怪我を負わせる程、暴力を振るわせたのだ。
我に返った彼女は…ぐったりしているルルーシュを見て真っ青になっていた。
ルルーシュは一切抵抗しなかった。
逃げる事もしなかった。
彼女をここまで追い詰めたのは自分だと…。
ここまでの騒ぎになってしまい、流石に警察が介入しない訳にも行かなくなり、警察の事情聴取の時にも、ルルーシュは
『自分が悪い…。おばさんは悪くない…』
とだけ、繰り返していた。
そんな二人を見て、流石に引き取ると決めたその彼女の夫ではあったけれど…。
一緒にいさせてはお互いに不幸になると…あの時の手紙に書かれていた他の人物達に相談したのだ。
そして、ルルーシュは別の家に引き取られた。
次に引き取られた家は…
とにかく子供がたくさんいた。
どう見ても、ルルーシュの居場所などないと…そんな風に思えてしまう程…。
突然ルルーシュが入ってきたものの…。
前の家ほど歓迎されていないと云う感じはなかったけれど…。
物理的に無理があるだろうと…ルルーシュは思っていた。
それでも、流石に子だくさんの母親だと思えるのは…。
細かい事を機にしないと云う事だ。
子供が一人増えたところで、大して変わらないと云う態度で接してくれたし、そこにいたその家の兄弟達もルルーシュに対して冷たい態度を取る訳でもなかった。
ただ、何をするにも実力行使…早いもの勝ち…。
競争社会で競争に負ければ食事をする事さえできなくなるのだ。
そう云った事はあまり得意ではなかったけれど、その家の3女はルルーシュと同じ歳でお互いに協力し合っていた。
それはとても楽しいと思ったけれど…。
でも、その家の大黒柱であったその家の父親が仕事中の事故で亡くなったのだ。
そうなると…ルルーシュの状況は一変した。

 その、兄弟のたくさんいた家にいたのは僅か5ヶ月だった。
楽しかった。
でも、その家の子供ではないルルーシュは、その家の主であり、あの手紙の名前のあった人物が亡くなってしまっては、そこにいる事は出来なかった。
そこのおばさんも
『あんたは、ホントに料理も洗濯も掃除もたくさん手伝ってくれて、助かっていたんだけど…ごめんね…』
そう云ってくれた。
自分を厄介な疫病神だと思っていたルルーシュにとってこれ以上ない程嬉しい言葉だった。
でも、ここにいる事が出来なくなり…最後の家に引き取られる事になった。
ルルーシュと同じ歳の男の子がいると云う。
この家はルルーシュが来る事を最後の最後まで渋っていた。
と云うのも、その男の子の母親が息子を溺愛していて…他の存在が入って来る事が許せなかったのだ。
この家で…ルルーシュは心を封印した。
これまで引き取ってくれた家には、何かの形で救いがあった。
でも、ここには何の救いもなかった。
小学校には通わせて貰っていたし、お客さんがくると、体裁を取り繕う様に、ルルーシュを交えてお茶を飲んだりもするけれど。
人前でなければ、ルルーシュに対しての接し方は本当に酷いものだった。
大人から受ける苛めと云うのは…これほどまでに過酷なのか…とよく思った。
必要最低限のもの以外、全て取り上げられた。
持っているものもそれほど多くはなかったのだけれど。
家事を一通りこなす事は当たり前だったし、学校の成績でその家の息子より1点でも点数がいいと、ねちねちと苛められた。
ルルーシュ自身、その母親が責め立てる程、勉強できる時間などありはしないのだ。
ただ、授業中、一生懸命聞いているだけだった。
ルルーシュは将来、働きながら学校へ行きたかったから。
高校になれば、仕事をしながら夜間、学校に通う事が出来ると云う事なのだから…。
だとするなら、ちゃんとした成績は必要で…。
家に帰ってくれば、家の中の家事をさせられるのだ。
まだ10歳にも満たないルルーシュには学校と家の家事の両立は中々大変なものだ。
この時のルルーシュに自由時間と云えば、子供の睡眠時間と云うには成長段階でこれでは確実に支障が出ると云えるほど少ない睡眠時間だけだ。
栄養状態も決していいとは云えず…また、幼い頃からしっかりと栄養摂取が出来ていなかった為に成長障害が出て来ていた。
そんな状態が続いていたある日…
その家の息子と母親が外出していた時…。
ルルーシュをこの家に引き取ったこの家の主と二人きりになった。
その時…恐らく、その男性は息子にかかりきりの妻に不満があったのだろう…。
そして、二人きりの状態。
ルルーシュはその家の主に押し倒された。
ルルーシュはただ、声を殺して泣く事しか出来ず…ぶるぶる震えていた。
ルルーシュの服を全て脱がされた時…この家の息子とその母親が帰って来て…。
その場面を目撃されて…。
ルルーシュは最低限の服を身に纏った状態と、数少ない荷物を持って、ものすごい力でその母親に引っ張られて行った。
連れて行かれたのは…。
孤児院だった。
その時のルルーシュの顔に表情などなくなっていた。
いきなり、大人の男に押し倒され、それに怒り狂った女の怒りを全て受け止め、ここに連れて来られたのだから…。
その孤児院の庭には…一人の男の子がいた。
何か、土を弄っていたようだけれど…でも、ルルーシュにとっては、どうでもいい事だった。
心の中にあったのは…ただ…
―――死んでしまいたい…

To Be Continued

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posted by 和泉綾 at 23:01| Comment(0) | TrackBack(0) | Novel Rebellion開設2周年

Novel Rebellion開設2周年記念リクエスト企画 24

つかまえていて 01



※設定:ルルーシュ(♀)とスザクは孤児院で出会った同じ歳で、現在恋人同士です。
ルルーシュには孤児院に入るまで複雑な環境にあり、5歳のときに両親と死に別れたスザクと出会ってから、少しずつ、変わって行きますが…。
ルルーシュの中のトラウマは…大学を卒業して、就職して、スザクと同棲している今でも中々消し去る事が出来ない様です。

このお話しは紫翠さまからのリクエストです。リクエスト、有難う御座居ました。なお、この作品で今企画の最後のリクエスト作品となります。リクエスト下さった皆様、有難う御座居ました。

 出会いは…10歳の時…。
彼女はある日、突然やってきた。
スザクがいた、孤児院に…それこそ、魂が抜けきった様な少女が入ってきた。
両親を亡くして、スザクはここに来たのだけれど…。
確かに物理的には不自由はあったけれど、ここの生活はそれほど苦痛だとは思わなかった。
同じ境遇の友人がたくさんいて、スザクの生来の人懐っこさや面倒見の良さのお陰で周囲にはたくさん友達がいた。
両親や里親に引き取られる友達がいると…確かに寂しいとも思ったし、羨ましいとも思ったけれど。
それでも、その事を喜んでやれる広い心があった。
スザクがこの孤児院にいて一人になると云う事がなかったのは、そんな性格のお陰だろう。
年上にも年下にも信頼、信用されていた。
勿論、孤児院という施設にいるのだから、普通の家庭で成長して行くのと同じという訳にはいかないけれど。
それでも、彼一人がいるだけで、孤児院の雰囲気が全く違うと云う事は、誰の目から見ても解る。
当然だけれど、このテの施設への支援というのは非常に少ない。
公的に支給される支援金だけで賄える訳はないし、だとすると、個人、企業からの支援が頼りだけれど。
そう云った支援も世知辛い世の中で中々寄付金が集まる事がなく…。
だからこそ、孤児院の経済状況は火の車で…。
勘のいいスザクはその事に気が付いて…孤児院の庭の一部を開墾し始めた時には流石にこの孤児院の院長も驚いていたけれど。
更に驚いたのはスザクが始めたことで、孤児院にいる子供達がそれを手伝い始めて…。
スザクの影響力と人望の厚さに感心したものだ。
彼女がここに訪れたのは…スザクが畑の収穫物を収穫し終えて、残ったつるやら発破やらを回収している時だった。
スザクは顔を泥だらけにして作業をしていて…。
他の子供達は建物の中で他の仕事を仰せつかっていた。
だから、庭にいたのはスザクだけで…。
彼女は、(多分)親戚のおばさんらしき人に手を引かれて連れられていた。
そのおばさんが彼女の荷物らしきものを持っている様だったけれど…。
この孤児院の経済状況を知っていても、あまりに少ない荷物に驚いた。
確かにこの孤児院は経済的に困窮しているからたくさんの者を持っているものは少ないし、服だって『社会福祉目的』という名目の下に行われるバザーの売れ残りの服などが殆どだ。
それでも、着ている服もなんだか、あまり綺麗とは云えない。
荷物だって驚くほど少なくて…。
そして、持っているものより何より、そのガリガリに痩せた、スカートを穿いているから女のこと解るけれど、そうでなければ男か女かも解らない程の貧弱な体格で…。
そして、目は完全に死んでいた…。
その死んでいる目を見た時…スザクは何故かドキリとしたのだった。
確かに、体格は貧弱だし、アンバランスな程手足が細くて、顔色も悪い。
でも、その死んでいる瞳の色がとても印象的で。
スザクは彼女の姿を見て、何かを感じた。
彼女の何かに惹かれた。
そして、あんな風に死んだような、焦点の合っていない様なアメジストの瞳に、光を宿してみたい…そんな風に思ったのだった。

 それから…15年ほどが経った。
二人とも身寄りがなくて…孤児院の入所資格年齢ギリギリの高校卒業まで、孤児院で過ごしていた。
二人に里親の話しがなかった訳ではなかった。
しかし、二人は常に、他の誰かに譲ってきた。
個人指名での里親に対してはきっぱり断ってきた。
いつ頃からか、二人は惹かれるようになり、また、この孤児院を離れがたくなっていたと云う事もある。
特にルルーシュの場合、ここに来るまでの環境がとても複雑だったから、ここから出る事をとにかく嫌がった。
それにつられる様に、スザクも里親の話しは全て断った。
年齢での指名、性別での指名であった場合、他の子供に譲ってきた。
院長はそんな二人を心配していたけれど。
でも、二人から感じる何か、触れる事も、踏み込む事も出来ない何かを感じ取って、ある時からその事を何も云わなくなっていた。
二人とも、本当に優秀で、奨学金で高校に通った上に、時間があるとアルバイトをして、孤児院に入れていた。
院長は二人に対して
『他の子が気にすると行けないから…ルルーシュもスザクも、そんな風にお金を入れる必要はない。勿論、有難い事ではあるけれど、二人の本当にやらなくてはならない事は、勉学に勤しむ事だし、学校で社会性を身につける事じゃないのかい?』
と、口を酸っぱくして云っていたのだけれど。
彼らはそれをやめる事はしなかった。
院長としては中々複雑な事に、二人とも、そんな生活を送りながら奨学金を普通に受け取れる程…。
というか、個人ではあり得ない私学に通って優秀な成績を収めている為に学費免除という超VIP待遇で高校に通っていたのだ。
二人とも、私学お金がかかると渋っていて、公立高校に進もうとしていたのだけれど。
学校側が事情を察して二人には全ての学費、必要経費を出すと云う事で二人はその高校に通った。
私学なので、優秀な生徒がいると云う事がこれ以上ない生徒を集めるための宣伝となる。
だから、学力は他の追随を許さないルルーシュと、学力はルルーシュには及ばないものの、その運動能力も全国レベルのスザクをその高校の生徒としたかったのだ。
そして、二人は期待を裏切らず、大学も全国的に有名な国立大学に合格したのだ。
大学進学を機に、二人は慣れ親しんだ孤児院を離れた。
勿論、勉学と生活費を稼ぐと云う、中々ハードな生活ではあったけれど。
高校を卒業と同時に、ルルーシュとスザクは同居し始めた。
高校の時、既に二人は両想いとなっていた。
ルルーシュの方は、最初は何かに怯える様に、スザクの告白を拒絶していたけれど。
ただ、ルルーシュの中でスザクの存在が大きい事はルルーシュも認めざるを得ない事実で…。
何度目かのスザクの告白に本当に、本当に恐る恐ると云った感じで頷いた時…。
スザクは本当に驚いた顔をして。
そして、顔をくしゃくしゃにして喜んでいた。
これまでもずっと、スザクはルルーシュを大切にしてくれていたけれど。
でも、頷いたルルーシュに抱きついた時、スザクがルルーシュにしか聞こえない声で云った言葉は…。
ルルーシュを幸せにして、そして不安にもさせた。
『有難う…ルルーシュ…。絶対、絶対一生…大事にするから…』

 その後、スザクはその言葉の通り、ルルーシュを本当に大切にした。
ルルーシュは親の愛を知らずに育っていた事をある時、知ったスザクだった。
スザクは両親が健在だった頃は、一人っ子という事もあったのだろうけれど、本当に両親に大切にされていた。
甘やかす…という事ではなく、勿論、甘やかす事もあったけれど、愛情をこめての叱責もあった。
スザクが5歳の時の話しだから、はっきりと覚えているわけじゃないけれど。
ただ、新しく買って貰った補助輪付きの自転車を
『危ないから、家の庭だけで乗るんですよ…』
という母親の言葉に背いて、家の前の道路で乗っていて…。
そして、近所のおばさんの乗っていた原付バイクが接触しそうになった時…。
母親はスザクを叱った。
幸い、接触した訳じゃなくて、ちょっと転んですりむいた程度で済んだけれど。
その原付バイクに乗っていたおばさんは真っ青になっていて、後になって高級な菓子折を持ってきていたけれど。
母親は真剣にスザクを叱った。
何故、道路で自転車に乗ってはいけないのかとか、何が危ないのかとか、とにかく、多少感情は入っていたかもしれないけれど。
真剣に叱ってくれた。
起こるのではなく、叱ってくれた。
それを今でも覚えている。
そう云う意味ではスザクは両親と死に別れるまでは本当に平凡な家庭の一人っ子の子供だった。
その事を覚えているから、ルルーシュに対しても、嬉しい時は全力で嬉しいと表現したし、自分が悪い事をした場合には心の底から謝ったし、ルルーシュが間違った事をしそうになった時には真剣に叱った。
ここに来たばかりの頃のルルーシュには本当に初めての事ばかりで、戸惑っていたようだったけれど。
それを繰り返して行くうちに、ルルーシュは心を開いてくれた。
それでも、スザクの告白を受け入れてくれるようになるまで相当時間がかかってしまったけれど。
だからこそ、スザクの中でルルーシュを頷いた時のその時の事は、今でもはっきりと覚えている。
その事をはっきりと覚えている限り、スザクはルルーシュの事を手放さない…。
漠然とそんな事を思っていた。
ルルーシュはどこまで信用してくれているのか…解らないけれど。
でも、スザクのこの気持ちは、本物だし、ルルーシュを手放してやる気は全くない。
心にたくさんの者を抱えているルルーシュを一人で放りだしたら、きっと、ロクな事にならないから。
きっと、スザクの望むところに行かないから。
スザクと一緒にいる事がルルーシュの幸せであって欲しいと…それが一番の希望だけれど。
ルルーシュの中でスザクよりももっと大きな存在が現れて、ルルーシュが幸せそうに笑っていてくれるなら…。
そんな風に思い切る事は出来なかったものの…。
それでも、ルルーシュの幸せと天秤にかけた時には、
―――顔くらい取り繕って見せるさ…
などと考えていた。
それでも、きっと、心の中では絶対に認められずにいたに違いないのだけれど。
でも、ルルーシュと両想いになってからは絶対に放してやらないと云う…そちらに考えが切り替わっていた。

 大学を卒業して、そろそろ3年だ。
ここまで来るのにも、両想いになったとは云っても、ルルーシュは中々複雑な状況にあったようで…。
何度もルルーシュから別れを切り出された。
その度に、ルルーシュのウソが見えたから、とっとと突っぱねた。
ルルーシュの中にある心の傷は…相変わらずあるのだと…。
とにかくルルーシュが諦めるまで辛抱強く頑張るしかないのだと…スザクの方が腹をくくっていたからここまで続いたのかもしれない。
これが、ルルーシュの外見や、表向きに見えるルルーシュに惹かれた相手であれば、絶対にルルーシュに別れを切り出されたら受け入れていただろう。
それか、逆恨みでDVに走るか…。
どの道、ロクな事にはならない。
ルルーシュの心の傷の深さを誰よりも知っていると云う自覚があってこそ、ここまで続いて来たのだとスザクの中で自負はあるのだ。
理解は出来ていないと思う。
ただ、知ってはいるのだ。
これまで、知りたくなくとも、そう云った事を知らされる現実を目の前に突き付けられてきた事が一度、あったから…。
その現実を見たから、スザクはとにかく、一刻も早くルルーシュを自分のものとしたかった。
自分のルルーシュとしたかったのだ。
高校に入って間もなくの頃…。
ルルーシュは初めての定期試験でトップの成績を取った。
上位20位までは廊下に張り出される事になっていて…。
その名前を見た生徒の中に…。
ルルーシュをあの孤児院に連れて来たおばさんの子供がいたのだ。
同じ歳の…男だった。
ルルーシュの名前を見つけて、云いがかりを付けて来たのだ。
どうやら、そのおばさんは教育ママゴンという生き物らしくて…。
彼に必ずトップを取る様にとの絶対命令を下していたらしい。
ただ、そこにルルーシュの名前があった。
もし、ルルーシュでなければ、あんな形でルルーシュを呼びだす事も、嫌がらせをする事もなかったに違いない。
ルルーシュは2番だったその男子生徒の名前を見た時…。
顔は青ざめていて、小刻みに身体が震えていた。
すぐ傍にスザクがいて、どうしたのか尋ねようとした時、その男子生徒らしき男子が後ろから声をかけて来たのだ。
『久しぶりだな…ルルーシュ…』
その声にルルーシュの身体の震えは更に大きくなった。
スザクもそれは普通じゃないと思って、自分の背中にルルーシュを庇ったけれど、その男子生徒は言葉を続けたのだ。
『お前がトップなんてな…。母さんが云っていたよ…。あのあばずれの娘なんだから…お前もあばずれだってな…。ひょっとして、教師にその身体売ってトップを買ったのか?』
そのセリフにスザクの中で何かが音を立ててブチ切れた。
そして、気が付いた時には…その男子生徒を殴っていたのだ。
その騒ぎは…周囲にたくさんの生徒の目撃があったから、その男子生徒の母親が乗り込んではきたものの、周囲の生徒たちの証言でその母親が恥をかいただけの話しで済んだけれど。
しかし、これから、そいつがいる限りルルーシュは高校生活に怯えなければならないと思った時…。
ルルーシュを守るための地位が欲しいと…スザクは思った。
だから、何度も告白し続けていたのだ。
ルルーシュを守るための地位を貰った時、どんな勲章をもらうよりも誇らしかった。

 その後…高校でもルルーシュが孤児である事、スザクが孤児である事を知っても彼らに声をかけて来る生徒も増えて…。
平凡とは云えなくとも、充実した高校生活を送る事が出来た。
中には差別的な目で見る者もいたけれど。
それでも、それは彼らにとって慣れっこだったし、ルルーシュにとっては、親戚に『あばずれの娘』というレッテルを張られているのだから。
それに比べれば『孤児』というレッテルの方が遥かにマシだった。
ルルーシュの母親はシングルマザーでルルーシュが8歳のときに恋人を作って出て行ったとか…。
その後、あの孤児院に来るまでは親戚と称する家に盥回しにされていたという。
その間、どんな事がルルーシュの身に起きていたのか、親戚の家をたらいまわしにされる前にはどんな生活を送っていたのか…。
よくは知らないけれど。
でも、ルルーシュが孤児院に初めて訪れた時のあの時の様子を見ている限り…。
孤児院に入ってからの方が遥かに幸せだったに違いないと思える。
孤児院というのはとにかく、窮屈なところだし、我儘も言えない。
中には耐えられずに飛び出して行く子供だっている。
結局、行く場所がなくて戻って来るけれど。
経済的にも、人員的にも決して恵まれている環境だとは思えない。
それでも、そんな、孤児院の環境でも、ルルーシュにとってはそれまでの生活と比べると、ずっとマシだと思っていた…と、スザクには見えた。
最初の内は全然口もきかなかったけれど。
それこそ、何に対しても、誰に対しても人間に苛め倒された野良猫みたいだった。
誰に寄せつけようとしなくて、誰にも近寄ろうとしなくて。
見ていて痛々しいと云うのはこう云う事なのだと思った。
細い身体で、きっと、あの時のスザクがちょっと手首を掴んでしまえば身動き一つ取れなさそうなそんな細い腕で…。
必死に周囲に牙をむいていた。
孤児院の子供達はそんなルルーシュには近寄りがたかったようで…。
ルルーシュと一緒にいるのはいつもスザクだけだった。
スザクはその、ルルーシュという野良猫に、無視されても、時に引っかかれてもめげることなく手を差し伸べていた。
スザクの中で一つの野望があったから。
―――笑った顔が見たい…
ただ、それだけの為にその野良猫に振り向いてもらう努力をし続けて…。
その努力が実るまでに2年くらいかかった。
その努力が実を結んだ時、周囲のルルーシュを見る目も変わり始め…。
ルルーシュ自身は本当は他人に対して凄く優しくて、細かい事に気づいて…。
心が開いた時、ルルーシュはその優しさを周囲の子供たちに分け与えた。
ただ、玉にきずだったのは…
『素直にそう云った優しさを表現出来ない事…』
だった。
最初の頃は全くその事に気づいて貰えずに誤解ばかりされていたけれど。
孤児院という空間の中でずっと一緒にいれば、いずれ、周囲にも知られることとなり、ルルーシュが高校を卒業して、孤児院を出て行く頃にはルルーシュを慕っていた子供達が泣いて縋って来ていたのを…スザクの記憶の中では鮮明に残っているのだった。

To Be Continued


あとがきに代えて



最後のリク企画作品となりました。
随分、時間がかかりましたけれど、このお話しが最後となります。
紫翠さま、お待たせいたしました。
少々さわりの部分がごちゃごちゃしてしまっていますが…。
全部話しが終わる頃にはまとまっているといいなぁ…。

因みに、このお話し…
下にニコニコ動画を張り付けておきますが、この歌をイメージしながら書いております。
これを聴いた時、ホントにピンと来たんで…。
でもって、ニコニコ動画のこの画像…
みずき健さん…ホントに神ですね…
今見てもうっとりです…

鎧伝サムライトルーパー OVA『Massage』ED 『つかまえていて』 本間かおり




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posted by 和泉綾 at 00:01| Comment(0) | TrackBack(0) | Novel Rebellion開設2周年

Novel Rebellion開設2周年記念リクエスト企画 24

つかまえていて 01



※設定:ルルーシュ(♀)とスザクは孤児院で出会った同じ歳で、現在恋人同士です。
ルルーシュには孤児院に入るまで複雑な環境にあり、5歳のときに両親と死に別れたスザクと出会ってから、少しずつ、変わって行きますが…。
ルルーシュの中のトラウマは…大学を卒業して、就職して、スザクと同棲している今でも中々消し去る事が出来ない様です。

このお話しは紫翠さまからのリクエストです。リクエスト、有難う御座居ました。なお、この作品で今企画の最後のリクエスト作品となります。リクエスト下さった皆様、有難う御座居ました。

 出会いは…10歳の時…。
彼女はある日、突然やってきた。
スザクがいた、孤児院に…それこそ、魂が抜けきった様な少女が入ってきた。
両親を亡くして、スザクはここに来たのだけれど…。
確かに物理的には不自由はあったけれど、ここの生活はそれほど苦痛だとは思わなかった。
同じ境遇の友人がたくさんいて、スザクの生来の人懐っこさや面倒見の良さのお陰で周囲にはたくさん友達がいた。
両親や里親に引き取られる友達がいると…確かに寂しいとも思ったし、羨ましいとも思ったけれど。
それでも、その事を喜んでやれる広い心があった。
スザクがこの孤児院にいて一人になると云う事がなかったのは、そんな性格のお陰だろう。
年上にも年下にも信頼、信用されていた。
勿論、孤児院という施設にいるのだから、普通の家庭で成長して行くのと同じという訳にはいかないけれど。
それでも、彼一人がいるだけで、孤児院の雰囲気が全く違うと云う事は、誰の目から見ても解る。
当然だけれど、このテの施設への支援というのは非常に少ない。
公的に支給される支援金だけで賄える訳はないし、だとすると、個人、企業からの支援が頼りだけれど。
そう云った支援も世知辛い世の中で中々寄付金が集まる事がなく…。
だからこそ、孤児院の経済状況は火の車で…。
勘のいいスザクはその事に気が付いて…孤児院の庭の一部を開墾し始めた時には流石にこの孤児院の院長も驚いていたけれど。
更に驚いたのはスザクが始めたことで、孤児院にいる子供達がそれを手伝い始めて…。
スザクの影響力と人望の厚さに感心したものだ。
彼女がここに訪れたのは…スザクが畑の収穫物を収穫し終えて、残ったつるやら発破やらを回収している時だった。
スザクは顔を泥だらけにして作業をしていて…。
他の子供達は建物の中で他の仕事を仰せつかっていた。
だから、庭にいたのはスザクだけで…。
彼女は、(多分)親戚のおばさんらしき人に手を引かれて連れられていた。
そのおばさんが彼女の荷物らしきものを持っている様だったけれど…。
この孤児院の経済状況を知っていても、あまりに少ない荷物に驚いた。
確かにこの孤児院は経済的に困窮しているからたくさんの者を持っているものは少ないし、服だって『社会福祉目的』という名目の下に行われるバザーの売れ残りの服などが殆どだ。
それでも、着ている服もなんだか、あまり綺麗とは云えない。
荷物だって驚くほど少なくて…。
そして、持っているものより何より、そのガリガリに痩せた、スカートを穿いているから女のこと解るけれど、そうでなければ男か女かも解らない程の貧弱な体格で…。
そして、目は完全に死んでいた…。
その死んでいる目を見た時…スザクは何故かドキリとしたのだった。
確かに、体格は貧弱だし、アンバランスな程手足が細くて、顔色も悪い。
でも、その死んでいる瞳の色がとても印象的で。
スザクは彼女の姿を見て、何かを感じた。
彼女の何かに惹かれた。
そして、あんな風に死んだような、焦点の合っていない様なアメジストの瞳に、光を宿してみたい…そんな風に思ったのだった。

 それから…15年ほどが経った。
二人とも身寄りがなくて…孤児院の入所資格年齢ギリギリの高校卒業まで、孤児院で過ごしていた。
二人に里親の話しがなかった訳ではなかった。
しかし、二人は常に、他の誰かに譲ってきた。
個人指名での里親に対してはきっぱり断ってきた。
いつ頃からか、二人は惹かれるようになり、また、この孤児院を離れがたくなっていたと云う事もある。
特にルルーシュの場合、ここに来るまでの環境がとても複雑だったから、ここから出る事をとにかく嫌がった。
それにつられる様に、スザクも里親の話しは全て断った。
年齢での指名、性別での指名であった場合、他の子供に譲ってきた。
院長はそんな二人を心配していたけれど。
でも、二人から感じる何か、触れる事も、踏み込む事も出来ない何かを感じ取って、ある時からその事を何も云わなくなっていた。
二人とも、本当に優秀で、奨学金で高校に通った上に、時間があるとアルバイトをして、孤児院に入れていた。
院長は二人に対して
『他の子が気にすると行けないから…ルルーシュもスザクも、そんな風にお金を入れる必要はない。勿論、有難い事ではあるけれど、二人の本当にやらなくてはならない事は、勉学に勤しむ事だし、学校で社会性を身につける事じゃないのかい?』
と、口を酸っぱくして云っていたのだけれど。
彼らはそれをやめる事はしなかった。
院長としては中々複雑な事に、二人とも、そんな生活を送りながら奨学金を普通に受け取れる程…。
というか、個人ではあり得ない私学に通って優秀な成績を収めている為に学費免除という超VIP待遇で高校に通っていたのだ。
二人とも、私学お金がかかると渋っていて、公立高校に進もうとしていたのだけれど。
学校側が事情を察して二人には全ての学費、必要経費を出すと云う事で二人はその高校に通った。
私学なので、優秀な生徒がいると云う事がこれ以上ない生徒を集めるための宣伝となる。
だから、学力は他の追随を許さないルルーシュと、学力はルルーシュには及ばないものの、その運動能力も全国レベルのスザクをその高校の生徒としたかったのだ。
そして、二人は期待を裏切らず、大学も全国的に有名な国立大学に合格したのだ。
大学進学を機に、二人は慣れ親しんだ孤児院を離れた。
勿論、勉学と生活費を稼ぐと云う、中々ハードな生活ではあったけれど。
高校を卒業と同時に、ルルーシュとスザクは同居し始めた。
高校の時、既に二人は両想いとなっていた。
ルルーシュの方は、最初は何かに怯える様に、スザクの告白を拒絶していたけれど。
ただ、ルルーシュの中でスザクの存在が大きい事はルルーシュも認めざるを得ない事実で…。
何度目かのスザクの告白に本当に、本当に恐る恐ると云った感じで頷いた時…。
スザクは本当に驚いた顔をして。
そして、顔をくしゃくしゃにして喜んでいた。
これまでもずっと、スザクはルルーシュを大切にしてくれていたけれど。
でも、頷いたルルーシュに抱きついた時、スザクがルルーシュにしか聞こえない声で云った言葉は…。
ルルーシュを幸せにして、そして不安にもさせた。
『有難う…ルルーシュ…。絶対、絶対一生…大事にするから…』

 その後、スザクはその言葉の通り、ルルーシュを本当に大切にした。
ルルーシュは親の愛を知らずに育っていた事をある時、知ったスザクだった。
スザクは両親が健在だった頃は、一人っ子という事もあったのだろうけれど、本当に両親に大切にされていた。
甘やかす…という事ではなく、勿論、甘やかす事もあったけれど、愛情をこめての叱責もあった。
スザクが5歳の時の話しだから、はっきりと覚えているわけじゃないけれど。
ただ、新しく買って貰った補助輪付きの自転車を
『危ないから、家の庭だけで乗るんですよ…』
という母親の言葉に背いて、家の前の道路で乗っていて…。
そして、近所のおばさんの乗っていた原付バイクが接触しそうになった時…。
母親はスザクを叱った。
幸い、接触した訳じゃなくて、ちょっと転んですりむいた程度で済んだけれど。
その原付バイクに乗っていたおばさんは真っ青になっていて、後になって高級な菓子折を持ってきていたけれど。
母親は真剣にスザクを叱った。
何故、道路で自転車に乗ってはいけないのかとか、何が危ないのかとか、とにかく、多少感情は入っていたかもしれないけれど。
真剣に叱ってくれた。
起こるのではなく、叱ってくれた。
それを今でも覚えている。
そう云う意味ではスザクは両親と死に別れるまでは本当に平凡な家庭の一人っ子の子供だった。
その事を覚えているから、ルルーシュに対しても、嬉しい時は全力で嬉しいと表現したし、自分が悪い事をした場合には心の底から謝ったし、ルルーシュが間違った事をしそうになった時には真剣に叱った。
ここに来たばかりの頃のルルーシュには本当に初めての事ばかりで、戸惑っていたようだったけれど。
それを繰り返して行くうちに、ルルーシュは心を開いてくれた。
それでも、スザクの告白を受け入れてくれるようになるまで相当時間がかかってしまったけれど。
だからこそ、スザクの中でルルーシュを頷いた時のその時の事は、今でもはっきりと覚えている。
その事をはっきりと覚えている限り、スザクはルルーシュの事を手放さない…。
漠然とそんな事を思っていた。
ルルーシュはどこまで信用してくれているのか…解らないけれど。
でも、スザクのこの気持ちは、本物だし、ルルーシュを手放してやる気は全くない。
心にたくさんの者を抱えているルルーシュを一人で放りだしたら、きっと、ロクな事にならないから。
きっと、スザクの望むところに行かないから。
スザクと一緒にいる事がルルーシュの幸せであって欲しいと…それが一番の希望だけれど。
ルルーシュの中でスザクよりももっと大きな存在が現れて、ルルーシュが幸せそうに笑っていてくれるなら…。
そんな風に思い切る事は出来なかったものの…。
それでも、ルルーシュの幸せと天秤にかけた時には、
―――顔くらい取り繕って見せるさ…
などと考えていた。
それでも、きっと、心の中では絶対に認められずにいたに違いないのだけれど。
でも、ルルーシュと両想いになってからは絶対に放してやらないと云う…そちらに考えが切り替わっていた。

 大学を卒業して、そろそろ3年だ。
ここまで来るのにも、両想いになったとは云っても、ルルーシュは中々複雑な状況にあったようで…。
何度もルルーシュから別れを切り出された。
その度に、ルルーシュのウソが見えたから、とっとと突っぱねた。
ルルーシュの中にある心の傷は…相変わらずあるのだと…。
とにかくルルーシュが諦めるまで辛抱強く頑張るしかないのだと…スザクの方が腹をくくっていたからここまで続いたのかもしれない。
これが、ルルーシュの外見や、表向きに見えるルルーシュに惹かれた相手であれば、絶対にルルーシュに別れを切り出されたら受け入れていただろう。
それか、逆恨みでDVに走るか…。
どの道、ロクな事にはならない。
ルルーシュの心の傷の深さを誰よりも知っていると云う自覚があってこそ、ここまで続いて来たのだとスザクの中で自負はあるのだ。
理解は出来ていないと思う。
ただ、知ってはいるのだ。
これまで、知りたくなくとも、そう云った事を知らされる現実を目の前に突き付けられてきた事が一度、あったから…。
その現実を見たから、スザクはとにかく、一刻も早くルルーシュを自分のものとしたかった。
自分のルルーシュとしたかったのだ。
高校に入って間もなくの頃…。
ルルーシュは初めての定期試験でトップの成績を取った。
上位20位までは廊下に張り出される事になっていて…。
その名前を見た生徒の中に…。
ルルーシュをあの孤児院に連れて来たおばさんの子供がいたのだ。
同じ歳の…男だった。
ルルーシュの名前を見つけて、云いがかりを付けて来たのだ。
どうやら、そのおばさんは教育ママゴンという生き物らしくて…。
彼に必ずトップを取る様にとの絶対命令を下していたらしい。
ただ、そこにルルーシュの名前があった。
もし、ルルーシュでなければ、あんな形でルルーシュを呼びだす事も、嫌がらせをする事もなかったに違いない。
ルルーシュは2番だったその男子生徒の名前を見た時…。
顔は青ざめていて、小刻みに身体が震えていた。
すぐ傍にスザクがいて、どうしたのか尋ねようとした時、その男子生徒らしき男子が後ろから声をかけて来たのだ。
『久しぶりだな…ルルーシュ…』
その声にルルーシュの身体の震えは更に大きくなった。
スザクもそれは普通じゃないと思って、自分の背中にルルーシュを庇ったけれど、その男子生徒は言葉を続けたのだ。
『お前がトップなんてな…。母さんが云っていたよ…。あのあばずれの娘なんだから…お前もあばずれだってな…。ひょっとして、教師にその身体売ってトップを買ったのか?』
そのセリフにスザクの中で何かが音を立ててブチ切れた。
そして、気が付いた時には…その男子生徒を殴っていたのだ。
その騒ぎは…周囲にたくさんの生徒の目撃があったから、その男子生徒の母親が乗り込んではきたものの、周囲の生徒たちの証言でその母親が恥をかいただけの話しで済んだけれど。
しかし、これから、そいつがいる限りルルーシュは高校生活に怯えなければならないと思った時…。
ルルーシュを守るための地位が欲しいと…スザクは思った。
だから、何度も告白し続けていたのだ。
ルルーシュを守るための地位を貰った時、どんな勲章をもらうよりも誇らしかった。

 その後…高校でもルルーシュが孤児である事、スザクが孤児である事を知っても彼らに声をかけて来る生徒も増えて…。
平凡とは云えなくとも、充実した高校生活を送る事が出来た。
中には差別的な目で見る者もいたけれど。
それでも、それは彼らにとって慣れっこだったし、ルルーシュにとっては、親戚に『あばずれの娘』というレッテルを張られているのだから。
それに比べれば『孤児』というレッテルの方が遥かにマシだった。
ルルーシュの母親はシングルマザーでルルーシュが8歳のときに恋人を作って出て行ったとか…。
その後、あの孤児院に来るまでは親戚と称する家に盥回しにされていたという。
その間、どんな事がルルーシュの身に起きていたのか、親戚の家をたらいまわしにされる前にはどんな生活を送っていたのか…。
よくは知らないけれど。
でも、ルルーシュが孤児院に初めて訪れた時のあの時の様子を見ている限り…。
孤児院に入ってからの方が遥かに幸せだったに違いないと思える。
孤児院というのはとにかく、窮屈なところだし、我儘も言えない。
中には耐えられずに飛び出して行く子供だっている。
結局、行く場所がなくて戻って来るけれど。
経済的にも、人員的にも決して恵まれている環境だとは思えない。
それでも、そんな、孤児院の環境でも、ルルーシュにとってはそれまでの生活と比べると、ずっとマシだと思っていた…と、スザクには見えた。
最初の内は全然口もきかなかったけれど。
それこそ、何に対しても、誰に対しても人間に苛め倒された野良猫みたいだった。
誰に寄せつけようとしなくて、誰にも近寄ろうとしなくて。
見ていて痛々しいと云うのはこう云う事なのだと思った。
細い身体で、きっと、あの時のスザクがちょっと手首を掴んでしまえば身動き一つ取れなさそうなそんな細い腕で…。
必死に周囲に牙をむいていた。
孤児院の子供達はそんなルルーシュには近寄りがたかったようで…。
ルルーシュと一緒にいるのはいつもスザクだけだった。
スザクはその、ルルーシュという野良猫に、無視されても、時に引っかかれてもめげることなく手を差し伸べていた。
スザクの中で一つの野望があったから。
―――笑った顔が見たい…
ただ、それだけの為にその野良猫に振り向いてもらう努力をし続けて…。
その努力が実るまでに2年くらいかかった。
その努力が実を結んだ時、周囲のルルーシュを見る目も変わり始め…。
ルルーシュ自身は本当は他人に対して凄く優しくて、細かい事に気づいて…。
心が開いた時、ルルーシュはその優しさを周囲の子供たちに分け与えた。
ただ、玉にきずだったのは…
『素直にそう云った優しさを表現出来ない事…』
だった。
最初の頃は全くその事に気づいて貰えずに誤解ばかりされていたけれど。
孤児院という空間の中でずっと一緒にいれば、いずれ、周囲にも知られることとなり、ルルーシュが高校を卒業して、孤児院を出て行く頃にはルルーシュを慕っていた子供達が泣いて縋って来ていたのを…スザクの記憶の中では鮮明に残っているのだった。

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posted by 和泉綾 at 00:01| Comment(0) | TrackBack(0) | Novel Rebellion開設2周年

2010年06月26日

Novel Rebellion開設2周年記念リクエスト企画 23

将来の僕と君へ Final





※設定:現在、幼馴染同士のルルーシュとスザクは高校3年生です。お互いを思う気持ちがあるのですが…。ただ打ち明ける事も出来ないまま、そして、進路の問題など、更に彼らを追い詰める現実が差し迫っているようです。

このお話しはまりもこさまからのリクエストです。リクエスト有難う御座居ました。

 普通なら、ルルーシュがこんな風に肉を焦がすなんて事はあり得ない。
二人の目の前の焼き網の上で肉が炭になって、煙が立ち始めていた。
「あ、ルルーシュ!肉が…」
先に気づいたのはスザクだった。
こう云う時、わんこ並みに鼻の利くスザクが先に気づく。
これも昔から変わっていない。
「あ、済まない…」
スザクの告白に呆然としていたルルーシュが我に返り、網の上の肉を回収する。
こんなルルーシュを見るのは初めてだから、正直、スザクも戸惑ってしまう。
「あ、僕の方こそ、御免…。多分、僕が変な事を云ったから…驚いちゃったんだよね…」
スザクが少し俯いてルルーシュに詫びた。
ここで謝ってしまうのが、スザクなのだけれど。
ただ、ルルーシュはいつも、こんなミスをする事はないから…。
だから、スザクとしては、スザクの云った事がルルーシュのこんな行動を招いてしまったと思ってしまう。
―――これって、僕の自惚れなのかな…
そんな事を考えつつも、ルルーシュが焦げてしまった肉を回収している間に、スザクが新しい肉を乗せて行く。
そんなスザクを見ながら、ルルーシュが口を開いた。
「お前…そう云った話しをするには、焼き肉は向かないんじゃないのか?基本的に焼きながら食べるとなると、どうしても食べる方、焼く方に意識が向いてしまうだろう?」
ルルーシュは焦げた肉を集め終えてからスザクにそう告げた。
大体、ルルーシュの方はいきなりのスザクの申し出で来ただけなのだ。
こんな風にスザクにぶっちゃけられるとは露ほども思わずに来たのだ。
―――まぁ、突然スザクが一緒に夕飯を食べたいだなんて…何かあるとは思ったけれどな…。
ルルーシュが呆れ顔でそう云うと、スザクが『へへへ…』と笑った。
スザクのそんな笑いも、多分、不自然に見えている事は予想出来る。
元々、こう云う時に取り繕える様なスキルをスザクは持ち合わせていないのだから。
スザクとしては、こうして笑ってごまかす事くらいしか思いつかない。
「スザク…そう云えば、俺達がこうして、進学とか進路で離れ離れになる事を考えたのって…高校入試の時以来だな…」
ルルーシュがそう云うと、強引な愛想笑いをしていたスザクが『あっ』と云う顔をした。
でも、あの時にはまだ、対策を立てる事が出来た。
ルルーシュの方は自分の行きたい高校を普通に志望して普通に入試を受けて合格している。
それこそ、主席の成績で…。
だから、入学式の新入生代表挨拶はルルーシュがしていた。
ルルーシュがこの高校に入りたいと知った時、スザクはルルーシュに内緒で一生懸命考えたのだ。
どうしたらルルーシュと一緒に高校に通う事が出来るかと…。
幸い、ルルーシュの志望していたこの高校はスポーツ面でも全国的に有名で…スザクは運動能力が高くて、そのスポーツ推薦枠に付いて、担任に相談して…。
そして、その時のスザクの一生懸命な思いが通じたのか、こうして、同じ高校に通う事が出来るようになったのだ。
流石に同じクラスに…と云うのは中々難しかった。
特に、2年になる時、進路の事を真剣に考え始めなくてはならなくなった段階で、文系、理系、就職志望者、スポーツ特待生など、クラス分けされて…。
当たり前だけれど、スザクとルルーシュは同じクラスになれる事もなく…。
―――それでも、僕は、教室にいなくちゃいけない時以外はルルーシュと一緒に居られた…

 クラスは違っていても、流石に2年になって進路ごとにクラスが違うともなると、休み時間には様々な形で他のクラスの生徒が教室にいても別におかしな話ではなくなった。
と云うのも、恋人同士で暮らすが分かれてしまった者、ルルーシュとスザクの様に、仲の良い者同士が休み時間、昼食など、一緒に…と云う事はままある話しとなったわけだ。
ルルーシュとスザクもそんな感じだった。
ルルーシュは自分の人付き合いの悪さ…と云う事でスザクと一緒にいる事が多かったけれど、スザクの方は…ルルーシュに誰かほかの人間が近づく事をあまり快く思わずにいた。
ただ、ルルーシュがスザクのところに来た時に、スザクが他のクラスメイトと一緒にいるところに気づいた時、ルルーシュは黙ってそこから離れて行く事は何度かあって…。
スザクは時々そんなルルーシュに何となく…と云うか、時には自分の中で本当に寂しさとか、悲しさとかを、感じた事があり…。
そんな事が何度か続いた時に…スザクはある事に気が付いたのだ。
―――僕…ルルーシュと一緒にいたいんだ…。ルルーシュが僕以外の誰かと一緒にいるのが嫌なんだ…
と気が付いた。
それがいつの事だったのか、今となっては既に思い出す事もないけれど。
しかし、その事を自覚してからは…本当に独占欲が強くなったと思う。
自分でも怖くなった。
これで、ルルーシュと離れてしまう事になったら…と、凄く強く考える様になった。
ルルーシュと離れるのが怖い…。
そんな事を考えつつ…そして、3年生になって、それが本当に目の前の話しになって、逃げる事が出来ないところまで来た時…。
スザクは頭が真っ白になった。
スザクにスポーツ推薦の大学が決まりそうだ…そう、教師から伝えられた時には…進路が決まった安心感と同時に…。
これまで離れた事のなかったルルーシュと離れ離れにならなくてはならないと云うその、近い将来の現実に…怖くなったのだ。
これまで、ずっと、ルルーシュと一緒にいて…本当に二人で一つ…の様な気になっていた。
と云うのも、学校でもルルーシュとスザクのコンビは名物とまで云われるほど、有名となった。
それは、単純に有名になっただけではなく、実際にコンビを組んだ二人の発揮する様々なものが本物だったからだ。
高校に入ってからもそれは健在で…。
ルルーシュとそんなコンビとして云われる事はスザクにとって嬉しかったし、自分の中でのプライドでもあり、優越でもあった。
本当は…ルルーシュとそんな風に云われるなんて云うのは…身の程知らず…だと云う事は解っているけれど。
ルルーシュは凄い人だと云うのは解っているけれど。
でも、スザクにとって、これ以上の褒め言葉はないと云うくらいスザクの中での誇りでもあったのだ。
それが…
―――もうすぐ…そのルルーシュと離れ離れに…なっちゃうんだな…。だから…僕は…

 そんな事を考えながら、下を向いていると、ルルーシュが心配そうに見ているのが解った。
ルルーシュにとって、スザクと云う存在は…どんな存在なのだろうか…。
いつも、スザクと一緒にいてくれてはいるけれど。
でも、スザクがルルーシュを思う程、ルルーシュはスザクの事を思っていないのかもしれない。
スザクの中のルルーシュほど、ルルーシュの中のスザクは、存在は大きくないのかもしれない。
俯いて、黙っていると…
「スザク…そんな風に黙っていたんじゃ…解らないだろ?わざわざこんな風に一緒に夕食を食べたいなんて云うんだから…。進路の事…そんなに悩んでいるのか?殆ど、決まりなんだろ?」
ルルーシュが業を煮やしたように声をかけて来た。
なんでだろうと思ってしまう。
なんで、ルルーシュはそんな風にスザクに優しく接してくれるのか…。
それは、これまでずっと、優越感ではあったのだけれど。
でも、今は…その優しさが辛くなってしまう。
優しいのが辛いだなんて…他のルルーシュの事を好きな人たちからしたら、凄く贅沢な話しになるだろう。
それこそ、殺されても文句は言えない。
「あのさ…。ルルーシュは怒るかもしれないし、呆れるかもしれないんだけれど…。でもね…僕、進路がほぼ決まって…それは嬉しいんだけど…。でも、ルルーシュと離れるのが…その…えっと…嫌だ…と云うか…怖い…んだ…」
やっと、やっと出て来た…その言葉…。
ルルーシュはなんて云うだろうか…。
きっと、『自分の人生の為の選択なのに…一時の気の迷いでそこまで悩むのか?』などと呆れるだろうか…。
それとも『自分の人生を他人に振り回されるな!』って叱って来るのだろうか…。
どちらにしろ、ルルーシュの怒鳴り声が聞こえてきそうだ…と、スザクは思った。
でも…そんな予想に反して…ルルーシュの声が中々聞こえて来ない。
店内は確かに…色んなグループの声が聞こえて来ていて…騒がしいけれど。
同じテーブルに付いている自分達の会話が聞こえなくなるような…そんな騒がしさでもない。
とりあえず…、そのルルーシュの言葉が出て来ない状態が…少しの間続いた。
それが、数十秒の時間であったのか、数分…もしくは十数分であったのか…よく解らないけれど。
大した時間ではないにしろ、凄く長い時間に思えた。
スザクは居たたまれなくなって、先ほど、網の上に置いた肉をひっくり返しつつ、焦げないように、見張っている事くらいしか出来なくて。
でも、そのルルーシュが黙っている状態が…凄く心地悪かった。
そこにいる事が…何となく、しんどいと思うものの。
ルルーシュが黙っている状態のところを、ドリンクバーに行ってなんとか、その場を離れて、一呼吸を置く…と云う事も出来なくて…。
「あ…あの…」
思わず、スザクの方から、ルルーシュに声をかけて、ルルーシュを見ると…。
なんだか、見た事のないルルーシュの顔が…そこにあった。
なんだか…そのルルーシュの顔は…、
いつもより頼りなくて、弱々しい感じがしたのは…多分気のせいではない。
「ルルーシュ?」

 スザクが声をかけると…、ルルーシュは少し震えた様に口を開いた。
「何を…云っているんだ…。スザク…スザクの人生じゃないか…」
スザクが…ルルーシュから受ける叱責となるであろう…言葉と同じ言葉だったけれど…。
ただ…その声は怒鳴り声じゃなかった。
それどころか…少し震えているような気がした。
―――多分…気の所為じゃ…ないよね…
スザクがそんな、疑念を抱いてしまう程、珍しい光景だ。
ルルーシュが声を震わせているなんて…。
怒りの震えではない。
何かを耐えて…押し殺しているような…そんな震えだ。
「ど…したの…?」
スザクがそんなルルーシュに何を怖がっているのか解らないけれど、なんだか、恐る恐る…と云った感じに尋ねた。
ルルーシュの表情も…何か、ぐっと押し殺して、飲み込んでいる…。
そんな苦悩が見え隠れする様なそんな表情に見えるのだ。
「…んで…。なんで…スザクがそんな事…云うんだ…」
これまで…ずっと何かをスザクに隠して、自分の中に飲み込んで来たのだろうと云う、そんな言葉だった。
ルルーシュは基本的に隠し事が結構うまい。
スザクには解る事もあるけれど。
でも、今のルルーシュのその表情の理由、言葉の理由は…スザクには解らなかった。
「ルルーシュ?」
ルルーシュが何を云おうとしてるのか…解らなくて…スザクはもう一度目の前の人物の名前を呼んだ。
「なんで…お前がそんな事を云うんだ…。お前は…ちゃんと進路が…殆ど決まっているくせに…。なんで…お前がそんな事を云うんだ!」
最初の内はあまり強い口調は云えなかったけれど…最後は…少し怒鳴り声に近付いていた。
ただ、スザクがそんな事を悩んでいたと云う事で、怒鳴りつけていると云うよりも、そんな事を、今、ルルーシュに云った事、その事を怒鳴っているように聞こえる。
だから、スザクの中で、よく解らない…と云う感じになっているのだけれど。
ルルーシュが何故、こんな怒鳴り声をあげて来たのか…。
スザクが云った言葉の中で、ルルーシュは何を思い、なんで、怒鳴り声に近い様な声をあげたのか…。
「俺は…スザクの進路の邪魔をしたくない!だから…絶対にスザクの邪魔にならない様にって…思って来たんだ!なのに…なんでお前がそんな事を云うんだ!お前の人生の邪魔を…俺にさせるな!」
ルルーシュがそこまで云った後、聞いたスザクは勿論、云った本人が驚いていた。
ルルーシュはまるで…
―――今、自分は何を云ったんだ…?
と云う、少々困惑の入っている顔をしている。
「それって…どう云う…事なの…?」
驚いているけれど、でも、その言葉の意味を知りたいと思ったスザクがルルーシュに尋ねた。
その言葉の中にある、その意味は…スザクにとってとても重要な事だから。
将来の事を考えろ!と云われたって、やっぱり目の前の事もまだ大切で、後回しに出来ないスザクにとって、きっとその言葉の意味は…何よりも重要だと思えてしまう。
しかし、ルルーシュはその先の言葉を云わず…ただ、『ごめん…帰る…』とだけ云って、その席を立って行ってしまった。
スザクの中に…何か、不安と、期待とが入り混じる…。
今の状況ではあまりに不自然な気持ちだけが残った。

 結局、そんなもやもやを抱えたまま…店を出て…家に帰り…自分の部屋に入ってから…眠れない一夜を過ごしたスザクだったけれど…。
その間、スザクの頭の中にぐるぐると回り続けていた。
朝の光が…なんだか、眩しく感じるのは…恐らく、殆ど眠れなかった影響だろう。
「なんだか…頭が痛いな…」
睡眠不足では確かに仕方のない事だけれど、基本的にそんな経験のないスザクにとっては、中々しんどいと感じてしまうそんな自覚症状だ。
それでも、学校へ行かなくてはいけない現実に…ため息が出て来た。
とりあえず、じきに出かける時間になるし…。
のそのそとベッドから重い身体を引き起こした。
とにかく、顔を洗ってすっきりさせれば少しは違うだろうか…。
いつもならがっつり朝食を食べて行くのだけれど…正直、今日はそんな気分じゃない。
心配する母親を尻目に『昼食は学食で食べるって、約束したんだ…』と、適当な事を云って、さっさと家を出て行くと…玄関先には…。
「ルルーシュ?」
普段ならこんな時間のこの場所にいる筈のない人物が立っていた。
「おはよう…スザク…」
なんだか、ルルーシュの方も睡眠不足な顔をしている。
―――ルルーシュも眠れなかったのかな…
確かに、進路の話しに関しては非常にデリケートな話題でもあるのだ。
「あ、おはよう…ルルーシュ…」
睡眠不足で頭がぼんやりしていたけれど、一気に目が覚める様な気がした。
昨日の今日で…あんな話題になって、あんな風にルルーシュに云われて、先に代えられてしまって…。
「少し…いいか?歩きながら…で、いいから…」
ルルーシュがおずおずと声をかけて来た。
「う…うん…」
何を云われるのだろうかと少々不安になりながら、スザクはルルーシュの隣に立って一緒に歩き始めた。
いつものポジションで自分の右側に…ルルーシュがいる。
「スザク…昨日は…怒鳴ったりして…悪かった…」
ルルーシュがそんな風に謝ってきた。
スザクとしては、受験前のその、神経質になっている時期に無神経な事を云ってしまったと云う自覚はある。
「あ、別に…。あれはルルーシュが悪い訳じゃないし…」
「否…。怒鳴りつけたこと自体は悪い…。それに…俺が怒鳴った事で少し、誤解があるかもしれないと…思って…」
語尾が少しずつ小さくなって行く。
昨日から、滅多に見ないルルーシュの姿ばかり見ている気がする。
「でも…ルルーシュに怒鳴られる事を云ったのは…僕だし…」
「そうじゃない!そうじゃないんだ…スザク…」
少し声を荒げてルルーシュがスザクに訴える様に云って来た。
そのルルーシュの表情も…幼馴染のスザクも見た事無いルルーシュの表情だった。
―――一体…ルルーシュに何が起きているんだろう…
スザクは素直にそんな事を思っていた。
ルルーシュは少しだけ顔を赤くしている。
目も睡眠不足らしく、赤くなっているのが解る。
「その…俺も…スザクと…同じだったから…」
ルルーシュの言葉に、スザクは『え?』という表情を見せた。

 そんなスザクの表情を見て、ルルーシュは顔を赤くして、俯き加減にしながら言葉を続けた。
「その…お前が初めてなんだから…。俺だって初めてなんだ…。その、スザクと離れ離れになるって云う…その現実は…」
ルルーシュのその言葉にドキッとした。
それは…スザクとしては、消えない迷いと、進路に関して引っかかる事柄でもある。
「た…ただな…、お前も俺も…これからずっと…一緒にいられるわけじゃない。就職とか、その…け…結婚とか…これから先、ずっと一緒に…と云う訳にはいかないと思うんだ…」
ルルーシュの口から出てくる言葉…。
就職はともかく…結婚なんて考えた事もなかったけれど…。
確かに…
―――ノンケなら…そうだよね…。ルルーシュだって、いくら美人でも男なんだし…
微妙に的外れな事を考えているスザクではあったけれど。
ルルーシュはその先の言葉を続けて行く。
「俺は…それが解っていても…お前と離れる事に不安がないと云えば…ウソになる。でも、現実問題、お互いがお互いの人生を送る為には何れそうなるのは確実で…。でも…離れ離れになったって…俺達がその…幼馴染で、ずっと一緒にいた親友で…と云うのは…変わらないと思うんだ…」
ルルーシュの言葉に…ちょっと胸が痛む。
「親友…?」
「あ、済まん!俺が…勝手にそう思っているだけなんだが…。お前が迷惑だっていうなら…改める…」
ルルーシュのその言葉に…スザクの身体の力が抜けて行くような錯覚を起こした。
「そうじゃなくて…。まぁ、確かに…ルルーシュの云う通りだよね…。ずっと一緒にいるって云うのは…中々難しい事だよね…」
スザクが少し寂しそうに云うと、ルルーシュがくっと唇を噛んだ。
「でも…離れ離れでも…俺達がこうして一緒にいて、一緒にいたいと思う気持ちは…本当で…。離れ離れになったからと云って、壊れてしまう程度の関係なら…その…それまでだ…と云う事だとも思う…」
ルルーシュの言葉は…。
スザクの事も、ルルーシュの事も、考えた…よりベターな言葉を選んでいる気がした。
確かに、ルルーシュと一緒にいたいと云うのは、感情的なものであり、人として生きて行くには確実に、物理的にこなさなければならない事がたくさんあるのだ。
「そう…だね…」
一時の感情に流されて、互いの人生が互いに縛られてはならない…と云う事なのかもしれない。
「だから…俺は就職する時には…スザクにきちんと相談する。お前が、その時までそうやって俺と離れ離れになる事を不安に思って、その時に、やっぱり離れ離れが嫌だと思っていてくれたなら…。だから…一度…違う生活をしてみないか?」
ルルーシュの提案だった。
云っている事は解る。
でも、スザクの感情の中で…怖いと思うところがたくさんあって…。
スザクが4年間…ルルーシュと離れ離れは嫌だと思い続ける自信はあるけれど。
でも、ルルーシュの方は…?と思ってしまう。
ただ、それで、友達関係さえ保てないのなら…所詮はその程度の相手だったと云う事だ…。
「そうか…。そうだね…。でも、休みのとき、ここに帰って来た時には…少しあったりできるよね?」
「互いに都合が合えばな…」
「その時はルルーシュのご飯…作ってね?」
「お前が望むなら…」
「一緒に遊びにも行こうね?」
「そうだな…ただ、体力バカの限界までは付き合えないぞ…」
そんな言葉のやり取りに…二人が顔を見合わせて…笑い合った…。

 4年間…
そう云う生活を送ってみようと思う。
でも、その先は…絶対に放してなんてやらない。
その4年間が始まるまでは放してなんてやらない。
だから…
次に、その時が来た時には…覚悟しておくように!
互いが…互いにそう思ったのだった。

END


あとがきに代えて



済みません…。
金曜日…ちょっとごたごたしていて更新できませんでした。
この更新の後、多分、遅くなるとは思いますが、『皇子とレジスタンス』を掲載したいと思います。
ホント、最近、こんな状態で済みません。

リクエスト下さったまりもこさま…
こんな感じになりましたが、いかがでしたでしょうか?
ブログの関係では色々御心配おかけしております。
呆れた果てていらっしゃっていないのかも…という不安を抱えながらもちゃんと書いております。
また、ご感想を送って頂ければ幸いです。
リクエスト、有難う御座居ました。


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posted by 和泉綾 at 19:42| Comment(0) | TrackBack(0) | Novel Rebellion開設2周年

Novel Rebellion開設2周年記念リクエスト企画 23

将来の僕と君へ Final





※設定:現在、幼馴染同士のルルーシュとスザクは高校3年生です。お互いを思う気持ちがあるのですが…。ただ打ち明ける事も出来ないまま、そして、進路の問題など、更に彼らを追い詰める現実が差し迫っているようです。

このお話しはまりもこさまからのリクエストです。リクエスト有難う御座居ました。

 普通なら、ルルーシュがこんな風に肉を焦がすなんて事はあり得ない。
二人の目の前の焼き網の上で肉が炭になって、煙が立ち始めていた。
「あ、ルルーシュ!肉が…」
先に気づいたのはスザクだった。
こう云う時、わんこ並みに鼻の利くスザクが先に気づく。
これも昔から変わっていない。
「あ、済まない…」
スザクの告白に呆然としていたルルーシュが我に返り、網の上の肉を回収する。
こんなルルーシュを見るのは初めてだから、正直、スザクも戸惑ってしまう。
「あ、僕の方こそ、御免…。多分、僕が変な事を云ったから…驚いちゃったんだよね…」
スザクが少し俯いてルルーシュに詫びた。
ここで謝ってしまうのが、スザクなのだけれど。
ただ、ルルーシュはいつも、こんなミスをする事はないから…。
だから、スザクとしては、スザクの云った事がルルーシュのこんな行動を招いてしまったと思ってしまう。
―――これって、僕の自惚れなのかな…
そんな事を考えつつも、ルルーシュが焦げてしまった肉を回収している間に、スザクが新しい肉を乗せて行く。
そんなスザクを見ながら、ルルーシュが口を開いた。
「お前…そう云った話しをするには、焼き肉は向かないんじゃないのか?基本的に焼きながら食べるとなると、どうしても食べる方、焼く方に意識が向いてしまうだろう?」
ルルーシュは焦げた肉を集め終えてからスザクにそう告げた。
大体、ルルーシュの方はいきなりのスザクの申し出で来ただけなのだ。
こんな風にスザクにぶっちゃけられるとは露ほども思わずに来たのだ。
―――まぁ、突然スザクが一緒に夕飯を食べたいだなんて…何かあるとは思ったけれどな…。
ルルーシュが呆れ顔でそう云うと、スザクが『へへへ…』と笑った。
スザクのそんな笑いも、多分、不自然に見えている事は予想出来る。
元々、こう云う時に取り繕える様なスキルをスザクは持ち合わせていないのだから。
スザクとしては、こうして笑ってごまかす事くらいしか思いつかない。
「スザク…そう云えば、俺達がこうして、進学とか進路で離れ離れになる事を考えたのって…高校入試の時以来だな…」
ルルーシュがそう云うと、強引な愛想笑いをしていたスザクが『あっ』と云う顔をした。
でも、あの時にはまだ、対策を立てる事が出来た。
ルルーシュの方は自分の行きたい高校を普通に志望して普通に入試を受けて合格している。
それこそ、主席の成績で…。
だから、入学式の新入生代表挨拶はルルーシュがしていた。
ルルーシュがこの高校に入りたいと知った時、スザクはルルーシュに内緒で一生懸命考えたのだ。
どうしたらルルーシュと一緒に高校に通う事が出来るかと…。
幸い、ルルーシュの志望していたこの高校はスポーツ面でも全国的に有名で…スザクは運動能力が高くて、そのスポーツ推薦枠に付いて、担任に相談して…。
そして、その時のスザクの一生懸命な思いが通じたのか、こうして、同じ高校に通う事が出来るようになったのだ。
流石に同じクラスに…と云うのは中々難しかった。
特に、2年になる時、進路の事を真剣に考え始めなくてはならなくなった段階で、文系、理系、就職志望者、スポーツ特待生など、クラス分けされて…。
当たり前だけれど、スザクとルルーシュは同じクラスになれる事もなく…。
―――それでも、僕は、教室にいなくちゃいけない時以外はルルーシュと一緒に居られた…

 クラスは違っていても、流石に2年になって進路ごとにクラスが違うともなると、休み時間には様々な形で他のクラスの生徒が教室にいても別におかしな話ではなくなった。
と云うのも、恋人同士で暮らすが分かれてしまった者、ルルーシュとスザクの様に、仲の良い者同士が休み時間、昼食など、一緒に…と云う事はままある話しとなったわけだ。
ルルーシュとスザクもそんな感じだった。
ルルーシュは自分の人付き合いの悪さ…と云う事でスザクと一緒にいる事が多かったけれど、スザクの方は…ルルーシュに誰かほかの人間が近づく事をあまり快く思わずにいた。
ただ、ルルーシュがスザクのところに来た時に、スザクが他のクラスメイトと一緒にいるところに気づいた時、ルルーシュは黙ってそこから離れて行く事は何度かあって…。
スザクは時々そんなルルーシュに何となく…と云うか、時には自分の中で本当に寂しさとか、悲しさとかを、感じた事があり…。
そんな事が何度か続いた時に…スザクはある事に気が付いたのだ。
―――僕…ルルーシュと一緒にいたいんだ…。ルルーシュが僕以外の誰かと一緒にいるのが嫌なんだ…
と気が付いた。
それがいつの事だったのか、今となっては既に思い出す事もないけれど。
しかし、その事を自覚してからは…本当に独占欲が強くなったと思う。
自分でも怖くなった。
これで、ルルーシュと離れてしまう事になったら…と、凄く強く考える様になった。
ルルーシュと離れるのが怖い…。
そんな事を考えつつ…そして、3年生になって、それが本当に目の前の話しになって、逃げる事が出来ないところまで来た時…。
スザクは頭が真っ白になった。
スザクにスポーツ推薦の大学が決まりそうだ…そう、教師から伝えられた時には…進路が決まった安心感と同時に…。
これまで離れた事のなかったルルーシュと離れ離れにならなくてはならないと云うその、近い将来の現実に…怖くなったのだ。
これまで、ずっと、ルルーシュと一緒にいて…本当に二人で一つ…の様な気になっていた。
と云うのも、学校でもルルーシュとスザクのコンビは名物とまで云われるほど、有名となった。
それは、単純に有名になっただけではなく、実際にコンビを組んだ二人の発揮する様々なものが本物だったからだ。
高校に入ってからもそれは健在で…。
ルルーシュとそんなコンビとして云われる事はスザクにとって嬉しかったし、自分の中でのプライドでもあり、優越でもあった。
本当は…ルルーシュとそんな風に云われるなんて云うのは…身の程知らず…だと云う事は解っているけれど。
ルルーシュは凄い人だと云うのは解っているけれど。
でも、スザクにとって、これ以上の褒め言葉はないと云うくらいスザクの中での誇りでもあったのだ。
それが…
―――もうすぐ…そのルルーシュと離れ離れに…なっちゃうんだな…。だから…僕は…

 そんな事を考えながら、下を向いていると、ルルーシュが心配そうに見ているのが解った。
ルルーシュにとって、スザクと云う存在は…どんな存在なのだろうか…。
いつも、スザクと一緒にいてくれてはいるけれど。
でも、スザクがルルーシュを思う程、ルルーシュはスザクの事を思っていないのかもしれない。
スザクの中のルルーシュほど、ルルーシュの中のスザクは、存在は大きくないのかもしれない。
俯いて、黙っていると…
「スザク…そんな風に黙っていたんじゃ…解らないだろ?わざわざこんな風に一緒に夕食を食べたいなんて云うんだから…。進路の事…そんなに悩んでいるのか?殆ど、決まりなんだろ?」
ルルーシュが業を煮やしたように声をかけて来た。
なんでだろうと思ってしまう。
なんで、ルルーシュはそんな風にスザクに優しく接してくれるのか…。
それは、これまでずっと、優越感ではあったのだけれど。
でも、今は…その優しさが辛くなってしまう。
優しいのが辛いだなんて…他のルルーシュの事を好きな人たちからしたら、凄く贅沢な話しになるだろう。
それこそ、殺されても文句は言えない。
「あのさ…。ルルーシュは怒るかもしれないし、呆れるかもしれないんだけれど…。でもね…僕、進路がほぼ決まって…それは嬉しいんだけど…。でも、ルルーシュと離れるのが…その…えっと…嫌だ…と云うか…怖い…んだ…」
やっと、やっと出て来た…その言葉…。
ルルーシュはなんて云うだろうか…。
きっと、『自分の人生の為の選択なのに…一時の気の迷いでそこまで悩むのか?』などと呆れるだろうか…。
それとも『自分の人生を他人に振り回されるな!』って叱って来るのだろうか…。
どちらにしろ、ルルーシュの怒鳴り声が聞こえてきそうだ…と、スザクは思った。
でも…そんな予想に反して…ルルーシュの声が中々聞こえて来ない。
店内は確かに…色んなグループの声が聞こえて来ていて…騒がしいけれど。
同じテーブルに付いている自分達の会話が聞こえなくなるような…そんな騒がしさでもない。
とりあえず…、そのルルーシュの言葉が出て来ない状態が…少しの間続いた。
それが、数十秒の時間であったのか、数分…もしくは十数分であったのか…よく解らないけれど。
大した時間ではないにしろ、凄く長い時間に思えた。
スザクは居たたまれなくなって、先ほど、網の上に置いた肉をひっくり返しつつ、焦げないように、見張っている事くらいしか出来なくて。
でも、そのルルーシュが黙っている状態が…凄く心地悪かった。
そこにいる事が…何となく、しんどいと思うものの。
ルルーシュが黙っている状態のところを、ドリンクバーに行ってなんとか、その場を離れて、一呼吸を置く…と云う事も出来なくて…。
「あ…あの…」
思わず、スザクの方から、ルルーシュに声をかけて、ルルーシュを見ると…。
なんだか、見た事のないルルーシュの顔が…そこにあった。
なんだか…そのルルーシュの顔は…、
いつもより頼りなくて、弱々しい感じがしたのは…多分気のせいではない。
「ルルーシュ?」

 スザクが声をかけると…、ルルーシュは少し震えた様に口を開いた。
「何を…云っているんだ…。スザク…スザクの人生じゃないか…」
スザクが…ルルーシュから受ける叱責となるであろう…言葉と同じ言葉だったけれど…。
ただ…その声は怒鳴り声じゃなかった。
それどころか…少し震えているような気がした。
―――多分…気の所為じゃ…ないよね…
スザクがそんな、疑念を抱いてしまう程、珍しい光景だ。
ルルーシュが声を震わせているなんて…。
怒りの震えではない。
何かを耐えて…押し殺しているような…そんな震えだ。
「ど…したの…?」
スザクがそんなルルーシュに何を怖がっているのか解らないけれど、なんだか、恐る恐る…と云った感じに尋ねた。
ルルーシュの表情も…何か、ぐっと押し殺して、飲み込んでいる…。
そんな苦悩が見え隠れする様なそんな表情に見えるのだ。
「…んで…。なんで…スザクがそんな事…云うんだ…」
これまで…ずっと何かをスザクに隠して、自分の中に飲み込んで来たのだろうと云う、そんな言葉だった。
ルルーシュは基本的に隠し事が結構うまい。
スザクには解る事もあるけれど。
でも、今のルルーシュのその表情の理由、言葉の理由は…スザクには解らなかった。
「ルルーシュ?」
ルルーシュが何を云おうとしてるのか…解らなくて…スザクはもう一度目の前の人物の名前を呼んだ。
「なんで…お前がそんな事を云うんだ…。お前は…ちゃんと進路が…殆ど決まっているくせに…。なんで…お前がそんな事を云うんだ!」
最初の内はあまり強い口調は云えなかったけれど…最後は…少し怒鳴り声に近付いていた。
ただ、スザクがそんな事を悩んでいたと云う事で、怒鳴りつけていると云うよりも、そんな事を、今、ルルーシュに云った事、その事を怒鳴っているように聞こえる。
だから、スザクの中で、よく解らない…と云う感じになっているのだけれど。
ルルーシュが何故、こんな怒鳴り声をあげて来たのか…。
スザクが云った言葉の中で、ルルーシュは何を思い、なんで、怒鳴り声に近い様な声をあげたのか…。
「俺は…スザクの進路の邪魔をしたくない!だから…絶対にスザクの邪魔にならない様にって…思って来たんだ!なのに…なんでお前がそんな事を云うんだ!お前の人生の邪魔を…俺にさせるな!」
ルルーシュがそこまで云った後、聞いたスザクは勿論、云った本人が驚いていた。
ルルーシュはまるで…
―――今、自分は何を云ったんだ…?
と云う、少々困惑の入っている顔をしている。
「それって…どう云う…事なの…?」
驚いているけれど、でも、その言葉の意味を知りたいと思ったスザクがルルーシュに尋ねた。
その言葉の中にある、その意味は…スザクにとってとても重要な事だから。
将来の事を考えろ!と云われたって、やっぱり目の前の事もまだ大切で、後回しに出来ないスザクにとって、きっとその言葉の意味は…何よりも重要だと思えてしまう。
しかし、ルルーシュはその先の言葉を云わず…ただ、『ごめん…帰る…』とだけ云って、その席を立って行ってしまった。
スザクの中に…何か、不安と、期待とが入り混じる…。
今の状況ではあまりに不自然な気持ちだけが残った。

 結局、そんなもやもやを抱えたまま…店を出て…家に帰り…自分の部屋に入ってから…眠れない一夜を過ごしたスザクだったけれど…。
その間、スザクの頭の中にぐるぐると回り続けていた。
朝の光が…なんだか、眩しく感じるのは…恐らく、殆ど眠れなかった影響だろう。
「なんだか…頭が痛いな…」
睡眠不足では確かに仕方のない事だけれど、基本的にそんな経験のないスザクにとっては、中々しんどいと感じてしまうそんな自覚症状だ。
それでも、学校へ行かなくてはいけない現実に…ため息が出て来た。
とりあえず、じきに出かける時間になるし…。
のそのそとベッドから重い身体を引き起こした。
とにかく、顔を洗ってすっきりさせれば少しは違うだろうか…。
いつもならがっつり朝食を食べて行くのだけれど…正直、今日はそんな気分じゃない。
心配する母親を尻目に『昼食は学食で食べるって、約束したんだ…』と、適当な事を云って、さっさと家を出て行くと…玄関先には…。
「ルルーシュ?」
普段ならこんな時間のこの場所にいる筈のない人物が立っていた。
「おはよう…スザク…」
なんだか、ルルーシュの方も睡眠不足な顔をしている。
―――ルルーシュも眠れなかったのかな…
確かに、進路の話しに関しては非常にデリケートな話題でもあるのだ。
「あ、おはよう…ルルーシュ…」
睡眠不足で頭がぼんやりしていたけれど、一気に目が覚める様な気がした。
昨日の今日で…あんな話題になって、あんな風にルルーシュに云われて、先に代えられてしまって…。
「少し…いいか?歩きながら…で、いいから…」
ルルーシュがおずおずと声をかけて来た。
「う…うん…」
何を云われるのだろうかと少々不安になりながら、スザクはルルーシュの隣に立って一緒に歩き始めた。
いつものポジションで自分の右側に…ルルーシュがいる。
「スザク…昨日は…怒鳴ったりして…悪かった…」
ルルーシュがそんな風に謝ってきた。
スザクとしては、受験前のその、神経質になっている時期に無神経な事を云ってしまったと云う自覚はある。
「あ、別に…。あれはルルーシュが悪い訳じゃないし…」
「否…。怒鳴りつけたこと自体は悪い…。それに…俺が怒鳴った事で少し、誤解があるかもしれないと…思って…」
語尾が少しずつ小さくなって行く。
昨日から、滅多に見ないルルーシュの姿ばかり見ている気がする。
「でも…ルルーシュに怒鳴られる事を云ったのは…僕だし…」
「そうじゃない!そうじゃないんだ…スザク…」
少し声を荒げてルルーシュがスザクに訴える様に云って来た。
そのルルーシュの表情も…幼馴染のスザクも見た事無いルルーシュの表情だった。
―――一体…ルルーシュに何が起きているんだろう…
スザクは素直にそんな事を思っていた。
ルルーシュは少しだけ顔を赤くしている。
目も睡眠不足らしく、赤くなっているのが解る。
「その…俺も…スザクと…同じだったから…」
ルルーシュの言葉に、スザクは『え?』という表情を見せた。

 そんなスザクの表情を見て、ルルーシュは顔を赤くして、俯き加減にしながら言葉を続けた。
「その…お前が初めてなんだから…。俺だって初めてなんだ…。その、スザクと離れ離れになるって云う…その現実は…」
ルルーシュのその言葉にドキッとした。
それは…スザクとしては、消えない迷いと、進路に関して引っかかる事柄でもある。
「た…ただな…、お前も俺も…これからずっと…一緒にいられるわけじゃない。就職とか、その…け…結婚とか…これから先、ずっと一緒に…と云う訳にはいかないと思うんだ…」
ルルーシュの口から出てくる言葉…。
就職はともかく…結婚なんて考えた事もなかったけれど…。
確かに…
―――ノンケなら…そうだよね…。ルルーシュだって、いくら美人でも男なんだし…
微妙に的外れな事を考えているスザクではあったけれど。
ルルーシュはその先の言葉を続けて行く。
「俺は…それが解っていても…お前と離れる事に不安がないと云えば…ウソになる。でも、現実問題、お互いがお互いの人生を送る為には何れそうなるのは確実で…。でも…離れ離れになったって…俺達がその…幼馴染で、ずっと一緒にいた親友で…と云うのは…変わらないと思うんだ…」
ルルーシュの言葉に…ちょっと胸が痛む。
「親友…?」
「あ、済まん!俺が…勝手にそう思っているだけなんだが…。お前が迷惑だっていうなら…改める…」
ルルーシュのその言葉に…スザクの身体の力が抜けて行くような錯覚を起こした。
「そうじゃなくて…。まぁ、確かに…ルルーシュの云う通りだよね…。ずっと一緒にいるって云うのは…中々難しい事だよね…」
スザクが少し寂しそうに云うと、ルルーシュがくっと唇を噛んだ。
「でも…離れ離れでも…俺達がこうして一緒にいて、一緒にいたいと思う気持ちは…本当で…。離れ離れになったからと云って、壊れてしまう程度の関係なら…その…それまでだ…と云う事だとも思う…」
ルルーシュの言葉は…。
スザクの事も、ルルーシュの事も、考えた…よりベターな言葉を選んでいる気がした。
確かに、ルルーシュと一緒にいたいと云うのは、感情的なものであり、人として生きて行くには確実に、物理的にこなさなければならない事がたくさんあるのだ。
「そう…だね…」
一時の感情に流されて、互いの人生が互いに縛られてはならない…と云う事なのかもしれない。
「だから…俺は就職する時には…スザクにきちんと相談する。お前が、その時までそうやって俺と離れ離れになる事を不安に思って、その時に、やっぱり離れ離れが嫌だと思っていてくれたなら…。だから…一度…違う生活をしてみないか?」
ルルーシュの提案だった。
云っている事は解る。
でも、スザクの感情の中で…怖いと思うところがたくさんあって…。
スザクが4年間…ルルーシュと離れ離れは嫌だと思い続ける自信はあるけれど。
でも、ルルーシュの方は…?と思ってしまう。
ただ、それで、友達関係さえ保てないのなら…所詮はその程度の相手だったと云う事だ…。
「そうか…。そうだね…。でも、休みのとき、ここに帰って来た時には…少しあったりできるよね?」
「互いに都合が合えばな…」
「その時はルルーシュのご飯…作ってね?」
「お前が望むなら…」
「一緒に遊びにも行こうね?」
「そうだな…ただ、体力バカの限界までは付き合えないぞ…」
そんな言葉のやり取りに…二人が顔を見合わせて…笑い合った…。

 4年間…
そう云う生活を送ってみようと思う。
でも、その先は…絶対に放してなんてやらない。
その4年間が始まるまでは放してなんてやらない。
だから…
次に、その時が来た時には…覚悟しておくように!
互いが…互いにそう思ったのだった。

END


あとがきに代えて



済みません…。
金曜日…ちょっとごたごたしていて更新できませんでした。
この更新の後、多分、遅くなるとは思いますが、『皇子とレジスタンス』を掲載したいと思います。
ホント、最近、こんな状態で済みません。

リクエスト下さったまりもこさま…
こんな感じになりましたが、いかがでしたでしょうか?
ブログの関係では色々御心配おかけしております。
呆れた果てていらっしゃっていないのかも…という不安を抱えながらもちゃんと書いております。
また、ご感想を送って頂ければ幸いです。
リクエスト、有難う御座居ました。


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posted by 和泉綾 at 19:42| Comment(0) | TrackBack(0) | Novel Rebellion開設2周年

2010年06月24日

Novel Rebellion開設2周年記念リクエスト企画 22

将来の僕と君へ 3



※設定:現在、幼馴染同士のルルーシュとスザクは高校3年生です。お互いを思う気持ちがあるのですが…。ただ打ち明ける事も出来ないまま、そして、進路の問題など、更に彼らを追い詰める現実が差し迫っているようです。

このお話しはまりもこさまからのリクエストです。リクエスト有難う御座居ました。

 時々、スザクはルルーシュにとって、不思議な事を云う。
今さっき、スザクが云っていたのは…
『きっと…ルルーシュは、色んなカミサマに、すっごく愛されているんだ…。そして、僕はすっごく嫌われて、憎まれているんだ…。そうだ…そうに違いない…』
なんて、なんだか、思い詰めた様な顔をして呟いていた。
ルルーシュ自身、自分がスザクに云われるほど素晴らしい人間だとは思えない…。
と云うか、スザクの方がまぶしく見える事の方が多いのに…。
実際に、先の可能性を考えて、準備をしておかないと前に進めないと云うのは本当だ。
スザクの様に、いざという時、そこに飛び込んで行けるだけの力が欲しいと思う事が何度あった事か…。
大体、大学進学の時にスポーツ推薦が来るなんて…運動が苦手なルルーシュとしては少々羨ましいと思ってしまうのだけれど。
―――絶対に云ってやらないけれどな…。
多分、言葉にして云ってしまうと、色々めんどくさい事になるからだ。
色んな意味で…。
ただ、こうしたスザクの、些細なことで喜んだり、落ち込んだりする姿を当たり前の様に見る事が出来る時間は…。
あまり多くはないのだ。
生まれた時から、家が隣同士で、ずっと一緒だった。
スザクは幼い頃から本当に素直で、まっすぐで…。
ルルーシュから見ると本当にまぶしかった。
自分が色々な者に不安を抱いてしまい、すぐに事柄を先回りして考えて、その考えた形にならなければ、身動きが取れなくなる。
そう考えると、スザクの臨機応変さはルルーシュの真似のできないところだ。
そんなところもルルーシュがスザクと一緒にいて楽しいと思うところだ。
ルルーシュは基本的に人との付き合いがあまり上手ではない。
ルルーシュ自身、その事を自覚してしまっている為、強引に無理な事はしない。
どうせ、相手も自分も嫌な思いをするなら最初から人付き合いなど、自分のカテゴリーに入れなければいい…。
そんな風に考えているのだけれど。
どう云う訳か、スザクに対してはそんな風に思えないし、スザクもルルーシュが自分で『傍若無人だな…』と思う事でも決して、ルルーシュの傍から離れる事をしない。
勿論、スザクの方は元々人付き合いが上手だし、人当たりも良くて、ルルーシュが傍にいない時には他の誰かがスザクの傍にいる。
ルルーシュはそんなスザクを見ると、邪魔をしないようにと、スザクから離れたところでスザクの様子を見ている様にしているが。
と云うのも、ルルーシュは自分が人付き合いが上手ではないし、好きでないと思っている事も自覚しているから。
スザクの人間関係を壊さない様に…とは思っているけれど。
ただ、それは、何となく理性が働いているからだと思い始めたのは…いつ頃からだろうか…。
ルルーシュが一人でいて、スザクが周囲にいた人物達との話を中座してルルーシュのところに来てくれた時は…自分でも女々しいと思ってしまって、認めたくはないのだけれど。
嬉しいと思ってしまう。
スザクの中にルルーシュの存在がいるのだと…。
嬉しいと思うと同時に…自分の存在が、スザクのその、人間関係を狭めているような気がしてならなかった。
だから、進路の問題が身近な問題となってから…スザクの進路は解っていても、自分の志望校などは一切話す事はなくなっていた。

 スザクの方は、いつもルルーシュの進路を気にしているようで、さっきの様に尋ねて来る事は最近になって増えてきた気がする。
スザクが今の高校に来た理由は…。
多分、ルルーシュの事を心配したからだ。
スザクは元々とても優しい性格で、ルルーシュが一人でいるのを見るといつも話しかけて来てくれた。
それは、幼い頃から…ずっと変わらない。
だからルルーシュは考えたのだ。
―――高校卒業と同時に…スザクに甘える事も卒業しなくてはな…。
と…。
そんな事を云ったら、スザクはまた心配する。
スザクの性格は良く解っている。
これまでだってスザクは女の子から手紙を渡されていたのを知っている。
受け取っていたけれど、女子と付き合っている様子はなくて。
多分、ルルーシュの事を気にして…そう云った女子の申し出を断り続けて来たのだと思う。
それが申し訳なくて…でも、それでもスザクの傍を離れられずにいたのは、自分の甘えだと云う思いは常にあった。
だからこそ、この事を機に、スザクをルルーシュから解放してやらなくてはならないと思った。
ルルーシュは告白された事はあっても、スザク以外の人物が自分の性格に付いて来られるとは思っていなかったから。
それに、ルルーシュの中でそう云った存在の必要性を感じていなかったから、全て断っていた。
と云うか、ルルーシュの中で、スザク以外の特に血のつながりなどが関係ない存在とどう接していいか解らないと云う事があったからだ。
恐らく、この先そう云った事を克服できなければ、社会に出るどころか、大学でも様々な支障が出てくると思う。
学生のうちにそう云った事を克服したいと思う。
でも、スザクの傍にいたら、ずっと、スザクに甘えてしまいそうで怖かった。
ルルーシュの中でも不思議に思っている。
―――スザクは何故、ここまで俺の事を機にかけてくれるのか…。きっと、これまでだって俺がいなければ彼女も出来ただろうし、一緒にいた楽しいと思える友人もできたかもしれないのに…。
そんな事を考えていると、また、落ち込んで来そうになるけれど。
目の前にスザクがいる。
スザクにそんな落ち込んだ表情を見せたりしたらきっと、また、心配するだろう。
「スザク…もう帰ろう…。いくら日が長い時期だと云っても、もうすぐ暗くなるし、この時期は夜になると虫がたくさん出て来るからな…」
そう云って、スザクに告げる。
すると、スザクは笑って、素直に頷いた。
「うん…そうだね…」
なんだか…タイムリミットを自覚し始めてから何か、お互いに変わって来てしまった様な気がする。
スザクも…ルルーシュと離れる生活になる…と云う事に何かを思ってくれているのだろうか…。
そんな事を考えてしまう。
―――俺は…自分勝手だ…。
スザクの為には、スザクがルルーシュばかりを気にしていたって、スザクに取っていい事なんてない筈なのに…。
それでも、スザクは優しいから…と、ルルーシュは考えている。
だからこそ、少しずつでも、距離を置かなくてはならないと…そんな風に思えてしまうのだけれど。
実際問題、ルルーシュが受験しようと思っている大学はどこも、スザクが推薦を受けている大学から、離れたところにあるのだ。

 二人で、夕暮れの道を歩いている。
これが、今まで当たり前のことだった。
それが…もうすぐ、当たり前ではなくなる現実。
これまで、一緒にい過ぎたのだろうか…。
スザクはともかく、ルルーシュは常にスザクと一緒にいる事が多かったし、スザクが傍にいない時は一人でいる事が多かった。
一人でいること自体に何も思いはしない。
寧ろ、自分の中では、家族以外でスザク以外の人間に傍に寄られる事はあまり好まない。
と云うか、これまでスザクとしか一緒にいなかったから、どうしたらいいか解らない。
下手な事をして相手を不愉快にさせるとあとが面倒…だと云う事もある。
スザクがあんまりルルーシュの事を構うものだから、中学の時にはスポーツ万能なスザクにはスザクを好きな女の子達がそれなりにいた事は知っていて…。
その女の子達に睨まれていた事を覚えている。
だから、男であるルルーシュがスザクとどうこうなる訳もないのだけれど。
それでも、そんなスザクと一緒にいる友人さえも鬱陶しいと思えている程スザクの事が好きだったに違いない。
少なくともルルーシュの認識はそうだったから。
高校進学の時にはスザクがあまり熱心にルルーシュと同じ高校に行きたいと云う事で頑張るから、ルルーシュも一生懸命それに答えた。
でも、今になってみると、結局、高校の3年間と云う貴重な時間をルルーシュに縛り付けていた様な気がしてならない。
その事があるから…。
今ルルーシュに出来る事は…と考えた時…。
スザクの為に何かをしようと考えた時…。
―――早く、スザクに甘えている俺からスザクを解放してやる事…。でも…卒業までは…卒業までは…
自分でそんな事を考えていると本当に、女々しいと思ってしまう。
これまで、一緒にいる事が当たり前過ぎて…。
そして、当たり前過ぎて、大切な事に気づいていなかった自分に自己嫌悪しながらも、それでも、しつこく縋りついているような気がして…。
本当に自分が嫌になってしまうが。
それでも、残された時間は…僅かなのだから、その間だけ…甘えたいと思ってしまう。
ルルーシュだって自分が人付き合いが下手であると云う自覚はあるのだから、怖くない訳がない。
自分で怖いと思う事さえ、本当ならプライドが許さない筈なのだけれど。
それでも、今はそんな事も云っていられない程の不安が、ルルーシュの心の中に確かにあるのだ。
「ねぇ、ルルーシュ…今日はおばさん、帰りは?」
スザクが唐突に尋ねて来た。
ルルーシュは突然の事で驚いたのだけれど。
「あ、今日は夕食を作るって云っていたから…もう帰っていると思う…」
ルルーシュがそう答えた時、スザクがニコッと笑った。
この顔は…ルルーシュを安心させる、安堵感をくれる顔だから、ルルーシュは内緒にしているけれど、好きなのだ。
「なら、今から電話かけてくれない?一緒に寄り道して帰ろうよ…」
いつも唐突な事を云うけれど、今回もまた、突然の申し出だ。
「それはいいけれど…いきなりなんだ?」
「いいから、少し僕に付き合ってよ…」
スザクのその言葉に少し不思議そうな表情を浮かべながらルルーシュは携帯電話で家に電話した。

 電話が終わって、オフにすると、スザクが早速声をかけて来た。
「ね?いいって?」
本当にせっかちと云える様なスザクの言葉に、ルルーシュは少し『困った奴だ…』と云う表情を浮かべながら答える。
「ああ、スザクと一緒だって云ったら、別にかまわないってさ…。ホント、お前って、うちの親に限らず、大人の信用…あるよな…」
苦笑しながらルルーシュが云った。
するとスザクの方は、にこりと笑った。
「まぁ、僕、ルルーシュほどウソ吐かないから。でも、信頼はルルーシュの方が上だよね…」
スザクの発言に、ルルーシュは目を丸くする。
と云うのも、スザクからそんな言葉を聞くとは思わなかったからだ。
それに、信頼度だってルルーシュよりもスザクの方が高いと云うのがルルーシュの中の評価だったからだ。
「俺に信頼度なんてないぞ…。お前みたいに体力がある訳でも、行動力がある訳でもないからな…」
そう答えてやると、なんだか、スザクが『やれやれ』と云う表情をしたのを見てムッとする。
とりあえず、反論はスザクの言葉を訊いてからにしようと思った。
「何云っちゃってるのさ…。今日だって、ルルーシュが入試で大学に入るって解っているのに、先生がルルーシュに頼みごとをしているでしょ?」
いきなり何の話かと思うが…。
ただ、あれについては手近にいた暇そうにしている(本来なら暇な訳はないのだけれど)生徒を捕まえて仕事を押し付けた…という認識なのだけれど。
「あれは単純に俺が目の前にいたから…だろ?」
「否…多分、リヴァルやシャーリーだったら絶対に声をかけていなかったと思うけど…」
スザクが『少し、自覚を持とうね?』と云う表情でルルーシュを見ているけれど。
ルルーシュにスザクのその気持ちが届いているかどうかは…相当微妙だ。
元々、ルルーシュは自分の頭脳が特別だと思っていない。
だから、『そこまで必死に勉強しなければ入れない、身の丈を知らない大学に入るつもりはない…』などと、しれっと云って見せるのだろうけれど。
そんな事は選択の余地がある人間の云うセリフであり、その先に光がある者の云うセリフなのだ。
スザクがもし、ここまでスポーツ万能じゃなくて、学力で大学を選ばなければならない時にはルルーシュでなければ、そんな事を云う奴はぶっとばしているに違いない。
「多分、違うと思うけれどね。と云うか、ルルーシュ、帰り、少し遅くなっても平気なら、僕と一緒にご飯食べない?実は、母さんからこれ…貰ったんだ…」
と、スザクがルルーシュの目の前に差し出して来たのは…。
時々、部活帰りに高校生が制服のまま出入りしている焼肉食べ放題の無料券2枚だった。
「焼肉?なんでまた…」
ルルーシュの気にしているところが、微妙にずれている気がしてスザクが脱力しそうになるけれど。
しかし、一応90分と云う事だから、その時間はルルーシュとゆっくり話ができるかもしれないと思ったのだ。
「ここなら、自分で取りに行く訳じゃなくて、オーダー式だし、うちの学校の生徒も結構来ているみたいだし。制服でも大丈夫だよ?」
なんだか、必死にルルーシュを誘っている様に見えるスザクに…。
きっと、それを口実に何か話ししたい事でもあるのだろうと考えたルルーシュは、
「解った…。まぁ、たまにはいいよな…」
と答えた。

 そして、時間的にはまだ、それほど人がくる時間でもないらしくて、すぐに座る事が出来た。
最初はどうやら、こちらのオーダーに関係なく、人数分の肉の盛り合わせが運ばれてくるらしい。(メニューに書いてあった)
見ていると、無料券で食べられるコースはそれほど高価な肉のメニューはないようだ。
―――まぁ、こんなチェーン店でそんな高級肉を期待する方が間違っているか…
などと考える。
「ルルーシュ、ドリンクバーも頼んだから、僕が持って来るから…何がいい?もし肉が来たら焼いていてよ…」
「ああ、じゃあ、ウーロン茶…」
ルルーシュがそう答えると、スザクは『解った』と笑ってドリンクバーコーナーに向かって歩いて行った。
そして、スザクが席を離れて間もなく肉が運ばれてきた。
その時にこの後の分のオーダーをしようと、スザクの好きなものと恐らく黙っているとスザクは多分、食べないだろうと予想される野菜類をオーダーした。
店員が奥に引っ込んで行くのを見送って、とりあえず、スザクの好きなカルビを焼き始める。
ルルーシュは基本的に脂っこいものは苦手なのだけれど。
スザクはその身体に付いている筋肉量のお陰で燃費が悪い所為か、そう云った脂っこいものを好む。
そう云う意味では本当にルルーシュとスザクは正反対だな…と思いながら、だからこそ、お互いに一緒にいて心地がいいのかもしれない。
基本的に人は自分に似た人間に惹かれる事はないからだ。
自分にないものを持つ者に対して憧れの念を抱いたり、好意を抱いたりするものだ。
ルルーシュが肉を焼き始めてすぐにスザクが戻ってきた。
「はい、ウーロン茶…。あ、もう肉が来ていたんだね…」
「そりゃ、焼肉屋は待ち時間が少ない事が魅力なんだろうからな…」
そう云いながら、スザクの取り皿に焼き上がった肉を置いて行く。
配分としてはスザクが2でルルーシュが1…と云ったところか…。
「あ、ありがと…。頂きます…」
そう云ってスザクは手を合わせながら云って、取り皿に置かれた肉にタレを付けながら頬張り始めた。
ルルーシュは塩コショウにレモンだれを付けて食べる。
ここでも全く違う食べ方をしている。
少し、肉がお腹に入り、落ち着いてきた頃に、ルルーシュが言葉を口にした。
「なぁ…スザク、なんで今日、夕食を俺と食べたいなんて云ったんだ?」
ルルーシュがさりげなく尋ねた。
さりげなく尋ねたつもりだったけれど。
スザクは肉を口に運んでいた端の動きを止めた。
今更そこで止まる事なのか…と、ルルーシュの中で思ってしまうけれど。
しかし、スザクは箸を置いて、ルルーシュを真っ直ぐに見た。
ルルーシュもスザクにつられて肉を焼いていたトングを置いた。
少々驚きつつもスザクを見た。
「あ…あのね…ルルーシュ。僕ね…進路のことで、凄く迷っているんだ。きっと、君に云ったら怒られちゃうかもしれないし、バカな事を考えているって思われちゃうかもしれないんだけど…」
スザクの言葉に、更にルルーシュの中で『?』の数が増える。
ただ、話しの続きを聞いてやらない事には…何にもならない様な気がする。
「僕…その…ルルーシュの傍から…離れたくなくって…。でも、僕が推薦を受けている大学って、多分、ルルーシュが行きたい大学からは離れているんだ…。それで…僕…それが怖くて…その…」
しどろもどろになっているスザクの言葉にルルーシュも動きが止まった。
網の上には…炭になりかけた肉がちりちりと音を立てていた。

To Be Continued


あとがきに代えて



なんだか強引な展開となっておりますが…。
因みに和泉の暮らしている地域にはこれでもかと焼き肉屋さんがあり、かつて佐賀県の歌を歌っていた芸人さんがこの町に訪れた時にもご指摘下さっていて…。
でもって、週末になると高校生が制服のまま焼肉を食べている光景にぶち当たります。
実際に人口比にすると非常に焼肉屋さんが多い地域ですが、和泉は滅多に行く事がありません。
先週、行って来て『とにかく、ここでたくさん食べて肉を付けるぞ!』とそれこそ、強引に詰め込んできたら、お腹壊して、逆に体重減ったと云うおバカをやってきましたが…
ルルーシュが悶々としていて、スザクが頑張って告白(?)をしましたが…どうなるのでしょうか…。
いやぁ〜行き当たりばったりで彼らに動いて貰っていると云うのがばればれですね。
これはこれで、書いていて楽しいです。
スザルルを苛めているみたいで…(をい!)

気持ちが沈んでいるんですが、そんな事とは関係なしに現実だけは目の前に突き付けられているわけで…。
で、現在音楽に慰めを求めているわけですが…。
かつて、『同人誌』だとか『コミケ』なんて言葉を知らなかった頃…あるアニメにもなって現在も根強い人気のあるマンガの二次創作をした事があったのですが。
その時の大好きだったその作品のアルバム曲を見つけて、泣きながら聞いていました。
結構人って泣くと、誰もいなくとも少しはすっきりする者ですね。
と云うか、これって、情緒不安定なのかもしれませんね…。
考えてみれば…もうすぐ7月なんですよね。
実は7月と8月…ある事から一番落ち込む時期だったりします。
今年は幾つパンチがあったか解らないほどなので、どんな精神状態になるのやら…。
でも、この曲を聞いて、少しだけ、気持ちを切り替えようと云う気持ちになれました。


聖闘士星矢 2ndAlbum 『BOYS BE』 より『TIME〜2036の選択〜』 影山ヒロノブ


☆拍手のお返事


篠木菜々さま:こんばんは、コメント有難う御座居ます。
ご無沙汰しております。
『閉鎖宣言』でご心配頂きまして、有難う御座居ます。

今回のブログ関連の問題に関しましては…皆様にお気遣い頂いて本当に嬉しい限りです。
ただ、和泉自身はちゃんとスザルラーで居続けますし、今のところ、文章をかくのをやめようと思っている訳ではありません。
ただ、今のここに存在するのが、少々気が引けているだけなので…。
落ち込みはまぁ、結構しんどいと云えばしんどいのですが…何とか自分の足で立っています。
ご心配頂いて有難う御座居ます。
オフライン…またご一緒したいですね。
又突然、メールでお願いするかもしれないので、覚悟していて下さいね?(←え?)
イベントに参加できるようになりましたら、また、ご一緒しましょう。
書きたいものもありますし、多分、それさえ投げ出したら自分には何も残らないと思いますので。
今の状態から一部、逃げ出したいところがあって、逃げちゃだめだ…などと云って居られる状態でもなくて…。
他の拍手のお返事にも書いていますが、7月1日入れ替え予定の拍手対談に色々仕掛けをしておきますので。
もしかしたら、今回の心配は不要の長物だったかもしれないと怒られるかもしれませんが…。
よろしければ見てやって下さい。


拍手のみの皆さんもありがとうございます。
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こちらは、拍手ページと違って、10ページも読まなくちゃいけないなどと云う、無体な事はありませんので(爆)

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posted by 和泉綾 at 23:45| Comment(0) | TrackBack(0) | Novel Rebellion開設2周年

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将来の僕と君へ 3



※設定:現在、幼馴染同士のルルーシュとスザクは高校3年生です。お互いを思う気持ちがあるのですが…。ただ打ち明ける事も出来ないまま、そして、進路の問題など、更に彼らを追い詰める現実が差し迫っているようです。

このお話しはまりもこさまからのリクエストです。リクエスト有難う御座居ました。

 時々、スザクはルルーシュにとって、不思議な事を云う。
今さっき、スザクが云っていたのは…
『きっと…ルルーシュは、色んなカミサマに、すっごく愛されているんだ…。そして、僕はすっごく嫌われて、憎まれているんだ…。そうだ…そうに違いない…』
なんて、なんだか、思い詰めた様な顔をして呟いていた。
ルルーシュ自身、自分がスザクに云われるほど素晴らしい人間だとは思えない…。
と云うか、スザクの方がまぶしく見える事の方が多いのに…。
実際に、先の可能性を考えて、準備をしておかないと前に進めないと云うのは本当だ。
スザクの様に、いざという時、そこに飛び込んで行けるだけの力が欲しいと思う事が何度あった事か…。
大体、大学進学の時にスポーツ推薦が来るなんて…運動が苦手なルルーシュとしては少々羨ましいと思ってしまうのだけれど。
―――絶対に云ってやらないけれどな…。
多分、言葉にして云ってしまうと、色々めんどくさい事になるからだ。
色んな意味で…。
ただ、こうしたスザクの、些細なことで喜んだり、落ち込んだりする姿を当たり前の様に見る事が出来る時間は…。
あまり多くはないのだ。
生まれた時から、家が隣同士で、ずっと一緒だった。
スザクは幼い頃から本当に素直で、まっすぐで…。
ルルーシュから見ると本当にまぶしかった。
自分が色々な者に不安を抱いてしまい、すぐに事柄を先回りして考えて、その考えた形にならなければ、身動きが取れなくなる。
そう考えると、スザクの臨機応変さはルルーシュの真似のできないところだ。
そんなところもルルーシュがスザクと一緒にいて楽しいと思うところだ。
ルルーシュは基本的に人との付き合いがあまり上手ではない。
ルルーシュ自身、その事を自覚してしまっている為、強引に無理な事はしない。
どうせ、相手も自分も嫌な思いをするなら最初から人付き合いなど、自分のカテゴリーに入れなければいい…。
そんな風に考えているのだけれど。
どう云う訳か、スザクに対してはそんな風に思えないし、スザクもルルーシュが自分で『傍若無人だな…』と思う事でも決して、ルルーシュの傍から離れる事をしない。
勿論、スザクの方は元々人付き合いが上手だし、人当たりも良くて、ルルーシュが傍にいない時には他の誰かがスザクの傍にいる。
ルルーシュはそんなスザクを見ると、邪魔をしないようにと、スザクから離れたところでスザクの様子を見ている様にしているが。
と云うのも、ルルーシュは自分が人付き合いが上手ではないし、好きでないと思っている事も自覚しているから。
スザクの人間関係を壊さない様に…とは思っているけれど。
ただ、それは、何となく理性が働いているからだと思い始めたのは…いつ頃からだろうか…。
ルルーシュが一人でいて、スザクが周囲にいた人物達との話を中座してルルーシュのところに来てくれた時は…自分でも女々しいと思ってしまって、認めたくはないのだけれど。
嬉しいと思ってしまう。
スザクの中にルルーシュの存在がいるのだと…。
嬉しいと思うと同時に…自分の存在が、スザクのその、人間関係を狭めているような気がしてならなかった。
だから、進路の問題が身近な問題となってから…スザクの進路は解っていても、自分の志望校などは一切話す事はなくなっていた。

 スザクの方は、いつもルルーシュの進路を気にしているようで、さっきの様に尋ねて来る事は最近になって増えてきた気がする。
スザクが今の高校に来た理由は…。
多分、ルルーシュの事を心配したからだ。
スザクは元々とても優しい性格で、ルルーシュが一人でいるのを見るといつも話しかけて来てくれた。
それは、幼い頃から…ずっと変わらない。
だからルルーシュは考えたのだ。
―――高校卒業と同時に…スザクに甘える事も卒業しなくてはな…。
と…。
そんな事を云ったら、スザクはまた心配する。
スザクの性格は良く解っている。
これまでだってスザクは女の子から手紙を渡されていたのを知っている。
受け取っていたけれど、女子と付き合っている様子はなくて。
多分、ルルーシュの事を気にして…そう云った女子の申し出を断り続けて来たのだと思う。
それが申し訳なくて…でも、それでもスザクの傍を離れられずにいたのは、自分の甘えだと云う思いは常にあった。
だからこそ、この事を機に、スザクをルルーシュから解放してやらなくてはならないと思った。
ルルーシュは告白された事はあっても、スザク以外の人物が自分の性格に付いて来られるとは思っていなかったから。
それに、ルルーシュの中でそう云った存在の必要性を感じていなかったから、全て断っていた。
と云うか、ルルーシュの中で、スザク以外の特に血のつながりなどが関係ない存在とどう接していいか解らないと云う事があったからだ。
恐らく、この先そう云った事を克服できなければ、社会に出るどころか、大学でも様々な支障が出てくると思う。
学生のうちにそう云った事を克服したいと思う。
でも、スザクの傍にいたら、ずっと、スザクに甘えてしまいそうで怖かった。
ルルーシュの中でも不思議に思っている。
―――スザクは何故、ここまで俺の事を機にかけてくれるのか…。きっと、これまでだって俺がいなければ彼女も出来ただろうし、一緒にいた楽しいと思える友人もできたかもしれないのに…。
そんな事を考えていると、また、落ち込んで来そうになるけれど。
目の前にスザクがいる。
スザクにそんな落ち込んだ表情を見せたりしたらきっと、また、心配するだろう。
「スザク…もう帰ろう…。いくら日が長い時期だと云っても、もうすぐ暗くなるし、この時期は夜になると虫がたくさん出て来るからな…」
そう云って、スザクに告げる。
すると、スザクは笑って、素直に頷いた。
「うん…そうだね…」
なんだか…タイムリミットを自覚し始めてから何か、お互いに変わって来てしまった様な気がする。
スザクも…ルルーシュと離れる生活になる…と云う事に何かを思ってくれているのだろうか…。
そんな事を考えてしまう。
―――俺は…自分勝手だ…。
スザクの為には、スザクがルルーシュばかりを気にしていたって、スザクに取っていい事なんてない筈なのに…。
それでも、スザクは優しいから…と、ルルーシュは考えている。
だからこそ、少しずつでも、距離を置かなくてはならないと…そんな風に思えてしまうのだけれど。
実際問題、ルルーシュが受験しようと思っている大学はどこも、スザクが推薦を受けている大学から、離れたところにあるのだ。

 二人で、夕暮れの道を歩いている。
これが、今まで当たり前のことだった。
それが…もうすぐ、当たり前ではなくなる現実。
これまで、一緒にい過ぎたのだろうか…。
スザクはともかく、ルルーシュは常にスザクと一緒にいる事が多かったし、スザクが傍にいない時は一人でいる事が多かった。
一人でいること自体に何も思いはしない。
寧ろ、自分の中では、家族以外でスザク以外の人間に傍に寄られる事はあまり好まない。
と云うか、これまでスザクとしか一緒にいなかったから、どうしたらいいか解らない。
下手な事をして相手を不愉快にさせるとあとが面倒…だと云う事もある。
スザクがあんまりルルーシュの事を構うものだから、中学の時にはスポーツ万能なスザクにはスザクを好きな女の子達がそれなりにいた事は知っていて…。
その女の子達に睨まれていた事を覚えている。
だから、男であるルルーシュがスザクとどうこうなる訳もないのだけれど。
それでも、そんなスザクと一緒にいる友人さえも鬱陶しいと思えている程スザクの事が好きだったに違いない。
少なくともルルーシュの認識はそうだったから。
高校進学の時にはスザクがあまり熱心にルルーシュと同じ高校に行きたいと云う事で頑張るから、ルルーシュも一生懸命それに答えた。
でも、今になってみると、結局、高校の3年間と云う貴重な時間をルルーシュに縛り付けていた様な気がしてならない。
その事があるから…。
今ルルーシュに出来る事は…と考えた時…。
スザクの為に何かをしようと考えた時…。
―――早く、スザクに甘えている俺からスザクを解放してやる事…。でも…卒業までは…卒業までは…
自分でそんな事を考えていると本当に、女々しいと思ってしまう。
これまで、一緒にいる事が当たり前過ぎて…。
そして、当たり前過ぎて、大切な事に気づいていなかった自分に自己嫌悪しながらも、それでも、しつこく縋りついているような気がして…。
本当に自分が嫌になってしまうが。
それでも、残された時間は…僅かなのだから、その間だけ…甘えたいと思ってしまう。
ルルーシュだって自分が人付き合いが下手であると云う自覚はあるのだから、怖くない訳がない。
自分で怖いと思う事さえ、本当ならプライドが許さない筈なのだけれど。
それでも、今はそんな事も云っていられない程の不安が、ルルーシュの心の中に確かにあるのだ。
「ねぇ、ルルーシュ…今日はおばさん、帰りは?」
スザクが唐突に尋ねて来た。
ルルーシュは突然の事で驚いたのだけれど。
「あ、今日は夕食を作るって云っていたから…もう帰っていると思う…」
ルルーシュがそう答えた時、スザクがニコッと笑った。
この顔は…ルルーシュを安心させる、安堵感をくれる顔だから、ルルーシュは内緒にしているけれど、好きなのだ。
「なら、今から電話かけてくれない?一緒に寄り道して帰ろうよ…」
いつも唐突な事を云うけれど、今回もまた、突然の申し出だ。
「それはいいけれど…いきなりなんだ?」
「いいから、少し僕に付き合ってよ…」
スザクのその言葉に少し不思議そうな表情を浮かべながらルルーシュは携帯電話で家に電話した。

 電話が終わって、オフにすると、スザクが早速声をかけて来た。
「ね?いいって?」
本当にせっかちと云える様なスザクの言葉に、ルルーシュは少し『困った奴だ…』と云う表情を浮かべながら答える。
「ああ、スザクと一緒だって云ったら、別にかまわないってさ…。ホント、お前って、うちの親に限らず、大人の信用…あるよな…」
苦笑しながらルルーシュが云った。
するとスザクの方は、にこりと笑った。
「まぁ、僕、ルルーシュほどウソ吐かないから。でも、信頼はルルーシュの方が上だよね…」
スザクの発言に、ルルーシュは目を丸くする。
と云うのも、スザクからそんな言葉を聞くとは思わなかったからだ。
それに、信頼度だってルルーシュよりもスザクの方が高いと云うのがルルーシュの中の評価だったからだ。
「俺に信頼度なんてないぞ…。お前みたいに体力がある訳でも、行動力がある訳でもないからな…」
そう答えてやると、なんだか、スザクが『やれやれ』と云う表情をしたのを見てムッとする。
とりあえず、反論はスザクの言葉を訊いてからにしようと思った。
「何云っちゃってるのさ…。今日だって、ルルーシュが入試で大学に入るって解っているのに、先生がルルーシュに頼みごとをしているでしょ?」
いきなり何の話かと思うが…。
ただ、あれについては手近にいた暇そうにしている(本来なら暇な訳はないのだけれど)生徒を捕まえて仕事を押し付けた…という認識なのだけれど。
「あれは単純に俺が目の前にいたから…だろ?」
「否…多分、リヴァルやシャーリーだったら絶対に声をかけていなかったと思うけど…」
スザクが『少し、自覚を持とうね?』と云う表情でルルーシュを見ているけれど。
ルルーシュにスザクのその気持ちが届いているかどうかは…相当微妙だ。
元々、ルルーシュは自分の頭脳が特別だと思っていない。
だから、『そこまで必死に勉強しなければ入れない、身の丈を知らない大学に入るつもりはない…』などと、しれっと云って見せるのだろうけれど。
そんな事は選択の余地がある人間の云うセリフであり、その先に光がある者の云うセリフなのだ。
スザクがもし、ここまでスポーツ万能じゃなくて、学力で大学を選ばなければならない時にはルルーシュでなければ、そんな事を云う奴はぶっとばしているに違いない。
「多分、違うと思うけれどね。と云うか、ルルーシュ、帰り、少し遅くなっても平気なら、僕と一緒にご飯食べない?実は、母さんからこれ…貰ったんだ…」
と、スザクがルルーシュの目の前に差し出して来たのは…。
時々、部活帰りに高校生が制服のまま出入りしている焼肉食べ放題の無料券2枚だった。
「焼肉?なんでまた…」
ルルーシュの気にしているところが、微妙にずれている気がしてスザクが脱力しそうになるけれど。
しかし、一応90分と云う事だから、その時間はルルーシュとゆっくり話ができるかもしれないと思ったのだ。
「ここなら、自分で取りに行く訳じゃなくて、オーダー式だし、うちの学校の生徒も結構来ているみたいだし。制服でも大丈夫だよ?」
なんだか、必死にルルーシュを誘っている様に見えるスザクに…。
きっと、それを口実に何か話ししたい事でもあるのだろうと考えたルルーシュは、
「解った…。まぁ、たまにはいいよな…」
と答えた。

 そして、時間的にはまだ、それほど人がくる時間でもないらしくて、すぐに座る事が出来た。
最初はどうやら、こちらのオーダーに関係なく、人数分の肉の盛り合わせが運ばれてくるらしい。(メニューに書いてあった)
見ていると、無料券で食べられるコースはそれほど高価な肉のメニューはないようだ。
―――まぁ、こんなチェーン店でそんな高級肉を期待する方が間違っているか…
などと考える。
「ルルーシュ、ドリンクバーも頼んだから、僕が持って来るから…何がいい?もし肉が来たら焼いていてよ…」
「ああ、じゃあ、ウーロン茶…」
ルルーシュがそう答えると、スザクは『解った』と笑ってドリンクバーコーナーに向かって歩いて行った。
そして、スザクが席を離れて間もなく肉が運ばれてきた。
その時にこの後の分のオーダーをしようと、スザクの好きなものと恐らく黙っているとスザクは多分、食べないだろうと予想される野菜類をオーダーした。
店員が奥に引っ込んで行くのを見送って、とりあえず、スザクの好きなカルビを焼き始める。
ルルーシュは基本的に脂っこいものは苦手なのだけれど。
スザクはその身体に付いている筋肉量のお陰で燃費が悪い所為か、そう云った脂っこいものを好む。
そう云う意味では本当にルルーシュとスザクは正反対だな…と思いながら、だからこそ、お互いに一緒にいて心地がいいのかもしれない。
基本的に人は自分に似た人間に惹かれる事はないからだ。
自分にないものを持つ者に対して憧れの念を抱いたり、好意を抱いたりするものだ。
ルルーシュが肉を焼き始めてすぐにスザクが戻ってきた。
「はい、ウーロン茶…。あ、もう肉が来ていたんだね…」
「そりゃ、焼肉屋は待ち時間が少ない事が魅力なんだろうからな…」
そう云いながら、スザクの取り皿に焼き上がった肉を置いて行く。
配分としてはスザクが2でルルーシュが1…と云ったところか…。
「あ、ありがと…。頂きます…」
そう云ってスザクは手を合わせながら云って、取り皿に置かれた肉にタレを付けながら頬張り始めた。
ルルーシュは塩コショウにレモンだれを付けて食べる。
ここでも全く違う食べ方をしている。
少し、肉がお腹に入り、落ち着いてきた頃に、ルルーシュが言葉を口にした。
「なぁ…スザク、なんで今日、夕食を俺と食べたいなんて云ったんだ?」
ルルーシュがさりげなく尋ねた。
さりげなく尋ねたつもりだったけれど。
スザクは肉を口に運んでいた端の動きを止めた。
今更そこで止まる事なのか…と、ルルーシュの中で思ってしまうけれど。
しかし、スザクは箸を置いて、ルルーシュを真っ直ぐに見た。
ルルーシュもスザクにつられて肉を焼いていたトングを置いた。
少々驚きつつもスザクを見た。
「あ…あのね…ルルーシュ。僕ね…進路のことで、凄く迷っているんだ。きっと、君に云ったら怒られちゃうかもしれないし、バカな事を考えているって思われちゃうかもしれないんだけど…」
スザクの言葉に、更にルルーシュの中で『?』の数が増える。
ただ、話しの続きを聞いてやらない事には…何にもならない様な気がする。
「僕…その…ルルーシュの傍から…離れたくなくって…。でも、僕が推薦を受けている大学って、多分、ルルーシュが行きたい大学からは離れているんだ…。それで…僕…それが怖くて…その…」
しどろもどろになっているスザクの言葉にルルーシュも動きが止まった。
網の上には…炭になりかけた肉がちりちりと音を立てていた。

To Be Continued


あとがきに代えて



なんだか強引な展開となっておりますが…。
因みに和泉の暮らしている地域にはこれでもかと焼き肉屋さんがあり、かつて佐賀県の歌を歌っていた芸人さんがこの町に訪れた時にもご指摘下さっていて…。
でもって、週末になると高校生が制服のまま焼肉を食べている光景にぶち当たります。
実際に人口比にすると非常に焼肉屋さんが多い地域ですが、和泉は滅多に行く事がありません。
先週、行って来て『とにかく、ここでたくさん食べて肉を付けるぞ!』とそれこそ、強引に詰め込んできたら、お腹壊して、逆に体重減ったと云うおバカをやってきましたが…
ルルーシュが悶々としていて、スザクが頑張って告白(?)をしましたが…どうなるのでしょうか…。
いやぁ〜行き当たりばったりで彼らに動いて貰っていると云うのがばればれですね。
これはこれで、書いていて楽しいです。
スザルルを苛めているみたいで…(をい!)

気持ちが沈んでいるんですが、そんな事とは関係なしに現実だけは目の前に突き付けられているわけで…。
で、現在音楽に慰めを求めているわけですが…。
かつて、『同人誌』だとか『コミケ』なんて言葉を知らなかった頃…あるアニメにもなって現在も根強い人気のあるマンガの二次創作をした事があったのですが。
その時の大好きだったその作品のアルバム曲を見つけて、泣きながら聞いていました。
結構人って泣くと、誰もいなくとも少しはすっきりする者ですね。
と云うか、これって、情緒不安定なのかもしれませんね…。
考えてみれば…もうすぐ7月なんですよね。
実は7月と8月…ある事から一番落ち込む時期だったりします。
今年は幾つパンチがあったか解らないほどなので、どんな精神状態になるのやら…。
でも、この曲を聞いて、少しだけ、気持ちを切り替えようと云う気持ちになれました。


聖闘士星矢 2ndAlbum 『BOYS BE』 より『TIME〜2036の選択〜』 影山ヒロノブ


☆拍手のお返事


篠木菜々さま:こんばんは、コメント有難う御座居ます。
ご無沙汰しております。
『閉鎖宣言』でご心配頂きまして、有難う御座居ます。

今回のブログ関連の問題に関しましては…皆様にお気遣い頂いて本当に嬉しい限りです。
ただ、和泉自身はちゃんとスザルラーで居続けますし、今のところ、文章をかくのをやめようと思っている訳ではありません。
ただ、今のここに存在するのが、少々気が引けているだけなので…。
落ち込みはまぁ、結構しんどいと云えばしんどいのですが…何とか自分の足で立っています。
ご心配頂いて有難う御座居ます。
オフライン…またご一緒したいですね。
又突然、メールでお願いするかもしれないので、覚悟していて下さいね?(←え?)
イベントに参加できるようになりましたら、また、ご一緒しましょう。
書きたいものもありますし、多分、それさえ投げ出したら自分には何も残らないと思いますので。
今の状態から一部、逃げ出したいところがあって、逃げちゃだめだ…などと云って居られる状態でもなくて…。
他の拍手のお返事にも書いていますが、7月1日入れ替え予定の拍手対談に色々仕掛けをしておきますので。
もしかしたら、今回の心配は不要の長物だったかもしれないと怒られるかもしれませんが…。
よろしければ見てやって下さい。


拍手のみの皆さんもありがとうございます。
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posted by 和泉綾 at 23:45| Comment(0) | TrackBack(0) | Novel Rebellion開設2周年

2010年06月23日

Novel Rebellion開設2周年記念リクエスト企画 21

将来の僕と君へ 2



※設定:現在、幼馴染同士のルルーシュとスザクは高校3年生です。お互いを思う気持ちがあるのですが…。ただ打ち明ける事も出来ないまま、そして、進路の問題など、更に彼らを追い詰める現実が差し迫っているようです。

このお話しはまりもこさまからのリクエストです。リクエスト有難う御座居ました。

 ルルーシュみたいなのを『頭がいいくせにバカ』と云うのだろうと…スザクは思った。
あんなに、卑怯なほど頭がいいくせに何でここまで鈍感なのか…。
ルルーシュに人並み以上の『暗記力』を与えたカミサマがルルーシュに与えたハンディなのか?
しかし、当の本人はそれさえも気付いていないのだから、それでは全く意味がないだろう…。
と云うか、周囲の方が苦労している。
―――特に僕が一番苦労している気がするんだけどなぁ…
さっきのやり取りの後だけに、スザクは盛大にため息を吐いてしまう。
いつも一緒にいたのだから…気付き難い…と云う事はあるのかもしれないけれど。
それでも、ルルーシュは現実主義だ。
そして、高校卒業後の進路をルルーシュと一緒にいたいと云う理由で決めたともなれば、ルルーシュは怒るに違いない。
と云うのも、ルルーシュ自身、高校卒業後はもし、自分のやりたい事に大学進学が不必要であれば、大学進学が一番の近道でなければ大学進学をするつもりはなかったからだ。
どうやら、ルルーシュは大学進学を考えているところを見ると、ルルーシュの中で大学進学が必要だと考えたのだろう。
どう考えてもスザクの成績では行けない大学に…。
それに、入ったところで、ただ、ルルーシュと一緒にいたいと云うだけの進学であったなら、きっと、ルルーシュと一緒にいたって、何をする事も出来ない。
そして、何も報われない。
互いに、互いを必要としていたとしても、どちらかの依存が大き過ぎる…もしくは互いと一緒にいる事が目的となっていた場合には…。
―――確実に無理が来るよね…。それに、僕がルルーシュと同じ大学に行ける訳がないし…。行けたとしても確実に学部が違うし…。
スザクは既にほぼ推薦が決定している大学がある。
ルルーシュは推薦のない大学なので受験して入るつもりらしい。
ルルーシュは今の、この状況でももてる。
それこそ、老若男女問わず。
以前、男に告白されて青ざめているところを見た事がある。
―――あれ?でも、そうすると…僕も僕の気持ちを知られたら…ルルーシュ…に、あんな風に…青ざめられちゃうの…かな…。
またひとつ、スザクに不安が生まれた。
ルルーシュ自身、スザクの事をよく解っているようでいて解っていないし、自分の事は『何でも解っている!』と思っていながら一番よく解っていない。
それがルルーシュと云う人物なのだけれど。
ただ、こんな状況になってこんな事を悶々と考えていられるのは、幸せなのか、不幸なのか…少々議論の余地を残すところだが…。
しかし、スザクは現在、受験の心配が基本的にないのだ。
だから、他の受験生達が聞いたら、恐らく袋叩きにしたくなる様な事を真剣に悩んでいるわけだ。
そこまで考えた時、再び、大きなため息を吐いた。
ため息一つで幸せが一つ逃げて行く…と云う話しを聞いた事があるが…。
それが本当なら、この先、スザクに残されている幸せなどありはしない…などと考えてしまう。
と云うのも、ルルーシュがらみの話だと確実にため息が5回は出てくるのだから…。

 そんなため息混じりに廊下を歩いていると…ある教室で補習授業をやっている様子が窺えた。
どうやら、理数系大学希望者が受けているらしい。
ルルーシュはここにはいない。
基本的にルルーシュの場合、自由参加の補習には出て行かない。
と云うか、いくら学校の補習と云っても、定員があるのだ。
他の学年では自由参加の補習授業など、成績による推薦を狙っている生徒くらいしか受けないのだけど。
受験生ともなると、そんな余裕をかましている状況ではなくなるらしい。
塾に行くと金はかかるし、帰りの時間も遅くなる。
なら、学校でやってくれると云うのなら、学校で受けた方がいい。
昨今の不況で塾に行く金もけちらなければならない状況の中、学校側がそう云った措置をとるようになったのだ。
まぁ、教員としては仕事が増えて困ると云う教師もいたが、この高校は私学…。
『補習授業をやってくれたら、その月の給料にその分上乗せします!』
というお達しが出て、とりあえず、家庭も恋人もいない教師達が率先して補習授業を担当したのだった。
流石の女性教員で家庭を持つ教師に対して時間外労働を供用する事は出来なかったが、こうした形で条件を付けてやると割と簡単にスタッフは何とかなるものだ。
偏差値の高い低いで人間を評価するのはいかがなものであるが、今のところ、偏差値の高い大学への入学者が多い方が生徒が集まり易い。
ゆとり教育のお陰で普通に知っているべき事柄さえ知らない若者が増えているのは事実だし、『小学校に通っていたならこのくらいの漢字は読めないと生活に支障があるのでは?』と思われる様な若者が出て来ているのは確かだ。
テレビなどを見ていると『おバカキャラ』がもてはやされているが、あれは笑わせているのではなく、笑われている事を誰か、教えてやった方がいいのではないかと思われる。
スザクも、体力バカで、スポーツ推薦枠でこの高校に入学したけれど、定期試験の時に赤点を取れば成績に確実に響いて、留年の恐れだってあったのだ。
そこでフォローしてくれたのはルルーシュだったけれど。
現在、スザクが通りかかった教室の中で繰り広げられている補習の内容は…正直、聞いていてもスザクにはチンプンカンプンだ。
まぁ、スザクは理系の学部に行く訳じゃないのだから…とは思うけれど。
―――ルルーシュなら…解るんだろうな…。
などと考えていると、またも、進路の事が頭を過って行き、ズーンと重たい気持ちがのしかかってきた。
やっぱりスザクはルルーシュとは違う大学へ行かなくてはならないのだろうか…と…。
スザクが行こうと思っている大学には、ルルーシュのやりたい事が勉強出来る学部がなかった筈だ。
そうなると、またも目の前が真っ暗になって行く。
結局、高校卒業すると、みんなそれぞれの進路があって、離れ離れになって行く。
クラスの中でいつも仲良く話しをしている友達同士だって、結局は高校卒業と同時に別々の進路に進んで、離れ離れになるのだ。
―――みんなは…それって、平気なのかな…。恋人同士の人だっているのに…。その恋人同士が離れ離れになっちゃうのって…嫌じゃないのかな…。

 そんな事を悶々と考えていると更にドツボに嵌っている気がする。
なんだか、自分だけが置いてきぼりになっているような…そんな気分だ。
確かに、今、自分の目の前の教室で補習を受けている友人達の事を考えれば、楽な立場にあるのは確かだろう。
大学への進学と云うのは、ある意味、人生そのものを左右するのだから。
ただ、昨今の大学の中卒者を見ていると、単純に大学進学が人生を左右する…と云うのもなんだか変な話だと思った。
まぁ、そう云った人の中には学生の段階で起業して、そちらが起動に乗って大学を辞めると云う者もいれば、その大学が肌にあわず、やめて行くと云う事もある。
大学在学中に遊ぶ事を覚えてしまい、卒業はしていても、大学に何をしに行ったのか解らない社会人や就職難民が生まれているのも確かだ。
「結局…こんな、人生20年も生きていないひよっこが人生をこの時点で決めるのって難しいよね…。ルルーシュなんかは…本当に大学在学中にやりたい事が出来たらさっさとやめちゃいそうだし…」
そう思った時、スザクは急に怖くなった。
確かにスポーツは好きだし、大学の方で是非にと誘ってくれるほどの記録を残しているのは事実だ。
ただ、大学で芽が伸びて行くのかは解らない。
正直、スポーツ推薦で大学の大会などに出て行って、スポーツの記録でどこかの会社に就職できたとしても、スポーツの場合、記録が求められる。
記録が好調に伸びて行く年齢と云うのはスポーツによっても違ってくるが、限られてくるし、実際に収入が一番多いのは現役時代。
ただ、日本の場合、プロスポーツ選手になっても、高額所得を得られるのは一握りだ。
高額所得を得られない者達の生活は相当大変なものであると聞いている。
それに、高額所得を得られるようになっても故障して結果を出せなくなればそれまでだ。
だから、本当にそのスポーツが好きなものでなければとてもやってはいけないと思う。
「僕って、そこまで好きなのかな…」
思わず、ルルーシュと天秤にかけてしまう。
すると…自分でも顔を引き攣らせてしまう程、頭の中でルルーシュに天秤が傾いてしまう。
それでも、現実には生活をしなければならないし、スザクの大学進学もほぼ決まっている話だ。
こんなに色々考えてしまうのは、他の受験生と違ってそんな事を考えてしまえるだけの余裕があるからだろう。
スザク自身、その大学に通う理由を見失いかけて来ている様な気がした。
そう思った時、スザクは思わず廊下をかけ出した。
そして、一目散に学校の外へと飛び出して行った。
考える余裕がある。
他の友達にはないのに。
そんなときにこんな形で悩みを持つと本当に怖くなるものだ。
「僕…本当に…この先大丈夫なのかな…」
走り出して辿りついた近くの公園の鉄棒を握り締めながらそんな事を呟いた。
自分のやりたい事を見失う…。
今のこの状態でそんな事になると、怖くなるものである。
自分のやりたい事…とは何だろうか…?
そんな問いかけを自分にしたのは初めてだ。
怖いと思っていても…現実は…止まってはくれない。

 鉄棒を掴んで、自分の漠然としたこの不安と恐怖に、少し震えて来たのが解る。
ルルーシュはそんなのをおくびにも見せない。
と云うか、そんなものはないのかもしれないと思う。
実際にルルーシュはいつも先の事を見据えて考えている。
そして、その為に準備をしている。
―――なんで…僕は…ルルーシュ見たいに、ちゃんと何でもできる様に生まれて来なかったんだろう…
思わずそんな事を考えてしまう。
スザクの中ではルルーシュは何でも完璧で…。
そりゃ、少し鈍感なところはあるけれど、いつだって、余裕な顔をしていて…。
そして、誰からも認められていて。
頼られて。
スザクもルルーシュを認めていて、頼っていて。
―――ホント…カミサマって不公平だよね…。ルルーシュみたいに完璧な人間がいるかと思えば、僕みたいに何も持っていない人間もいる…。
ルルーシュのあの、完璧さが1割でも自分に備わっていたら…などと考えてしまう。
そうしたら、こんな事で悩まないのにと…。
そう思った時、スザクは自分が何もかも、全てのものから見放されているような気がしてきた。
悩まない人間などいやしないのだけれど、今のスザクにはそんな風に思えて来てしまって…見た事もないカミサマとやらを恨んでしまう。
確かに見た目的にはルルーシュは完璧だと思う。
少々運動能力に難あり…ではあるが…。
しかし、生きて行く上で頭脳と運動能力…どちらが必要かと云えば、人間であれば頭脳だろうとスザクの中では思う。
実際に、スポーツ推薦でなければほぼ、推薦入学が決まっている大学だってスザクの入れるレベルの大学ではないのだ。
大体、現在の日本では身体能力よりも頭脳の方が優遇される風潮だ。
自衛隊に入ろうと思ったところで、運動能力だけではとても勤まらないのだ。(これは本当です。現在、自衛隊の持つ戦闘機、戦車、戦艦全てコンピュータが詰め込まれているので、体力バカでは勤まりません。今も昔も防衛大学校は非常にハードルの高いところではありますが。因みに防衛大学校は防衛省管轄なので大学とは云いません)
ルルーシュの場合、大学を選ぶ段階で、自分が何をしたいのかを考えていた。
そして、その先の事も見据えていた。
だから…あんな風に、余裕な顔をしていられるのだろう。
と云うか、今さっき補習を受けていた生徒達もスザクも、目の前の事でいっぱいいっぱいなのに、ルルーシュは何故そんなに凄いのだろうかと考えてしまう。
「きっと…ルルーシュは、色んなカミサマに、すっごく愛されているんだ…。そして、僕はすっごく嫌われて、憎まれているんだ…。そうだ…そうに違いない…」
スザクが独り言でそんな事を呟いていた時…背後に気配を感じた。
流石にその辺りは運動能力が人外と云わしめるスザクだけの事はある。
その気配は振り返る事の出来ないスザクに遠慮なく声をかけて来た。
スザクが、誰よりも好きで、誰よりも傍にいて欲しいと願っているその存在…。
「誰が、『色んなカミサマ』とやらに愛されているって?」

 その声に更に振り返る事が出来なくなる。
と云うか、彼がどんな顔をしているのか…見るのが少々怖いのだ。
「スザク…お前、何をやっているんだ…。こんなところで…」
呆れた様な声が聞こえて来た。
多分、呆れているのだろう。
と云うか、確実に呆れている。
「あれ?ルルーシュ…どうしてこんなところに?先に帰ったんじゃ…」
スザクが恐る恐る振り返り、少し上ずった声で尋ねた。
そんなスザクを見て、ルルーシュが大きくため息を吐いた。
「お前が変だったから、ちょっと気になって…。途中まで帰ったけれど、ここまで戻って来たんだ。と云うか、こんなところで何一人でブツブツ喋っている?」
どこから見られていたのか…少し怖くなった。
それこそ、(存在そのものが)弱音のオンパレードだったから。
「あ…別に…」
どう考えても、強引な作り笑いを張り付けてスザクが答える。
そんなスザクを見てルルーシュが『やれやれ』と云う表情を見せる。
「俺は別にカミサマとやらに好かれてはいないぞ?」
「え?だって!ルルーシュ…僕なんかと違って頭いいし!将来の事を見据えて大学決めて、大学卒業の事まできっちり考えていて!」
スザクのその言葉にルルーシュはさっきより大きなため息を吐いた。
「お前な…それは人それぞれだろうが…。俺の場合はそうしておかないと…なんと云うか…その…だな…」
ルルーシュが何か云い淀んでいる。
と云うか、そんなに云いにくい事なのだろうかと思うけれど…。
スザクもルルーシュとは古い付き合いだ。
何となく何を云いたいのか解った気がした。
そして、何となく何を云いたいのか解った時、少しだけほっとした様な気がした。
「ルルーシュも…その…怖いの?不安とか…?」
スザクがおずおずと尋ねてみると…。
「べ…別に…俺は怖いとかではなくてだな…だから…その…」
こうも解り易いと、さっきまでうだうだ考え込んでいた自分がなんだかピエロみたいだと思えてしまう。
本当に…
―――道化になった気分だよ…。ルルーシュのこんな姿を見られるなんて…
少しだけ嬉しくなった。
これは多分、幼馴染特権…。
ルルーシュの事を昔から知っているから許されている。
その事はスザクの中で凄く嬉しくて、何となく、笑みがこぼれた。
「わ…笑うな!」
ルルーシュが顔を真っ赤にしてスザクに掴み掛ろうとするけれど…。
そんなルルーシュの両手首をあっさりスザクが掴んでしまった。
「は…放せ!この体力バカ!」
そんなに強く掴んでいるつもりはないのだけれど…。
と云うか、現在の状況にルルーシュは付いていけていないようだ。
―――やっぱり、ルルーシュ、君って、色んなカミサマに好かれているんだね…。
心の中でそんな風に思う。
こう云った時にこんな可愛い反応を見せるなんて…。
カミサマが与えた愛らしさ以外に考えられない。
「ありがと…ルルーシュ…。少し、元気出た…」
スザクがにこりと笑ってそう云うと、手首を掴まれて暴れていたルルーシュの動きがピタリ止まった。
「元気を出し過ぎる必要はないぞ…。お前は元気だと力が有り余って困るみたいだからな…」
そんな風に悪態づいているルルーシュさえも可愛いと思えてしまう。
―――僕も重症だな…
そんな風に思える、そんな一瞬だった。

To Be Continued


あとがきに代えて



相変わらず時間が遅くて申し訳ありません。
と云うか、『閉鎖宣言』を出した後、多少の反響があってよかった…( ・_;)( ;_;)( ;_;)(>0<)ワーン
ちゃんと気にかけて下さる方がいたんですねぇ…
まぁ、撤回するつもりはありませんが。
拍手の御返事はこの小説アップの後、改めてこの記事に追記します。


『心から『ありがとう』をあなたに… 〜望まぬ再会編〜』が快適本屋さん直通)で取り扱いが始まりました。
遅くなって申し訳ありませんが、こちらもよろしくお願いします。

☆拍手のお返事


水流さま:こんばんは、コメント有難う御座居ます。
ご無沙汰しております。
お忙しい中、ご心配頂きまして有難う御座居ました。
今回は身体の事…と云うよりも精神的なものでして…ヾ(▽^;)ゞうへへ
少々ため込みすぎました…。
和泉としては、小説をかく事をやめるつもりはないですし、スザルラーをやめるつもりもありませんので。
ただ、一旦リフレッシュしたいな…という事なので…。

あと、夏インテ、もし、スペースが取れていたら宜しくお願いします。
交通機関の状況と駅からインテックスまでかかる時間によっては泊りがけにするか、日帰りにするか考えます。
泊りがけなら大阪を色々ご案内頂けるでしょうか?
また、色々お話ししてやって下さい。

まりもこさま:こんばんは、コメント有難う御座居ます。
『閉鎖宣言』でご心配頂きまして、有難う御座居ました。
一応、奥の手は隠してありますので。
よろしければ、7月1日に入れ替え予定の拍手対談を読んで下さい。
その中のどこかにその奥の手のヒントを隠しておきますので。
多分、サイトの中にも超解りにくいところにリンクを張っておく予定ですので。
ご心配頂きまして、有難う御座居ます。

紫翆さま:こんばんは、コメント有難う御座居ます。
『閉鎖宣言』でご心配頂きまして、有難う御座居ます。
今回のことは、確かに『閉鎖条件』もありましたけれど、基本的には自分のキャパシティを超えてしまった精神状態ですね。
ぶっちゃけ、一時は書く事もやめようかと考えたくらいです。
まぁ、ヒトのリップサービスを鵜呑みにするからこういう羽目になるんだな…と…(苦笑)
原因はごちゃごちゃあるんですが…それでも、落ち込む事に飽きたらちゃんと浮上してこられますので。
でも、こんなくだらない事で悩める自分に気づいて、かつては生きるか、死ぬかしか頭になかった頃の事を考えると、ホント、幸せな自分になったな…とは思います。
相変わらず、『人は平等ではない!』という、シャルルパパのお言葉が突き刺さりますが…。
というか、なぜに、この物書きの世界ではサルなんでしょうかね…和泉は…。
せめて人になりたいです…(苦笑)

後、不定期連載に関しては…上の拍手のお返事でも書いていますが、7月1日入れ替え予定の拍手対談を隅から隅まで読んで下さい。
ヒントを隠しておきますので。

あと、作品の感想に関して

『将来の僕と君へ』
視点は入れ替え式です…この話…。
多分、スザルル以外ほとんど出てこない予定…。
いけにえとしてリヴァルが出てくるかなぁ…と…(笑)

今日の分もスザクは悶々と考えておりますが…。
スザクがこうやって悩んでいる姿…好きなんですよね…。
これは完全に和泉の趣味です♪
ただ、和泉が鈍感ルルーシュ萌え♪なので…スザクは常に苦労します。
だから、対談の際には色々反逆される訳ですが…(笑)

受験生…まぁ、決まっちゃっている人はいいように使われますよね。
その辺りはさっさと決まって、人が苦労している時に、少しは働け!と云う事で…(爆)

『It's Destiny』
シュナパパは…自分の事はすべて棚に上げる…というのは標準装備でしょう…(笑)
シュナパパが強烈なので、カノンさんにはすこし、人間味を備えて貰いました。
カノンさん、『幼馴染シリーズ』でもそうですが…苦労人です(笑)
でも、そう云う役、似合いますよね…カノンさん…

マオ…久しぶりの登場ですが…。
とりあえず、この方がいらっしゃらないと話がとっちらかってくれないので…(え?)
少々話をめちゃくちゃにしてやりたいと云う衝動に駆られまして…。
後にその事を死ぬほど後悔することになる訳ですが…。
それでも、スザクが結構しっかりしてくれているので、頑張ります。
本編とはすっかり別人になっているスザクですが…和泉の中で、もし、あの『ゼロ・レクイエム』の後、スザクが一人で『ゼロ』を頑張ってきたとしたのなら…そうなってしまっても仕方ないかな…と思います。
否、和泉の描き方では少々甘いかな…と思うくらいです。
戦後処理、事後処理を全て生き残った連中…特に『ゼロ』となったスザクに押し付けられていた訳ですから…。
だから、スザクに関しては相当人が変わっていますし、色々計算しながら話をしているように見えると思います。

『幼馴染シリーズ』
ルルーシュを倒れさせたのは取ってつけたエピソードです。
これがなければこの回で終わって居ました。
まぁ、少し甘々エピソードを入れた方が話が盛り上がるかと思いまして。

スザクの家の事に関しては色々ごちゃごちゃさせすぎて、実は書いている方も困って居ます(←ダメじゃん)
多少の障害…程度に考えていたのですが、ここまで話が膨らむとは思いませんでした。
これ、完結したら、オフラインにしてみたいですねぇ…。
これの連載が終わってしまったら、番外編…書ける機会がなさそうだし…。
オフラインなら書き下ろしで番外編をかけそうだし…。
他にも出したいキャラがいっぱい居るのですが…どうにも話の進みが悪くて…。

ノネットの一言でつい体が動いちゃうのはやっぱりスザクだからですよね…。
頭より先に身体が動く…。
それをやっても不自然じゃないところまでやってきたよ…スザク…。
とりあえず、スザクは色々やりすぎちゃっているので、周囲の反感を蹴散らすくらい頑張って頂かないといけないので…。
スザクには頑張って貰います。

『皇子とレジスタンス』
今回はホントにスザルルカラーが強くなりました。
というか、したんですけどね…。
もうじき、この戦闘関連のお話が終わるんで…。
ルルーシュは相変わらず自己完結して先走り過ぎなんですが…。
スザクもいざとなるとその様相を見せるのですけれど。
でも、お互いがそんな暴走をお互いで止めあっていると云う、二人の姿には萌え♪ます。

まぁ、ルルーシュの場合、色々幼いころからの刷りこみがありますから、スザクも苦労しそうですよね。
スザクなら…と思うのはやっぱりスザルラーの過ぎた期待なのかなぁ…とは思うのですが…。
でも、ルルーシュはその段階では、スザクに色々任せた方がいいと思っている事は事実でしょうし、ベターな方法の中の一つでしょうね。
ルルーシュはいずれ、どこかでエリア11を離れなくてはいけないのですから。
ただ、当のスザクがその気がまるでなしなので…。
どうなる事やら。

まぁ、次回も面白い展開に出来るように頑張ります。



拍手のみの皆さんもありがとうございます。
とっても励みになります。
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こちらは、拍手ページと違って、10ページも読まなくちゃいけないなどと云う、無体な事はありませんので(爆)

細々と、ランキングに参加中…。この記事を読んで、お気に召して頂いた方は、お手数ですが、バナーを一回クリックしてください。拍手ページは10ページほどの対談(2010/05/26更新)を用意しています。
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posted by 和泉綾 at 23:36| Comment(0) | TrackBack(0) | Novel Rebellion開設2周年

Novel Rebellion開設2周年記念リクエスト企画 21

将来の僕と君へ 2



※設定:現在、幼馴染同士のルルーシュとスザクは高校3年生です。お互いを思う気持ちがあるのですが…。ただ打ち明ける事も出来ないまま、そして、進路の問題など、更に彼らを追い詰める現実が差し迫っているようです。

このお話しはまりもこさまからのリクエストです。リクエスト有難う御座居ました。

 ルルーシュみたいなのを『頭がいいくせにバカ』と云うのだろうと…スザクは思った。
あんなに、卑怯なほど頭がいいくせに何でここまで鈍感なのか…。
ルルーシュに人並み以上の『暗記力』を与えたカミサマがルルーシュに与えたハンディなのか?
しかし、当の本人はそれさえも気付いていないのだから、それでは全く意味がないだろう…。
と云うか、周囲の方が苦労している。
―――特に僕が一番苦労している気がするんだけどなぁ…
さっきのやり取りの後だけに、スザクは盛大にため息を吐いてしまう。
いつも一緒にいたのだから…気付き難い…と云う事はあるのかもしれないけれど。
それでも、ルルーシュは現実主義だ。
そして、高校卒業後の進路をルルーシュと一緒にいたいと云う理由で決めたともなれば、ルルーシュは怒るに違いない。
と云うのも、ルルーシュ自身、高校卒業後はもし、自分のやりたい事に大学進学が不必要であれば、大学進学が一番の近道でなければ大学進学をするつもりはなかったからだ。
どうやら、ルルーシュは大学進学を考えているところを見ると、ルルーシュの中で大学進学が必要だと考えたのだろう。
どう考えてもスザクの成績では行けない大学に…。
それに、入ったところで、ただ、ルルーシュと一緒にいたいと云うだけの進学であったなら、きっと、ルルーシュと一緒にいたって、何をする事も出来ない。
そして、何も報われない。
互いに、互いを必要としていたとしても、どちらかの依存が大き過ぎる…もしくは互いと一緒にいる事が目的となっていた場合には…。
―――確実に無理が来るよね…。それに、僕がルルーシュと同じ大学に行ける訳がないし…。行けたとしても確実に学部が違うし…。
スザクは既にほぼ推薦が決定している大学がある。
ルルーシュは推薦のない大学なので受験して入るつもりらしい。
ルルーシュは今の、この状況でももてる。
それこそ、老若男女問わず。
以前、男に告白されて青ざめているところを見た事がある。
―――あれ?でも、そうすると…僕も僕の気持ちを知られたら…ルルーシュ…に、あんな風に…青ざめられちゃうの…かな…。
またひとつ、スザクに不安が生まれた。
ルルーシュ自身、スザクの事をよく解っているようでいて解っていないし、自分の事は『何でも解っている!』と思っていながら一番よく解っていない。
それがルルーシュと云う人物なのだけれど。
ただ、こんな状況になってこんな事を悶々と考えていられるのは、幸せなのか、不幸なのか…少々議論の余地を残すところだが…。
しかし、スザクは現在、受験の心配が基本的にないのだ。
だから、他の受験生達が聞いたら、恐らく袋叩きにしたくなる様な事を真剣に悩んでいるわけだ。
そこまで考えた時、再び、大きなため息を吐いた。
ため息一つで幸せが一つ逃げて行く…と云う話しを聞いた事があるが…。
それが本当なら、この先、スザクに残されている幸せなどありはしない…などと考えてしまう。
と云うのも、ルルーシュがらみの話だと確実にため息が5回は出てくるのだから…。

 そんなため息混じりに廊下を歩いていると…ある教室で補習授業をやっている様子が窺えた。
どうやら、理数系大学希望者が受けているらしい。
ルルーシュはここにはいない。
基本的にルルーシュの場合、自由参加の補習には出て行かない。
と云うか、いくら学校の補習と云っても、定員があるのだ。
他の学年では自由参加の補習授業など、成績による推薦を狙っている生徒くらいしか受けないのだけど。
受験生ともなると、そんな余裕をかましている状況ではなくなるらしい。
塾に行くと金はかかるし、帰りの時間も遅くなる。
なら、学校でやってくれると云うのなら、学校で受けた方がいい。
昨今の不況で塾に行く金もけちらなければならない状況の中、学校側がそう云った措置をとるようになったのだ。
まぁ、教員としては仕事が増えて困ると云う教師もいたが、この高校は私学…。
『補習授業をやってくれたら、その月の給料にその分上乗せします!』
というお達しが出て、とりあえず、家庭も恋人もいない教師達が率先して補習授業を担当したのだった。
流石の女性教員で家庭を持つ教師に対して時間外労働を供用する事は出来なかったが、こうした形で条件を付けてやると割と簡単にスタッフは何とかなるものだ。
偏差値の高い低いで人間を評価するのはいかがなものであるが、今のところ、偏差値の高い大学への入学者が多い方が生徒が集まり易い。
ゆとり教育のお陰で普通に知っているべき事柄さえ知らない若者が増えているのは事実だし、『小学校に通っていたならこのくらいの漢字は読めないと生活に支障があるのでは?』と思われる様な若者が出て来ているのは確かだ。
テレビなどを見ていると『おバカキャラ』がもてはやされているが、あれは笑わせているのではなく、笑われている事を誰か、教えてやった方がいいのではないかと思われる。
スザクも、体力バカで、スポーツ推薦枠でこの高校に入学したけれど、定期試験の時に赤点を取れば成績に確実に響いて、留年の恐れだってあったのだ。
そこでフォローしてくれたのはルルーシュだったけれど。
現在、スザクが通りかかった教室の中で繰り広げられている補習の内容は…正直、聞いていてもスザクにはチンプンカンプンだ。
まぁ、スザクは理系の学部に行く訳じゃないのだから…とは思うけれど。
―――ルルーシュなら…解るんだろうな…。
などと考えていると、またも、進路の事が頭を過って行き、ズーンと重たい気持ちがのしかかってきた。
やっぱりスザクはルルーシュとは違う大学へ行かなくてはならないのだろうか…と…。
スザクが行こうと思っている大学には、ルルーシュのやりたい事が勉強出来る学部がなかった筈だ。
そうなると、またも目の前が真っ暗になって行く。
結局、高校卒業すると、みんなそれぞれの進路があって、離れ離れになって行く。
クラスの中でいつも仲良く話しをしている友達同士だって、結局は高校卒業と同時に別々の進路に進んで、離れ離れになるのだ。
―――みんなは…それって、平気なのかな…。恋人同士の人だっているのに…。その恋人同士が離れ離れになっちゃうのって…嫌じゃないのかな…。

 そんな事を悶々と考えていると更にドツボに嵌っている気がする。
なんだか、自分だけが置いてきぼりになっているような…そんな気分だ。
確かに、今、自分の目の前の教室で補習を受けている友人達の事を考えれば、楽な立場にあるのは確かだろう。
大学への進学と云うのは、ある意味、人生そのものを左右するのだから。
ただ、昨今の大学の中卒者を見ていると、単純に大学進学が人生を左右する…と云うのもなんだか変な話だと思った。
まぁ、そう云った人の中には学生の段階で起業して、そちらが起動に乗って大学を辞めると云う者もいれば、その大学が肌にあわず、やめて行くと云う事もある。
大学在学中に遊ぶ事を覚えてしまい、卒業はしていても、大学に何をしに行ったのか解らない社会人や就職難民が生まれているのも確かだ。
「結局…こんな、人生20年も生きていないひよっこが人生をこの時点で決めるのって難しいよね…。ルルーシュなんかは…本当に大学在学中にやりたい事が出来たらさっさとやめちゃいそうだし…」
そう思った時、スザクは急に怖くなった。
確かにスポーツは好きだし、大学の方で是非にと誘ってくれるほどの記録を残しているのは事実だ。
ただ、大学で芽が伸びて行くのかは解らない。
正直、スポーツ推薦で大学の大会などに出て行って、スポーツの記録でどこかの会社に就職できたとしても、スポーツの場合、記録が求められる。
記録が好調に伸びて行く年齢と云うのはスポーツによっても違ってくるが、限られてくるし、実際に収入が一番多いのは現役時代。
ただ、日本の場合、プロスポーツ選手になっても、高額所得を得られるのは一握りだ。
高額所得を得られない者達の生活は相当大変なものであると聞いている。
それに、高額所得を得られるようになっても故障して結果を出せなくなればそれまでだ。
だから、本当にそのスポーツが好きなものでなければとてもやってはいけないと思う。
「僕って、そこまで好きなのかな…」
思わず、ルルーシュと天秤にかけてしまう。
すると…自分でも顔を引き攣らせてしまう程、頭の中でルルーシュに天秤が傾いてしまう。
それでも、現実には生活をしなければならないし、スザクの大学進学もほぼ決まっている話だ。
こんなに色々考えてしまうのは、他の受験生と違ってそんな事を考えてしまえるだけの余裕があるからだろう。
スザク自身、その大学に通う理由を見失いかけて来ている様な気がした。
そう思った時、スザクは思わず廊下をかけ出した。
そして、一目散に学校の外へと飛び出して行った。
考える余裕がある。
他の友達にはないのに。
そんなときにこんな形で悩みを持つと本当に怖くなるものだ。
「僕…本当に…この先大丈夫なのかな…」
走り出して辿りついた近くの公園の鉄棒を握り締めながらそんな事を呟いた。
自分のやりたい事を見失う…。
今のこの状態でそんな事になると、怖くなるものである。
自分のやりたい事…とは何だろうか…?
そんな問いかけを自分にしたのは初めてだ。
怖いと思っていても…現実は…止まってはくれない。

 鉄棒を掴んで、自分の漠然としたこの不安と恐怖に、少し震えて来たのが解る。
ルルーシュはそんなのをおくびにも見せない。
と云うか、そんなものはないのかもしれないと思う。
実際にルルーシュはいつも先の事を見据えて考えている。
そして、その為に準備をしている。
―――なんで…僕は…ルルーシュ見たいに、ちゃんと何でもできる様に生まれて来なかったんだろう…
思わずそんな事を考えてしまう。
スザクの中ではルルーシュは何でも完璧で…。
そりゃ、少し鈍感なところはあるけれど、いつだって、余裕な顔をしていて…。
そして、誰からも認められていて。
頼られて。
スザクもルルーシュを認めていて、頼っていて。
―――ホント…カミサマって不公平だよね…。ルルーシュみたいに完璧な人間がいるかと思えば、僕みたいに何も持っていない人間もいる…。
ルルーシュのあの、完璧さが1割でも自分に備わっていたら…などと考えてしまう。
そうしたら、こんな事で悩まないのにと…。
そう思った時、スザクは自分が何もかも、全てのものから見放されているような気がしてきた。
悩まない人間などいやしないのだけれど、今のスザクにはそんな風に思えて来てしまって…見た事もないカミサマとやらを恨んでしまう。
確かに見た目的にはルルーシュは完璧だと思う。
少々運動能力に難あり…ではあるが…。
しかし、生きて行く上で頭脳と運動能力…どちらが必要かと云えば、人間であれば頭脳だろうとスザクの中では思う。
実際に、スポーツ推薦でなければほぼ、推薦入学が決まっている大学だってスザクの入れるレベルの大学ではないのだ。
大体、現在の日本では身体能力よりも頭脳の方が優遇される風潮だ。
自衛隊に入ろうと思ったところで、運動能力だけではとても勤まらないのだ。(これは本当です。現在、自衛隊の持つ戦闘機、戦車、戦艦全てコンピュータが詰め込まれているので、体力バカでは勤まりません。今も昔も防衛大学校は非常にハードルの高いところではありますが。因みに防衛大学校は防衛省管轄なので大学とは云いません)
ルルーシュの場合、大学を選ぶ段階で、自分が何をしたいのかを考えていた。
そして、その先の事も見据えていた。
だから…あんな風に、余裕な顔をしていられるのだろう。
と云うか、今さっき補習を受けていた生徒達もスザクも、目の前の事でいっぱいいっぱいなのに、ルルーシュは何故そんなに凄いのだろうかと考えてしまう。
「きっと…ルルーシュは、色んなカミサマに、すっごく愛されているんだ…。そして、僕はすっごく嫌われて、憎まれているんだ…。そうだ…そうに違いない…」
スザクが独り言でそんな事を呟いていた時…背後に気配を感じた。
流石にその辺りは運動能力が人外と云わしめるスザクだけの事はある。
その気配は振り返る事の出来ないスザクに遠慮なく声をかけて来た。
スザクが、誰よりも好きで、誰よりも傍にいて欲しいと願っているその存在…。
「誰が、『色んなカミサマ』とやらに愛されているって?」

 その声に更に振り返る事が出来なくなる。
と云うか、彼がどんな顔をしているのか…見るのが少々怖いのだ。
「スザク…お前、何をやっているんだ…。こんなところで…」
呆れた様な声が聞こえて来た。
多分、呆れているのだろう。
と云うか、確実に呆れている。
「あれ?ルルーシュ…どうしてこんなところに?先に帰ったんじゃ…」
スザクが恐る恐る振り返り、少し上ずった声で尋ねた。
そんなスザクを見て、ルルーシュが大きくため息を吐いた。
「お前が変だったから、ちょっと気になって…。途中まで帰ったけれど、ここまで戻って来たんだ。と云うか、こんなところで何一人でブツブツ喋っている?」
どこから見られていたのか…少し怖くなった。
それこそ、(存在そのものが)弱音のオンパレードだったから。
「あ…別に…」
どう考えても、強引な作り笑いを張り付けてスザクが答える。
そんなスザクを見てルルーシュが『やれやれ』と云う表情を見せる。
「俺は別にカミサマとやらに好かれてはいないぞ?」
「え?だって!ルルーシュ…僕なんかと違って頭いいし!将来の事を見据えて大学決めて、大学卒業の事まできっちり考えていて!」
スザクのその言葉にルルーシュはさっきより大きなため息を吐いた。
「お前な…それは人それぞれだろうが…。俺の場合はそうしておかないと…なんと云うか…その…だな…」
ルルーシュが何か云い淀んでいる。
と云うか、そんなに云いにくい事なのだろうかと思うけれど…。
スザクもルルーシュとは古い付き合いだ。
何となく何を云いたいのか解った気がした。
そして、何となく何を云いたいのか解った時、少しだけほっとした様な気がした。
「ルルーシュも…その…怖いの?不安とか…?」
スザクがおずおずと尋ねてみると…。
「べ…別に…俺は怖いとかではなくてだな…だから…その…」
こうも解り易いと、さっきまでうだうだ考え込んでいた自分がなんだかピエロみたいだと思えてしまう。
本当に…
―――道化になった気分だよ…。ルルーシュのこんな姿を見られるなんて…
少しだけ嬉しくなった。
これは多分、幼馴染特権…。
ルルーシュの事を昔から知っているから許されている。
その事はスザクの中で凄く嬉しくて、何となく、笑みがこぼれた。
「わ…笑うな!」
ルルーシュが顔を真っ赤にしてスザクに掴み掛ろうとするけれど…。
そんなルルーシュの両手首をあっさりスザクが掴んでしまった。
「は…放せ!この体力バカ!」
そんなに強く掴んでいるつもりはないのだけれど…。
と云うか、現在の状況にルルーシュは付いていけていないようだ。
―――やっぱり、ルルーシュ、君って、色んなカミサマに好かれているんだね…。
心の中でそんな風に思う。
こう云った時にこんな可愛い反応を見せるなんて…。
カミサマが与えた愛らしさ以外に考えられない。
「ありがと…ルルーシュ…。少し、元気出た…」
スザクがにこりと笑ってそう云うと、手首を掴まれて暴れていたルルーシュの動きがピタリ止まった。
「元気を出し過ぎる必要はないぞ…。お前は元気だと力が有り余って困るみたいだからな…」
そんな風に悪態づいているルルーシュさえも可愛いと思えてしまう。
―――僕も重症だな…
そんな風に思える、そんな一瞬だった。

To Be Continued


あとがきに代えて



相変わらず時間が遅くて申し訳ありません。
と云うか、『閉鎖宣言』を出した後、多少の反響があってよかった…( ・_;)( ;_;)( ;_;)(>0<)ワーン
ちゃんと気にかけて下さる方がいたんですねぇ…
まぁ、撤回するつもりはありませんが。
拍手の御返事はこの小説アップの後、改めてこの記事に追記します。


『心から『ありがとう』をあなたに… 〜望まぬ再会編〜』が快適本屋さん直通)で取り扱いが始まりました。
遅くなって申し訳ありませんが、こちらもよろしくお願いします。

☆拍手のお返事


水流さま:こんばんは、コメント有難う御座居ます。
ご無沙汰しております。
お忙しい中、ご心配頂きまして有難う御座居ました。
今回は身体の事…と云うよりも精神的なものでして…ヾ(▽^;)ゞうへへ
少々ため込みすぎました…。
和泉としては、小説をかく事をやめるつもりはないですし、スザルラーをやめるつもりもありませんので。
ただ、一旦リフレッシュしたいな…という事なので…。

あと、夏インテ、もし、スペースが取れていたら宜しくお願いします。
交通機関の状況と駅からインテックスまでかかる時間によっては泊りがけにするか、日帰りにするか考えます。
泊りがけなら大阪を色々ご案内頂けるでしょうか?
また、色々お話ししてやって下さい。

まりもこさま:こんばんは、コメント有難う御座居ます。
『閉鎖宣言』でご心配頂きまして、有難う御座居ました。
一応、奥の手は隠してありますので。
よろしければ、7月1日に入れ替え予定の拍手対談を読んで下さい。
その中のどこかにその奥の手のヒントを隠しておきますので。
多分、サイトの中にも超解りにくいところにリンクを張っておく予定ですので。
ご心配頂きまして、有難う御座居ます。

紫翆さま:こんばんは、コメント有難う御座居ます。
『閉鎖宣言』でご心配頂きまして、有難う御座居ます。
今回のことは、確かに『閉鎖条件』もありましたけれど、基本的には自分のキャパシティを超えてしまった精神状態ですね。
ぶっちゃけ、一時は書く事もやめようかと考えたくらいです。
まぁ、ヒトのリップサービスを鵜呑みにするからこういう羽目になるんだな…と…(苦笑)
原因はごちゃごちゃあるんですが…それでも、落ち込む事に飽きたらちゃんと浮上してこられますので。
でも、こんなくだらない事で悩める自分に気づいて、かつては生きるか、死ぬかしか頭になかった頃の事を考えると、ホント、幸せな自分になったな…とは思います。
相変わらず、『人は平等ではない!』という、シャルルパパのお言葉が突き刺さりますが…。
というか、なぜに、この物書きの世界ではサルなんでしょうかね…和泉は…。
せめて人になりたいです…(苦笑)

後、不定期連載に関しては…上の拍手のお返事でも書いていますが、7月1日入れ替え予定の拍手対談を隅から隅まで読んで下さい。
ヒントを隠しておきますので。

あと、作品の感想に関して

『将来の僕と君へ』
視点は入れ替え式です…この話…。
多分、スザルル以外ほとんど出てこない予定…。
いけにえとしてリヴァルが出てくるかなぁ…と…(笑)

今日の分もスザクは悶々と考えておりますが…。
スザクがこうやって悩んでいる姿…好きなんですよね…。
これは完全に和泉の趣味です♪
ただ、和泉が鈍感ルルーシュ萌え♪なので…スザクは常に苦労します。
だから、対談の際には色々反逆される訳ですが…(笑)

受験生…まぁ、決まっちゃっている人はいいように使われますよね。
その辺りはさっさと決まって、人が苦労している時に、少しは働け!と云う事で…(爆)

『It's Destiny』
シュナパパは…自分の事はすべて棚に上げる…というのは標準装備でしょう…(笑)
シュナパパが強烈なので、カノンさんにはすこし、人間味を備えて貰いました。
カノンさん、『幼馴染シリーズ』でもそうですが…苦労人です(笑)
でも、そう云う役、似合いますよね…カノンさん…

マオ…久しぶりの登場ですが…。
とりあえず、この方がいらっしゃらないと話がとっちらかってくれないので…(え?)
少々話をめちゃくちゃにしてやりたいと云う衝動に駆られまして…。
後にその事を死ぬほど後悔することになる訳ですが…。
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本編とはすっかり別人になっているスザクですが…和泉の中で、もし、あの『ゼロ・レクイエム』の後、スザクが一人で『ゼロ』を頑張ってきたとしたのなら…そうなってしまっても仕方ないかな…と思います。
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というか、したんですけどね…。
もうじき、この戦闘関連のお話が終わるんで…。
ルルーシュは相変わらず自己完結して先走り過ぎなんですが…。
スザクもいざとなるとその様相を見せるのですけれど。
でも、お互いがそんな暴走をお互いで止めあっていると云う、二人の姿には萌え♪ます。

まぁ、ルルーシュの場合、色々幼いころからの刷りこみがありますから、スザクも苦労しそうですよね。
スザクなら…と思うのはやっぱりスザルラーの過ぎた期待なのかなぁ…とは思うのですが…。
でも、ルルーシュはその段階では、スザクに色々任せた方がいいと思っている事は事実でしょうし、ベターな方法の中の一つでしょうね。
ルルーシュはいずれ、どこかでエリア11を離れなくてはいけないのですから。
ただ、当のスザクがその気がまるでなしなので…。
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2010年06月22日

Novel Rebellion開設2周年記念リクエスト企画 20

将来の僕と君へ 01



※設定:現在、幼馴染同士のルルーシュとスザクは高校3年生です。お互いを思う気持ちがあるのですが…。ただ打ち明ける事も出来ないまま、そして、進路の問題など、更に彼らを追い詰める現実が差し迫っているようです。

このお話しはまりもこさまからのリクエストです。リクエスト有難う御座居ました。

 高校3年生…。
その肩書が付くだけで、それまでの生活とは一変する。
のんびりと進路を考えずに来てしまった者にとっても、真剣に進路を考えて来た者にとっても。
進学希望の者であれば、既に、志望校を決めて、必死に志望校合格の為に勉学にいそしんでいる頃だ。
まぁ、今の時期、段々、そう云った空気が周囲を取り巻いて来る頃なのだ。
「あ、ランペルージ…これ、資料室まで持って行ってくれ…」
と、現在受験生であるルルーシュ≂ランペルージに声をかけて来たのは、ルルーシュの選択授業を受け持っている教担だった。
「資料室って…別棟じゃないですか…。俺、これでも受験生なんですが…」
ルルーシュが驚くのは当たり前だった。
と云うのも、この学校、無駄に広く作られており、ルルーシュに云った別棟と云うのは、現在地から普通に歩いて5分はかかるところだ。
その、教担が持っていた資料と云うのは…
―――何故、こんなたくさんの資料をカートなりなんなり、運び易い様にして運ばないんだ?
ルルーシュの素朴な疑問だった。
「ランペルージなら無理して受験じゃなくても推薦で大丈夫だろ…」
これが教師のセリフなのか…とツッコミを入れたくなるような一言をルルーシュの目の前にいる教師はあっさりとほざいた。
「俺の志望校…推薦ありませんが…」
本当に、自分のやりたくない事があると教師とはここまでふざけた発言をするものなのだろうか…?
そんな事を考えてしまう。
「大丈夫だ!ランペルージならどの大学だってトップ合格間違いナシだ!教担の俺が云うんだから間違いないぞ!」
本当に口が減らない…。
教師とはここまで口のまわる生き物なのだろうか?
否、彼が口の廻る生き物なのだろうか?
ルルーシュは顔を引き攣らせつつもため息を吐きながら答えた。
「解りましたよ…。と云うか、何なんですか…この資料の山は…」
「いやぁ…新学期から別棟に運んでいなくてな…」
頭をカリカリ引っ掻きながら云うセリフではない。
と云うか、何故にこんなアナログデータなのだ?と尋ねたくなる。
「と云うか、なんでこんなアナログデータ何ですか?デジタルデータならこんな面倒な事をしなくて済むじゃないですか…」
「俺、どうもパソコンって苦手でなぁ…。と云うか、パソコンを使って漢字を書けなくなった奴をいっぱい知っているんだ!なら、俺は一生アナログで行く!」
ルルーシュはここで思った。
―――詭弁だ…
ぶっちゃけ、パソコンと聞くだけでアレルギー反応を起こすタイプなのだろう。
しかし、そんなに年配者には見えないのだけれど…。
「今度、お教えしましょうか?」
ルルーシュがそう云ってやると…
「否!受験生のランペルージにそこまでさせる訳にはいかないんだ!」
ここで、確定する。
彼はパソコンに触るのがいやなのだと…。
本当に苦手な人は苦手らしい…。
「じゃあ、頼むな!」
矛盾をたくさんばら撒いてその教師は別棟とは反対の方向に歩いて行った。
そんな教師の背中をため息混じりに結構、重みを感じる様な量の資料を両手に持って別棟に向かうのだった。

 別棟まで普通に歩いても5分…。
何故、こんな遠く離れたところに資料倉庫を作っているのか、ルルーシュには理解出来なかった。
多分、尋ねたところで、納得出来るような理由など聞けはしないだろう。
「さっさとデジタルデータ化してくれ…」
ルルーシュは束になっている資料を手に持ちながら呟く。
いつもなら、女子が寄って来て手伝ってくれるのだけれど…。
現在、1、2年生達はインターハイ予選の練習でそれどころじゃないし、3年生は自分の進路で手いっぱい状態だ。
本来、ルルーシュだって受験生なのだから、こんな事をやっている場合ではない筈なのだけれど。
ただ、ルルーシュ自身は、
―――そこまで必死に勉強しなければ入れない、身の丈を知らない大学に入るつもりはない…。どうせ入学してから5月病になるか、解放され過ぎて遊び呆けて使い物にならない社会人になるだけだ…。
などと考えている。
実際に、無理して大学に入って、力が抜け切って4年間何をしていたかよく解らなかった…と云うのも珍しい話しではない。
ルルーシュのこの考え方も、他の生徒達が聞けば…
『それはルルーシュだから云えるセリフだろ!大学はよりどりみどりなんだから!』
と…怒鳴りつけて来るに違いない。
実際に、ルルーシュ自身、そう云った減点方式のテストに関しては困った事はない。
ただ、授業態度とか、出席日数などは少々難ありなのだけれど。
さっき、教担が云っていた『推薦』と云うのは、恐らく調査書で弾かれる自信はあった。
それでも、ルルーシュとしては現在の学力でなんなく入れるところ、そして、将来、自分のやりたい分野に繋がって行く大学であればどこでもよかった。
ルルーシュの中にある一つの考え方…。
『どこで学ぶかではなく、何を学ぶか…』
そこに焦点が当たった時、高校進学の時にはまだ、自分の将来などは漠然としていたから普通科を選択した。
しかし、大学進学の場合にはそうはいかない。
しっかり、自分の将来を見据えて、考えて、進む学部を選ばなくてはならない。
最近では、本当に、何を市に行くのか解らない様な大学も増えている。
訳の解らない学部名の付いた学部も…。
ルルーシュとしては、やりたいことが決まっていたから…。
この高校の3年間に決めていたから…。
だから、現在はそこに向かっているのだけれど。
ただ、なまじ減点方式のテストの点数がいいので、教師達も妙な期待を抱くが。
そう云う意味ではさっきの教担の態度は、ルルーシュとしては結構有難いのかもしれないと思ってしまう。
―――物理的には迷惑この上ないが…
流石に、ちゃんと束ねられている紙の資料とそうでない資料が混じっていると、普通に運びにくい。
別棟と云う事もあって、渡り廊下など、野外を歩く事もあるのだ。
野外に歩く時には束ねられていない資料は飛ばないように運ぶのは非常に大変だ。
―――せめて、風に飛ばないようにしておいてくれ…。否、ちゃんとまとめていないから俺に押し付けたのか?
そんな事を考えると、更に物理的負担が増えたように感じる。
と云うか、そんな考えに至ってしまった時点で身体から力が徐々に抜けてい今日名感じがしたのだ。

 とりあえず、苦労して別棟の入り口まで行った時、両手がふさがっている状態でどうやって扉を開こうか、考える。
外なのだから、その資料の山を置く場所もない。
そんな事を考えていた時、突然、ルルーシュがどうやって開けるかを考えようとしていた扉が開いた。
―――ガラガラ…
その音のした方を見ると…
「スザク…」
「あ、ルルーシュ…。ルルーシュも頼まれたの?資料運び…」
「あ…ああ…」
スザクもなのか…と云う思いもそこそこに自分の腕に負荷をかけている力がなくなった。
と云うのも、その資料がスザクの手に移動したからだ。
「僕が持つよ…。ホント、ここの先生達、受験生を何だと思っているんだか…」
スザクが『困るよねぇ〜』と云う笑顔を見せながら中に入って行った。
スザクの方は…スポーツ推薦の話しがいくつも来ているから、こんな形でコマづかいに使われているのだろう。
進路の決まってしまっている3年生程使い勝手のいいコマづかいはいない。
ルルーシュも一緒に入って行く。
そしてルルーシュが気になっていた事を尋ねてみる事にした。
「なぁ…スザクは進路…どうするんだ?」
これまで、幼馴染で、ずっと、一緒に来た。
保育園、小学校、中学校、高校…。
しかし、大学となれば、これまでの様に、一緒に…と云う訳にはいかない事は予想出来る。
高校の時だって、受験の時にはスザクが学力で入ったわけではなく、スポーツ推薦だった。
ルルーシュは入試で入学した。
その入試ではトップ合格で入学式の新入生代表の挨拶をしたくらいだ。
自分達の得意分野、性格、その他諸々を考えると本当に正反対だ。
ついでに、ルルーシュもスザクも、この学校では人気を二分するくらいもてるのだけれど。
彼らを好きになるタイプも正反対だった。
ずっと、抱いてきた…ルルーシュの中のその…小さな疑問…。
こうした形で会って、こう云う形で尋ねるチャンスが訪れたと云うわけだ。
「そう云うルルーシュは?」
こんな形で切り返されるとは思わず、ルルーシュは黙ってしまう。
ルルーシュはやりたい事があるから、既に行こうと思っている大学も学部も決めている。
同じ大学であっても、学部が違ってしまうと校舎が違ってしまう場合も多い。
特に、スザクの場合、確実にスポーツ関係の学部となるのだから、東京から離れた校舎となる可能性だってあるのだ。
それに、学部が違えば、カリキュラムも違ってくる。
大学進学と云うのはそんな事を気にして決めるべきものではない…
そんな事は解っていても…。
ルルーシュの中ではスザクと離れる事を考えると、不安が過って行く。
こんなのは変だと思うけれど…。
―――俺は…多分、スザクと離れるのが嫌なのかもしれない…。
ルルーシュの中で、漠然とそんな事を思った。
そこに、多分ウソはない。
ルルーシュは時々自分にもウソを吐く。
でも、今のルルーシュのその想いの中にウソはない。
それだけは確信出来る。
ただ、その想いがどういったカテゴリーに入るのかまでは解らないけれど。
ルルーシュの中ではっきりしているのは…。
スザクと離れてしまうかもしれない…と云うよりも、ほぼ確定している一緒にいられる時間のタイムリミット…。
そこに大きな不安を抱えている事は、自覚出来ていた。

 ルルーシュは頭がいい。
スザクは昔からルルーシュが成績で誰かに負けたのを見た事がない。
小学校、中学校、高校…。
テストをしても絶対にクラス一番じゃなくて、学年一番だった。
だから、高校進学の時も、ルルーシュがこの学校に進学を希望していると知った時には愕然とした。
どう考えてもスザクの成績で入れるとは思えなかったから。
そんな時、その時所属していた部活の顧問の教師からスポース推薦枠がある事を告げられて…。
俄然、頑張る気になった。
その年の大会で優秀な成績を収めればスポーツ推薦で入学出来ると…。
だから、とにかく頑張った。
ルルーシュも自分の受験勉強があると云うのに、スザクが遅くまで練習しているのを待っていてくれた。
帰る時、いつもスザクが、
『待っていなくたっていいのに…。ルルーシュだって、受験勉強…あるんでしょ?』
そう尋ねると、ルルーシュはくっと笑った。
『そこまで必死に勉強しなければ入れない、身の丈を知らない高校に入るつもりはない…』
そう答えた。
ルルーシュが云うからサマになるけれど、スザクが云ったら笑い話にもならない。
でも、そんな風に待っていて、そんな風に云ってくれるルルーシュが大好きだった。
スザクには自覚があった。
ルルーシュを好きで…ずっと離れたくない…と。
今でもその気持ちは変わらない。
今度は、高校進学の時の様には行かない。
スザクには既にいくつか、スポーツ推薦で大学から声がかかっている。
正直、ルルーシュの進路が解るまではその返事は保留状態となっている。
しかし、今回の場合、あまり時間の猶予がない。
大学としても推薦する学生は早めに決めてしまいたいと云う思いはあるのだから。
でも、スザクの中にはルルーシュが進もうとしている道を知りたかった。
出来るだけ、傍にいたいと思うから…。
だから、どうしても、ルルーシュの考えている進路を知りたかった。
「俺は…スザクみたいに推薦の話しが来ているわけじゃないからな。ちゃんと受験を受けて…って事だから、滑り止め含めていくつか受験するつもりだ…」
ルルーシュの答えに、スザクは心の中で叫んでいた。
『違う!僕が知りたいのはそんな事じゃない!』
しかし、スザクのそんな思いは、ルルーシュに届く訳がない。
そして、スザクもそれを言葉にする事が出来ずに、ぐっと唇を噛むだけだった。
―――ルルーシュは…僕がルルーシュと一緒にいたいと思っているみたいに…ルルーシュは僕と一緒にいたいって思ってくれないの?ずっと一緒だったのに、離れ離れになっちゃうかもしれないのに…何の不安もないの?
スザクの心の中の声は…ルルーシュには届いていない。
そんな風に思うと…スザクは急に悲しくなった。
泣きたくなった。
でも…
―――こんなところで泣く訳に行かない…
そんな気持ちで必死に震える口元や目じりを抑え込んだのだった。
そんな様子をルルーシュが気づいてくれたら…そんな、淡い期待を持って見るけれど…
「スザク…これで用が済んだし…帰ろうか…」
そんな、ルルーシュの言葉が耳に飛び込んできた。

 ルルーシュが教室にかばんを取りに行って、廊下を出た時、スザクが声をかけて来た。
「ごめん…ルルーシュ…。僕、ちょっと先生に呼ばれちゃった…。先に帰っていてくれる?」
何となく不自然なスザクの態度ではあったけれど。
今のこんな状態のスザクに問いただしたところでスザクがちゃんとした返事をする訳がない事をルルーシュは知っている。
だから、気付かぬ振りをして、返事をした。
「ああ、解った。先に帰るな…。また明日…」
ルルーシュがそう云って、学校の昇降口の方へと足を向けた。
少し、足が重いと感じながら…。
多分、スザクはルルーシュの背中が見えなくなるまで見送っていた。
確認をしていないけれど…何故か解る。
昇降口から校庭を歩いて学校の外に出る。
「スザク…なんだか、泣きそうだった…」
ルルーシュは一人、口の中で呟いた。
「それに…さっきのは…ウソだ…。スザクの奴…俺にウソを吐き通せるとでも思っているのか…」
スザクが何かを隠していると云う事は解った。
ルルーシュの中でも、複雑な思いがあるから…。
スザクの進路は…ほぼ決まっている。
ルルーシュの進学しようと思っている大学とは…違う大学…。
どの道、違う大学に進学する事になる。
スザクが離れてしまう生活…。
考えてみれば、物ごころが付いた時にはお互いに一緒だった。
だから、離れて生活する…なんて考えた事がなかった。
でも、今、現実に目の前に突き付けられているのは、近い将来…と云うか、すぐ目の前に来ている未来…。
考えた事もなかった未来…。
確かにいずれ、どこかで違う道を歩いて行く事になる事は解っていた。
ルルーシュだってただ、遊びに大学へ行くつもりはないのだ。
ルルーシュの中で自分の人生設計があるのだから。
スザクと一緒にいられなくなると云う不安はある。
しかし、お互いにいずれは恋人ができるだろうし、就職をするし、結婚もするだろうし…。
そうなれば…
―――スザクと一緒にいる生活なんて…あり得ない話しになる…。
もう目の前に来ている…自分達の現実…。
ルルーシュの中では冷静に見ている自分と、感情的になっている自分がいて…。
そして、段々近づいて生きているという実感…。
何がルルーシュにそう思わせているのか、そう考えさせるのか解らない。
でも、ルルーシュの中で、さっき、泣きそうになっていたスザクの顔と、自分の中で見え始めているもう、すぐそこまで訪れている、不安を抱かせている未来…。
「なんで…こんな風に思うんだ…俺は…。スザクは…確かにずっと仲のいい友達で、幼馴染で…。お互いに、なんでも知っていて…」
でも、今は自分の事も、スザクの事も良く解らない…。
そんな風に思う。
そんな風に思うのは初めてだ。
これまで、一緒に笑ったし、喧嘩もしたし、時には怒って、泣いた…。
そんな相手だ。
元々、友達を作ると云う事は得意ではないルルーシュにとって、気を許せる唯一の親友…。
―――なのに…俺は…なんだか、不思議な感覚に陥っている…。そんな気がする…。

To Be Continued


あとがきに代えて



あの書き込みの後なので、読みに来て下さる方がいるかどうかという問題があるのですが…。
企画作品です。
遅くなって申し訳ありません。
現在、ちょっと、色々書くと壊れそうなので、あとがきはこの程度にしておきます。
まりもこさま、リクエスト有難う御座居ました。
最後まで楽しんで頂ければ幸いです。

せめて、あの神の方々にはない、何かが欲しいと思った時、云った事はやりとおす…という事くらいしかないんですよね…。
知って居ますか?
実力のある人は約束を破っても許されるんですよね…
和泉はそんな人間じゃないから…そんな自覚があるから、こんな状態でも頑張ろうと思えるんでしょうね…



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posted by 和泉綾 at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | Novel Rebellion開設2周年

Novel Rebellion開設2周年記念リクエスト企画 20

将来の僕と君へ 01



※設定:現在、幼馴染同士のルルーシュとスザクは高校3年生です。お互いを思う気持ちがあるのですが…。ただ打ち明ける事も出来ないまま、そして、進路の問題など、更に彼らを追い詰める現実が差し迫っているようです。

このお話しはまりもこさまからのリクエストです。リクエスト有難う御座居ました。

 高校3年生…。
その肩書が付くだけで、それまでの生活とは一変する。
のんびりと進路を考えずに来てしまった者にとっても、真剣に進路を考えて来た者にとっても。
進学希望の者であれば、既に、志望校を決めて、必死に志望校合格の為に勉学にいそしんでいる頃だ。
まぁ、今の時期、段々、そう云った空気が周囲を取り巻いて来る頃なのだ。
「あ、ランペルージ…これ、資料室まで持って行ってくれ…」
と、現在受験生であるルルーシュ≂ランペルージに声をかけて来たのは、ルルーシュの選択授業を受け持っている教担だった。
「資料室って…別棟じゃないですか…。俺、これでも受験生なんですが…」
ルルーシュが驚くのは当たり前だった。
と云うのも、この学校、無駄に広く作られており、ルルーシュに云った別棟と云うのは、現在地から普通に歩いて5分はかかるところだ。
その、教担が持っていた資料と云うのは…
―――何故、こんなたくさんの資料をカートなりなんなり、運び易い様にして運ばないんだ?
ルルーシュの素朴な疑問だった。
「ランペルージなら無理して受験じゃなくても推薦で大丈夫だろ…」
これが教師のセリフなのか…とツッコミを入れたくなるような一言をルルーシュの目の前にいる教師はあっさりとほざいた。
「俺の志望校…推薦ありませんが…」
本当に、自分のやりたくない事があると教師とはここまでふざけた発言をするものなのだろうか…?
そんな事を考えてしまう。
「大丈夫だ!ランペルージならどの大学だってトップ合格間違いナシだ!教担の俺が云うんだから間違いないぞ!」
本当に口が減らない…。
教師とはここまで口のまわる生き物なのだろうか?
否、彼が口の廻る生き物なのだろうか?
ルルーシュは顔を引き攣らせつつもため息を吐きながら答えた。
「解りましたよ…。と云うか、何なんですか…この資料の山は…」
「いやぁ…新学期から別棟に運んでいなくてな…」
頭をカリカリ引っ掻きながら云うセリフではない。
と云うか、何故にこんなアナログデータなのだ?と尋ねたくなる。
「と云うか、なんでこんなアナログデータ何ですか?デジタルデータならこんな面倒な事をしなくて済むじゃないですか…」
「俺、どうもパソコンって苦手でなぁ…。と云うか、パソコンを使って漢字を書けなくなった奴をいっぱい知っているんだ!なら、俺は一生アナログで行く!」
ルルーシュはここで思った。
―――詭弁だ…
ぶっちゃけ、パソコンと聞くだけでアレルギー反応を起こすタイプなのだろう。
しかし、そんなに年配者には見えないのだけれど…。
「今度、お教えしましょうか?」
ルルーシュがそう云ってやると…
「否!受験生のランペルージにそこまでさせる訳にはいかないんだ!」
ここで、確定する。
彼はパソコンに触るのがいやなのだと…。
本当に苦手な人は苦手らしい…。
「じゃあ、頼むな!」
矛盾をたくさんばら撒いてその教師は別棟とは反対の方向に歩いて行った。
そんな教師の背中をため息混じりに結構、重みを感じる様な量の資料を両手に持って別棟に向かうのだった。

 別棟まで普通に歩いても5分…。
何故、こんな遠く離れたところに資料倉庫を作っているのか、ルルーシュには理解出来なかった。
多分、尋ねたところで、納得出来るような理由など聞けはしないだろう。
「さっさとデジタルデータ化してくれ…」
ルルーシュは束になっている資料を手に持ちながら呟く。
いつもなら、女子が寄って来て手伝ってくれるのだけれど…。
現在、1、2年生達はインターハイ予選の練習でそれどころじゃないし、3年生は自分の進路で手いっぱい状態だ。
本来、ルルーシュだって受験生なのだから、こんな事をやっている場合ではない筈なのだけれど。
ただ、ルルーシュ自身は、
―――そこまで必死に勉強しなければ入れない、身の丈を知らない大学に入るつもりはない…。どうせ入学してから5月病になるか、解放され過ぎて遊び呆けて使い物にならない社会人になるだけだ…。
などと考えている。
実際に、無理して大学に入って、力が抜け切って4年間何をしていたかよく解らなかった…と云うのも珍しい話しではない。
ルルーシュのこの考え方も、他の生徒達が聞けば…
『それはルルーシュだから云えるセリフだろ!大学はよりどりみどりなんだから!』
と…怒鳴りつけて来るに違いない。
実際に、ルルーシュ自身、そう云った減点方式のテストに関しては困った事はない。
ただ、授業態度とか、出席日数などは少々難ありなのだけれど。
さっき、教担が云っていた『推薦』と云うのは、恐らく調査書で弾かれる自信はあった。
それでも、ルルーシュとしては現在の学力でなんなく入れるところ、そして、将来、自分のやりたい分野に繋がって行く大学であればどこでもよかった。
ルルーシュの中にある一つの考え方…。
『どこで学ぶかではなく、何を学ぶか…』
そこに焦点が当たった時、高校進学の時にはまだ、自分の将来などは漠然としていたから普通科を選択した。
しかし、大学進学の場合にはそうはいかない。
しっかり、自分の将来を見据えて、考えて、進む学部を選ばなくてはならない。
最近では、本当に、何を市に行くのか解らない様な大学も増えている。
訳の解らない学部名の付いた学部も…。
ルルーシュとしては、やりたいことが決まっていたから…。
この高校の3年間に決めていたから…。
だから、現在はそこに向かっているのだけれど。
ただ、なまじ減点方式のテストの点数がいいので、教師達も妙な期待を抱くが。
そう云う意味ではさっきの教担の態度は、ルルーシュとしては結構有難いのかもしれないと思ってしまう。
―――物理的には迷惑この上ないが…
流石に、ちゃんと束ねられている紙の資料とそうでない資料が混じっていると、普通に運びにくい。
別棟と云う事もあって、渡り廊下など、野外を歩く事もあるのだ。
野外に歩く時には束ねられていない資料は飛ばないように運ぶのは非常に大変だ。
―――せめて、風に飛ばないようにしておいてくれ…。否、ちゃんとまとめていないから俺に押し付けたのか?
そんな事を考えると、更に物理的負担が増えたように感じる。
と云うか、そんな考えに至ってしまった時点で身体から力が徐々に抜けてい今日名感じがしたのだ。

 とりあえず、苦労して別棟の入り口まで行った時、両手がふさがっている状態でどうやって扉を開こうか、考える。
外なのだから、その資料の山を置く場所もない。
そんな事を考えていた時、突然、ルルーシュがどうやって開けるかを考えようとしていた扉が開いた。
―――ガラガラ…
その音のした方を見ると…
「スザク…」
「あ、ルルーシュ…。ルルーシュも頼まれたの?資料運び…」
「あ…ああ…」
スザクもなのか…と云う思いもそこそこに自分の腕に負荷をかけている力がなくなった。
と云うのも、その資料がスザクの手に移動したからだ。
「僕が持つよ…。ホント、ここの先生達、受験生を何だと思っているんだか…」
スザクが『困るよねぇ〜』と云う笑顔を見せながら中に入って行った。
スザクの方は…スポーツ推薦の話しがいくつも来ているから、こんな形でコマづかいに使われているのだろう。
進路の決まってしまっている3年生程使い勝手のいいコマづかいはいない。
ルルーシュも一緒に入って行く。
そしてルルーシュが気になっていた事を尋ねてみる事にした。
「なぁ…スザクは進路…どうするんだ?」
これまで、幼馴染で、ずっと、一緒に来た。
保育園、小学校、中学校、高校…。
しかし、大学となれば、これまでの様に、一緒に…と云う訳にはいかない事は予想出来る。
高校の時だって、受験の時にはスザクが学力で入ったわけではなく、スポーツ推薦だった。
ルルーシュは入試で入学した。
その入試ではトップ合格で入学式の新入生代表の挨拶をしたくらいだ。
自分達の得意分野、性格、その他諸々を考えると本当に正反対だ。
ついでに、ルルーシュもスザクも、この学校では人気を二分するくらいもてるのだけれど。
彼らを好きになるタイプも正反対だった。
ずっと、抱いてきた…ルルーシュの中のその…小さな疑問…。
こうした形で会って、こう云う形で尋ねるチャンスが訪れたと云うわけだ。
「そう云うルルーシュは?」
こんな形で切り返されるとは思わず、ルルーシュは黙ってしまう。
ルルーシュはやりたい事があるから、既に行こうと思っている大学も学部も決めている。
同じ大学であっても、学部が違ってしまうと校舎が違ってしまう場合も多い。
特に、スザクの場合、確実にスポーツ関係の学部となるのだから、東京から離れた校舎となる可能性だってあるのだ。
それに、学部が違えば、カリキュラムも違ってくる。
大学進学と云うのはそんな事を気にして決めるべきものではない…
そんな事は解っていても…。
ルルーシュの中ではスザクと離れる事を考えると、不安が過って行く。
こんなのは変だと思うけれど…。
―――俺は…多分、スザクと離れるのが嫌なのかもしれない…。
ルルーシュの中で、漠然とそんな事を思った。
そこに、多分ウソはない。
ルルーシュは時々自分にもウソを吐く。
でも、今のルルーシュのその想いの中にウソはない。
それだけは確信出来る。
ただ、その想いがどういったカテゴリーに入るのかまでは解らないけれど。
ルルーシュの中ではっきりしているのは…。
スザクと離れてしまうかもしれない…と云うよりも、ほぼ確定している一緒にいられる時間のタイムリミット…。
そこに大きな不安を抱えている事は、自覚出来ていた。

 ルルーシュは頭がいい。
スザクは昔からルルーシュが成績で誰かに負けたのを見た事がない。
小学校、中学校、高校…。
テストをしても絶対にクラス一番じゃなくて、学年一番だった。
だから、高校進学の時も、ルルーシュがこの学校に進学を希望していると知った時には愕然とした。
どう考えてもスザクの成績で入れるとは思えなかったから。
そんな時、その時所属していた部活の顧問の教師からスポース推薦枠がある事を告げられて…。
俄然、頑張る気になった。
その年の大会で優秀な成績を収めればスポーツ推薦で入学出来ると…。
だから、とにかく頑張った。
ルルーシュも自分の受験勉強があると云うのに、スザクが遅くまで練習しているのを待っていてくれた。
帰る時、いつもスザクが、
『待っていなくたっていいのに…。ルルーシュだって、受験勉強…あるんでしょ?』
そう尋ねると、ルルーシュはくっと笑った。
『そこまで必死に勉強しなければ入れない、身の丈を知らない高校に入るつもりはない…』
そう答えた。
ルルーシュが云うからサマになるけれど、スザクが云ったら笑い話にもならない。
でも、そんな風に待っていて、そんな風に云ってくれるルルーシュが大好きだった。
スザクには自覚があった。
ルルーシュを好きで…ずっと離れたくない…と。
今でもその気持ちは変わらない。
今度は、高校進学の時の様には行かない。
スザクには既にいくつか、スポーツ推薦で大学から声がかかっている。
正直、ルルーシュの進路が解るまではその返事は保留状態となっている。
しかし、今回の場合、あまり時間の猶予がない。
大学としても推薦する学生は早めに決めてしまいたいと云う思いはあるのだから。
でも、スザクの中にはルルーシュが進もうとしている道を知りたかった。
出来るだけ、傍にいたいと思うから…。
だから、どうしても、ルルーシュの考えている進路を知りたかった。
「俺は…スザクみたいに推薦の話しが来ているわけじゃないからな。ちゃんと受験を受けて…って事だから、滑り止め含めていくつか受験するつもりだ…」
ルルーシュの答えに、スザクは心の中で叫んでいた。
『違う!僕が知りたいのはそんな事じゃない!』
しかし、スザクのそんな思いは、ルルーシュに届く訳がない。
そして、スザクもそれを言葉にする事が出来ずに、ぐっと唇を噛むだけだった。
―――ルルーシュは…僕がルルーシュと一緒にいたいと思っているみたいに…ルルーシュは僕と一緒にいたいって思ってくれないの?ずっと一緒だったのに、離れ離れになっちゃうかもしれないのに…何の不安もないの?
スザクの心の中の声は…ルルーシュには届いていない。
そんな風に思うと…スザクは急に悲しくなった。
泣きたくなった。
でも…
―――こんなところで泣く訳に行かない…
そんな気持ちで必死に震える口元や目じりを抑え込んだのだった。
そんな様子をルルーシュが気づいてくれたら…そんな、淡い期待を持って見るけれど…
「スザク…これで用が済んだし…帰ろうか…」
そんな、ルルーシュの言葉が耳に飛び込んできた。

 ルルーシュが教室にかばんを取りに行って、廊下を出た時、スザクが声をかけて来た。
「ごめん…ルルーシュ…。僕、ちょっと先生に呼ばれちゃった…。先に帰っていてくれる?」
何となく不自然なスザクの態度ではあったけれど。
今のこんな状態のスザクに問いただしたところでスザクがちゃんとした返事をする訳がない事をルルーシュは知っている。
だから、気付かぬ振りをして、返事をした。
「ああ、解った。先に帰るな…。また明日…」
ルルーシュがそう云って、学校の昇降口の方へと足を向けた。
少し、足が重いと感じながら…。
多分、スザクはルルーシュの背中が見えなくなるまで見送っていた。
確認をしていないけれど…何故か解る。
昇降口から校庭を歩いて学校の外に出る。
「スザク…なんだか、泣きそうだった…」
ルルーシュは一人、口の中で呟いた。
「それに…さっきのは…ウソだ…。スザクの奴…俺にウソを吐き通せるとでも思っているのか…」
スザクが何かを隠していると云う事は解った。
ルルーシュの中でも、複雑な思いがあるから…。
スザクの進路は…ほぼ決まっている。
ルルーシュの進学しようと思っている大学とは…違う大学…。
どの道、違う大学に進学する事になる。
スザクが離れてしまう生活…。
考えてみれば、物ごころが付いた時にはお互いに一緒だった。
だから、離れて生活する…なんて考えた事がなかった。
でも、今、現実に目の前に突き付けられているのは、近い将来…と云うか、すぐ目の前に来ている未来…。
考えた事もなかった未来…。
確かにいずれ、どこかで違う道を歩いて行く事になる事は解っていた。
ルルーシュだってただ、遊びに大学へ行くつもりはないのだ。
ルルーシュの中で自分の人生設計があるのだから。
スザクと一緒にいられなくなると云う不安はある。
しかし、お互いにいずれは恋人ができるだろうし、就職をするし、結婚もするだろうし…。
そうなれば…
―――スザクと一緒にいる生活なんて…あり得ない話しになる…。
もう目の前に来ている…自分達の現実…。
ルルーシュの中では冷静に見ている自分と、感情的になっている自分がいて…。
そして、段々近づいて生きているという実感…。
何がルルーシュにそう思わせているのか、そう考えさせるのか解らない。
でも、ルルーシュの中で、さっき、泣きそうになっていたスザクの顔と、自分の中で見え始めているもう、すぐそこまで訪れている、不安を抱かせている未来…。
「なんで…こんな風に思うんだ…俺は…。スザクは…確かにずっと仲のいい友達で、幼馴染で…。お互いに、なんでも知っていて…」
でも、今は自分の事も、スザクの事も良く解らない…。
そんな風に思う。
そんな風に思うのは初めてだ。
これまで、一緒に笑ったし、喧嘩もしたし、時には怒って、泣いた…。
そんな相手だ。
元々、友達を作ると云う事は得意ではないルルーシュにとって、気を許せる唯一の親友…。
―――なのに…俺は…なんだか、不思議な感覚に陥っている…。そんな気がする…。

To Be Continued


あとがきに代えて



あの書き込みの後なので、読みに来て下さる方がいるかどうかという問題があるのですが…。
企画作品です。
遅くなって申し訳ありません。
現在、ちょっと、色々書くと壊れそうなので、あとがきはこの程度にしておきます。
まりもこさま、リクエスト有難う御座居ました。
最後まで楽しんで頂ければ幸いです。

せめて、あの神の方々にはない、何かが欲しいと思った時、云った事はやりとおす…という事くらいしかないんですよね…。
知って居ますか?
実力のある人は約束を破っても許されるんですよね…
和泉はそんな人間じゃないから…そんな自覚があるから、こんな状態でも頑張ろうと思えるんでしょうね…



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posted by 和泉綾 at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | Novel Rebellion開設2周年

2010年06月17日

Novel Rebellion開設2周年記念リクエスト企画 19

Stiff neck Final





※設定:毎日パソコンに向かっているルルーシュを見ていて、スザクはふとある疑問を抱きます。
『ルルーシュって肩凝ってないのかな?』
と。
そこから始まる『萌え♪』展開は…?
一応、スザルルは両想いですが、まだまだ清い仲です。

このお話しは紫翠さまからのリクエストです。有難う御座いました。(頂いたリクエストの数の関係で順番が前後してしまった事をお詫びします)

 昨夜の出来事は…しっかりと、ナナリーに報告された。
そして、スザクはナナリーの怒りを一身に受けることとなる。
スザクがその程度でダメージを受けるのかどうか…と云う、問題が一つ、大きくのしかかっているのだけれど。
実際に、これまで、ナナリーの手によって排除されてきた老若男女は数知れないが…スザクはその中の例外中の例外だ。
かつては、今でこそ、『大好きなユフィ異母姉さま』と云う事になっているけれど、それは、ユーフェミアがナナリーの天敵にどうやら、恋してくれたらしく、非難ゴーゴーの中ユーフェミアの騎士にしてくれたと云うのに…。
相変わらず、スザクはめげずにルルーシュのところに通って来ているのだ。
そして、ナナリーの中で一つ勘違いがある。
今のところ、ナナリーの邪魔になっていないのだけれど。
と云うのも、ユーフェミアは何も、スザクに恋をしたとかいうわけではなく、元々は、日本に送られてからのルルーシュの事を一つ一つ聞き倒していという事だったのだけれど…。
そう、まだ、ブリタニアの王宮にいた頃はどちらがルルーシュのお嫁さんになるかという事で大喧嘩していた二人だ。
それこそ、ルルーシュの意思などそっちのけで…。
きっと、ルルーシュはその時に悟ったのだろう。
―――女を怒らせると怖い…
と。
まぁ、間違ってはいない。
実際問題、結果だけ見れば、父であり、皇帝であるシャルルはルルーシュ達の母であるマリアンヌに頭が上がらなかった事が判明している。
そして、自分の妹達を見て、そして、逞しい異母姉を見て…。
異母兄達を見ていると、どうやってもあの逞しい異母姉に敵うとは思えない。
ブリタニア王宮の中での力関係を、ルルーシュは10歳にも満たないうちに悟ったのだ。
それ以降、ルルーシュに対して好意を抱いてくれる女性がたくさん現れるけれど、いつの間にか消えて行った。(それはナナリーが全力で排除していたから)
そんな中、スザクと再会して…一緒にいるようになって、初めて恋人と云うカテゴリーの存在が出来たのだけれど。
ここで、『相手が男』と云う事にまず、疑問を抱くべきだったのではないか…と思うのだけれど。
それでも、ルルーシュにして見ると、ナナリーに完全に守られていた為に、あまりそう云う事を気にせずにすんだらしい。
それに、周囲の人間もルルーシュが気づいているかどうかは知らないが…
―――ルルーシュじゃ仕方ないよな…
と、納得してしまっている。
実際に、男に云いよられる事も意外と慣れっこっぽい。
それはそれで、自分の中で疑問を持つべきなのだろうけれど。
この際、死ぬまでこのままでいいだろうか…と考えてしまうのは何故だろうか?
そんなルルーシュだから…ナナリーの苦労が何となく垣間見える。
ここまで超鈍感でも、純潔を守られていたのは、ひとえにナナリーのお陰と云えるだろう。
しかし、そのナナリーが必死に守ってきたその、ルルーシュの純潔が奪われそうになっているのだ。
幼い頃から、ナナリーの中で最も危険な敵として見て来たその存在に…。
だからこそ、ユーフェミアがスザクを騎士としてくれた時には少しだけ肩の荷が下りるかと思いきや、まるで、『ふっ…世の中そんなに甘くはないんだよ…』とスザクがルルーシュに付き纏っている状態。
挙句の果てに…
―――お兄様の恋人だなんて…絶対に私が許しません!
とまぁ、更なる闘志を燃やし始めたのだった。

 そして、咲世子からの報告を聞いて、当然の様に、ナナリーは怒り心頭。
これまでのナナリーの努力が今、ぶち壊されそうになっているのだ。
これだけは、いくらナナリーがルルーシュに幸せになって欲しいと思っていても、これだけは許せないのだ。
相手がスザクでなければ、ちょっとだけ手加減して小姑としてしっかり監視させて頂くつもりでいた様ではあったけれど。
「咲世子さん…このままでは…スザクさんの手で、お兄様がお嫁にいけない身体にされてしまいます!お兄様にそんな事をしていいのは、この世で私だけと解っていての…所業なのでしょうか…スザクさんのあの、傍若無人は…」
完全に真黒なオーラを背負っているナナリーを見て、咲世子は、にこりと笑った。(この辺りは流石にルルーシュにさえ『咲世子は天然だから…』と云われてしまうキャラだけの事はある)
「ナナリーさま…そろそろユーフェミア皇女殿下からのお電話のお時間ですが…」
この状況で何を云い始めるのか…と、第三者なら思うだろう。
しかし、ここで、気付かなくてはならないのは…ナナリーはしっかりと生き別れとなっている異母姉と連絡を取っていたと云うその重大なる事実だ…。
「ユフィ異母姉さま…。そうですね…。ユフィ異母姉さまにご協力を仰ぎましょうか…。ユフィ異母姉さま…きっと、スザクさんに(私にとっては)素敵なお気持ちを抱いているのでしょうから…」
その低く笑った声に、普通なら青ざめそうなものなのだけれど、咲世子はやっぱり、その天然のキャラをフル活用して(当然本人に自覚は全くなし)その空気の中でにこにこと笑っている。
「でも…ナナリーさまがユーフェミア皇女殿下とこんな形で連絡を取っている事がルルーシュ様に知れたら…」
咲世子がそこまで云いかけた時…いくら天然の咲世子でも何かを察知する気配を感じた。
それは、様々な形で忍者…じゃなくて、SPとしての修業を積んで来た咲世子でさえも何か、身の危険を感じる様な…。
そんな真黒と云うか、どす黒いと云うか、ドロドロしたオーラだ。
「咲世子さん?まさか、お兄様にチク…じゃなくて、告げ口なんてしませんよね?」
にこりと、真黒なオーラを背負ってナナリーが尋ねている。
そのオーラに、流石の咲世子も背中に冷や汗が流れて行く。
「も…勿論です…ナナリーさま…」
―――スーさんたら…この方と毎日本気のバトルを繰り広げていらっしゃるのかしら…?
そう思いながら、ナナリーの前に電話を運んだ。
多分、こんな色眼鏡をかけた状態で見てなければ確実にただのマッサージだった筈。
マッサージと云うのはやり慣れていない場合、感覚的に妙な感じを受けるものだ。
肩凝りの場合、力の入れ具合で本当に痛みを感じるし、足のマッサージなどはくすぐったいとか、内股や足の付け根などをマッサージされた場合、妙な感じを受けることだってあるのだ。(経験者は語る。和泉は足のマッサージに関しては絶対に他人にやられたくない人です。←昔からちょっと触られただけでくすぐったくて耐えられなかった人なので。機械ならいいけど。)

 さて、こんな話題で盛り上がっている人物達がいるとはつゆ知らず、ルルーシュはとげとげ仮面を被って、スザクはランスロットの起動実験している中、盛大にくしゃみをしていた。
「あの…『ゼロ』…風邪でも引かれたのですか?」
『ゼロ』の親衛隊長であるカレンがくしゃみを繰り返している『ゼロ』に対して心配そうに声をかけて来る。
―――俺の健康管理は完璧(のはず)だ!断じて風邪など…
そんな事を思いつつも、そんな事を口に出して云う訳にも行かず…。
『何でもない…。花粉症だ…』
「あの…今6月ですよ?」
うっかり、すっ呆けた事を云ってしまった『ゼロ』にカレンはすかさずツッコミを入れる。
基本的に、花粉症と云うのは晴れた日に被害を被る事が多く、梅雨時と云うのは、自覚症状は目立たない。
それに、自覚症状の中ではくしゃみと云うのはあまり聞かない。
一応、wikiさんをめくってみると…

感冒
花粉症は、水のようなサラサラした鼻水と目のかゆみが特徴的であり、感染症である鼻風邪との鑑別点になる。鼻風邪であれば、一般的には目のかゆみはなく、数日のうちに鼻水は粘性の高いものになり、さらに黄色や緑など色のついたものとなる。また、屋外のほうが花粉が多いため、おのずと症状も強くなるという点も風邪との違いである。
他のアレルギー
非常に似通った症状ではあるが、屋内のほうが症状が強い場合、ほこりなどのハウスダスト等によるアレルギー性鼻炎を疑ったほうがよい(一般に「アレルギー性鼻炎」と言った場合、こうしたハウスダスト等による通年のアレルギー性鼻炎のことを指すことが多い)。外部リンク:アレルギー性鼻炎の分類と判断基準も参照のこと。
スギ花粉飛散の前から症状を呈する患者も多くいるが、実際にごく微量の花粉に反応している場合だけでなく、季節特有の乾燥や冷気によるものもあると考えられている。患者は自己診断に頼らず、専門家の診断を受けることが望ましい。

と云う事だそうだ。
その辺りのツッコミを入れそうなディートハルトがいなかった事が幸いし、ここではとりあえず、カレンの中途半端なツッコミで終わったけれど。
まぁ、この辺りはこう云った話しの場合、誰かに噂話をされているとそういたくしゃみが出て来ると云う設定はお約束だ。
『体調は万全だ…。心配するな…』
その一言でカレンが納得するかどうかは解らないものの…。
とりあえず、ごり押しでこの話を終わらせる事にした。
と云うか、今のところ、それどころではないのだ。
『そんなことよりカレン!あの白兜を倒す為の策だが…』
『ゼロ』のその一言には、やはり、カレンは弱いようだ。
「あ…ハイ…」
『もはや、1対1では…』
『ゼロ』がそこまで云いかけた時、どこでその話しを聞いていたか解らないが…突然ある人物が飛び込んできた。
「ちょっとぉ〜〜『ゼロ』!あのプリン伯爵のKMFにあたしの紅蓮が負けるって云いたいわけ?」
紅蓮の開発者である、ラクシャータ=チャウラーであった。
そして、『ゼロ』はラクシャータのその一言に弱いと判明した。
―――このアマ…一体どこで聞いているんだか…
こんな生活を続けていれば、パソコン生活を送っていなくても肩凝りはするってものである。

 一方、スザクの方だけれど…
「あれぇ〜〜〜スザク君…風邪かい?」
ロイドがくしゃみを連発したスザクに尋ねて来た。
「僕、風邪引いた事無いんですけど…。と云うか、病気らしい病気した事無いんですが…」
スザクがさらっと答えた。
まぁ、ロイドが責任者を務めている特派でそのくらいの体力がなければ持たない事はかなり有名な話だ。
そのデヴァイサーともなれば、技術より何より、まず求められるのは、体力だ。
実際、これまで、ロイドの中で、技術的なものだけで云えば、ロイドのお眼鏡にかなったものがいなかった訳ではない。
で、何人かは特派に一時的に所属していたのだけれど…。
全員、過労で去って行ったのだ。
ブリタニア軍の本部からも
『そんな、実験段階のKMFの為に優秀なパイロットを片っ端から潰されては困る!』
とのお達しもあり、結局、中々パイロットが決まらなかったのだ。
で、ロイドのお眼鏡に叶い、そして、ぶりがニア軍の本部からも嫌な顔をされずに済む相手がお誂え向きにこのエリア11にいたと云うわけだ。
「じゃあ、誰か、スザク君の事噂しているのね…」
スザクの言葉にセシルがにこりと笑いながら云った。
尤も、スザクの場合、軍内部でも様々な形で噂が立てられていることだろう。
いい意味でも、悪い意味でも。
―――誰かが噂しているからってくしゃみをするなら、僕、四六時中くしゃみの嵐だよね…きっと…。
そんな事を思う。
思い当たる節があり過ぎて、最早、噂をされない理由を探す事の方が不可能だ。
軍内部でもそうだし、政庁でもそうだし、アッシュフォード学園でもそうだし、ぶっちゃけ、軍にいる時間を除けば、一番傍にいるルルーシュの傍にいると云うだけで、ナナリーの怨念のこもった咲世子との内緒話も噂話となるなら、それこそ、何かの発作の様にくしゃみをしているに違いない。
一応、スザク自身、自覚はあるのだ。
ルルーシュの最愛の妹からの『いつでも抹殺して差し上げましてよ?』というオーラは。
でも、そんな事でへこたれていて、エリア11の真ん中でルルーシュ愛を叫ぶ事なんてできない。
既に、アッシュフォード学園のど真ん中でさえ、そんなものを叫べば、生徒会室の中でさえ、さっきのこもった空気が充満するからやめてくれ…とあのミレイにさえ云われているのだ。
そう、スザクが転入して来る前からルルーシュの事を虎視眈々と狙っていた存在が生徒会室に既にいたのだ。
どうやったって、
―――負けられない戦いが…僕の目の前にはある…
こんな、訳の解らないくしゃみごときで負けてなどいられない。
と云うか、話しがそれていると云うツッコミが来そうだが…。
「まぁ、身体の不調じゃなければいいんだけどねぇ…。ホント、スザク君、頑丈で助かるよ…。実はね、スザク君が現れなければこのランスロット専用のアンドロイドを作らなくちゃいけないかなぁ…なんて思っていたものだからさぁ…」
さりげなく、とんでもない事を云うマッドサイエンティストがここには存在する。
そんなものを開発できるなら…ブリタニアは一瞬で世界征服も可能って事だ。
「なら、それを作ってくれませんか?でもって、ランスロットを量産すれば、テロリストは一網打尽に出来るでしょ?今のところ、五分五分な戦いを出来ているのはあの『黒の騎士団』の紅いKMFだけですし…」

 今のスザクの一言に…
ロイド以外の特派の職員達が顔色を青くしている。
ランスロットを量産して、そんなアンドロイドを量産されてしまっては…
―――俺達の寝る時間が更に減らされるってことか???お前一人でも充分休日返上で働いているってのに!というか、なんでブリタニアには労働基準法がないんだよ!こんなに働いているのに、全然貯金増えねぇし!
と、一斉に思ったのだ。
何となく、この言葉の内容を理解出来てしまうのは…何故だろうか?
「ス…スザク君?それって、基本的にメカニックのお仕事になるわよね?」
セシルが思わずスザクに尋ねるが…。
「ああ、僕、そう云う難しい事云われても解りませんし…」
さらっとスザクが答えた。
普段なら、セシルのその拳はロイドに対してのみ向けられるものなのだけれど。
しかし、今は少しだけ、状況が違う様である。
「それに、僕がこんな忙しいところで仕事していたら…ルル…じゃなくて、大切な友達のマッサージが出来なくなっちゃうし…。すっごい肩こりなんですよ…。パソコンの前に座ってばかりいるし、色んな意味で苦労を抱え込むのが趣味みたいに苦労性だし…。だから、ちゃんとマッサージしてあげる時間が欲しいんですよ…」
ここで、ここにいたスタッフ達は一斉に思った事がある。
多分、それは、ロイド以外全員が同じ事を思っただろう。
―――こいつを一発ぶん殴りたい…
そう思わせるほどスザクの顔はノロケにノロケを語っていた。
本人にそんな自覚があったとは思えないけれど。
ここにいた特派のスタッフ達には恐ろしい衝撃的なファクターとなってダメージを与えた。
そして、そのダメージの痛みが怒りに換わり、そして、スザクへの怒りのパワーへと変換されたのだ。
多分、これを不条理だと云われても、理解しなくていいと思えるほどに。
無自覚に敵を増やして行く男…枢木スザク…。
そして、敵が増えて行ってもそれを自覚する事もなく、表向きの人懐っこさとわんこ属性によって、このブリタニア軍の中で処世術を身につけて行っている。
これは…本当にいいのだろうか…?
そんな事を思ったらきっと負けだろう。
「ロイドさん、まだ、テストあるんですか?」
「あと、もう一つやりたい事があるんだけどねぇ…」
スザクが空気を読まずにロイドに尋ねる。
ロイドも自分に無関係だし、自分に向けられてのものであれば、基本的にスルーする人物だ。
「じゃあ、出来るだけ早く終わらせて下さい。僕、昨夜、その友人のマッサージをしていて、『これは毎日してあげなくちゃ…』って思っちゃって…。ただ、彼…すっごい色っぽい声を出すもんだから…」
この先…延々と話しを続けるスザクだったが…
更に怒りを買っている事は恐らく自覚などしていない。
ただ、愛するルルーシュにマッサージを施し、あわよくばあんな事やこんな事や、あまつさえそんな事にまで発展出来れば…と考えているのである。
そんな子供の煩悩と野望のオーラに飲み込まれつつあるこの特派…。
この先、スザクの完全支配下となる日も…近いかもしれない…と云う不安を抱くのは…大げさなのであろうか?
この先、スザクはルルーシュの肩こりのマッサージの為…と称して、様々な形で特派を変えていく様な…そんな懸念を抱いた者が…この特派にはいた。
そして、その懸念がエリア11に派遣されているブリタニア軍に広まるのも時間の問題で…。
その先は新たな戦いが始まるのである。

END


あとがきに代えて



本当に申し訳ありません!
ずっとグダグダやっていて…。
イベント暫くないや…と思った途端にすっかり緊張の糸が切れてしまいまして…。
そして、仕事も有難い事にそれなりにあるもので…
ホント、本業がこう云う仕事だったらよかったのに…と、うっかり身の程知らずな事を考えてしまいますが。
ただ、趣味だからここまで熱心に出来るんでしょうね…。

とりあえず、グダグダではありましたが…
相当和泉の脚色を強引に詰め込んだ話となったわけですが、完結…強引にさせた感の拭えない話しになりましたが。
普通に、貴腐人のお話しっぽくなっている気がします。
リクエストを下さった紫翠さま、いかがだったでしょうか?
と云うか、グダグダで済みません。
ホント、もう一度気合入れ直します!

なんとなく、気分転換のつもりでルルスザを漁ってみたのですが…(オンラインで)
まぁ、とりあえず、裏作品も表作品も読んでいたのですが…。
ある事に気づいて、愕然としてしまいました。
ルルスザ作品の名前の部分を『スザク』を『ルルーシュ』に、『ルルーシュ』を『スザク』に置き換えて読んでいる自分に気づいて…Σ( ̄◇ ̄;;;;
ホントに和泉は根っからのスザルラーなのだと…思わざるをえませんでした。
ルルスザ作品を書かれている作家さま方に本当に申し訳ない気持ちになったのは…多分、気の所為じゃないと思います。
ルルーシュとスザクに対して、その方の想いを詰め込んで書かれている筈の作品なのに…。
お話しの内容自体は、本当に、素敵な内容でした。
スザルル作品では読んだ事のない内容もあって…。
スザルルでもこう云う作品があればいいなぁ…と思うものもあって、いつか、自分もそんな作品が書けるようになればいいなぁ…と思いました。

新刊の書店さんでの取り扱いは来週半ばから始まります。
遅くなってしまいましたが…宜しくお願いします。


☆拍手のお返事


Rinkaさま:こんばんは、コメント有難う御座居ます。
お返事が遅れて申し訳ありません。

『Stiff neck』
これは書いていて、楽しいと思いつつも、結構しんどかった気がします。
というのも、更新状態を見ていると解ると思うのですが…とにかく、時間がなくって…。
やっぱり、弱小ブログなので、放置している…と云う風に受け止められる事が一番怖い事なので。
書いていて、ナナリー視点になったり、咲世子視点になったり、スザク視点になるのは楽しかったです。
これは書いている人間のある意味、特権なんですよね…。
和泉の場合、すぐにキャラが暴走するので。
というか、最近では暴走と云うよりも反逆に近いような気がしますが。

和泉の場合、ギャグ一辺倒になると、笑えない事も多いので、そう云ったものを盛り込んでごまかしている…というところでもあるのですが…(え?)
実際に、シャレにならない皮肉などが入っている事もあるので、ギャグがギャグになっていない事も多いです。
それに、その部分をつっこんでいる作品を見た事がなかったので。
シリアスでその部分を入れると重くなりすぎてしまうので、ギャグでさらりと流せるところで放り込んでみました。
確かに、ときどき、天才少年とか、天才少女とか言って、飛び級…という話があった事も事実ですし、今でもあるんですかね…。
スザクの場合、そうではないので、いきなり小学生から高校生の教科書を渡されて相当困ったと思うんですよね。
その部分だけでも。
古今東西、植民地の原住民は教育なんて施されていなかった訳ですから、ユーフェミアが強引に学校に行かせたと云うのは色々思うところもない訳じゃないんですよね。(勿論、彼女は善意でやっている訳ですが)
学校は確かに友達を作るとか、自分のやりたい事を見つけると云う役割も担っていますけれど、進路が決まっちゃっているスザクにとって、友達を作ると云う以外に学校の価値がない状態…。
でも、スザクはナンバーズだから、ブリタニア人しかいない学校ではかなりしんどいと云う事でもある訳ですよね。
ギャグにこの話を盛り込むのはタブーかとは思ったのですけれど。
ただ、皮肉にするなら少々悪質ではあると思うのですが…使えると思った訳です。

水流さま:こんばんは、コメント有難う御座居ます。
そして、ご無沙汰しております。
イベント前後でグダグダ状態となっています。
夏インテ…もし、スペースが取れていたら、ご一緒してやって下さい。


拍手のみの皆さんもありがとうございます。
とっても励みになります。
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こちらは、拍手ページと違って、10ページも読まなくちゃいけないなどと云う、無体な事はありませんので(爆)

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posted by 和泉綾 at 00:02| Comment(0) | TrackBack(0) | Novel Rebellion開設2周年

Novel Rebellion開設2周年記念リクエスト企画 19

Stiff neck Final





※設定:毎日パソコンに向かっているルルーシュを見ていて、スザクはふとある疑問を抱きます。
『ルルーシュって肩凝ってないのかな?』
と。
そこから始まる『萌え♪』展開は…?
一応、スザルルは両想いですが、まだまだ清い仲です。

このお話しは紫翠さまからのリクエストです。有難う御座いました。(頂いたリクエストの数の関係で順番が前後してしまった事をお詫びします)

 昨夜の出来事は…しっかりと、ナナリーに報告された。
そして、スザクはナナリーの怒りを一身に受けることとなる。
スザクがその程度でダメージを受けるのかどうか…と云う、問題が一つ、大きくのしかかっているのだけれど。
実際に、これまで、ナナリーの手によって排除されてきた老若男女は数知れないが…スザクはその中の例外中の例外だ。
かつては、今でこそ、『大好きなユフィ異母姉さま』と云う事になっているけれど、それは、ユーフェミアがナナリーの天敵にどうやら、恋してくれたらしく、非難ゴーゴーの中ユーフェミアの騎士にしてくれたと云うのに…。
相変わらず、スザクはめげずにルルーシュのところに通って来ているのだ。
そして、ナナリーの中で一つ勘違いがある。
今のところ、ナナリーの邪魔になっていないのだけれど。
と云うのも、ユーフェミアは何も、スザクに恋をしたとかいうわけではなく、元々は、日本に送られてからのルルーシュの事を一つ一つ聞き倒していという事だったのだけれど…。
そう、まだ、ブリタニアの王宮にいた頃はどちらがルルーシュのお嫁さんになるかという事で大喧嘩していた二人だ。
それこそ、ルルーシュの意思などそっちのけで…。
きっと、ルルーシュはその時に悟ったのだろう。
―――女を怒らせると怖い…
と。
まぁ、間違ってはいない。
実際問題、結果だけ見れば、父であり、皇帝であるシャルルはルルーシュ達の母であるマリアンヌに頭が上がらなかった事が判明している。
そして、自分の妹達を見て、そして、逞しい異母姉を見て…。
異母兄達を見ていると、どうやってもあの逞しい異母姉に敵うとは思えない。
ブリタニア王宮の中での力関係を、ルルーシュは10歳にも満たないうちに悟ったのだ。
それ以降、ルルーシュに対して好意を抱いてくれる女性がたくさん現れるけれど、いつの間にか消えて行った。(それはナナリーが全力で排除していたから)
そんな中、スザクと再会して…一緒にいるようになって、初めて恋人と云うカテゴリーの存在が出来たのだけれど。
ここで、『相手が男』と云う事にまず、疑問を抱くべきだったのではないか…と思うのだけれど。
それでも、ルルーシュにして見ると、ナナリーに完全に守られていた為に、あまりそう云う事を気にせずにすんだらしい。
それに、周囲の人間もルルーシュが気づいているかどうかは知らないが…
―――ルルーシュじゃ仕方ないよな…
と、納得してしまっている。
実際に、男に云いよられる事も意外と慣れっこっぽい。
それはそれで、自分の中で疑問を持つべきなのだろうけれど。
この際、死ぬまでこのままでいいだろうか…と考えてしまうのは何故だろうか?
そんなルルーシュだから…ナナリーの苦労が何となく垣間見える。
ここまで超鈍感でも、純潔を守られていたのは、ひとえにナナリーのお陰と云えるだろう。
しかし、そのナナリーが必死に守ってきたその、ルルーシュの純潔が奪われそうになっているのだ。
幼い頃から、ナナリーの中で最も危険な敵として見て来たその存在に…。
だからこそ、ユーフェミアがスザクを騎士としてくれた時には少しだけ肩の荷が下りるかと思いきや、まるで、『ふっ…世の中そんなに甘くはないんだよ…』とスザクがルルーシュに付き纏っている状態。
挙句の果てに…
―――お兄様の恋人だなんて…絶対に私が許しません!
とまぁ、更なる闘志を燃やし始めたのだった。

 そして、咲世子からの報告を聞いて、当然の様に、ナナリーは怒り心頭。
これまでのナナリーの努力が今、ぶち壊されそうになっているのだ。
これだけは、いくらナナリーがルルーシュに幸せになって欲しいと思っていても、これだけは許せないのだ。
相手がスザクでなければ、ちょっとだけ手加減して小姑としてしっかり監視させて頂くつもりでいた様ではあったけれど。
「咲世子さん…このままでは…スザクさんの手で、お兄様がお嫁にいけない身体にされてしまいます!お兄様にそんな事をしていいのは、この世で私だけと解っていての…所業なのでしょうか…スザクさんのあの、傍若無人は…」
完全に真黒なオーラを背負っているナナリーを見て、咲世子は、にこりと笑った。(この辺りは流石にルルーシュにさえ『咲世子は天然だから…』と云われてしまうキャラだけの事はある)
「ナナリーさま…そろそろユーフェミア皇女殿下からのお電話のお時間ですが…」
この状況で何を云い始めるのか…と、第三者なら思うだろう。
しかし、ここで、気付かなくてはならないのは…ナナリーはしっかりと生き別れとなっている異母姉と連絡を取っていたと云うその重大なる事実だ…。
「ユフィ異母姉さま…。そうですね…。ユフィ異母姉さまにご協力を仰ぎましょうか…。ユフィ異母姉さま…きっと、スザクさんに(私にとっては)素敵なお気持ちを抱いているのでしょうから…」
その低く笑った声に、普通なら青ざめそうなものなのだけれど、咲世子はやっぱり、その天然のキャラをフル活用して(当然本人に自覚は全くなし)その空気の中でにこにこと笑っている。
「でも…ナナリーさまがユーフェミア皇女殿下とこんな形で連絡を取っている事がルルーシュ様に知れたら…」
咲世子がそこまで云いかけた時…いくら天然の咲世子でも何かを察知する気配を感じた。
それは、様々な形で忍者…じゃなくて、SPとしての修業を積んで来た咲世子でさえも何か、身の危険を感じる様な…。
そんな真黒と云うか、どす黒いと云うか、ドロドロしたオーラだ。
「咲世子さん?まさか、お兄様にチク…じゃなくて、告げ口なんてしませんよね?」
にこりと、真黒なオーラを背負ってナナリーが尋ねている。
そのオーラに、流石の咲世子も背中に冷や汗が流れて行く。
「も…勿論です…ナナリーさま…」
―――スーさんたら…この方と毎日本気のバトルを繰り広げていらっしゃるのかしら…?
そう思いながら、ナナリーの前に電話を運んだ。
多分、こんな色眼鏡をかけた状態で見てなければ確実にただのマッサージだった筈。
マッサージと云うのはやり慣れていない場合、感覚的に妙な感じを受けるものだ。
肩凝りの場合、力の入れ具合で本当に痛みを感じるし、足のマッサージなどはくすぐったいとか、内股や足の付け根などをマッサージされた場合、妙な感じを受けることだってあるのだ。(経験者は語る。和泉は足のマッサージに関しては絶対に他人にやられたくない人です。←昔からちょっと触られただけでくすぐったくて耐えられなかった人なので。機械ならいいけど。)

 さて、こんな話題で盛り上がっている人物達がいるとはつゆ知らず、ルルーシュはとげとげ仮面を被って、スザクはランスロットの起動実験している中、盛大にくしゃみをしていた。
「あの…『ゼロ』…風邪でも引かれたのですか?」
『ゼロ』の親衛隊長であるカレンがくしゃみを繰り返している『ゼロ』に対して心配そうに声をかけて来る。
―――俺の健康管理は完璧(のはず)だ!断じて風邪など…
そんな事を思いつつも、そんな事を口に出して云う訳にも行かず…。
『何でもない…。花粉症だ…』
「あの…今6月ですよ?」
うっかり、すっ呆けた事を云ってしまった『ゼロ』にカレンはすかさずツッコミを入れる。
基本的に、花粉症と云うのは晴れた日に被害を被る事が多く、梅雨時と云うのは、自覚症状は目立たない。
それに、自覚症状の中ではくしゃみと云うのはあまり聞かない。
一応、wikiさんをめくってみると…

感冒
花粉症は、水のようなサラサラした鼻水と目のかゆみが特徴的であり、感染症である鼻風邪との鑑別点になる。鼻風邪であれば、一般的には目のかゆみはなく、数日のうちに鼻水は粘性の高いものになり、さらに黄色や緑など色のついたものとなる。また、屋外のほうが花粉が多いため、おのずと症状も強くなるという点も風邪との違いである。
他のアレルギー
非常に似通った症状ではあるが、屋内のほうが症状が強い場合、ほこりなどのハウスダスト等によるアレルギー性鼻炎を疑ったほうがよい(一般に「アレルギー性鼻炎」と言った場合、こうしたハウスダスト等による通年のアレルギー性鼻炎のことを指すことが多い)。外部リンク:アレルギー性鼻炎の分類と判断基準も参照のこと。
スギ花粉飛散の前から症状を呈する患者も多くいるが、実際にごく微量の花粉に反応している場合だけでなく、季節特有の乾燥や冷気によるものもあると考えられている。患者は自己診断に頼らず、専門家の診断を受けることが望ましい。

と云う事だそうだ。
その辺りのツッコミを入れそうなディートハルトがいなかった事が幸いし、ここではとりあえず、カレンの中途半端なツッコミで終わったけれど。
まぁ、この辺りはこう云った話しの場合、誰かに噂話をされているとそういたくしゃみが出て来ると云う設定はお約束だ。
『体調は万全だ…。心配するな…』
その一言でカレンが納得するかどうかは解らないものの…。
とりあえず、ごり押しでこの話を終わらせる事にした。
と云うか、今のところ、それどころではないのだ。
『そんなことよりカレン!あの白兜を倒す為の策だが…』
『ゼロ』のその一言には、やはり、カレンは弱いようだ。
「あ…ハイ…」
『もはや、1対1では…』
『ゼロ』がそこまで云いかけた時、どこでその話しを聞いていたか解らないが…突然ある人物が飛び込んできた。
「ちょっとぉ〜〜『ゼロ』!あのプリン伯爵のKMFにあたしの紅蓮が負けるって云いたいわけ?」
紅蓮の開発者である、ラクシャータ=チャウラーであった。
そして、『ゼロ』はラクシャータのその一言に弱いと判明した。
―――このアマ…一体どこで聞いているんだか…
こんな生活を続けていれば、パソコン生活を送っていなくても肩凝りはするってものである。

 一方、スザクの方だけれど…
「あれぇ〜〜〜スザク君…風邪かい?」
ロイドがくしゃみを連発したスザクに尋ねて来た。
「僕、風邪引いた事無いんですけど…。と云うか、病気らしい病気した事無いんですが…」
スザクがさらっと答えた。
まぁ、ロイドが責任者を務めている特派でそのくらいの体力がなければ持たない事はかなり有名な話だ。
そのデヴァイサーともなれば、技術より何より、まず求められるのは、体力だ。
実際、これまで、ロイドの中で、技術的なものだけで云えば、ロイドのお眼鏡にかなったものがいなかった訳ではない。
で、何人かは特派に一時的に所属していたのだけれど…。
全員、過労で去って行ったのだ。
ブリタニア軍の本部からも
『そんな、実験段階のKMFの為に優秀なパイロットを片っ端から潰されては困る!』
とのお達しもあり、結局、中々パイロットが決まらなかったのだ。
で、ロイドのお眼鏡に叶い、そして、ぶりがニア軍の本部からも嫌な顔をされずに済む相手がお誂え向きにこのエリア11にいたと云うわけだ。
「じゃあ、誰か、スザク君の事噂しているのね…」
スザクの言葉にセシルがにこりと笑いながら云った。
尤も、スザクの場合、軍内部でも様々な形で噂が立てられていることだろう。
いい意味でも、悪い意味でも。
―――誰かが噂しているからってくしゃみをするなら、僕、四六時中くしゃみの嵐だよね…きっと…。
そんな事を思う。
思い当たる節があり過ぎて、最早、噂をされない理由を探す事の方が不可能だ。
軍内部でもそうだし、政庁でもそうだし、アッシュフォード学園でもそうだし、ぶっちゃけ、軍にいる時間を除けば、一番傍にいるルルーシュの傍にいると云うだけで、ナナリーの怨念のこもった咲世子との内緒話も噂話となるなら、それこそ、何かの発作の様にくしゃみをしているに違いない。
一応、スザク自身、自覚はあるのだ。
ルルーシュの最愛の妹からの『いつでも抹殺して差し上げましてよ?』というオーラは。
でも、そんな事でへこたれていて、エリア11の真ん中でルルーシュ愛を叫ぶ事なんてできない。
既に、アッシュフォード学園のど真ん中でさえ、そんなものを叫べば、生徒会室の中でさえ、さっきのこもった空気が充満するからやめてくれ…とあのミレイにさえ云われているのだ。
そう、スザクが転入して来る前からルルーシュの事を虎視眈々と狙っていた存在が生徒会室に既にいたのだ。
どうやったって、
―――負けられない戦いが…僕の目の前にはある…
こんな、訳の解らないくしゃみごときで負けてなどいられない。
と云うか、話しがそれていると云うツッコミが来そうだが…。
「まぁ、身体の不調じゃなければいいんだけどねぇ…。ホント、スザク君、頑丈で助かるよ…。実はね、スザク君が現れなければこのランスロット専用のアンドロイドを作らなくちゃいけないかなぁ…なんて思っていたものだからさぁ…」
さりげなく、とんでもない事を云うマッドサイエンティストがここには存在する。
そんなものを開発できるなら…ブリタニアは一瞬で世界征服も可能って事だ。
「なら、それを作ってくれませんか?でもって、ランスロットを量産すれば、テロリストは一網打尽に出来るでしょ?今のところ、五分五分な戦いを出来ているのはあの『黒の騎士団』の紅いKMFだけですし…」

 今のスザクの一言に…
ロイド以外の特派の職員達が顔色を青くしている。
ランスロットを量産して、そんなアンドロイドを量産されてしまっては…
―――俺達の寝る時間が更に減らされるってことか???お前一人でも充分休日返上で働いているってのに!というか、なんでブリタニアには労働基準法がないんだよ!こんなに働いているのに、全然貯金増えねぇし!
と、一斉に思ったのだ。
何となく、この言葉の内容を理解出来てしまうのは…何故だろうか?
「ス…スザク君?それって、基本的にメカニックのお仕事になるわよね?」
セシルが思わずスザクに尋ねるが…。
「ああ、僕、そう云う難しい事云われても解りませんし…」
さらっとスザクが答えた。
普段なら、セシルのその拳はロイドに対してのみ向けられるものなのだけれど。
しかし、今は少しだけ、状況が違う様である。
「それに、僕がこんな忙しいところで仕事していたら…ルル…じゃなくて、大切な友達のマッサージが出来なくなっちゃうし…。すっごい肩こりなんですよ…。パソコンの前に座ってばかりいるし、色んな意味で苦労を抱え込むのが趣味みたいに苦労性だし…。だから、ちゃんとマッサージしてあげる時間が欲しいんですよ…」
ここで、ここにいたスタッフ達は一斉に思った事がある。
多分、それは、ロイド以外全員が同じ事を思っただろう。
―――こいつを一発ぶん殴りたい…
そう思わせるほどスザクの顔はノロケにノロケを語っていた。
本人にそんな自覚があったとは思えないけれど。
ここにいた特派のスタッフ達には恐ろしい衝撃的なファクターとなってダメージを与えた。
そして、そのダメージの痛みが怒りに換わり、そして、スザクへの怒りのパワーへと変換されたのだ。
多分、これを不条理だと云われても、理解しなくていいと思えるほどに。
無自覚に敵を増やして行く男…枢木スザク…。
そして、敵が増えて行ってもそれを自覚する事もなく、表向きの人懐っこさとわんこ属性によって、このブリタニア軍の中で処世術を身につけて行っている。
これは…本当にいいのだろうか…?
そんな事を思ったらきっと負けだろう。
「ロイドさん、まだ、テストあるんですか?」
「あと、もう一つやりたい事があるんだけどねぇ…」
スザクが空気を読まずにロイドに尋ねる。
ロイドも自分に無関係だし、自分に向けられてのものであれば、基本的にスルーする人物だ。
「じゃあ、出来るだけ早く終わらせて下さい。僕、昨夜、その友人のマッサージをしていて、『これは毎日してあげなくちゃ…』って思っちゃって…。ただ、彼…すっごい色っぽい声を出すもんだから…」
この先…延々と話しを続けるスザクだったが…
更に怒りを買っている事は恐らく自覚などしていない。
ただ、愛するルルーシュにマッサージを施し、あわよくばあんな事やこんな事や、あまつさえそんな事にまで発展出来れば…と考えているのである。
そんな子供の煩悩と野望のオーラに飲み込まれつつあるこの特派…。
この先、スザクの完全支配下となる日も…近いかもしれない…と云う不安を抱くのは…大げさなのであろうか?
この先、スザクはルルーシュの肩こりのマッサージの為…と称して、様々な形で特派を変えていく様な…そんな懸念を抱いた者が…この特派にはいた。
そして、その懸念がエリア11に派遣されているブリタニア軍に広まるのも時間の問題で…。
その先は新たな戦いが始まるのである。

END


あとがきに代えて



本当に申し訳ありません!
ずっとグダグダやっていて…。
イベント暫くないや…と思った途端にすっかり緊張の糸が切れてしまいまして…。
そして、仕事も有難い事にそれなりにあるもので…
ホント、本業がこう云う仕事だったらよかったのに…と、うっかり身の程知らずな事を考えてしまいますが。
ただ、趣味だからここまで熱心に出来るんでしょうね…。

とりあえず、グダグダではありましたが…
相当和泉の脚色を強引に詰め込んだ話となったわけですが、完結…強引にさせた感の拭えない話しになりましたが。
普通に、貴腐人のお話しっぽくなっている気がします。
リクエストを下さった紫翠さま、いかがだったでしょうか?
と云うか、グダグダで済みません。
ホント、もう一度気合入れ直します!

なんとなく、気分転換のつもりでルルスザを漁ってみたのですが…(オンラインで)
まぁ、とりあえず、裏作品も表作品も読んでいたのですが…。
ある事に気づいて、愕然としてしまいました。
ルルスザ作品の名前の部分を『スザク』を『ルルーシュ』に、『ルルーシュ』を『スザク』に置き換えて読んでいる自分に気づいて…Σ( ̄◇ ̄;;;;
ホントに和泉は根っからのスザルラーなのだと…思わざるをえませんでした。
ルルスザ作品を書かれている作家さま方に本当に申し訳ない気持ちになったのは…多分、気の所為じゃないと思います。
ルルーシュとスザクに対して、その方の想いを詰め込んで書かれている筈の作品なのに…。
お話しの内容自体は、本当に、素敵な内容でした。
スザルル作品では読んだ事のない内容もあって…。
スザルルでもこう云う作品があればいいなぁ…と思うものもあって、いつか、自分もそんな作品が書けるようになればいいなぁ…と思いました。

新刊の書店さんでの取り扱いは来週半ばから始まります。
遅くなってしまいましたが…宜しくお願いします。


☆拍手のお返事


Rinkaさま:こんばんは、コメント有難う御座居ます。
お返事が遅れて申し訳ありません。

『Stiff neck』
これは書いていて、楽しいと思いつつも、結構しんどかった気がします。
というのも、更新状態を見ていると解ると思うのですが…とにかく、時間がなくって…。
やっぱり、弱小ブログなので、放置している…と云う風に受け止められる事が一番怖い事なので。
書いていて、ナナリー視点になったり、咲世子視点になったり、スザク視点になるのは楽しかったです。
これは書いている人間のある意味、特権なんですよね…。
和泉の場合、すぐにキャラが暴走するので。
というか、最近では暴走と云うよりも反逆に近いような気がしますが。

和泉の場合、ギャグ一辺倒になると、笑えない事も多いので、そう云ったものを盛り込んでごまかしている…というところでもあるのですが…(え?)
実際に、シャレにならない皮肉などが入っている事もあるので、ギャグがギャグになっていない事も多いです。
それに、その部分をつっこんでいる作品を見た事がなかったので。
シリアスでその部分を入れると重くなりすぎてしまうので、ギャグでさらりと流せるところで放り込んでみました。
確かに、ときどき、天才少年とか、天才少女とか言って、飛び級…という話があった事も事実ですし、今でもあるんですかね…。
スザクの場合、そうではないので、いきなり小学生から高校生の教科書を渡されて相当困ったと思うんですよね。
その部分だけでも。
古今東西、植民地の原住民は教育なんて施されていなかった訳ですから、ユーフェミアが強引に学校に行かせたと云うのは色々思うところもない訳じゃないんですよね。(勿論、彼女は善意でやっている訳ですが)
学校は確かに友達を作るとか、自分のやりたい事を見つけると云う役割も担っていますけれど、進路が決まっちゃっているスザクにとって、友達を作ると云う以外に学校の価値がない状態…。
でも、スザクはナンバーズだから、ブリタニア人しかいない学校ではかなりしんどいと云う事でもある訳ですよね。
ギャグにこの話を盛り込むのはタブーかとは思ったのですけれど。
ただ、皮肉にするなら少々悪質ではあると思うのですが…使えると思った訳です。

水流さま:こんばんは、コメント有難う御座居ます。
そして、ご無沙汰しております。
イベント前後でグダグダ状態となっています。
夏インテ…もし、スペースが取れていたら、ご一緒してやって下さい。


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posted by 和泉綾 at 00:02| Comment(0) | TrackBack(0) | Novel Rebellion開設2周年

2010年06月11日

Novel Rebellion開設2周年記念リクエスト企画 18

Stiff neck 03



※設定:毎日パソコンに向かっているルルーシュを見ていて、スザクはふとある疑問を抱きます。
『ルルーシュって肩凝ってないのかな?』
と。
そこから始まる『萌え♪』展開は…?
一応、スザルルは両想いですが、まだまだ清い仲です。

このお話しは紫翠さまからのリクエストです。有難う御座いました。(頂いたリクエストの数の関係で順番が前後してしまった事をお詫びします)

 部屋の中をどこかから伺っている人物が一人いた。
それは…
多分、ナナリーのお願いと云う大義名分の下、『家政婦は見た!』的にその職権を乱用している人物だ。
「まぁ…ルルーシュ様とスザク様ったら、こんな夜更けに、お二人でお勉強だなんて…。どう考えたって、ルルーシュ様のお部屋で貴腐人と呼ばれる女性の皆々様がきっと、期待される様な事をされるに決まっているのです…。そう…私のこんな…メイドとしての腕は認められ、SPだと何度云っても、忍者扱い…。そして、これぞと云える様な殿方がいらしても相手がルルーシュ様では、この私の力をもってしても、きっと、命の危険に晒される様なお相手ばかり…。でも、ルルーシュ様をお慕いする貴腐人として少しくらい、生活に潤いを頂いても、バチは当たりませんよね?そうですよね?」
と、中を覗き見しながら訳の解らない独り言をぶつぶつと呟いている。
そう、本当は何度もSPと云っていても、忍者扱いしかして貰えない…しかし、その彼女の動きを見て、SP認定は流石に難しいだろうと思えてしまう彼女の名前は篠崎咲世子。
どう云う訳か、かの戦争の後、アッシュフォード家に仕えて、メイド兼SPを務めており、現在、ルルーシュとナナリーの専任メイド兼護衛係りだ。
彼女だって、いくらルルーシュにさえ『咲世子は天然だから』と云われようが、『完全無欠のメイド』と云われようが、天然である前に、メイドである前に、一人の女性だ。
人並みに潤いは欲しいし、『萌え♪』には敏感に反応するのだ。
正直、本当なら、『萌え♪』を漁る為にこの能力を使いたい…と思ってしまう事もある。(世のルルーシュフリークなら誰でもそう思うだろう。何せ、彼女の変装能力は人外の力を発揮している。その力を使って色んな事(←!)をしてみたいと思うのは乙女心だろう)
ただ、咲世子の場合、欲求不満はあまり溜まっていないように思えるが…。
確かに、ルルーシュの洗濯物を洗濯するのは基本的にはメイドである彼女の仕事。
ルルーシュの部屋の掃除をするのも彼女の仕事。
最近では、自分ですべてをこなしており、その楽しみもどんどん減って行っているのだけれど。
その代わりに、リアルにBL妄想できる環境が出来た。
枢木スザクのお陰で…。
但し、咲世子が許しているのはある程度の妄想が出来るネタであり、本格的にルルーシュを襲おうものなら、彼女は全力でルルーシュの部屋のドアを蹴破り、ルルーシュを奪還しに行くだろう。
(名目上)ナナリーの為に。
(咲世子の目には)体力大魔王なスザクがか弱い姫君であるルルーシュに襲いかかって行く様に見えているのかもしれない。
現在、ルルーシュの部屋の中ではそんな光景が繰り広げられているのだ。
正直、まだまだ、素敵な恋も出会いもしてみたいお年頃の咲世子にとって、そんなチャンスに恵まれないのであれば、妄想の世界に飛び込んで行く事を覚える。
そして、今、目の前でその妄想のネタが繰り広げられようとしているのだ。
咲世子の胸は高まる。
『黒の騎士団』でも咲世子好みの男はおらず、相手は未成年と解っていながらも、行けない妄想をしなければならない程…今の咲世子は乾き切っていたのである。

 まぁ、そんなどうでもいい説明はどうでもいいとして、どうやら、勉強も終わって、なんだか、進展がある様である。
と云うか、ここまで来て云っておきたい事が一つ…。
『咲世子がどこから覗いているか?』
という質問に対しては、
『これは…企業秘密です♪』
とだけ答えておこう。
下手にルルーシュにばれてしまうとそれこそ、妄想ネタが拾えなくなるからである。(え?)
ルルーシュがうつ伏せにされて、ベッドに押し倒されている。
下手にここに飛び込んで行って、ここで覗き見していた事がばれると厄介である。
電車の痴漢などもそうだけれど、被害者の自己申告か、現行犯逮捕しかない。
ルルーシュがこれで、咲世子かナナリーに被害届でも出せば即刻スザクを追い出しにかかるだろうけれど。
ルルーシュの方は容認している様子…。
正直、ルルーシュの背中に乗っかっているスザクに対してメラメラと燃える嫉妬心…じゃなくて、この理不尽な行動に咲世子は怒りの炎を燃え上がらせているが。
でも、何の証拠もなく、ルルーシュ自身、誰かに助けを求める声を出しているわけでもない。
ここで、咲世子の中で、ルルーシュがどんな形であれ、誰かに助けを求めると云う事など決してしないと云うその辺りのルルーシュの性格把握はどうなっているかと云えば…。
多分、その天然のお陰で完全に咲世子カスタムになっている。
勝手に人の性格をその人物の好きなようにカスタムされても困るのだけれど、咲世子の場合、それを無自覚でやってのけるのだ。
だから、ルルーシュも咲世子のその性質に関しては完全に諦めが入っている。
ルルーシュがツッコミを入れなければ、誰もツッコミを入れる人物がいなくなるので、咲世子の中で自覚がない以上、その咲世子カスタムな咲世子の中の人物はどんどん増えて行く事になる。
しかし、一応、普通の生活を送る上では支障はない様である。
だから、それはそれで良しと云う事にしておこう。(え?)
それに、咲世子が見ているルルーシュの部屋の中の様子も気になると云うもの。
どちらかと云うと、咲世子の天然キャラ分析よりも、そちらの方が重要だろう。
しかし、一応、こうした形で覗き見をしている事を正当化させる為には咲世子の場合、少々説明が必要だ。
咲世子だからこそ許される事が結構あるのだ。
ここで一つ注意を促しておこう。
これは、咲世子だからこそ許される事であり、実際の覗きなどしたら変態扱いでは済まない。
普通に犯罪になる。
やるなら見つからないように…じゃなくて、ご自身の脳内ワールドでやる事をお勧めします。(をい!)
そんな事はともかく、流石に咲世子もこんな風に覗きをしているなんてばれたら、ルルーシュに怒られてしまうだろう。
と云うか、咲世子の天然は時々、スザクのソレに通じるものがある様に見えるのは…気のせいだろうか?
まぁ、一応気のせいと云う事にしておこう。
でないと、色んな意味で、変な論争が始まってしまいそうである。
考えてみれば、この作品、ボケとツッコミが…結構はっきりしている様に見える。
ツッコミまくって相手を打ちのめす人と、ボケ倒して相手を打ちのめす人…
そして、どちらの属性であるか、自覚のある人、ない人、勘違いしている人。
こうして見ると人間関係も結構楽しいものである。

 またも余計なことで尺を取ってしまったが…
中の様子はと云えば…
どうやら、スザクがルルーシュの身体のマッサージをしているようだ。
ここで咲世子はうっかり思ってしまう。
否、他にもそう思う人が7人くらいいてもいい筈だ!
―――なんて羨ましい!
と…。
スザクのバカ力ではルルーシュが壊れちゃう!
やるなら、私が!と云う人は多分、3人くらいいてもいい筈だ!
しかし、中の様子を見ていると…
ルルーシュを壊してしまう様なマッサージはしていないようだ。
流石にこりまくっている肩はちょっと力を入れて押すだけで相当痛い。
これは本当に痛い。(←経験者は…と云うか、現在進行形の人間は語る!)
それでも、だんだん慣れていくると、『痛気持ちいい』と云う奴に変化して行くのだ。
本当に頭痛がくるほど肩凝りになっている人の肩は、びっくりするほど筋肉が緊張状態となっている。
そして、押してみると…かちこちになっている。
「ルルーシュ…ホントに凄く凝っているね…。なんでここまで我慢していたのさ…」
スザクが不思議そうに尋ねている。
スザクの先ほどの言葉を思い出してみると、軍でまだ、一等兵と云う一兵卒だった頃には先輩軍人の肩をもんでいたらしい。(ここでは年若い、しかも占領地の人間で被差別階級のスザクがどうやって一等兵になったかという言及は敢えてしない。すると話しが長くなるから。基本、入隊した段階の階級は二等兵の筈なのだが。流石に野戦任官と云う事ではないだろうが。)
「痛い!もういいから放せ!」
スザクに肩をマッサージされて、硬直している筋肉をほぐされていく過程の中で、結構痛い状態にあるようだ。
しかし、放っておいたって、痛みはあるわけで。
酷くなると本当に肩が上がらなくなったり、頭痛を伴ったりするのだ。(←肩こり頭痛は結構辛い)
「ダメだよ…。じゃあ、もう少し力を抜くね…。ルルーシュもリラックスしてよ…。でないと、マッサージの時、痛くなっちゃうよ?元々、マッサージってリラックスして受けるものなんだしさ…」
スザクがルルーシュの言葉を結構あっさり却下して、先ほどより優しくルルーシュの肩をマッサージする。
マッサージと云うよりも、少し強めに撫でている…と云った感じか…。
あまり力を入れるとルルーシュが痛がるので、スザクは押したり、揉んだりするのをやめて、ルルーシュの肩をさする様に手を滑らせているのだ。
「これなら、それほど痛くないでしょ?」
「あ…ああ…。そのくらいなら…」
スザクの言葉にルルーシュはそんな風に答えて、少しだけ身体の力を抜いた。
それに気をよくしたスザクは少しだけ手の動きを速めた。
ルルーシュがこんな無防備でリラックスしているなんて…今度はスザクの方が緊張して来る。
―――頑張れ!僕!ここでルルーシュにあんな事とか、こんな事とか、あまつさえそんな事をしたら…。どっかから感じる視線にルルーシュのあられもない姿を見せる事になってしまう!今は、その相手に僕の優越感が伝わればいいんだ!だから、頑張れ!僕!
とまぁ、ルルーシュはきっと、スザクの本当の善意と受け取っているようだけれど、ルルーシュを取り巻いている人物達はそれこそ、過酷な戦いを繰り広げている様である。

 あからさまにスザクの『いいだろ!へへん!』と云ったオーラがよく解ってしまう。
解りたくなくても、解ってしまう。
明らかにこれは咲世子のその存在をロックしていると云う事だ。
「ふっ…流石スザク様です。でも、スザク様のあの緊張している状態…。随分頑張っておられる事…」
ここで、『咲世子さん、どんどんキャラが壊れて行っていますよ?』と指摘したら…その咲世子の忍者…じゃなくて、SPとしての能力で抹殺されるだろうか?
まぁ、人間とは基本的に自分の本能と煩悩に従順なものである。
既に咲世子自身、ナナリーからのお達しだと云う事もすっかり忘れている様子だ。
と云うか、既にナナリーの為という言葉さえ出て来なくなって来ているのだ。
中の様子は…段々おかしな方向…へ、咲世子にとっては、素敵な『萌え♪』ネタが繰り広げられようとしている。
「よくこれで平気でいられたね」
「あっ・・・・・・・くぁ・・・」
「ちょっと力抜いててね」
「そ、んな・・・こと言・・われ、ても・・・」
十数分後
「ス、ザク…もぉ、よせ…」
「だめだよ、まだ…」
「何だか…痺れてきたんだ」(血行がよくなったせい)
「あぁ、ならもうちょっとかな」
「ん…はぁ…」
「ルルーシュ…どうしたの?」
「スザク…お前…こーゆー事、上手い…んだな…」
「え?(ちょっと上ずり気味) そお?」
「あぁ…」
この会話だけ聞いていたら…『お前ら何をやっている!(怒)』となる展開となっていた。
ぶっちゃけ、覗き見している咲世子も怒り心頭だけれど、目が離せなくなっている様子…。
ここにナナリーがいたら、その場で殴り込みをかけていたことだろう…。
『スザクさん!スザクさんは…私の敵です!』
と、宣戦布告をかけ、目の前にルルーシュがいる事さえも忘れていることだろう。
既にナナリーが『お兄様の初めて(←何の事だかは各自の御判断にお任せ致します)は全て、私のものなのです!』と豪語しているのだから…。
その事実を知らないのはルルーシュだけなのだけれど。
既に、アッシュフォード学園では有名な話しとなっている。
だからこそ、ルルーシュに近付こうとする不届き者はスザクだけとなったわけだけれど。
しかし、そのスザクが、ナナリーにとって最も警戒すべき相手…。
子供の頃だって、ルルーシュは仲のいい二人の姿に目を細めていたけれど。
笑顔での厭味と牽制の応酬をしていたと云う事実をルルーシュは知らない。
枢木家のお手伝いさん達は、ルルーシュが何でもやってくれて感謝していた。
と云うのも、スザクとナナリーの火花を散らしている子供とは思えないその空間に耐えられなかったからだ。
どう見ても10歳に満たない子供達の雰囲気ではなく、明らかに百戦錬磨を切りぬけて来た大人同士の我の張り合いに見えたからだ。
そんなところに放り込まれたら、『命がいくつあったって足りない…』そんな風に思えたのは、ルルーシュがお手伝いさん達を突っぱねて間もなくの頃だった。
咲世子としては、ナナリーの気持ちも解るが、現在のこの『萌え♪』をぶち壊して貰うわけにもいかない。
「こう云うのを、あちらを立てればこちらが立たず…と云うのかしら…」
否、ちょっと違うだろ…

 さて、部屋の中の方は、だんだん怪しげな方向へと突っ走って行く。
「ねぇ、ルルーシュ、肩がこんなに凝っているんだから、他のところも多分、凄く付かれている状態だと思うよ?」
「は?」
「だって、肩がこんなだと、きっと、腰なんかも辛いんじゃないの?こう云うのって、無理し過ぎると全身に来ちゃうし…(ルルーシュのふくらはぎを弄りつつ)ほら、ここも、結構堅くなっちゃってる…」
「あ…こら!やめろ!別に…平気だから…」
「ちっとも平気じゃないでしょ?遠慮しなくても、いつも勉強教えて貰っているお礼…(表向きには)」
「そ…そんなのはいらないから…。ちょっと、離れてくれないか?」
「何?そんなに嫌なの?」
「い…嫌とかじゃなくてだな…。その…」
「どうしたの?ルルーシュ…。なんだか、顔が赤くなってるけど…(ここで心の中の黒スザクが悶えていて…自分も追い詰められている事に気が付き始める)」
「べ…別に…赤くなんて…」
「自分の顔…見えないでしょ?」
「でも!赤くなんてなってない!」
「じゃあ、鏡…持ってこようか?耳まで真っ赤だけど…」
ここでルルーシュはある事に気が付いた。
と云うか、今更のようにも見えるけれど。
―――こいつ…俺をこんな形で辱めて何が楽しい!?
スザク自身、辱める事が目的ではなく、ルルーシュのその『萌え♪』な表情が欲しいだけである。
ただ、あんまりやり過ぎると後に自分が悔やむ事になるわけだけれど。
どの道、こうなると、殆ど我慢大会だ。
ルルーシュのプライドを考えた時、絶対に先に根をあげないだろう。
ノックアウトしない限り…。
この場でのノックアウトとは、別に叩きのめす訳じゃないが。
と云うか、スザク自身、これは諸刃の剣だ。
ルルーシュを追い詰めれば追い詰める程、スザクもしんどくなって行くのだ。
この辺りはどうするべきなのか…
覗いている咲世子としては、この先、どこまで許すべきか考える。
最後までやらせる訳にはいかない。
でも、ルルーシュのあの綺麗な肌を見てみたい!と思うのは…まぁ、理解出来るだろう。
と云うか、ここまでスザクは良く頑張っていると思う。
そこだけは認めてやるが…
またも、部屋の中から声が聞こえてくる。
「僕、マッサージしているだけなのに…」
「お前が…そんな…足の付け根なんて…触るから…」
「え?ここって、結構効くんだよ?ひょっとして、何か、変な事でも考えてた?」
「!そんな訳はない!とにかく…離れろ!」
「だって、ここまでやって中途半端にやめたらまた辛いよ?」
「そんなことどうでもいいから!」
「よくないでしょ?さっきまで肩とか、カチカチだったんだから…。あ、そうだ、これから僕が来られる限り、ここに来て、マッサージしてあげるよ…」
「い…いらない!マッサージはもういい!」
「ええ〜〜〜なんでぇ…?」
こんな下らない会話が延々と続き…
咲世子はどうやってナナリーに報告しようかと…真剣に悩むのだった。

To Be Continued


あとがきに代えて



ここのところ、更新がグダグダで申し訳ありません。
やっと、イベントの荷物の発送が終わったので、落ち着くと思います。
あと、『Amethyst Eyes』の方のミスをご指摘くださった方、有難う御座居ます。
イベント終わったらすぐに直しておきます。
と云うか、ここまで気づいていなかった和泉って一体…ヾ(▽^;)ゞうへへ
本当に有難う御座居ました。
遅くなりましたが、拍手のお返事で〆たいと思います。


☆拍手のお返事


Rinkaさま:こんばんは、コメント有難う御座居ます。

『Be Together』
これは書いている側も凄く勉強させられ、考えさせられる作品でした。
書いている途中でしんどいと思いましたけれど、書きあがった時にはなんだか、凄く達成感がありました。
もっと、盛り込みたい事もあったのですが…
和泉自身、とにかく、あの場面を見たときに思った事を随分この作品に盛り込んだと思います。
『SEED』のピンクのお姫様の様なポジションなのかな…と思ったら、ただの世間知らずのお姫様で…で、かなり夢想かな騎士を選んでしまって…という印象が強かったので。
この話は和泉がこうなってくれたらよかったのに…と思った事を随分詰め込みました。
まだ、書き足りない部分があったのは和泉の文章の書き方がまだ未熟だったと云う事で…。

ルルーシュだって、スザクがアッシュフォード学園に来た時点で、自分たちの身の危険、そして、自分たちをかくまっているアッシュフォード家への影響を考えなかった訳がないんです。
スザクだって、政治家の息子であるなら、その辺りの事を見極める何かを持っていて欲しかったと思います。
いくら子供の頃の事だと云っても、ルルーシュとナナリーが置かれていた立場を間近で見てきていたはずなのですから…
そう云った部分も含めて、『スザクにこうあって欲しかった』という事はかなり詰め込んでいますね。
その影響でユーフェミアが動いてくれた感じです。

ホントに御丁寧な感想を有難う御座居ます。
あんなふうに云って頂けて、書き手冥利に尽きます。
これからも、頑張って書いていこうと思います。
また、読んだ感想を教えて頂ければ幸いです。


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posted by 和泉綾 at 00:29| Comment(0) | TrackBack(0) | Novel Rebellion開設2周年

Novel Rebellion開設2周年記念リクエスト企画 18

Stiff neck 03



※設定:毎日パソコンに向かっているルルーシュを見ていて、スザクはふとある疑問を抱きます。
『ルルーシュって肩凝ってないのかな?』
と。
そこから始まる『萌え♪』展開は…?
一応、スザルルは両想いですが、まだまだ清い仲です。

このお話しは紫翠さまからのリクエストです。有難う御座いました。(頂いたリクエストの数の関係で順番が前後してしまった事をお詫びします)

 部屋の中をどこかから伺っている人物が一人いた。
それは…
多分、ナナリーのお願いと云う大義名分の下、『家政婦は見た!』的にその職権を乱用している人物だ。
「まぁ…ルルーシュ様とスザク様ったら、こんな夜更けに、お二人でお勉強だなんて…。どう考えたって、ルルーシュ様のお部屋で貴腐人と呼ばれる女性の皆々様がきっと、期待される様な事をされるに決まっているのです…。そう…私のこんな…メイドとしての腕は認められ、SPだと何度云っても、忍者扱い…。そして、これぞと云える様な殿方がいらしても相手がルルーシュ様では、この私の力をもってしても、きっと、命の危険に晒される様なお相手ばかり…。でも、ルルーシュ様をお慕いする貴腐人として少しくらい、生活に潤いを頂いても、バチは当たりませんよね?そうですよね?」
と、中を覗き見しながら訳の解らない独り言をぶつぶつと呟いている。
そう、本当は何度もSPと云っていても、忍者扱いしかして貰えない…しかし、その彼女の動きを見て、SP認定は流石に難しいだろうと思えてしまう彼女の名前は篠崎咲世子。
どう云う訳か、かの戦争の後、アッシュフォード家に仕えて、メイド兼SPを務めており、現在、ルルーシュとナナリーの専任メイド兼護衛係りだ。
彼女だって、いくらルルーシュにさえ『咲世子は天然だから』と云われようが、『完全無欠のメイド』と云われようが、天然である前に、メイドである前に、一人の女性だ。
人並みに潤いは欲しいし、『萌え♪』には敏感に反応するのだ。
正直、本当なら、『萌え♪』を漁る為にこの能力を使いたい…と思ってしまう事もある。(世のルルーシュフリークなら誰でもそう思うだろう。何せ、彼女の変装能力は人外の力を発揮している。その力を使って色んな事(←!)をしてみたいと思うのは乙女心だろう)
ただ、咲世子の場合、欲求不満はあまり溜まっていないように思えるが…。
確かに、ルルーシュの洗濯物を洗濯するのは基本的にはメイドである彼女の仕事。
ルルーシュの部屋の掃除をするのも彼女の仕事。
最近では、自分ですべてをこなしており、その楽しみもどんどん減って行っているのだけれど。
その代わりに、リアルにBL妄想できる環境が出来た。
枢木スザクのお陰で…。
但し、咲世子が許しているのはある程度の妄想が出来るネタであり、本格的にルルーシュを襲おうものなら、彼女は全力でルルーシュの部屋のドアを蹴破り、ルルーシュを奪還しに行くだろう。
(名目上)ナナリーの為に。
(咲世子の目には)体力大魔王なスザクがか弱い姫君であるルルーシュに襲いかかって行く様に見えているのかもしれない。
現在、ルルーシュの部屋の中ではそんな光景が繰り広げられているのだ。
正直、まだまだ、素敵な恋も出会いもしてみたいお年頃の咲世子にとって、そんなチャンスに恵まれないのであれば、妄想の世界に飛び込んで行く事を覚える。
そして、今、目の前でその妄想のネタが繰り広げられようとしているのだ。
咲世子の胸は高まる。
『黒の騎士団』でも咲世子好みの男はおらず、相手は未成年と解っていながらも、行けない妄想をしなければならない程…今の咲世子は乾き切っていたのである。

 まぁ、そんなどうでもいい説明はどうでもいいとして、どうやら、勉強も終わって、なんだか、進展がある様である。
と云うか、ここまで来て云っておきたい事が一つ…。
『咲世子がどこから覗いているか?』
という質問に対しては、
『これは…企業秘密です♪』
とだけ答えておこう。
下手にルルーシュにばれてしまうとそれこそ、妄想ネタが拾えなくなるからである。(え?)
ルルーシュがうつ伏せにされて、ベッドに押し倒されている。
下手にここに飛び込んで行って、ここで覗き見していた事がばれると厄介である。
電車の痴漢などもそうだけれど、被害者の自己申告か、現行犯逮捕しかない。
ルルーシュがこれで、咲世子かナナリーに被害届でも出せば即刻スザクを追い出しにかかるだろうけれど。
ルルーシュの方は容認している様子…。
正直、ルルーシュの背中に乗っかっているスザクに対してメラメラと燃える嫉妬心…じゃなくて、この理不尽な行動に咲世子は怒りの炎を燃え上がらせているが。
でも、何の証拠もなく、ルルーシュ自身、誰かに助けを求める声を出しているわけでもない。
ここで、咲世子の中で、ルルーシュがどんな形であれ、誰かに助けを求めると云う事など決してしないと云うその辺りのルルーシュの性格把握はどうなっているかと云えば…。
多分、その天然のお陰で完全に咲世子カスタムになっている。
勝手に人の性格をその人物の好きなようにカスタムされても困るのだけれど、咲世子の場合、それを無自覚でやってのけるのだ。
だから、ルルーシュも咲世子のその性質に関しては完全に諦めが入っている。
ルルーシュがツッコミを入れなければ、誰もツッコミを入れる人物がいなくなるので、咲世子の中で自覚がない以上、その咲世子カスタムな咲世子の中の人物はどんどん増えて行く事になる。
しかし、一応、普通の生活を送る上では支障はない様である。
だから、それはそれで良しと云う事にしておこう。(え?)
それに、咲世子が見ているルルーシュの部屋の中の様子も気になると云うもの。
どちらかと云うと、咲世子の天然キャラ分析よりも、そちらの方が重要だろう。
しかし、一応、こうした形で覗き見をしている事を正当化させる為には咲世子の場合、少々説明が必要だ。
咲世子だからこそ許される事が結構あるのだ。
ここで一つ注意を促しておこう。
これは、咲世子だからこそ許される事であり、実際の覗きなどしたら変態扱いでは済まない。
普通に犯罪になる。
やるなら見つからないように…じゃなくて、ご自身の脳内ワールドでやる事をお勧めします。(をい!)
そんな事はともかく、流石に咲世子もこんな風に覗きをしているなんてばれたら、ルルーシュに怒られてしまうだろう。
と云うか、咲世子の天然は時々、スザクのソレに通じるものがある様に見えるのは…気のせいだろうか?
まぁ、一応気のせいと云う事にしておこう。
でないと、色んな意味で、変な論争が始まってしまいそうである。
考えてみれば、この作品、ボケとツッコミが…結構はっきりしている様に見える。
ツッコミまくって相手を打ちのめす人と、ボケ倒して相手を打ちのめす人…
そして、どちらの属性であるか、自覚のある人、ない人、勘違いしている人。
こうして見ると人間関係も結構楽しいものである。

 またも余計なことで尺を取ってしまったが…
中の様子はと云えば…
どうやら、スザクがルルーシュの身体のマッサージをしているようだ。
ここで咲世子はうっかり思ってしまう。
否、他にもそう思う人が7人くらいいてもいい筈だ!
―――なんて羨ましい!
と…。
スザクのバカ力ではルルーシュが壊れちゃう!
やるなら、私が!と云う人は多分、3人くらいいてもいい筈だ!
しかし、中の様子を見ていると…
ルルーシュを壊してしまう様なマッサージはしていないようだ。
流石にこりまくっている肩はちょっと力を入れて押すだけで相当痛い。
これは本当に痛い。(←経験者は…と云うか、現在進行形の人間は語る!)
それでも、だんだん慣れていくると、『痛気持ちいい』と云う奴に変化して行くのだ。
本当に頭痛がくるほど肩凝りになっている人の肩は、びっくりするほど筋肉が緊張状態となっている。
そして、押してみると…かちこちになっている。
「ルルーシュ…ホントに凄く凝っているね…。なんでここまで我慢していたのさ…」
スザクが不思議そうに尋ねている。
スザクの先ほどの言葉を思い出してみると、軍でまだ、一等兵と云う一兵卒だった頃には先輩軍人の肩をもんでいたらしい。(ここでは年若い、しかも占領地の人間で被差別階級のスザクがどうやって一等兵になったかという言及は敢えてしない。すると話しが長くなるから。基本、入隊した段階の階級は二等兵の筈なのだが。流石に野戦任官と云う事ではないだろうが。)
「痛い!もういいから放せ!」
スザクに肩をマッサージされて、硬直している筋肉をほぐされていく過程の中で、結構痛い状態にあるようだ。
しかし、放っておいたって、痛みはあるわけで。
酷くなると本当に肩が上がらなくなったり、頭痛を伴ったりするのだ。(←肩こり頭痛は結構辛い)
「ダメだよ…。じゃあ、もう少し力を抜くね…。ルルーシュもリラックスしてよ…。でないと、マッサージの時、痛くなっちゃうよ?元々、マッサージってリラックスして受けるものなんだしさ…」
スザクがルルーシュの言葉を結構あっさり却下して、先ほどより優しくルルーシュの肩をマッサージする。
マッサージと云うよりも、少し強めに撫でている…と云った感じか…。
あまり力を入れるとルルーシュが痛がるので、スザクは押したり、揉んだりするのをやめて、ルルーシュの肩をさする様に手を滑らせているのだ。
「これなら、それほど痛くないでしょ?」
「あ…ああ…。そのくらいなら…」
スザクの言葉にルルーシュはそんな風に答えて、少しだけ身体の力を抜いた。
それに気をよくしたスザクは少しだけ手の動きを速めた。
ルルーシュがこんな無防備でリラックスしているなんて…今度はスザクの方が緊張して来る。
―――頑張れ!僕!ここでルルーシュにあんな事とか、こんな事とか、あまつさえそんな事をしたら…。どっかから感じる視線にルルーシュのあられもない姿を見せる事になってしまう!今は、その相手に僕の優越感が伝わればいいんだ!だから、頑張れ!僕!
とまぁ、ルルーシュはきっと、スザクの本当の善意と受け取っているようだけれど、ルルーシュを取り巻いている人物達はそれこそ、過酷な戦いを繰り広げている様である。

 あからさまにスザクの『いいだろ!へへん!』と云ったオーラがよく解ってしまう。
解りたくなくても、解ってしまう。
明らかにこれは咲世子のその存在をロックしていると云う事だ。
「ふっ…流石スザク様です。でも、スザク様のあの緊張している状態…。随分頑張っておられる事…」
ここで、『咲世子さん、どんどんキャラが壊れて行っていますよ?』と指摘したら…その咲世子の忍者…じゃなくて、SPとしての能力で抹殺されるだろうか?
まぁ、人間とは基本的に自分の本能と煩悩に従順なものである。
既に咲世子自身、ナナリーからのお達しだと云う事もすっかり忘れている様子だ。
と云うか、既にナナリーの為という言葉さえ出て来なくなって来ているのだ。
中の様子は…段々おかしな方向…へ、咲世子にとっては、素敵な『萌え♪』ネタが繰り広げられようとしている。
「よくこれで平気でいられたね」
「あっ・・・・・・・くぁ・・・」
「ちょっと力抜いててね」
「そ、んな・・・こと言・・われ、ても・・・」
十数分後
「ス、ザク…もぉ、よせ…」
「だめだよ、まだ…」
「何だか…痺れてきたんだ」(血行がよくなったせい)
「あぁ、ならもうちょっとかな」
「ん…はぁ…」
「ルルーシュ…どうしたの?」
「スザク…お前…こーゆー事、上手い…んだな…」
「え?(ちょっと上ずり気味) そお?」
「あぁ…」
この会話だけ聞いていたら…『お前ら何をやっている!(怒)』となる展開となっていた。
ぶっちゃけ、覗き見している咲世子も怒り心頭だけれど、目が離せなくなっている様子…。
ここにナナリーがいたら、その場で殴り込みをかけていたことだろう…。
『スザクさん!スザクさんは…私の敵です!』
と、宣戦布告をかけ、目の前にルルーシュがいる事さえも忘れていることだろう。
既にナナリーが『お兄様の初めて(←何の事だかは各自の御判断にお任せ致します)は全て、私のものなのです!』と豪語しているのだから…。
その事実を知らないのはルルーシュだけなのだけれど。
既に、アッシュフォード学園では有名な話しとなっている。
だからこそ、ルルーシュに近付こうとする不届き者はスザクだけとなったわけだけれど。
しかし、そのスザクが、ナナリーにとって最も警戒すべき相手…。
子供の頃だって、ルルーシュは仲のいい二人の姿に目を細めていたけれど。
笑顔での厭味と牽制の応酬をしていたと云う事実をルルーシュは知らない。
枢木家のお手伝いさん達は、ルルーシュが何でもやってくれて感謝していた。
と云うのも、スザクとナナリーの火花を散らしている子供とは思えないその空間に耐えられなかったからだ。
どう見ても10歳に満たない子供達の雰囲気ではなく、明らかに百戦錬磨を切りぬけて来た大人同士の我の張り合いに見えたからだ。
そんなところに放り込まれたら、『命がいくつあったって足りない…』そんな風に思えたのは、ルルーシュがお手伝いさん達を突っぱねて間もなくの頃だった。
咲世子としては、ナナリーの気持ちも解るが、現在のこの『萌え♪』をぶち壊して貰うわけにもいかない。
「こう云うのを、あちらを立てればこちらが立たず…と云うのかしら…」
否、ちょっと違うだろ…

 さて、部屋の中の方は、だんだん怪しげな方向へと突っ走って行く。
「ねぇ、ルルーシュ、肩がこんなに凝っているんだから、他のところも多分、凄く付かれている状態だと思うよ?」
「は?」
「だって、肩がこんなだと、きっと、腰なんかも辛いんじゃないの?こう云うのって、無理し過ぎると全身に来ちゃうし…(ルルーシュのふくらはぎを弄りつつ)ほら、ここも、結構堅くなっちゃってる…」
「あ…こら!やめろ!別に…平気だから…」
「ちっとも平気じゃないでしょ?遠慮しなくても、いつも勉強教えて貰っているお礼…(表向きには)」
「そ…そんなのはいらないから…。ちょっと、離れてくれないか?」
「何?そんなに嫌なの?」
「い…嫌とかじゃなくてだな…。その…」
「どうしたの?ルルーシュ…。なんだか、顔が赤くなってるけど…(ここで心の中の黒スザクが悶えていて…自分も追い詰められている事に気が付き始める)」
「べ…別に…赤くなんて…」
「自分の顔…見えないでしょ?」
「でも!赤くなんてなってない!」
「じゃあ、鏡…持ってこようか?耳まで真っ赤だけど…」
ここでルルーシュはある事に気が付いた。
と云うか、今更のようにも見えるけれど。
―――こいつ…俺をこんな形で辱めて何が楽しい!?
スザク自身、辱める事が目的ではなく、ルルーシュのその『萌え♪』な表情が欲しいだけである。
ただ、あんまりやり過ぎると後に自分が悔やむ事になるわけだけれど。
どの道、こうなると、殆ど我慢大会だ。
ルルーシュのプライドを考えた時、絶対に先に根をあげないだろう。
ノックアウトしない限り…。
この場でのノックアウトとは、別に叩きのめす訳じゃないが。
と云うか、スザク自身、これは諸刃の剣だ。
ルルーシュを追い詰めれば追い詰める程、スザクもしんどくなって行くのだ。
この辺りはどうするべきなのか…
覗いている咲世子としては、この先、どこまで許すべきか考える。
最後までやらせる訳にはいかない。
でも、ルルーシュのあの綺麗な肌を見てみたい!と思うのは…まぁ、理解出来るだろう。
と云うか、ここまでスザクは良く頑張っていると思う。
そこだけは認めてやるが…
またも、部屋の中から声が聞こえてくる。
「僕、マッサージしているだけなのに…」
「お前が…そんな…足の付け根なんて…触るから…」
「え?ここって、結構効くんだよ?ひょっとして、何か、変な事でも考えてた?」
「!そんな訳はない!とにかく…離れろ!」
「だって、ここまでやって中途半端にやめたらまた辛いよ?」
「そんなことどうでもいいから!」
「よくないでしょ?さっきまで肩とか、カチカチだったんだから…。あ、そうだ、これから僕が来られる限り、ここに来て、マッサージしてあげるよ…」
「い…いらない!マッサージはもういい!」
「ええ〜〜〜なんでぇ…?」
こんな下らない会話が延々と続き…
咲世子はどうやってナナリーに報告しようかと…真剣に悩むのだった。

To Be Continued


あとがきに代えて



ここのところ、更新がグダグダで申し訳ありません。
やっと、イベントの荷物の発送が終わったので、落ち着くと思います。
あと、『Amethyst Eyes』の方のミスをご指摘くださった方、有難う御座居ます。
イベント終わったらすぐに直しておきます。
と云うか、ここまで気づいていなかった和泉って一体…ヾ(▽^;)ゞうへへ
本当に有難う御座居ました。
遅くなりましたが、拍手のお返事で〆たいと思います。


☆拍手のお返事


Rinkaさま:こんばんは、コメント有難う御座居ます。

『Be Together』
これは書いている側も凄く勉強させられ、考えさせられる作品でした。
書いている途中でしんどいと思いましたけれど、書きあがった時にはなんだか、凄く達成感がありました。
もっと、盛り込みたい事もあったのですが…
和泉自身、とにかく、あの場面を見たときに思った事を随分この作品に盛り込んだと思います。
『SEED』のピンクのお姫様の様なポジションなのかな…と思ったら、ただの世間知らずのお姫様で…で、かなり夢想かな騎士を選んでしまって…という印象が強かったので。
この話は和泉がこうなってくれたらよかったのに…と思った事を随分詰め込みました。
まだ、書き足りない部分があったのは和泉の文章の書き方がまだ未熟だったと云う事で…。

ルルーシュだって、スザクがアッシュフォード学園に来た時点で、自分たちの身の危険、そして、自分たちをかくまっているアッシュフォード家への影響を考えなかった訳がないんです。
スザクだって、政治家の息子であるなら、その辺りの事を見極める何かを持っていて欲しかったと思います。
いくら子供の頃の事だと云っても、ルルーシュとナナリーが置かれていた立場を間近で見てきていたはずなのですから…
そう云った部分も含めて、『スザクにこうあって欲しかった』という事はかなり詰め込んでいますね。
その影響でユーフェミアが動いてくれた感じです。

ホントに御丁寧な感想を有難う御座居ます。
あんなふうに云って頂けて、書き手冥利に尽きます。
これからも、頑張って書いていこうと思います。
また、読んだ感想を教えて頂ければ幸いです。


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posted by 和泉綾 at 00:29| Comment(0) | TrackBack(0) | Novel Rebellion開設2周年

2010年06月10日

Novel Rebellion開設2周年記念リクエスト企画 17

Stiff neck 02



※設定:毎日パソコンに向かっているルルーシュを見ていて、スザクはふとある疑問を抱きます。
『ルルーシュって肩凝ってないのかな?』
と。
そこから始まる『萌え♪』展開は…?
一応、スザルルは両想いですが、まだまだ清い仲です。

このお話しは紫翠さまからのリクエストです。有難う御座いました。(頂いたリクエストの数の関係で順番が前後してしまった事をお詫びします)

 さて、ルルーシュと(ナナリーと)夕食を食べる約束にこぎつけたスザクではあったけれど。
ルルーシュに『今日はスザクも一緒に夕食を食べるんだ…』と云われて、ナナリーは兄に見せる顔は本当に幸せそうに、しかし、心の中ではどうやって、あの野獣から愛する兄を守るか…と云う事を真剣に悩んでいたのだ。
勿論、ルルーシュの前で見せる二人の姿は、それはそれは、仲の良い幼馴染同士なのだけれど。
事情を知る者が見れば恐ろしいオーラの応酬をしているようにしか見えない。
ただ、咲世子の場合、結構慣れっこと云うか、最初からそんなものに対して恐怖を感じると云う感覚がないので、にこにこと笑っている。
流石、ルルーシュにまで『咲世子は天然だから…』と云われてしまうキャラである。
しかし、今のツッコミどころはそこではない。
まず、一緒に夕食を食べるはいいにしても、その先が問題だ。
一応、スザクとしては、『学校の授業で解らないところがあるんだ…』と云えば、ルルーシュはそれこそ、『仕方ないな…』と云う顔をして決してスザクに『勉強を教えて欲しいんだけど…』と云われてしまうと断る事はない。
教え方もぶっちゃけ、あの、名門アッシュフォード学園の教師よりも遥かにうまい。
スザクの事をよく知っていてくれるルルーシュだから…なのかもしれない。
そう思うと、やっぱり、うっかり、優越感を抱いてしまう。
その事によって、ナナリーの嫉妬の炎は更に燃え上がり、スザクへの包囲網を着々と縮めて行っているのだけれど。
それでも、その辺りは流石スザクと云うべきか、ナナリーのそんな包囲網も『ふっ…まだまだ甘いね…』とかわされているような気がする。
そして、その度にナナリーの中で相当な戦闘オーラがメラメラと燃えあがるのだけれど。
それでも、そんな姿をルルーシュに見せる事が出来ず、ここまで来ると、カレンの二面性をもしのぐ…とでも云えそうな状態だ。
正直、ルルーシュが女と云う生き物のこの、強かさを知った時、スザクへ向ける感情も多少変わってきそうだ。
と云うか、ナナリーに関してはその真実を受け入れられずに、現実逃避しそうな感じもするけれど。
ナナリーもその事に気がつけば、きっと、それをフル活用して頑張るに違いない。
しかし、今のところ、目の前の天敵に精いっぱいで、そして、咲世子がこんな時ばかりは妙なボケをかまして、その真実に気付いていないのか、咲世子自身、潤いのない生活の中で、ストレスが溜まっているのか、『まぁ、面白そうですね…』といつものすっ呆けたセリフを吐きながら笑っているに違いない。
と云うよりも、こんな状況の中、何も気づかないルルーシュの未来に幸あれ…と祈ってしまうのは第三者だからだろう。
自ら当事者になった者、巻き込まれた者を含めて、そんな祈りをささげていられる程の余裕はない筈だ。
そう、自ら当事者となった者達はいかにして敵を討つかを考え、巻き込まれた者(ルルーシュ以外)はどうやってわが身を守るかを考えるのだから。
どの道、今夜の夕食はともかく、スザクがルルーシュに勉強を教えて貰う時も一筋縄でいかないのは既に決定づけられている。

 夕食も終わり、スザクにとっては昼間考えた作戦を施すその時間となり、ナナリーにとっては気が気ではない時間となる。
そして、咲世子はこの部屋の中で何が行われるのか、知りたいとの好奇心(あくまで邪心ではなく素直な好奇心…と云う事にしておく)から、どうやって中を探るか画策する。
スザクは、『どうか、ユフィが連絡なんて入れて来ませんように…。ロイドさんにはセシルさん特製のおにぎりを食べさせておいたから多分大丈夫!』と云う事になっているのだけれど。
そんな様々な思惑の中、一人だけ、真摯にスザクに勉強を教えようと云うルルーシュの生真面目さは時折、涙を誘う。
基本的には笑いを誘うのであるが。
しかし、周囲はいたって真剣で…色んな意味で、色んなものを懸けている様に見える。
その気配に気づかないから、ルルーシュの場合、『ゼロ』をやっていても、イマイチうまく行っていない部分があるのではないかと思われるほどだ。
ただのコマと称して、頼りない上に完全日和見な連中を組織の幹部にしている辺りで、既に人を見る目がないし、その辺りの事を察知できない人間にテロリスト集団のリーダーなど出来る訳がない。
恐らく、ルルーシュの場合、カリスマはあるし、悪知恵はあるのだけれど、そう云った抜けている部分があるから微妙に『ナンバー2』と『ナンバー1』の間くらいにいるのがいいのかもしれない。
まぁ、そんな事は余計なことだけれど。
ルルーシュの気付かないところで、ルルーシュと一緒に夕食を食べたスザクとナナリー、そして、そんな花火大会を気付きながら、彼女の天然さ故に結構スルーしてしまっている咲世子の中で様々な野望と画策が飛び交っているのだ。
そう、これは既に戦い…。
自分達の野望を果たす為に戦争となっているのだ。
単純に規模が違うだけだ。
さて、本題に入る前に、少々、ナナリーの施そうとしている策を覗いて見てみたいと思うのだけれど。
この、ルルーシュの最愛の妹…流石ルルーシュの妹と云う事もあって、中々賢いのだ。
きっと、ヴィレッタ先生に云わせると『悪知恵』のカテゴリーに入りそうなのだけれど。
それでも、『悪知恵』も賢さがなければ考えつかない。
スザクの場合、全ての栄養が筋肉を養う為に使われてしまった様で、頭には微妙に足りなくて、ナナリーの画策には基本的に物理的に強行突破する事が多いのだけれど。
と云うか、そんな妹に対して、世界を壊すなどという発想をしているルルーシュさの哀れさを更に誘う。
この事実がルルーシュにばれない事を、切に祈りたいところだ。
しかし、彼らは何も、ルルーシュを苦しめる為にそんな事をしているわけではない!
ルルーシュの愛を独り占めしようと思う、その、煩悩…じゃなくて、野望を抱いてしまったが故の行動なのだ。
まぁ、正統化していいとは云わないが、それでも、気持ちは解る。
とっても良く解る。
そこの中心人物に勝手に据えられているルルーシュには…気付かずにいた方がきっと、幸せだろうと…考えてしまうのだけれど。

 基本的に、ルルーシュの一言で、スザクとナナリーの争いは収まる。
と云うのも、ルルーシュにその、険悪オーラを気付かせない為にはルルーシュの鈍感さだけでなく、彼らも結構努力をしているらしい。
そんな網の目をくぐりながら、スザクはルルーシュの部屋で二人きりで勉強すると云うその、特権を得る事が出来て、現在、ルルーシュの部屋で二人で勉強をしている。
尤も、スザク自身、日本とブリタニアの戦争の後からアッシュフォード学園に編入するまで勉強らしい勉強などしていない。
イレヴンという立場でまともに学校へ行ける訳がない。
両親がいないスザクならなおさらだ。
だから、こう云う時にはその事実を大いに利用している。
大体、戦争が終わって、日本が負けた時、スザクはたったの10歳…小学生だ。
そこから、まともに学校へ行っていなくて、いきなり高校生述べ卿を城と云う方も無茶な話なのだけれど。
学校とは、基本的に勉学にいそしむところだ。
そもそも、軍優先であると云う時点で一般のアッシュフォード学園に編入させること自体に無理があるんじゃないのか?と云う、ツッコミを入れたら負けなのだろうか?
話しの設定上、必要だったとはいえ、小学校4年生から突然高校2年生の教科書を読んだ時、スザクはさぞかし驚いたに違いない。
―――英語…読めない…。何?この変な公式は…?ってか、何この地図記号?それに、漢字読めないのいっぱい…
と…。
アッシュフォード学園は私学で皇女であるユーフェミアも知っていて、ユーフェミアの計らいでスザクが編入したところを見ると、それなりにいい成績でないと入れない学校ではないのか?と思うのだが…。
ユーフェミアは皇室だ。
そのユーフェミアが推薦する学園ともなれば、それなりのレベルが高さがあると考えるのが自然だろう。
そんなところに放り込まれて、スザクはさぞかし困ったことだろう。
おまけに軍が優先なのだから、すぐに勉強なんて解らなくなるのだ。
そもそも、小学生の時に優秀な成績を収めていた人間だって、突然高校の教科書を渡されれば青ざめるに違いない。
しかし、スザクはそんな事実をうまく利用したのだ。
ルルーシュは子供の頃から頭が良くて…高校になっても頭がいいらしく、普段ちゃんとまじめにやらないからシャーリーが顔をしかめる様な成績なのだけれど。
でも、実際に変に優秀な成績が露呈すると目立つ事になるので、ルルーシュとしては困るに違いない。
そんな事はともかく、スザクの幼馴染で親友はとっても頭がいいので、こうして、二人で勉強を教えて貰えると云う特権を得られるのだ。
―――この為なら僕、落ちこぼれ認定でも、おバカ認定でもどんとこいだよ!
まぁ、元の出来はそれほど悪かないだろう。
ルルーシュを比べるから比べ物にならないわけで、スザク自身、首相の息子と云う事で、別に、筋肉ばかり増やしていたわけではないだろう。
父親が首相になる程の父親なのだ。
その息子がそこまで頭の出来が悪いとは思えない。

 勉強そのものはぶっちゃけ、非常に苦痛を伴うものなのだけれど。
それでも、隣で一生懸命教えてくれるルルーシュがいる事で幸せと不幸せを両方味わっている状態だ。
1冊のノートに二人が覗き込んでいるのだ。
どうしたって顔が近付いて来る。
時々、ルルーシュが喋る時の息がかかってきたりして…
自分の最愛の相手がそんな密着状態でここまで耐えている自分をスザクは心の底から褒めてやりたいと思う。
ただ、その努力、理解出来るのは自分だけだし、公表したところで誰も褒めちゃくれないが。
「ねぇ…ルルーシュ、この公式にはどうやって数字を当てはめればいいの?」
スザクがペンでその公式を指示しながらルルーシュに尋ねる。
こう云う時、解らないところがあると嬉しくなる。
確実に『煩悩』的な意味がこもっているが。
ルルーシュ相手にこのような状態で『煩悩』的な意味のこもらない幸せがあるだろうか?
元々そう云う気持ちはなくとも、確実に、一緒にいて、同じ空間の空気を吸って、顔を近づけて来て貰える…。
そこに何も感じないと云うのは、基本的にあり得ないだろう。
そんな事はともかく、スザクも流石に何度も同じ問題を訊く訳にはいかないので、一生懸命頭を働かせつつ、ルルーシュがいなければ絶対にやらないと思われる事を一生懸命やっているのだ。
「そこはだな…」
ルルーシュが懇切丁寧に参考書を指示しながら顔を近づけた状態で教えてくれるのだ。
先ほどの幸せと不幸せを両方味わっている状態と云うのはこう云う事なのだ。
そう云えば、かつて某国営放送の子供向けアニメのオープニングにこんな歌詞があった。
『幸せと不幸せ…かき混ぜる…』
この歌詞の様に、かき混ぜてくれればここまで悶々としなくても済んだかもしれない。
ただ、こんなアニメみたいに甘くはないと云うのが現実だ。
スザクは心の中でなんだか、色んなものと戦っている状態だ。
それでも、ルルーシュの近くにいたいとか、もっと、近くに来て欲しいとか…
しかし、あんまりそれが続くと、そのままスザクはオオカミ男になってしまいそうだとか…。
青い春を謳歌している青少年には中々厳しい状態だ。
それを解っていてやっているスザクもスザクだけれど。
見ている方は楽しい。
どこまで頑張れるか…と云うそんな面白い事を考えてしまう。
第三者の立場であれば、きっと、どこまで耐えられるか賭けでもしていそうな雰囲気だ。
それでも、スザクがルルーシュと一緒にいたいと云うその想いの為にルルーシュに勉強を教えて貰いに来ているお陰で…
現在ではそれなりの成績になっている。
アッシュフォード学園の先生達もびっくりだ。
編入してきた時には小学校の教科書くらいしか頭に入っていなかったスザクが、一体どんな魔法を使ったのだ?と云えるほどに成績が上がって行ったのだから。
最初の内はアッシュフォード学園の教師達も本当に困ったのだ。
皇女殿下の計らいで入る事が許されたのだから、むげに追い出す訳にも行かない。
ところが…ルルーシュ≂ランペルージのお陰で、その悩みからは解放されつつある。

 漸く、今日の分の勉強は終わった様で…
スザクがほっとして思い切りのびをした。
やっぱり、スザクはこうして同じ体勢で動かない状態が辛いのだと思われる。
そして、ルルーシュの方を見ると…
肩に手を置いて、なんだか痛そうに肩を回している。
「あれ?ルルーシュ…肩…辛いの?」
昼間、ルルーシュの肩を触った時の事を思い出す。
ルルーシュはそんなスザクの心配そうな表情を見て、苦笑した。
「ルルーシュはいつもパソコンにばかり夢中になっているから…。時々身体を動かして血行をよくしないと…」
スザクがルルーシュを立ち上がらせてルルーシュのベッドの上にうつぶせに寝かせた。
「!何をするんだ!スザク!」
スザクの突然のこの行動にルルーシュは驚いて、すぐに起き上がろうとするのだけれど。
しかし、スザクはそんなルルーシュを強引に押さえ付けた。
「別に、変な事をする気はないよ…。そんな風に肩が凝っているってことは、全身が結構辛いんじゃないの?だから、マッサージしてあげようと…」
「べ…別にいい!別に、スザクが云っているほど辛くはないから…」
流石に、ベッドの上で無防備にうつぶせ状態にされるのは流石のルルーシュも慌ててしまう。
流石に背中から刺されるとは思わないけれど。
と云うか、ルルーシュの中で色々な不安が過る。
その中で一番大きな不安は…
―――俺が『ゼロ』だと云う事がばれたのか?それで、俺を尋問する為に?
こうやって慌ててしまうと、見当違いな不安を抱えるのはルルーシュの悪い癖である。
どうせやるなら、軍に連行して、正式な手順を踏むだろう。
スザクの場合…。
大体、そこまでやるならこんな夜に尋ねて来ると云うよりも、逃げられない様にする為に警察なり、憲兵なり、連れて来るだろう。
しかし、ルルーシュの中では焦りまくっているお陰でそんな事まで頭が回らない様である。
「そんな事云って…。肩こりって放っておくと頭とか痛くなるし、集中力とかもなくなっちゃうんだよ?任せて!僕、結構うまいんだから…。軍でまだ、KMFとか乗れなかった頃、イレヴンの先輩とかの方とか揉んでいたんだから!」
なんだか、妙にスザクが張り切りだしている。
正直、これって…そんなに張り切る事なのか?と云うのはルルーシュらしい感覚だろう。
「否…別にいい!それに、スザクだって疲れているだろ?」
どうやら、こうやって身体に触れられる事を極端に嫌がるルルーシュに…
スザクはすこし、しょんぼりモードの入った顔を見せる。
「ねぇ…ルルーシュは僕に触れられるの…嫌なの?僕、ルルーシュの恋人でしょ?」
こう云う時のスザクの演技力は…何とも言えない。
力ずくで押し倒すのは簡単。
でも、今回はマッサージの為と云う事なので、押し倒す訳にはいかない。
―――僕、我慢できるのかな…
などと云う物騒な不安を抱えつつ、ルルーシュを追い詰めているようなその感覚を楽しんでいた。
そして、どこかで、その様子を窺っている潤いの欲しい女性が覗いていた事は、気付いていたかどうかは定かではない。

To Be Continued


あとがきに代えて



うあぁぁぁ…
済みません。
間に合いませんでした。
今、イベントのペーパーの枚数を確認してなんとか準備完了に近付いております。
拍手のコメントも頂いていたのですが、次の小説更新までお返事をお待ち下さい。
ホント、バタバタしていて申し訳ありませんm(__)m



細々と、ランキングに参加中…。この記事を読んで、お気に召して頂いた方は、お手数ですが、バナーを一回クリックしてください。拍手ページは10ページほどの対談(2010/05/26更新)を用意しています。
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posted by 和泉綾 at 00:08| Comment(0) | TrackBack(0) | Novel Rebellion開設2周年

Novel Rebellion開設2周年記念リクエスト企画 17

Stiff neck 02



※設定:毎日パソコンに向かっているルルーシュを見ていて、スザクはふとある疑問を抱きます。
『ルルーシュって肩凝ってないのかな?』
と。
そこから始まる『萌え♪』展開は…?
一応、スザルルは両想いですが、まだまだ清い仲です。

このお話しは紫翠さまからのリクエストです。有難う御座いました。(頂いたリクエストの数の関係で順番が前後してしまった事をお詫びします)

 さて、ルルーシュと(ナナリーと)夕食を食べる約束にこぎつけたスザクではあったけれど。
ルルーシュに『今日はスザクも一緒に夕食を食べるんだ…』と云われて、ナナリーは兄に見せる顔は本当に幸せそうに、しかし、心の中ではどうやって、あの野獣から愛する兄を守るか…と云う事を真剣に悩んでいたのだ。
勿論、ルルーシュの前で見せる二人の姿は、それはそれは、仲の良い幼馴染同士なのだけれど。
事情を知る者が見れば恐ろしいオーラの応酬をしているようにしか見えない。
ただ、咲世子の場合、結構慣れっこと云うか、最初からそんなものに対して恐怖を感じると云う感覚がないので、にこにこと笑っている。
流石、ルルーシュにまで『咲世子は天然だから…』と云われてしまうキャラである。
しかし、今のツッコミどころはそこではない。
まず、一緒に夕食を食べるはいいにしても、その先が問題だ。
一応、スザクとしては、『学校の授業で解らないところがあるんだ…』と云えば、ルルーシュはそれこそ、『仕方ないな…』と云う顔をして決してスザクに『勉強を教えて欲しいんだけど…』と云われてしまうと断る事はない。
教え方もぶっちゃけ、あの、名門アッシュフォード学園の教師よりも遥かにうまい。
スザクの事をよく知っていてくれるルルーシュだから…なのかもしれない。
そう思うと、やっぱり、うっかり、優越感を抱いてしまう。
その事によって、ナナリーの嫉妬の炎は更に燃え上がり、スザクへの包囲網を着々と縮めて行っているのだけれど。
それでも、その辺りは流石スザクと云うべきか、ナナリーのそんな包囲網も『ふっ…まだまだ甘いね…』とかわされているような気がする。
そして、その度にナナリーの中で相当な戦闘オーラがメラメラと燃えあがるのだけれど。
それでも、そんな姿をルルーシュに見せる事が出来ず、ここまで来ると、カレンの二面性をもしのぐ…とでも云えそうな状態だ。
正直、ルルーシュが女と云う生き物のこの、強かさを知った時、スザクへ向ける感情も多少変わってきそうだ。
と云うか、ナナリーに関してはその真実を受け入れられずに、現実逃避しそうな感じもするけれど。
ナナリーもその事に気がつけば、きっと、それをフル活用して頑張るに違いない。
しかし、今のところ、目の前の天敵に精いっぱいで、そして、咲世子がこんな時ばかりは妙なボケをかまして、その真実に気付いていないのか、咲世子自身、潤いのない生活の中で、ストレスが溜まっているのか、『まぁ、面白そうですね…』といつものすっ呆けたセリフを吐きながら笑っているに違いない。
と云うよりも、こんな状況の中、何も気づかないルルーシュの未来に幸あれ…と祈ってしまうのは第三者だからだろう。
自ら当事者になった者、巻き込まれた者を含めて、そんな祈りをささげていられる程の余裕はない筈だ。
そう、自ら当事者となった者達はいかにして敵を討つかを考え、巻き込まれた者(ルルーシュ以外)はどうやってわが身を守るかを考えるのだから。
どの道、今夜の夕食はともかく、スザクがルルーシュに勉強を教えて貰う時も一筋縄でいかないのは既に決定づけられている。

 夕食も終わり、スザクにとっては昼間考えた作戦を施すその時間となり、ナナリーにとっては気が気ではない時間となる。
そして、咲世子はこの部屋の中で何が行われるのか、知りたいとの好奇心(あくまで邪心ではなく素直な好奇心…と云う事にしておく)から、どうやって中を探るか画策する。
スザクは、『どうか、ユフィが連絡なんて入れて来ませんように…。ロイドさんにはセシルさん特製のおにぎりを食べさせておいたから多分大丈夫!』と云う事になっているのだけれど。
そんな様々な思惑の中、一人だけ、真摯にスザクに勉強を教えようと云うルルーシュの生真面目さは時折、涙を誘う。
基本的には笑いを誘うのであるが。
しかし、周囲はいたって真剣で…色んな意味で、色んなものを懸けている様に見える。
その気配に気づかないから、ルルーシュの場合、『ゼロ』をやっていても、イマイチうまく行っていない部分があるのではないかと思われるほどだ。
ただのコマと称して、頼りない上に完全日和見な連中を組織の幹部にしている辺りで、既に人を見る目がないし、その辺りの事を察知できない人間にテロリスト集団のリーダーなど出来る訳がない。
恐らく、ルルーシュの場合、カリスマはあるし、悪知恵はあるのだけれど、そう云った抜けている部分があるから微妙に『ナンバー2』と『ナンバー1』の間くらいにいるのがいいのかもしれない。
まぁ、そんな事は余計なことだけれど。
ルルーシュの気付かないところで、ルルーシュと一緒に夕食を食べたスザクとナナリー、そして、そんな花火大会を気付きながら、彼女の天然さ故に結構スルーしてしまっている咲世子の中で様々な野望と画策が飛び交っているのだ。
そう、これは既に戦い…。
自分達の野望を果たす為に戦争となっているのだ。
単純に規模が違うだけだ。
さて、本題に入る前に、少々、ナナリーの施そうとしている策を覗いて見てみたいと思うのだけれど。
この、ルルーシュの最愛の妹…流石ルルーシュの妹と云う事もあって、中々賢いのだ。
きっと、ヴィレッタ先生に云わせると『悪知恵』のカテゴリーに入りそうなのだけれど。
それでも、『悪知恵』も賢さがなければ考えつかない。
スザクの場合、全ての栄養が筋肉を養う為に使われてしまった様で、頭には微妙に足りなくて、ナナリーの画策には基本的に物理的に強行突破する事が多いのだけれど。
と云うか、そんな妹に対して、世界を壊すなどという発想をしているルルーシュさの哀れさを更に誘う。
この事実がルルーシュにばれない事を、切に祈りたいところだ。
しかし、彼らは何も、ルルーシュを苦しめる為にそんな事をしているわけではない!
ルルーシュの愛を独り占めしようと思う、その、煩悩…じゃなくて、野望を抱いてしまったが故の行動なのだ。
まぁ、正統化していいとは云わないが、それでも、気持ちは解る。
とっても良く解る。
そこの中心人物に勝手に据えられているルルーシュには…気付かずにいた方がきっと、幸せだろうと…考えてしまうのだけれど。

 基本的に、ルルーシュの一言で、スザクとナナリーの争いは収まる。
と云うのも、ルルーシュにその、険悪オーラを気付かせない為にはルルーシュの鈍感さだけでなく、彼らも結構努力をしているらしい。
そんな網の目をくぐりながら、スザクはルルーシュの部屋で二人きりで勉強すると云うその、特権を得る事が出来て、現在、ルルーシュの部屋で二人で勉強をしている。
尤も、スザク自身、日本とブリタニアの戦争の後からアッシュフォード学園に編入するまで勉強らしい勉強などしていない。
イレヴンという立場でまともに学校へ行ける訳がない。
両親がいないスザクならなおさらだ。
だから、こう云う時にはその事実を大いに利用している。
大体、戦争が終わって、日本が負けた時、スザクはたったの10歳…小学生だ。
そこから、まともに学校へ行っていなくて、いきなり高校生述べ卿を城と云う方も無茶な話なのだけれど。
学校とは、基本的に勉学にいそしむところだ。
そもそも、軍優先であると云う時点で一般のアッシュフォード学園に編入させること自体に無理があるんじゃないのか?と云う、ツッコミを入れたら負けなのだろうか?
話しの設定上、必要だったとはいえ、小学校4年生から突然高校2年生の教科書を読んだ時、スザクはさぞかし驚いたに違いない。
―――英語…読めない…。何?この変な公式は…?ってか、何この地図記号?それに、漢字読めないのいっぱい…
と…。
アッシュフォード学園は私学で皇女であるユーフェミアも知っていて、ユーフェミアの計らいでスザクが編入したところを見ると、それなりにいい成績でないと入れない学校ではないのか?と思うのだが…。
ユーフェミアは皇室だ。
そのユーフェミアが推薦する学園ともなれば、それなりのレベルが高さがあると考えるのが自然だろう。
そんなところに放り込まれて、スザクはさぞかし困ったことだろう。
おまけに軍が優先なのだから、すぐに勉強なんて解らなくなるのだ。
そもそも、小学生の時に優秀な成績を収めていた人間だって、突然高校の教科書を渡されれば青ざめるに違いない。
しかし、スザクはそんな事実をうまく利用したのだ。
ルルーシュは子供の頃から頭が良くて…高校になっても頭がいいらしく、普段ちゃんとまじめにやらないからシャーリーが顔をしかめる様な成績なのだけれど。
でも、実際に変に優秀な成績が露呈すると目立つ事になるので、ルルーシュとしては困るに違いない。
そんな事はともかく、スザクの幼馴染で親友はとっても頭がいいので、こうして、二人で勉強を教えて貰えると云う特権を得られるのだ。
―――この為なら僕、落ちこぼれ認定でも、おバカ認定でもどんとこいだよ!
まぁ、元の出来はそれほど悪かないだろう。
ルルーシュを比べるから比べ物にならないわけで、スザク自身、首相の息子と云う事で、別に、筋肉ばかり増やしていたわけではないだろう。
父親が首相になる程の父親なのだ。
その息子がそこまで頭の出来が悪いとは思えない。

 勉強そのものはぶっちゃけ、非常に苦痛を伴うものなのだけれど。
それでも、隣で一生懸命教えてくれるルルーシュがいる事で幸せと不幸せを両方味わっている状態だ。
1冊のノートに二人が覗き込んでいるのだ。
どうしたって顔が近付いて来る。
時々、ルルーシュが喋る時の息がかかってきたりして…
自分の最愛の相手がそんな密着状態でここまで耐えている自分をスザクは心の底から褒めてやりたいと思う。
ただ、その努力、理解出来るのは自分だけだし、公表したところで誰も褒めちゃくれないが。
「ねぇ…ルルーシュ、この公式にはどうやって数字を当てはめればいいの?」
スザクがペンでその公式を指示しながらルルーシュに尋ねる。
こう云う時、解らないところがあると嬉しくなる。
確実に『煩悩』的な意味がこもっているが。
ルルーシュ相手にこのような状態で『煩悩』的な意味のこもらない幸せがあるだろうか?
元々そう云う気持ちはなくとも、確実に、一緒にいて、同じ空間の空気を吸って、顔を近づけて来て貰える…。
そこに何も感じないと云うのは、基本的にあり得ないだろう。
そんな事はともかく、スザクも流石に何度も同じ問題を訊く訳にはいかないので、一生懸命頭を働かせつつ、ルルーシュがいなければ絶対にやらないと思われる事を一生懸命やっているのだ。
「そこはだな…」
ルルーシュが懇切丁寧に参考書を指示しながら顔を近づけた状態で教えてくれるのだ。
先ほどの幸せと不幸せを両方味わっている状態と云うのはこう云う事なのだ。
そう云えば、かつて某国営放送の子供向けアニメのオープニングにこんな歌詞があった。
『幸せと不幸せ…かき混ぜる…』
この歌詞の様に、かき混ぜてくれればここまで悶々としなくても済んだかもしれない。
ただ、こんなアニメみたいに甘くはないと云うのが現実だ。
スザクは心の中でなんだか、色んなものと戦っている状態だ。
それでも、ルルーシュの近くにいたいとか、もっと、近くに来て欲しいとか…
しかし、あんまりそれが続くと、そのままスザクはオオカミ男になってしまいそうだとか…。
青い春を謳歌している青少年には中々厳しい状態だ。
それを解っていてやっているスザクもスザクだけれど。
見ている方は楽しい。
どこまで頑張れるか…と云うそんな面白い事を考えてしまう。
第三者の立場であれば、きっと、どこまで耐えられるか賭けでもしていそうな雰囲気だ。
それでも、スザクがルルーシュと一緒にいたいと云うその想いの為にルルーシュに勉強を教えて貰いに来ているお陰で…
現在ではそれなりの成績になっている。
アッシュフォード学園の先生達もびっくりだ。
編入してきた時には小学校の教科書くらいしか頭に入っていなかったスザクが、一体どんな魔法を使ったのだ?と云えるほどに成績が上がって行ったのだから。
最初の内はアッシュフォード学園の教師達も本当に困ったのだ。
皇女殿下の計らいで入る事が許されたのだから、むげに追い出す訳にも行かない。
ところが…ルルーシュ≂ランペルージのお陰で、その悩みからは解放されつつある。

 漸く、今日の分の勉強は終わった様で…
スザクがほっとして思い切りのびをした。
やっぱり、スザクはこうして同じ体勢で動かない状態が辛いのだと思われる。
そして、ルルーシュの方を見ると…
肩に手を置いて、なんだか痛そうに肩を回している。
「あれ?ルルーシュ…肩…辛いの?」
昼間、ルルーシュの肩を触った時の事を思い出す。
ルルーシュはそんなスザクの心配そうな表情を見て、苦笑した。
「ルルーシュはいつもパソコンにばかり夢中になっているから…。時々身体を動かして血行をよくしないと…」
スザクがルルーシュを立ち上がらせてルルーシュのベッドの上にうつぶせに寝かせた。
「!何をするんだ!スザク!」
スザクの突然のこの行動にルルーシュは驚いて、すぐに起き上がろうとするのだけれど。
しかし、スザクはそんなルルーシュを強引に押さえ付けた。
「別に、変な事をする気はないよ…。そんな風に肩が凝っているってことは、全身が結構辛いんじゃないの?だから、マッサージしてあげようと…」
「べ…別にいい!別に、スザクが云っているほど辛くはないから…」
流石に、ベッドの上で無防備にうつぶせ状態にされるのは流石のルルーシュも慌ててしまう。
流石に背中から刺されるとは思わないけれど。
と云うか、ルルーシュの中で色々な不安が過る。
その中で一番大きな不安は…
―――俺が『ゼロ』だと云う事がばれたのか?それで、俺を尋問する為に?
こうやって慌ててしまうと、見当違いな不安を抱えるのはルルーシュの悪い癖である。
どうせやるなら、軍に連行して、正式な手順を踏むだろう。
スザクの場合…。
大体、そこまでやるならこんな夜に尋ねて来ると云うよりも、逃げられない様にする為に警察なり、憲兵なり、連れて来るだろう。
しかし、ルルーシュの中では焦りまくっているお陰でそんな事まで頭が回らない様である。
「そんな事云って…。肩こりって放っておくと頭とか痛くなるし、集中力とかもなくなっちゃうんだよ?任せて!僕、結構うまいんだから…。軍でまだ、KMFとか乗れなかった頃、イレヴンの先輩とかの方とか揉んでいたんだから!」
なんだか、妙にスザクが張り切りだしている。
正直、これって…そんなに張り切る事なのか?と云うのはルルーシュらしい感覚だろう。
「否…別にいい!それに、スザクだって疲れているだろ?」
どうやら、こうやって身体に触れられる事を極端に嫌がるルルーシュに…
スザクはすこし、しょんぼりモードの入った顔を見せる。
「ねぇ…ルルーシュは僕に触れられるの…嫌なの?僕、ルルーシュの恋人でしょ?」
こう云う時のスザクの演技力は…何とも言えない。
力ずくで押し倒すのは簡単。
でも、今回はマッサージの為と云う事なので、押し倒す訳にはいかない。
―――僕、我慢できるのかな…
などと云う物騒な不安を抱えつつ、ルルーシュを追い詰めているようなその感覚を楽しんでいた。
そして、どこかで、その様子を窺っている潤いの欲しい女性が覗いていた事は、気付いていたかどうかは定かではない。

To Be Continued


あとがきに代えて



うあぁぁぁ…
済みません。
間に合いませんでした。
今、イベントのペーパーの枚数を確認してなんとか準備完了に近付いております。
拍手のコメントも頂いていたのですが、次の小説更新までお返事をお待ち下さい。
ホント、バタバタしていて申し訳ありませんm(__)m



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posted by 和泉綾 at 00:08| Comment(0) | TrackBack(0) | Novel Rebellion開設2周年

2010年06月08日

Novel Rebellion開設2周年記念リクエスト企画 16

Stiff neck 01



※設定:毎日パソコンに向かっているルルーシュを見ていて、スザクはふとある疑問を抱きます。
『ルルーシュって肩凝ってないのかな?』
と。
そこから始まる『萌え♪』展開は…?
一応、スザルルは両想いですが、まだまだ清い仲です。

このお話しは紫翠さまからのリクエストです。有難う御座いました。(頂いたリクエストの数の関係で順番が前後してしまった事をお詫びします)

 2週間程前から両想い、つまりは恋人同士となったルルーシュとスザクではあったけれど。
いつでもどこでもルルーシュにちょっかいを出したいスザクと、何かと恥ずかしがって、あと、ナナリーの目(じゃなくて耳)が気になって変に手を出されると怒りだすルルーシュ。
尤も、その辺りはルルーシュがあまりにナナリーに綺麗な夢を抱き過ぎているフシがあるのだけれど。
両想いになったと云っても、『お兄様らぶ♪』オーラを隠そうともせず、これまで、ルルーシュに近付く女子たちをその見えないけれど、確実に相手に脅威を与えるその(それこそ、城○沙織のコス●か迦☆羅の妖邪★ワーかと云えるほどの)オーラで追い払って来ていたナナリーだった。
そのオーラも幼馴染にして、ナナリーの事をよく知っているスザクには通用しなかった…と云う事なのだけれど。
お互いにルルーシュの事をよく知り、自分の天敵の事をよく知る二人だ。
ナナリーは何としても愛しい兄のその大切な純潔を守ろうと必死だし、スザクはそんな隙を縫ってその一見、儚げな妹と思いきや、最愛の兄が絡んで来ると天使から鬼神に早変わり出来るナナリーよりも前に行きたいと普段は使わない頭を必死に使っている。
中々、スザクにとっても、『萌え♪』を望む(腐)女子にとっても、前途多難なカップル設定となってしまったわけだけれど。
しかし、この二人も器用にその、恐ろしげなオーラの応酬をルルーシュに知られない様に続けながら、いつでも火花を散らしている状態だ。
リヴァル辺りは、
『あの、恐ろしげな火花に気づかないルルーシュって一体どんな鈍感だよ!』
と、涙目になって、うっかり口にしてしまったところ、スザクとナナリーに生徒会室の備品倉庫に連れ込まれて、5分後、まるで『ムンクの叫び』の様な顔をして出て来たというエピソードがある。
それを見たカレンが…中で何が起きていたのか、絶対に知りたくないと云う顔をしてリヴァルに
『大丈夫?』
と、一応、心配しているのよ…と云う言葉をかけてくれた。
基本的にアッシュフォード学園では猫かぶりモードなのでそれこそ、心のこもっていない社交辞令だと云う事は、カレンの猫かぶりをよく知っている者であれば一目瞭然であったけれど。
とりあえず、その辺りは完全にスルーだし、問題はそこじゃない。
リヴァルが顔色を変えている中、スザクとナナリーが一緒にいたのを見たルルーシュがにこりと笑って声をかけて来た。
「あ、お前たち、何こそこそしているんだ?」
そこに、超鈍感設定の、鈍感大魔王降臨中のルルーシュの姿が…リヴァルには本当にすごい奴なのか、どこまで鈍感な奴なのか…と云う事で、苦悩している。
おまけに、顔色を変えているリヴァルに対しては完全にスルーしているルルーシュに…
―――お前…友達を助けようと云う気持ちはないのか?
うっかりそんな事を思ってしまったリヴァルだけれど。
しかし、リヴァルは大きな誤解をしていた。
ルルーシュの目にはリヴァルはスザクとナナリーと3人で楽しい内緒話をしていたように見えている。(そこはスザクとナナリーがルルーシュの世界の中心だから)
この事実に気がつくまで、リヴァルにはもう少し時間が必要だったようだけれど。

 とりあえず、両想いになったルルーシュとスザクの環境説明はこれくらいにして…
こんな状態だと、スザクもせっかく両想いになったはいいけれど、実は、片想いの時の方がルルーシュと一緒にいる時間が長かったのではないかと思えるほどの環境になってしまった。
と云うのも、ナナリーに完全にロックオンされ、ルルーシュにさえ『咲世子は天然だから…』とのたまわられた咲世子はナナリーの『萌え♪』友となり、現在、(名目上)ルルーシュの純潔を守るための戦士となってしまった今、完全なプロの訓練を受けている咲世子と、ナンバーズと云う事で、適当な訓練で前線の弾よけにされていたスザクの戦いとなっていて…。
まぁ、ぶっちゃけ、前途多難な状態は続いているのだ。
それでも、ルルーシュに気づかれないように…という鉄則がある為、スザクに『あの…授業で解らなかったところが…あるんだけど…』と、捨て犬の様な目でルルーシュ頼んだ時、絶対にルルーシュが拒まない。
その事をよく解っているナナリーとしてはその度に歯噛みをしているのだけれど…
だからこそ、無駄に咲世子にお茶を持って行かせるし、時に、そのSPの能力を使って、中の様子を探らせるし。
で、必要とあらば…
『咲世子さん、必要でしたら、ドアを蹴破っちゃって下さいね?その場でスザクさんを現行犯逮捕して、ユフィ異母姉さまに熨斗付けてお返ししちゃって下さい…』
と、にこりと笑ってお願い…ではなくて、確実に『絶対遵守命令』を下している。
とまぁ、これに気づかないルルーシュの鈍感さは既に、ギネスもの…と云えるほどの鈍感さを発揮しているのだけれど。
それでも、ルルーシュの目には仲良くスザクとナナリーが仲良く戯れていると云う感覚しかないのだ。
そんな光景を望んでいたルルーシュにとって、そんな二人の姿に目を細めている。
ただ、時々、ナナリーを失望のどん底に叩き落すような一言をかますのが、玉にきずなのだけれど。
と云うのは…
『ナナリー…その…ナナリーは、スザクの事が…その、好きなのか?』
一応、ナナリーにスザクと両想いになった事をカミングアウトしていたのだけれど…その度にナナリーは兄の前ではなく、自分のベッドの中で枕を涙で濡らしているのだ。
『お兄様…お兄様を世界で一番愛しているのは私なのに…。何故、あんな野獣で、おバカで、ユフィ異母姉さまに熱をあげていれば事は穏便にすんだ筈のスザクさんとだなんて…』
そう云いながら、ベッドの中でさめざめと泣いているのだった。
ぶっちゃけ、スザクを選んだルルーシュに対しても失礼な言い草だとは思われるが…
それでも、兄を盗られてしまったと云う…しかも、ナナリーの知る中で一番危険人物認定をしている相手に盗られてしまったと云う悔しさに、そんな事は頭から吹っ飛んでいた。
ともあれ、そんな事で『兄の愛』を諦める様なナナリーではない。
これから先も二人の一線を越えない様にけっして、スザクへの警戒を怠らないと決めたのだった。

 さて、スザクにとっての天敵はナナリーであるが…他にもスザクの邪魔をしようとしている者はまだまだいる。
と云うのも、ルルーシュ本人に自覚はないようだけれど、とにかく、この世の中、ルルーシュを愛したやまない老若男女が多いらしい。
アッシュフォード学園の中、ブリタニア軍の中、そして、通りすがりの貴族やマフィアたち。
とりあえず、誰かれ構わない状態らしい。
ここで無自覚だと云う事にそもそも問題があるのだけれど。
そのくらいの鈍感だからスザクとしても、何としても付け込む(?)隙を見つける様に頑張ろうとしているわけだけれど。
ただ、鈍感と天然と云うのは、小細工を施そうと考える者にとってこれほど厄介な者はないのだ。
本来、こうした小細工を考えるのはルルーシュなのだけれど、事、色恋沙汰の場合、ルルーシュはこうした小細工を施される側なのだ。
しかし、ルルーシュの鈍感さはとにかく手ごわい。
最愛の妹であるナナリーでさえ、てこずるほどなのだ。
ナナリーはこんな野望を抱いているのだ。
『お兄様の初めて(←何の事だかは各自の御判断にお任せ致します)は全て、私のものなのです!』
まぁ、これって、色んな意味で大丈夫なのだろうかと思われるし、基本的に血の近い存在と云うのは、生物学的に云っても、本能的にそう云った対象とはならない…と云うのが通説なのだけれど。(これは血が濃くなり過ぎるのを本能的に避けている為)
ルルーシュの場合、こうした自然の摂理をも翻してしまう『萌え♪』を持って生れてしまった、稀有な存在であるのだ。
なんだかんだ云って、ルルーシュには悪い虫がいつでも取り巻いている状態だ。
ルルーシュに付き纏っている人々、ストーキングしている人々に、そんな自覚なんてありはしないのだけれど。
ただ、ルルーシュの無駄に、無自覚にばらまいているそのフェロモンが悪いと云えばその通りなのだ。
と云うか、これは、どういう経緯でルルーシュの遺伝子に入り込んだのか…と云うか、突然変異なのだろうか?
ルルーシュの両親を見た時、シャルルパパに関してはどう見ても、息子にべた惚れ状態で、無自覚にフェロモンをばら撒くタイプには見えない。
マリアンヌママの場合、確かに美人だし、フェロモンはあると思われるが、何故に選んだ相手がシャルルなのだろうかという、微妙な疑問が残るし、彼女自身、『マゾッ子』なフェロモンじゃなくて、どう見ても『女王様』フェロモンである。
この、無自覚『マゾッ子萌え♪』フェロモンはどこからきたものなのか解らない。
ただ、そんなどうでもいい疑問はともかく、ルルーシュには誰かれ構わず引き寄せるフェロモンを持っていると云う事だけは事実である。
そんな相手を一人占めしようと思うこと自体、中々命知らずとも云えるのだけれど。
ただ、スザクなら普通にやりそうだ。
そして、それをやってのけるだけの(公式設定の)天然体質は十分備えている。
それを見破っているのが天敵であるナナリーと云うのは少々難はありそうだけれど、人間、一度死ぬ気になればそのくらいの事は乗り越えられる!(筈!)

 とりあえず、ここまで説明すれば、スザクは名目上、ルルーシュと両想いの恋人同士という事になっているけれど。
公式でもルルーシュはまだまだお子ちゃまの域を脱していないが、スザクは大人の階段を上っちゃっていると云う設定…。
そのお陰もあるのか、二次創作(特にスザルル)では結構経験豊富キャラになっているけれど。
ルルーシュ相手だと、そうそう、その豊富な経験は何の役にも立っていない様である。
今回もどうやって、ナナリーのしかけている罠をすりぬけて、ルルーシュに触れる事を可能にするか…考えている。
そんな事に頭を使えるなら、ルルーシュに教えて貰わなくても二次関数の一つや二つ、普通に解けるくらいの頭はありそうなのだけれど。
しかし、悲しいかな…。
人間と云うのは、自分の好きな事に対しては頭も、肉体も限界を超えて酷使する事が出来るけれど、そうでない分野に関してはそうはいかないのだ。
恐らく、それを証明しているのが、今のスザクだろう。
これだけ、知恵を働かせていると云うのなら、『ゼロ』に負けないくらいの戦略、策略を持ってねじ伏せる事も出来るかもしれないと云うのに。
どう考えても、『ゼロ』の方が腕力で劣るのだから、そこにスザクが『優れた戦略(もしくは策略)』を取り入れたのなら、一発で仕留める事が出来るに違いない。
あの、とげとげマスクを外した時に受けるショックまでは他の人間では責任を持つ事は出来ないが。
そんな事はともかく、スザクは今現在、とっても真剣に考えているのだ。
そう!
ルルーシュと恋人っぽくあんな事とか、こんな事とか、あまつさえそんな事まで…
勿論、ルルーシュは初めてだと云う大前提である。
どう見てもルルーシュにそのテの経験があるとはとても思えない。(←結構失敬な奴なのもスザククオリティ)
現在は昼休み…
恋人となったルルーシュはスザクが学校に来られる日には、
『軍人は身体が資本だろ?』
と、ルルーシュの事を色々知っちゃっている第三者に対して涙を誘う一言を告げながら、手作り弁当を差し出して来てくれる。
これほどまで幸せな設定にして貰っているくせに、スザクはまだ、それ以上を望む不届き者として、ナナリーが咲世子を使ってまで成敗したい気持ちが少しだけ理解出来てしまいそうになる。
それでも、スザクは本編では『空気を読まない!』キャラとして名を馳せている。
そんな事をいちいち気を使っていたら、ルルーシュの恋人の座など守り切る事が出来る訳がない。
まぁ、またも話はそれたが、そんな、ルルーシュの愛情たっぷりの手作り弁当を左手に持ち、箸が動いていない状態が少しの間続いていた。
いつもなら、ルルーシュのお弁当をそれはそれは、嬉しそうに、幸せそうに、美味しそうに食べているスザクだっただけに、ルルーシュは少々心配になってになってしまって、スザクに声をかけた。
「スザク…どこか、具合でも悪いのか?それとも、俺の弁当、まずかったか?多分、俺の体調自体は悪くないから味覚がくるって味の付け方を間違えたなどと云う事は絶対にない!という事は…」

 ルルーシュを狙っている者達が見たら、その場で即刻、殺されても文句は言えない今のスザクの状態…。
しかし、こう云う時は意外と、どさくさに紛れてチャンスはあると云うものだ。
「あ、違うんだ!ルルーシュ!ごめん…ちょっと、考え事をしていて…」
流石にルルーシュとあんな事とか、こんな事とか、あまつさえそんな事まで全部こなす為にはどうしたらいいかを考えていたなんて、云えない。
しかし、この事態を何とか収拾付けなければならないのは事実だ。
スザクはお弁当をこれまた、ルルーシュお手製のランチョンマットの上に置いて、俯いているルルーシュの肩に手を乗せた。
―――あれ?ルルーシュの肩…
スザクはルルーシュの肩に手を置いた時に、ある事に気がついた。
少々、無駄知識があった為にスザクは驚いてしまった。
と云うのも、日本人特有の病気であると云う肩こりを、ルルーシュがしていたのだ。
スザクの方は、身体を動かしているし、身体を完全固定した作業をする事は殆どないから、基本的に肩こりと云うのは、あまりない。
緊張する様な体質でもないので、緊張の所為で肩がこると云う事もない。
「ねぇ…ルルーシュ、ひょっとして、肩、結構辛いんじゃないの?」
スザクはルルーシュに尋ねてみる。
するとルルーシュは…
「あ、いや別にそんな事は…」
こんなところでまで負けず嫌いを発揮する事もないだろうに…と思うのだけれど。
ルルーシュ自身、誰かに心配されると云う事に慣れていないと云うか、苦手意識がある様に見える。
そんなルルーシュを見ていて…。
ちょっと意地っ張りな表情は可愛いと思うけれど、やっぱり、素直に話して欲しいと思う部分もあって。
結構複雑な気分である。
しかし、スザクはここで、ピンと来た。
何か(良からぬ事)を思いついたらしい。
少し顔を赤らめてぷいっと横を向いてしまったルルーシュを見て、やっぱり可愛いと思って、そして、更に(良からぬ)何かを思いついたようで、少しだけ、スザクはご機嫌になった。
「ねぇ、ルルーシュ…、来週、数学のテスト、あるでしょ?僕、ほら、最近は割と学校に来られているけれど、やっぱり、勉強って苦手でさ…」
ちょっとだけ、困った様な笑いを零しつつ、でもって、ちょっと言いにくそうな表情をしている。
これも、ナチュラル系のボケキャラの必須アイテム(?)と云えるだろう。
その裏に何を隠しているのか、ルルーシュは全く気付いていない時点で、こっちの方は、天然、混じりッ気なしの、おまけに一歩間違うと非常に危険なナチュラル系ボケキャラと云えるだろう。
そもそも、本当の天然、混じりッ気なしの、おまけに一歩間違うと非常に危険なナチュラル系ボケキャラが、そんな自覚はある筈がないのだけれど。
そんなスザクに対して、ルルーシュは、『やれやれ』と云った表情で答えてくれた。
「解ったよ…。今日、一緒に夕飯、食べるか?」
この一言で決まった。
そして、その日の夜、スザクの今さっき思いついた(良からぬ)何かがルルーシュに対して施される事になるのである。

To Be Continued


あとがきに代えて



リクエスト企画の第5作目です。
えっと、前置きが長くなりましたが…ある程度引っ張りたかったので色々設定を詰め込みました。
ここからは複数リクエスト下さった方の作品となります。
結構自由度のあるリクエストだったので、好き放題やったら…やり過ぎの感が…ヾ(▽^;)ゞうへへ
まぁ、いつもの事と、笑って許して下さい。
とにかく、ここのところ、シリアスばかり書いていて、実生活もシャレにならない程色々あって、とどめに夏コミ落選だったので、話しを明るくしようとして…こんな風になっちゃいました。
それでも、笑って、楽しんで頂ければと思います。
コミケって申込書の不備がなければ85%くらいはスペース取れるってwikiさんに書いてあったし、他のそう云った事に詳しい方に教えて頂いても、そう云っていたので…
説明書引っ張り出してとにかく、自分の申込書を確認したのですが…不備が解らない…Σ( ̄◇ ̄;;;;
つまり、本当に抽選に漏れて15%に入ったってことなんですよね…
こう云う時のくじ運の命中度は凄いな…(苦笑)
前回もちゃんと書きこみの時も、書いた後もしっかりチェックしていて、不備がなかった筈なんですけれど。
和泉の運も凄いな…ここまで来ると…
で、ニコ動で元気になれる音楽を聞いていました。
貼り付けておきますが、スキップできないので、『19:25』『28:52』『38:45』から始まる曲を何度も聞いていました。



『BEST FRIENDS』 鎧伝サムライトルーパー セカンドアルバム



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posted by 和泉綾 at 23:42| Comment(0) | TrackBack(0) | Novel Rebellion開設2周年

Novel Rebellion開設2周年記念リクエスト企画 16

Stiff neck 01



※設定:毎日パソコンに向かっているルルーシュを見ていて、スザクはふとある疑問を抱きます。
『ルルーシュって肩凝ってないのかな?』
と。
そこから始まる『萌え♪』展開は…?
一応、スザルルは両想いですが、まだまだ清い仲です。

このお話しは紫翠さまからのリクエストです。有難う御座いました。(頂いたリクエストの数の関係で順番が前後してしまった事をお詫びします)

 2週間程前から両想い、つまりは恋人同士となったルルーシュとスザクではあったけれど。
いつでもどこでもルルーシュにちょっかいを出したいスザクと、何かと恥ずかしがって、あと、ナナリーの目(じゃなくて耳)が気になって変に手を出されると怒りだすルルーシュ。
尤も、その辺りはルルーシュがあまりにナナリーに綺麗な夢を抱き過ぎているフシがあるのだけれど。
両想いになったと云っても、『お兄様らぶ♪』オーラを隠そうともせず、これまで、ルルーシュに近付く女子たちをその見えないけれど、確実に相手に脅威を与えるその(それこそ、城○沙織のコス●か迦☆羅の妖邪★ワーかと云えるほどの)オーラで追い払って来ていたナナリーだった。
そのオーラも幼馴染にして、ナナリーの事をよく知っているスザクには通用しなかった…と云う事なのだけれど。
お互いにルルーシュの事をよく知り、自分の天敵の事をよく知る二人だ。
ナナリーは何としても愛しい兄のその大切な純潔を守ろうと必死だし、スザクはそんな隙を縫ってその一見、儚げな妹と思いきや、最愛の兄が絡んで来ると天使から鬼神に早変わり出来るナナリーよりも前に行きたいと普段は使わない頭を必死に使っている。
中々、スザクにとっても、『萌え♪』を望む(腐)女子にとっても、前途多難なカップル設定となってしまったわけだけれど。
しかし、この二人も器用にその、恐ろしげなオーラの応酬をルルーシュに知られない様に続けながら、いつでも火花を散らしている状態だ。
リヴァル辺りは、
『あの、恐ろしげな火花に気づかないルルーシュって一体どんな鈍感だよ!』
と、涙目になって、うっかり口にしてしまったところ、スザクとナナリーに生徒会室の備品倉庫に連れ込まれて、5分後、まるで『ムンクの叫び』の様な顔をして出て来たというエピソードがある。
それを見たカレンが…中で何が起きていたのか、絶対に知りたくないと云う顔をしてリヴァルに
『大丈夫?』
と、一応、心配しているのよ…と云う言葉をかけてくれた。
基本的にアッシュフォード学園では猫かぶりモードなのでそれこそ、心のこもっていない社交辞令だと云う事は、カレンの猫かぶりをよく知っている者であれば一目瞭然であったけれど。
とりあえず、その辺りは完全にスルーだし、問題はそこじゃない。
リヴァルが顔色を変えている中、スザクとナナリーが一緒にいたのを見たルルーシュがにこりと笑って声をかけて来た。
「あ、お前たち、何こそこそしているんだ?」
そこに、超鈍感設定の、鈍感大魔王降臨中のルルーシュの姿が…リヴァルには本当にすごい奴なのか、どこまで鈍感な奴なのか…と云う事で、苦悩している。
おまけに、顔色を変えているリヴァルに対しては完全にスルーしているルルーシュに…
―――お前…友達を助けようと云う気持ちはないのか?
うっかりそんな事を思ってしまったリヴァルだけれど。
しかし、リヴァルは大きな誤解をしていた。
ルルーシュの目にはリヴァルはスザクとナナリーと3人で楽しい内緒話をしていたように見えている。(そこはスザクとナナリーがルルーシュの世界の中心だから)
この事実に気がつくまで、リヴァルにはもう少し時間が必要だったようだけれど。

 とりあえず、両想いになったルルーシュとスザクの環境説明はこれくらいにして…
こんな状態だと、スザクもせっかく両想いになったはいいけれど、実は、片想いの時の方がルルーシュと一緒にいる時間が長かったのではないかと思えるほどの環境になってしまった。
と云うのも、ナナリーに完全にロックオンされ、ルルーシュにさえ『咲世子は天然だから…』とのたまわられた咲世子はナナリーの『萌え♪』友となり、現在、(名目上)ルルーシュの純潔を守るための戦士となってしまった今、完全なプロの訓練を受けている咲世子と、ナンバーズと云う事で、適当な訓練で前線の弾よけにされていたスザクの戦いとなっていて…。
まぁ、ぶっちゃけ、前途多難な状態は続いているのだ。
それでも、ルルーシュに気づかれないように…という鉄則がある為、スザクに『あの…授業で解らなかったところが…あるんだけど…』と、捨て犬の様な目でルルーシュ頼んだ時、絶対にルルーシュが拒まない。
その事をよく解っているナナリーとしてはその度に歯噛みをしているのだけれど…
だからこそ、無駄に咲世子にお茶を持って行かせるし、時に、そのSPの能力を使って、中の様子を探らせるし。
で、必要とあらば…
『咲世子さん、必要でしたら、ドアを蹴破っちゃって下さいね?その場でスザクさんを現行犯逮捕して、ユフィ異母姉さまに熨斗付けてお返ししちゃって下さい…』
と、にこりと笑ってお願い…ではなくて、確実に『絶対遵守命令』を下している。
とまぁ、これに気づかないルルーシュの鈍感さは既に、ギネスもの…と云えるほどの鈍感さを発揮しているのだけれど。
それでも、ルルーシュの目には仲良くスザクとナナリーが仲良く戯れていると云う感覚しかないのだ。
そんな光景を望んでいたルルーシュにとって、そんな二人の姿に目を細めている。
ただ、時々、ナナリーを失望のどん底に叩き落すような一言をかますのが、玉にきずなのだけれど。
と云うのは…
『ナナリー…その…ナナリーは、スザクの事が…その、好きなのか?』
一応、ナナリーにスザクと両想いになった事をカミングアウトしていたのだけれど…その度にナナリーは兄の前ではなく、自分のベッドの中で枕を涙で濡らしているのだ。
『お兄様…お兄様を世界で一番愛しているのは私なのに…。何故、あんな野獣で、おバカで、ユフィ異母姉さまに熱をあげていれば事は穏便にすんだ筈のスザクさんとだなんて…』
そう云いながら、ベッドの中でさめざめと泣いているのだった。
ぶっちゃけ、スザクを選んだルルーシュに対しても失礼な言い草だとは思われるが…
それでも、兄を盗られてしまったと云う…しかも、ナナリーの知る中で一番危険人物認定をしている相手に盗られてしまったと云う悔しさに、そんな事は頭から吹っ飛んでいた。
ともあれ、そんな事で『兄の愛』を諦める様なナナリーではない。
これから先も二人の一線を越えない様にけっして、スザクへの警戒を怠らないと決めたのだった。

 さて、スザクにとっての天敵はナナリーであるが…他にもスザクの邪魔をしようとしている者はまだまだいる。
と云うのも、ルルーシュ本人に自覚はないようだけれど、とにかく、この世の中、ルルーシュを愛したやまない老若男女が多いらしい。
アッシュフォード学園の中、ブリタニア軍の中、そして、通りすがりの貴族やマフィアたち。
とりあえず、誰かれ構わない状態らしい。
ここで無自覚だと云う事にそもそも問題があるのだけれど。
そのくらいの鈍感だからスザクとしても、何としても付け込む(?)隙を見つける様に頑張ろうとしているわけだけれど。
ただ、鈍感と天然と云うのは、小細工を施そうと考える者にとってこれほど厄介な者はないのだ。
本来、こうした小細工を考えるのはルルーシュなのだけれど、事、色恋沙汰の場合、ルルーシュはこうした小細工を施される側なのだ。
しかし、ルルーシュの鈍感さはとにかく手ごわい。
最愛の妹であるナナリーでさえ、てこずるほどなのだ。
ナナリーはこんな野望を抱いているのだ。
『お兄様の初めて(←何の事だかは各自の御判断にお任せ致します)は全て、私のものなのです!』
まぁ、これって、色んな意味で大丈夫なのだろうかと思われるし、基本的に血の近い存在と云うのは、生物学的に云っても、本能的にそう云った対象とはならない…と云うのが通説なのだけれど。(これは血が濃くなり過ぎるのを本能的に避けている為)
ルルーシュの場合、こうした自然の摂理をも翻してしまう『萌え♪』を持って生れてしまった、稀有な存在であるのだ。
なんだかんだ云って、ルルーシュには悪い虫がいつでも取り巻いている状態だ。
ルルーシュに付き纏っている人々、ストーキングしている人々に、そんな自覚なんてありはしないのだけれど。
ただ、ルルーシュの無駄に、無自覚にばらまいているそのフェロモンが悪いと云えばその通りなのだ。
と云うか、これは、どういう経緯でルルーシュの遺伝子に入り込んだのか…と云うか、突然変異なのだろうか?
ルルーシュの両親を見た時、シャルルパパに関してはどう見ても、息子にべた惚れ状態で、無自覚にフェロモンをばら撒くタイプには見えない。
マリアンヌママの場合、確かに美人だし、フェロモンはあると思われるが、何故に選んだ相手がシャルルなのだろうかという、微妙な疑問が残るし、彼女自身、『マゾッ子』なフェロモンじゃなくて、どう見ても『女王様』フェロモンである。
この、無自覚『マゾッ子萌え♪』フェロモンはどこからきたものなのか解らない。
ただ、そんなどうでもいい疑問はともかく、ルルーシュには誰かれ構わず引き寄せるフェロモンを持っていると云う事だけは事実である。
そんな相手を一人占めしようと思うこと自体、中々命知らずとも云えるのだけれど。
ただ、スザクなら普通にやりそうだ。
そして、それをやってのけるだけの(公式設定の)天然体質は十分備えている。
それを見破っているのが天敵であるナナリーと云うのは少々難はありそうだけれど、人間、一度死ぬ気になればそのくらいの事は乗り越えられる!(筈!)

 とりあえず、ここまで説明すれば、スザクは名目上、ルルーシュと両想いの恋人同士という事になっているけれど。
公式でもルルーシュはまだまだお子ちゃまの域を脱していないが、スザクは大人の階段を上っちゃっていると云う設定…。
そのお陰もあるのか、二次創作(特にスザルル)では結構経験豊富キャラになっているけれど。
ルルーシュ相手だと、そうそう、その豊富な経験は何の役にも立っていない様である。
今回もどうやって、ナナリーのしかけている罠をすりぬけて、ルルーシュに触れる事を可能にするか…考えている。
そんな事に頭を使えるなら、ルルーシュに教えて貰わなくても二次関数の一つや二つ、普通に解けるくらいの頭はありそうなのだけれど。
しかし、悲しいかな…。
人間と云うのは、自分の好きな事に対しては頭も、肉体も限界を超えて酷使する事が出来るけれど、そうでない分野に関してはそうはいかないのだ。
恐らく、それを証明しているのが、今のスザクだろう。
これだけ、知恵を働かせていると云うのなら、『ゼロ』に負けないくらいの戦略、策略を持ってねじ伏せる事も出来るかもしれないと云うのに。
どう考えても、『ゼロ』の方が腕力で劣るのだから、そこにスザクが『優れた戦略(もしくは策略)』を取り入れたのなら、一発で仕留める事が出来るに違いない。
あの、とげとげマスクを外した時に受けるショックまでは他の人間では責任を持つ事は出来ないが。
そんな事はともかく、スザクは今現在、とっても真剣に考えているのだ。
そう!
ルルーシュと恋人っぽくあんな事とか、こんな事とか、あまつさえそんな事まで…
勿論、ルルーシュは初めてだと云う大前提である。
どう見てもルルーシュにそのテの経験があるとはとても思えない。(←結構失敬な奴なのもスザククオリティ)
現在は昼休み…
恋人となったルルーシュはスザクが学校に来られる日には、
『軍人は身体が資本だろ?』
と、ルルーシュの事を色々知っちゃっている第三者に対して涙を誘う一言を告げながら、手作り弁当を差し出して来てくれる。
これほどまで幸せな設定にして貰っているくせに、スザクはまだ、それ以上を望む不届き者として、ナナリーが咲世子を使ってまで成敗したい気持ちが少しだけ理解出来てしまいそうになる。
それでも、スザクは本編では『空気を読まない!』キャラとして名を馳せている。
そんな事をいちいち気を使っていたら、ルルーシュの恋人の座など守り切る事が出来る訳がない。
まぁ、またも話はそれたが、そんな、ルルーシュの愛情たっぷりの手作り弁当を左手に持ち、箸が動いていない状態が少しの間続いていた。
いつもなら、ルルーシュのお弁当をそれはそれは、嬉しそうに、幸せそうに、美味しそうに食べているスザクだっただけに、ルルーシュは少々心配になってになってしまって、スザクに声をかけた。
「スザク…どこか、具合でも悪いのか?それとも、俺の弁当、まずかったか?多分、俺の体調自体は悪くないから味覚がくるって味の付け方を間違えたなどと云う事は絶対にない!という事は…」

 ルルーシュを狙っている者達が見たら、その場で即刻、殺されても文句は言えない今のスザクの状態…。
しかし、こう云う時は意外と、どさくさに紛れてチャンスはあると云うものだ。
「あ、違うんだ!ルルーシュ!ごめん…ちょっと、考え事をしていて…」
流石にルルーシュとあんな事とか、こんな事とか、あまつさえそんな事まで全部こなす為にはどうしたらいいかを考えていたなんて、云えない。
しかし、この事態を何とか収拾付けなければならないのは事実だ。
スザクはお弁当をこれまた、ルルーシュお手製のランチョンマットの上に置いて、俯いているルルーシュの肩に手を乗せた。
―――あれ?ルルーシュの肩…
スザクはルルーシュの肩に手を置いた時に、ある事に気がついた。
少々、無駄知識があった為にスザクは驚いてしまった。
と云うのも、日本人特有の病気であると云う肩こりを、ルルーシュがしていたのだ。
スザクの方は、身体を動かしているし、身体を完全固定した作業をする事は殆どないから、基本的に肩こりと云うのは、あまりない。
緊張する様な体質でもないので、緊張の所為で肩がこると云う事もない。
「ねぇ…ルルーシュ、ひょっとして、肩、結構辛いんじゃないの?」
スザクはルルーシュに尋ねてみる。
するとルルーシュは…
「あ、いや別にそんな事は…」
こんなところでまで負けず嫌いを発揮する事もないだろうに…と思うのだけれど。
ルルーシュ自身、誰かに心配されると云う事に慣れていないと云うか、苦手意識がある様に見える。
そんなルルーシュを見ていて…。
ちょっと意地っ張りな表情は可愛いと思うけれど、やっぱり、素直に話して欲しいと思う部分もあって。
結構複雑な気分である。
しかし、スザクはここで、ピンと来た。
何か(良からぬ事)を思いついたらしい。
少し顔を赤らめてぷいっと横を向いてしまったルルーシュを見て、やっぱり可愛いと思って、そして、更に(良からぬ)何かを思いついたようで、少しだけ、スザクはご機嫌になった。
「ねぇ、ルルーシュ…、来週、数学のテスト、あるでしょ?僕、ほら、最近は割と学校に来られているけれど、やっぱり、勉強って苦手でさ…」
ちょっとだけ、困った様な笑いを零しつつ、でもって、ちょっと言いにくそうな表情をしている。
これも、ナチュラル系のボケキャラの必須アイテム(?)と云えるだろう。
その裏に何を隠しているのか、ルルーシュは全く気付いていない時点で、こっちの方は、天然、混じりッ気なしの、おまけに一歩間違うと非常に危険なナチュラル系ボケキャラと云えるだろう。
そもそも、本当の天然、混じりッ気なしの、おまけに一歩間違うと非常に危険なナチュラル系ボケキャラが、そんな自覚はある筈がないのだけれど。
そんなスザクに対して、ルルーシュは、『やれやれ』と云った表情で答えてくれた。
「解ったよ…。今日、一緒に夕飯、食べるか?」
この一言で決まった。
そして、その日の夜、スザクの今さっき思いついた(良からぬ)何かがルルーシュに対して施される事になるのである。

To Be Continued


あとがきに代えて



リクエスト企画の第5作目です。
えっと、前置きが長くなりましたが…ある程度引っ張りたかったので色々設定を詰め込みました。
ここからは複数リクエスト下さった方の作品となります。
結構自由度のあるリクエストだったので、好き放題やったら…やり過ぎの感が…ヾ(▽^;)ゞうへへ
まぁ、いつもの事と、笑って許して下さい。
とにかく、ここのところ、シリアスばかり書いていて、実生活もシャレにならない程色々あって、とどめに夏コミ落選だったので、話しを明るくしようとして…こんな風になっちゃいました。
それでも、笑って、楽しんで頂ければと思います。
コミケって申込書の不備がなければ85%くらいはスペース取れるってwikiさんに書いてあったし、他のそう云った事に詳しい方に教えて頂いても、そう云っていたので…
説明書引っ張り出してとにかく、自分の申込書を確認したのですが…不備が解らない…Σ( ̄◇ ̄;;;;
つまり、本当に抽選に漏れて15%に入ったってことなんですよね…
こう云う時のくじ運の命中度は凄いな…(苦笑)
前回もちゃんと書きこみの時も、書いた後もしっかりチェックしていて、不備がなかった筈なんですけれど。
和泉の運も凄いな…ここまで来ると…
で、ニコ動で元気になれる音楽を聞いていました。
貼り付けておきますが、スキップできないので、『19:25』『28:52』『38:45』から始まる曲を何度も聞いていました。



『BEST FRIENDS』 鎧伝サムライトルーパー セカンドアルバム



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posted by 和泉綾 at 23:42| Comment(0) | TrackBack(0) | Novel Rebellion開設2周年

2010年06月05日

Novel Rebellion開設2周年記念リクエスト企画 15

Be Together Final



※設定:1期のユーフェミアがスザクを騎士にした頃から始まります。
ユーフェミアが理想論とも云える様な提案と、現実のギャップに…周囲の困惑が広がっていきます…
ユーフェミアの騎士となったスザクの決断は…?

このお話しはRinka様からのリクエストです。
リクエスト、有難う御座居ました。

 そこは…アッシュフォード学園と比べて酷く静かな場所だった…
正直、ここに来て、この人物に頼る事を考えたくはなかったけれど…
それでも…今、ルルーシュにとっての最も安全な場所…
ルルーシュとその人物は…現在、契約関係にある。
ルルーシュが『ゼロ』であると知る、数少ない人物…
「落ち着かれたかな…?」
ルルーシュがその人物から借りているその部屋でデータの分析をしている時にその人物は入ってきた。
「申し訳ありません…急な事で…」
「スザクが名誉ブリタニア人の一兵卒で済んでいる内はまだよかったが…事がここに至ってしまっては…こちらとしても君があちらに持って行かれるのは困る…。『黒の騎士団』の中で君の代わりになる者はおらん…」
互いに…利用しあっていると云う自覚のある関係…
お互いに利用価値があるから互いに力を発揮する…それだけの関係…
だから、非常に危うい信頼関係だ。
それでも、今のアッシュフォード学園にいるよりは遥かに安全だとなると…苦笑するしかない。
「桐原翁…なんだか、政庁ではなかなか面白い事になっている…。あの副総督も…何を考えてこのような発案をしたのか…」
「ああ…『行政特区日本』か…。その様なものに価値を見出すのは、現実を知らぬ者ばかり…。そんな制度があったところで、全ての日本人が入れる訳でもない…。そして、結局はブリタニアの管理下に入る事になる…。それでは全く意味はない。『名前』だけ取り戻したところで、『日本人』と云う名の『ナンバーズ』が生まれるだけ…」
「富士山周辺と云う事は…うまくやれば、貴方がそこを拠点にその力で…」
ルルーシュがそう云いかけた時…その老人はくっと笑った。
「本気で云っておいでか?殿下は…。『行政特区日本』に入れなかった者達はブリタニアの人質となる…。それではどうしたって動くことは出来ますまい…。どう考えても、その特区に我々日本人の治める地になると思える程、儂も耄碌してはおらん…」
そのセリフに今度はルルーシュもふっと笑った。
「ただ困った事に…『黒の騎士団』の扇に関しては…その辺りの言葉を自分の云い様に解釈しそうですし…。それに甘言に乗せられそうな連中は多いですよ…」
「その辺りは…殿下の手腕の見せ所でしょう?儂も…そなたのブリタニアに対する怨念を信じてこそ…『黒の騎士団』への支援を決めたのをお忘れではあるまいて…」
「あの時…俺の申し出を受け入れてくれた時に、貴方が考えていた事を知りたいのですが?7年前のあの時…俺達を殺そうとしたのに…」
「背景が変わった…。今の状態では儂としてもそなたを利用価値あるコマとして見ている。そなたも儂をそう見ている…。あの時、殺さなかったあの軍人には感謝だな…」
本当に…お互いに何かを腹に隠している会話…
でも、ルルーシュ自身はそれでいいと思っている。
変に感情移入されても困るし、感情で行動されてもお互いに困る。
「この先…どこまでそう云っていられるか…。厄介な事になって来ています。俺としてはそんな形で日本人が二つに割れる事の方が問題だと思っていますけれど…。桐原翁は…どうお考えになりますか?」

 その様な会話を成されている中…
ルルーシュとナナリーの消えたアッシュフォード学園の中でも…色々騒ぎになっていた。
スザクのユーフェミアの騎士叙任と共に消えた、ランペルージ兄妹の話し…
おまけに、アッシュフォード家でも探しだす事が出来ない程、巧妙に姿を消しているのだ。
既に理事長は下手に探しまわって逆にブリタニア軍に怪しまれる方が困るとの結論から、ランペルージ兄妹の捜索を打ち切った。
ただ、生徒会のメンバーだけは…時間を見つけては租界を歩き回ったり、ゲットーに潜り込む事もあった。
そして…スザクは自主退学という形で退学していた。
今回のスザクのユーフェミアの騎士叙任でアッシュフォード学園内も随分変わってしまった。
「まったく…どこ行っちゃったのかしらね…」
ミレイが独り言でそんな事を呟いた。
「スザク君も…なんで学園を退学なんて…」
ナンバーズに対して特別な意識のないシャーリーやリヴァルはそちらも気になるらしい。
イレヴンに対して大げさな程の恐怖心を抱いているニーナだけは…口には出さないものの、なんだかほっとしている様子で…
カレンは…彼女の事情から、何も云わない…
「でも、凄いよなぁ…スザク…。ユーフェミア皇女殿下に認められたって事だろ?」
「でも、今のこのエリアの現状を知らない皇女様がいきなりイレヴンと呼ばれる人を騎士にして…恐らく、軍でも政庁でも色々大変だと思うわよ…」
リヴァルが素直に、ストレートに感心しているところに…
なんだか複雑な感情を抱いているらしいカレンが口を挟んだ。
その一言に関しては…
実際に、スザクがこの学園に編入してきた当時と、スザクが『ランスロット』のパイロットだと解った時、ユーフェミアの騎士に選ばれた時…随分学園内は混乱している。
確かにアッシュフォード学園はナンバーズの学生も受け入れているけれど…
それでも、学園の方針はどうであれ、学園の教師や学生がそのシステムに対して、普通に入りこめる形にならなければ…意味はない。
何が正しくて、何が間違っているかではなく…
それが現実なのだ。
「まぁ、仕方ないわ…。とにかく!ルルーシュとスザクがいなくなった事で、人手が足りないんだから!さっさと作業に戻る!」
ミレイの一言でその場が解散して行く。
それぞれの背中を見ながら…
その中にルルーシュやスザク、ナナリーがいる光景を思い浮かべてしまうのは…
―――私自身…何も出来なかったから…なのよね…。ルルーシュ、スザク、ナナリー…御免なさい…。本当に…御免なさい…
ミレイはその場にいない人物達に心の中で必死に謝った。
きっと、彼らには届かなくても…
ミレイ自身、彼らが大好きで…一緒にいると楽しくて…
ずっと…そんな日々が続いてくれる事を願っていた。
それなのに…力なき者は力ある者に従うしかないと云う…そんな現実をまざまざと見せつけられた。
これが…ブリタニア…
そこに、憤りを感じていても…結局、何もできない。
こんな事を考えてはいけないのかもしれないけれど…
―――一体…何の為に…スザクは指名されたのかしら…。このままじゃ、きっとスザクは…
ミレイの中でそんな思いが過って行ったのだった。

 ユーフェミアの考えるこのエリアに『行政特区日本』を建設するという計画は…
結局、最初の会議では殆ど話を聞いて貰う事も出来ずにいた。
しかし、このエリア11にシュナイゼルが訪れた事で話しが一変した。
シュナイゼルがユーフェミアの提案に対して、絶賛したのだ…
そうなると、政庁内でも反対してその案を潰す事も出来なくなる。
コーネリアはその『行政特区日本』の危険性を解っていたから…
だから、シュナイゼルの言葉に対して、難色を示したが…
相手は帝国の宰相だ。
シュナイゼルの言葉を覆す事が出来ず…ユーフェミアの『行政特区日本』は大々的にニュースに乗せられて行った。
そして…エリア中が歓喜に沸いている映像がどんどん流されて行った。
その危険性を訴える声は決して電波には乗らず、インターネット上でもその案に対しての批判的な書き込みは削除されて行った。
こうして、ユーフェミアに対してその案の危険性を訴えられる者はコーネリアと、騎士となったスザクしかいなくなったわけだけれど…
それでも、シュナイゼルが太鼓判を押したと云う事で…今更、覆せないところまで来てしまっていた。
スザクの危機感はさらに募った。
「ユーフェミア皇女殿下!この『行政特区日本』の制作にはランでいる危険性を本当にご存知ですか?今のこのエリアがそんなシステムが…受け入れられるだけの体勢になっているとはとても思えません!」
スザクが何度も必死に訴えているが…
でも、どこまで届いているのか…解らない。
シュナイゼルの言葉によってユーフェミアが更に進めて行くこととなってしまい…
―――このままでは…『黒の騎士団』は確かに色々揉めていると云う話しは聞くけれど…こんなもの…設立しても、決してその先に光はない…
スザクも元々政治家の…国のトップに立つ首相の息子だ。
そして、将来父の後を継いで首相になると云う夢も持っていた。
だからこそ、政治に関しては幼いながら学んできたし、幼い頃からそう云った問題を抱える父の姿を見て来て、自然と、政治感覚を養ってきた。
それがどれほどのものかは…解らないけれど…
それでも、今のユーフェミアの唱えている『行政特区日本』の危うさくらいは解る。
「何故です!日本人の皆さんは『イレヴン』と呼ばれる事を大変嫌っていますし…私も失礼な呼び方だと思っています!だから…そうじゃない場所を…」
「それは…人から与えられるものでも、人に奪われるものでもないのです…。元々日本は一主権国家でした。力がないから自国の主権を守る事が出来なかった…そう云われればその通りです。しかし…占領されているとはいえ、一部地域だけ『行政特区』などという形で、『日本人』になる事をお許し頂くと云う事はあり得ないのです!」
「許すとか…許さないではないでしょう!これは…」
「でも…皇女殿下の仰っている事は…『イレヴン』達に『日本人』になる事をお許しになる…そう云う政策ですよね?ブリタニアの占領下にある日本の地に…ブリタニア人から与えられた場所の中で…と云う…」
ユーフェミアがスザクのこの言葉に…はっと息をのむ。
それでも…ここまで来て引くことは出来ないとばかりに…
態度がさらに硬化してしまったのだった。
―――僕は…一体何をしているんだ…。ルルーシュ…君は今…無事でいるんだろうか…

 結局…焦りと戸惑いを抱えた人々の多い中…
『行政特区日本』の式典が開かれる日が来た。
その場には…
『キョウト六家』の桐原をはじめ、様々なイレヴンの来賓も来ていた。
ここではナンバーズでも来賓として扱われ、そして、会場には入りきらない程のイレヴン達が集まっている。
スザクは騎士服を着て…ユーフェミアの傍に控えている。
結局…何もできなかった・・
その思いだけが…募っている。
なにしろ、シュナイゼルの言葉は大きい。
そのお陰で、政庁内では誰も反対できなくなった。
こんな状態で…『行政特区日本』を建設したところで…何もいい事などない。
寧ろ、いらぬ争いの火種が生まれるだけだ…
そんな風に思えてくる。
式典が始まり…ユーフェミアが会場のステージで挨拶をしようとしていた時…
「あれは…ガウェイン…?」
1機のKMFが現れた。
流石に会場は騒然とする。
騒然とする中で落ち着いていたのは…
イレヴンの来賓として出席していた桐原だけだった。
その顔を見た時…スザクは何かを感じた。
桐原自身、ここに出席をしているが、この『行政特区日本』を認めているわけではないと…
確かに…多少なりとも政治や民族と云うものを知っていれば…このような傲慢な形での方針は付いて行く事が出来ないだろう。
しかも、エリアは狭くて…とても全ての日本人が入れるだけの余地はない。
恐らく、この式典に集まって来た人々の住居で精一杯だろう。
ここに来る事が出来なかったイレヴン達は…恐らく、この中に入る事が出来ず…
やがて、差が生じ始める。
そこに入れた者と…入れなかった者の違い…
それは大きなものと云えるだろう。
結局、この『行政特区日本』は…
ブリタニアに対して『イレヴン』と呼ばれる事を忌み嫌う…それをこうした形で表現している事となるのだ。
つまり、付きつめて行けばそれは…ブリタニアにとっての危険分子となりうる存在達…と云う事になる。
勿論、ブリタニアに対して反発の意を強く示している者達はここに来ていない可能性もあるけれど…『黒の騎士団』がこの式典をぶち壊しに来ていない時点で、彼らは反対の意思を示していないと云う事にもなる。
この時点で…『黒の騎士団』の意思が固まったと云う事を認識されても…
ある意味仕方がない。
しかし…ここにガウェインが現れたとなると…その意思は…どこにあると云うのだろうか…
スザクが思わず、ステージの方に駆け出して行く。
ユーフェミアに何かあった時…
その時点でまた、様々な形でひずみが生じて来るのだから…
「来てくれたのですね…『ゼロ』…」
ユーフェミアの嬉しそうな声が会場に響いた。
これは…『ゼロ』がこの施策に賛同したと云う事なのか…それとも、潰しに来たのか…
まだ解らない・
だから、スザクは構えるけれど…
ユーフェミアがそんなスザクを抑える。
「大丈夫です…スザク…」
にこりと笑った。
『ユーフェミア=リ=ブリタニア…折り入ってお話ししたい事があります…。二人きりで…』
『ゼロ』のその言葉に…スザクの緊張はさらに高まる。
―――まさか…何をする気だ!?
スザクの中で様々な可能性が頭の中を過って行った。

 『ゼロ』がガウェインから降りて、ユーフェミアに近付いて行く。
そして、ユーフェミアも『ゼロ』に近付いて行く。
「お待ちください!副総督!」
「あの…『ゼロ』…彼も、ご一緒してはいけないかしら?彼は…イレヴンですし…きっと、貴方の憂いを晴らして下さると思いますわ…」
ユーフェミアの言葉にスザクはいい加減、我慢の限界が来た。
彼女自身は悪気がない。
悪気がないと云っても…だからと云って何をしてもいい訳ではないのだ…
「皇女殿下!自分はもう…貴女のやり方について行けません…」
スザクが小さく…呻くように云った…
まるで、絞り出すような声だった。
「スザク…?」
ユーフェミアが不思議そうな顔をしている。
『ゼロ』は…仮面を被っていても…そんなスザクの表情を見て、どんな表情をしているかが…解る様な感じで少しだけ頭を動かした。
「皇女殿下…貴女の優しいお心は…確かに本物だと思います…。そして、本当にそうなればどれほど嬉しいかと願ってしまう程…。でも…今の状態では…今のこのエリアの状態では…ダメなんです!」
スザクが叫ぶようにユーフェミアに訴えた。
スザクのその言葉に…ユーフェミアが驚いた顔を見せる。
流石にこの式典でこの様な事を云われるとは夢にも思っていなかったのだろう…
『これは…一体どういう事なのです?ユーフェミア副総督…』
『ゼロ』が一言、ユーフェミアに尋ねる。
ユーフェミアも『ゼロ』の問いにどう答えていいか解らず、ただ…黙ってしまった。
『ブリタニア側は…きちんと基礎づくりもしないまま、このような提案をされたのですか?ユーフェミア副総督…』
その『ゼロ』の問いは…その場にいた全ての人々…それこそ、ブリタニア人、イレヴン関係なく…動揺を撒き散らす事になる。
否、これは元々あったはっきりと解らなかった、靄のかかっていた不安が…具体的にその姿を見せた瞬間であった。
「そ…それは…その…」
会場内もざわざわとし始める。
そして、ユーフェミアの護衛の為に配置されていた者達も慌てるが…
すぐ傍に『ゼロ』が立っており、すぐ傍には『ゼロ』を乗せていたガウェインが鎮座している状態…
迂闊に動けないと判断した。
「皇女殿下…本当の意味で『日本人』が『日本人』に戻れるのは…このエリアがブリタニア人の手で治められているのではなく…自らの手で治める事が出来る様になった…その時だけです…」
「スザク…私は…」
ユーフェミアがスザクの言葉に…おろおろしているけれど…
そんなユーフェミアを見てスザクはユーフェミアににこりと笑った。
「自分は…殿下の仰って下さった…『『日本人』の皆さんに『日本人』と云う名前を取り戻して欲しいのです…。』という言葉…自分はとても嬉しかった…。でも…今の時点では…まだ、それが出来る段階じゃないし…それを貴女がやってしまったら…日本人は本当に日本人ではなくなってしまいます…。だから…自分は…今はまだ、貴女のその提案を…受け入れる訳にはいきません…」
―――これで…死罪になっても…きっと悔いはない…。否…これでこそ…本望だ…

 スザクがそんな事を考えている時…
『ユーフェミア副総督…貴女の騎士はこのような事を云っておりますが…彼への処分はどうされるおつもりですか?』
『ゼロ』が尋ねて来た。
何を云いたいのか…
何を云おうとしているのか…
何を訴えたいのか…
「ゼ…『ゼロ』…私は…別にスザクを罰するなんて…」
『そんなだから…お飾りの副総督と云われてしまうんですよ…。現実には、彼は確実に懲罰の対象となる。主の施策をこのような公の場で否定しているのです。最悪の場合、居っけですよ?』
「そ…そんな…私は…」
『ゼロ』の言葉にユーフェミアがうろたえている。
恐らく、本当に解っていなかった。
『ならば…彼をブリタニアの政庁からの追放を下して下さい。私が彼の身を預かります。何れ…貴女の云う施策が実現できる時に…必ず力になる様にする事を…お約束致しましょう…』
『ゼロ』の言葉に…スザクは勿論、ユーフェミアも驚いた表情を見せる。
否、その会場にいる殆どの人々が『ゼロ』のその言葉の真意を測れずに…戸惑いを感じているのは間違いない。
「『ゼロ』?」
『枢木スザク…お前はまだ、ユーフェミアの騎士を務めるにはまだ早い…。だから私が…』
『ゼロ』がそこまで云いかけた時…スザクは思わず口を開いた…
「ユーフェミア皇女殿下…自分はやはり、貴女の騎士にはなれない…。それはきっと、どれほど時間が経ったとしても…。でも…貴女のやろうとしている事には…僭越ながら力になりたいと考えています…。ですから…」
こんな事を云って、たとえ、この場は収まったとしても、スザク自身はブリタニア軍から追われる立場となるに違いない。
ブリタニア人であっても皇女に対して不敬罪が適用される。
「私は…まだ…勉強が足りなかった…と云う事なのでしょうか…」
ユーフェミアが小さく呟いた。
スザクがそのユーフェミアの言葉にはっとしてユーフェミアの方を見た。
「私は…やはりまだ、何も知らずにいたのですね…。『ゼロ』、スザク…もし、その時が来たら…その時に、日本人の皆さんに喜んで頂けるように…一緒に協力して頂けますか?」
ユーフェミアが二人に尋ねて来た。
『もし…その時が来たら…』
「自分も…その時には…」
二人の答えを聞いて、ユーフェミアは二人の前に進み出て、右手を差し出し、握手を求めて来た。
「『ゼロ』…やはり私はあなたには勝てないのですね…」
『何を仰っている…?私にはあなたの様な発想こそ出来ませんよ…』
『ゼロ』の一言にユーフェミアが苦笑した。
「スザク…必ず、貴方が本当に守りたいものを…守って下さい…。私の代わりに…」
「え?」
ユーフェミアの言葉に…スザクが驚いた顔をする。
「お願いしますね…スザク…」
そう云って、ユーフェミアは姉の付けてくれた護衛役たちの元へと歩いて行く。
そして、その護衛役であるダールトンが駆け寄ってきた。
「『ゼロ』、枢木スザク…追って、話し合いの場を設ける…。その際には、二人の同席を命ずる…との事だ…」
『命じられるいわれはない…。私は私の意思で、その席に出席しよう…』
そう云って、『ゼロ』が踵を返した。
『枢木スザク…一緒に来い…。君は…ユーフェミアに解任されたのだから…』
『ゼロ』の言葉に…スザクは『ゼロ』と共にガウェインに乗り込み…そして、その場を後にした。
ガウェインからは…混乱が起きない様に、配備されていたブリタニア兵たちが場の収集に努め始めていた。

 中には…黄緑色の髪の少女が操縦席に座っていた。
「おい…『ゼロ』この後…どうするつもりだ…」
『どうするも何も…桐原の元へ戻る。この先、奴にも動いて貰うところが増えるからな…』
二人の会話に…スザクが驚きを隠せない。
「え?桐原さん?」
「おい…こいつには正体を知らせておいた方がいいぞ…。この先、いろいろ面倒な事になるぞ…」
『そうだな…。多分、こいつは…薄々感づいている様だったがな…』
そう云いながら仮面を外す。
スザクは…確かに驚いた顔を見せるけれど…すぐにその表情が緩んだ。
「やっと…教えてくれたね…ルルーシュ…。それにしても…本当にガサツになったよね…。それに…強引だ…」
「そうでもしなければ…お前はこのエリアに混乱の種をばら撒く手伝いをさせられるところだったんだ…。こっちも手段を選んでいられる余裕はなかったからな…」
苦笑しながらルルーシュが答えた。
「ルルーシュ…本当に…彼女の力になれるかな…」
「それはお互い次第だ…。俺が欲しいのはたった一つだ…」
ルルーシュのその言葉に…スザクはクスッと笑った。
「相変わらずナナリーばっかりなんだね…君は…」
そんなスザクの言葉に、ルルーシュは少し呆れた様な息を吐きつつ…答えた。
「俺が欲しいのは…あの枢木神社にいた頃の様に…3人で笑い合える…あの時間だ…」
ルルーシュの言葉に…スザクがくしゃりと表情を崩した。
ルルーシュの方は、そんなスザクの頭をポンポンと叩いた。
「よく…頑張ったな…スザク…」
ルルーシュのやさしい声が聞こえて来て…一気に緊張が緩んだ。
そして…それまでのあらゆる感情が溢れ出て来た。
「必ず…取り戻そうね…ルルーシュ…」
「大丈夫だ…。俺達二人が組んだら…出来ないことなんてない…そう云ったのはお前だ…」
「うん…そうだったね…」
二人は顔を見合わせて…
そして、笑い合っていた。
「おい!お前たち…いい加減にしろ!というか、『黒の騎士団』の連中はあの会場の安全維持の協力をしているらしい…。で、その後はシンジュクに戻るそうだ…。お前はどうするんだ?」
「これからの事を…スザクと話したい…。枢木神社の傍に下ろしてくれ…」
ルルーシュがそう云うと…操縦していた少女が…『やれやれ…勝手な奴だ…』と呟いて、枢木神社の方へと向かって行くのだった…

END


あとがきに代えて



最終回でした。
やっぱり、もう一回あった方が良かったかなぁ…
本編完全捏造です。
リクエスト下さったRinkaさま…いかがでしたでしょうか?
〆はどうするか…いろいろ悩んでいました。
ただ、『ゼロ』とスザクが会場から去ってしまって…その後の収集はさぞ大変だろうなぁ…と思いつつ、今回はスルーしてしまいました。
そこまでやると中々大変な事になりそうだったので…
悩み過ぎて更新がこんな時間です…
すみません…
まぁ、夏コミ落ちて、『心から『ありがとう』をあなたに…』をどうするか、考えながら出られそうなイベントを探していて遅くなりました。
この話は何としても完結させたいんですよ…。
ずっと書きたかったネタなので…

後、スペースが取れなかったので、一般参加はする予定はないので…
どなたか、お買い物を頼まれてくれませんか?
お礼は出来る事をさせていただきます。
勿論、実費はすべてお支払いしますので…
『買い物してやってもいいぞ!』という方、まず、拍手でお知らせ頂き、連絡先を教えて下さい。
宜しくお願いします。


☆拍手のお返事


紫翆さま:こんばんは、コメント有難う御座居ます。
ご心配頂きまして、有難う御座居ます。
ただ、現在の続きものオフは…ずっと書いてみたかったものだったので…
出来栄えはどうかはともかく…なんとしてもきっちり完結させたいと思って、AHLの予定分はきっちり書きたかったので…
ただ、夏コミがダメだったので、夏のインテ…でうまく新刊になるといいのですが…こっちも沢山応募者いそうですよね…コミケの保険で申し込んでいる人もいそうですし…
下手すると夏が全滅なので…どうしようか悩んでいるところです。

『Be Together 03』
この回の設定は完全に和泉の主観でしたね…
一応、しっかりとしたネタを頂いていたのですが…
本編があんな矛盾が多すぎて、云いたい事は沢山あったので…
リクエスト作品だと云うのに、和泉が云いたい事を随分書かせて頂いています。

スザクも元々父親の後を継いで首相になりたいと云っていたのですから…
政治に関して全くの無知ってのはあり得ない話なんですよね…
その場所だけで『日本人』の名前を取り戻すことのできる…という策はそこから出たら『日本人』ではなくなると云う事…
そして、そこには入れなかった人間はどうなるのか…
そう云う部分が完全にスルーされていたので…
で、スザクも首相だった父を持つ者として、それらしいところを見せて貰った訳です。
ただ、そこまで云っちゃったとき…下手すると不敬罪ですよね…

ルルーシュに関してもスザクが軍人であると云う時点で…そのスザクが自分の身近にいると云う時点で非常にルルーシュとナナリーの身に危険の及ぶ可能性が高まる状態になります。
スザクはルルーシュが皇子である事を知っていて…情感に伝えていないと云う事でも軍規違反ですからね…
死んだはずの皇子が生きていたと云う事は、ブリタニアにとっても重大な事でもありますから…
そんな重要事項を自己判断で下級兵士が黙っていたとなれば、厳罰は必至です。
ルルーシュ自身、沢山の知識があるからその危険性を感じてはいたはずなんですけれど…
だから、ナナリーの騎士にして軍から少しでも遠ざけようとしていたのではないかという、勝手な解釈をしていますけれど…
この話ではルルーシュとナナリーがアッシュフォード学園から離れると云う事にしておきましたが…

スザクの意思が通らないと解っていても…
ミレイさんとしてはもどかしいだろうなぁ…と思いつつ、ミレイさんに色々話して頂きました。

最終回を読んだ感想…また、教えて頂けると嬉しいです。
体調の方は…まぁ、結構強引な事をしていたので、少々大変ですけれど…AHLまでは頑張ります!
いつもご心配頂きまして、有難う御座居ます。

Rinkaさま:こんばんは、コメント有難う御座居ます。
ご心配頂きまして有難う御座居ました。
リクエスト作品…途中切れてしまって申し訳ありませんでした。
また、ご感想を頂ければ幸いです。


拍手のみの皆さんもありがとうございます。
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こちらは、拍手ページと違って、10ページも読まなくちゃいけないなどと云う、無体な事はありませんので(爆)

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ユーフェミアが理想論とも云える様な提案と、現実のギャップに…周囲の困惑が広がっていきます…
ユーフェミアの騎士となったスザクの決断は…?

このお話しはRinka様からのリクエストです。
リクエスト、有難う御座居ました。

 そこは…アッシュフォード学園と比べて酷く静かな場所だった…
正直、ここに来て、この人物に頼る事を考えたくはなかったけれど…
それでも…今、ルルーシュにとっての最も安全な場所…
ルルーシュとその人物は…現在、契約関係にある。
ルルーシュが『ゼロ』であると知る、数少ない人物…
「落ち着かれたかな…?」
ルルーシュがその人物から借りているその部屋でデータの分析をしている時にその人物は入ってきた。
「申し訳ありません…急な事で…」
「スザクが名誉ブリタニア人の一兵卒で済んでいる内はまだよかったが…事がここに至ってしまっては…こちらとしても君があちらに持って行かれるのは困る…。『黒の騎士団』の中で君の代わりになる者はおらん…」
互いに…利用しあっていると云う自覚のある関係…
お互いに利用価値があるから互いに力を発揮する…それだけの関係…
だから、非常に危うい信頼関係だ。
それでも、今のアッシュフォード学園にいるよりは遥かに安全だとなると…苦笑するしかない。
「桐原翁…なんだか、政庁ではなかなか面白い事になっている…。あの副総督も…何を考えてこのような発案をしたのか…」
「ああ…『行政特区日本』か…。その様なものに価値を見出すのは、現実を知らぬ者ばかり…。そんな制度があったところで、全ての日本人が入れる訳でもない…。そして、結局はブリタニアの管理下に入る事になる…。それでは全く意味はない。『名前』だけ取り戻したところで、『日本人』と云う名の『ナンバーズ』が生まれるだけ…」
「富士山周辺と云う事は…うまくやれば、貴方がそこを拠点にその力で…」
ルルーシュがそう云いかけた時…その老人はくっと笑った。
「本気で云っておいでか?殿下は…。『行政特区日本』に入れなかった者達はブリタニアの人質となる…。それではどうしたって動くことは出来ますまい…。どう考えても、その特区に我々日本人の治める地になると思える程、儂も耄碌してはおらん…」
そのセリフに今度はルルーシュもふっと笑った。
「ただ困った事に…『黒の騎士団』の扇に関しては…その辺りの言葉を自分の云い様に解釈しそうですし…。それに甘言に乗せられそうな連中は多いですよ…」
「その辺りは…殿下の手腕の見せ所でしょう?儂も…そなたのブリタニアに対する怨念を信じてこそ…『黒の騎士団』への支援を決めたのをお忘れではあるまいて…」
「あの時…俺の申し出を受け入れてくれた時に、貴方が考えていた事を知りたいのですが?7年前のあの時…俺達を殺そうとしたのに…」
「背景が変わった…。今の状態では儂としてもそなたを利用価値あるコマとして見ている。そなたも儂をそう見ている…。あの時、殺さなかったあの軍人には感謝だな…」
本当に…お互いに何かを腹に隠している会話…
でも、ルルーシュ自身はそれでいいと思っている。
変に感情移入されても困るし、感情で行動されてもお互いに困る。
「この先…どこまでそう云っていられるか…。厄介な事になって来ています。俺としてはそんな形で日本人が二つに割れる事の方が問題だと思っていますけれど…。桐原翁は…どうお考えになりますか?」

 その様な会話を成されている中…
ルルーシュとナナリーの消えたアッシュフォード学園の中でも…色々騒ぎになっていた。
スザクのユーフェミアの騎士叙任と共に消えた、ランペルージ兄妹の話し…
おまけに、アッシュフォード家でも探しだす事が出来ない程、巧妙に姿を消しているのだ。
既に理事長は下手に探しまわって逆にブリタニア軍に怪しまれる方が困るとの結論から、ランペルージ兄妹の捜索を打ち切った。
ただ、生徒会のメンバーだけは…時間を見つけては租界を歩き回ったり、ゲットーに潜り込む事もあった。
そして…スザクは自主退学という形で退学していた。
今回のスザクのユーフェミアの騎士叙任でアッシュフォード学園内も随分変わってしまった。
「まったく…どこ行っちゃったのかしらね…」
ミレイが独り言でそんな事を呟いた。
「スザク君も…なんで学園を退学なんて…」
ナンバーズに対して特別な意識のないシャーリーやリヴァルはそちらも気になるらしい。
イレヴンに対して大げさな程の恐怖心を抱いているニーナだけは…口には出さないものの、なんだかほっとしている様子で…
カレンは…彼女の事情から、何も云わない…
「でも、凄いよなぁ…スザク…。ユーフェミア皇女殿下に認められたって事だろ?」
「でも、今のこのエリアの現状を知らない皇女様がいきなりイレヴンと呼ばれる人を騎士にして…恐らく、軍でも政庁でも色々大変だと思うわよ…」
リヴァルが素直に、ストレートに感心しているところに…
なんだか複雑な感情を抱いているらしいカレンが口を挟んだ。
その一言に関しては…
実際に、スザクがこの学園に編入してきた当時と、スザクが『ランスロット』のパイロットだと解った時、ユーフェミアの騎士に選ばれた時…随分学園内は混乱している。
確かにアッシュフォード学園はナンバーズの学生も受け入れているけれど…
それでも、学園の方針はどうであれ、学園の教師や学生がそのシステムに対して、普通に入りこめる形にならなければ…意味はない。
何が正しくて、何が間違っているかではなく…
それが現実なのだ。
「まぁ、仕方ないわ…。とにかく!ルルーシュとスザクがいなくなった事で、人手が足りないんだから!さっさと作業に戻る!」
ミレイの一言でその場が解散して行く。
それぞれの背中を見ながら…
その中にルルーシュやスザク、ナナリーがいる光景を思い浮かべてしまうのは…
―――私自身…何も出来なかったから…なのよね…。ルルーシュ、スザク、ナナリー…御免なさい…。本当に…御免なさい…
ミレイはその場にいない人物達に心の中で必死に謝った。
きっと、彼らには届かなくても…
ミレイ自身、彼らが大好きで…一緒にいると楽しくて…
ずっと…そんな日々が続いてくれる事を願っていた。
それなのに…力なき者は力ある者に従うしかないと云う…そんな現実をまざまざと見せつけられた。
これが…ブリタニア…
そこに、憤りを感じていても…結局、何もできない。
こんな事を考えてはいけないのかもしれないけれど…
―――一体…何の為に…スザクは指名されたのかしら…。このままじゃ、きっとスザクは…
ミレイの中でそんな思いが過って行ったのだった。

 ユーフェミアの考えるこのエリアに『行政特区日本』を建設するという計画は…
結局、最初の会議では殆ど話を聞いて貰う事も出来ずにいた。
しかし、このエリア11にシュナイゼルが訪れた事で話しが一変した。
シュナイゼルがユーフェミアの提案に対して、絶賛したのだ…
そうなると、政庁内でも反対してその案を潰す事も出来なくなる。
コーネリアはその『行政特区日本』の危険性を解っていたから…
だから、シュナイゼルの言葉に対して、難色を示したが…
相手は帝国の宰相だ。
シュナイゼルの言葉を覆す事が出来ず…ユーフェミアの『行政特区日本』は大々的にニュースに乗せられて行った。
そして…エリア中が歓喜に沸いている映像がどんどん流されて行った。
その危険性を訴える声は決して電波には乗らず、インターネット上でもその案に対しての批判的な書き込みは削除されて行った。
こうして、ユーフェミアに対してその案の危険性を訴えられる者はコーネリアと、騎士となったスザクしかいなくなったわけだけれど…
それでも、シュナイゼルが太鼓判を押したと云う事で…今更、覆せないところまで来てしまっていた。
スザクの危機感はさらに募った。
「ユーフェミア皇女殿下!この『行政特区日本』の制作にはランでいる危険性を本当にご存知ですか?今のこのエリアがそんなシステムが…受け入れられるだけの体勢になっているとはとても思えません!」
スザクが何度も必死に訴えているが…
でも、どこまで届いているのか…解らない。
シュナイゼルの言葉によってユーフェミアが更に進めて行くこととなってしまい…
―――このままでは…『黒の騎士団』は確かに色々揉めていると云う話しは聞くけれど…こんなもの…設立しても、決してその先に光はない…
スザクも元々政治家の…国のトップに立つ首相の息子だ。
そして、将来父の後を継いで首相になると云う夢も持っていた。
だからこそ、政治に関しては幼いながら学んできたし、幼い頃からそう云った問題を抱える父の姿を見て来て、自然と、政治感覚を養ってきた。
それがどれほどのものかは…解らないけれど…
それでも、今のユーフェミアの唱えている『行政特区日本』の危うさくらいは解る。
「何故です!日本人の皆さんは『イレヴン』と呼ばれる事を大変嫌っていますし…私も失礼な呼び方だと思っています!だから…そうじゃない場所を…」
「それは…人から与えられるものでも、人に奪われるものでもないのです…。元々日本は一主権国家でした。力がないから自国の主権を守る事が出来なかった…そう云われればその通りです。しかし…占領されているとはいえ、一部地域だけ『行政特区』などという形で、『日本人』になる事をお許し頂くと云う事はあり得ないのです!」
「許すとか…許さないではないでしょう!これは…」
「でも…皇女殿下の仰っている事は…『イレヴン』達に『日本人』になる事をお許しになる…そう云う政策ですよね?ブリタニアの占領下にある日本の地に…ブリタニア人から与えられた場所の中で…と云う…」
ユーフェミアがスザクのこの言葉に…はっと息をのむ。
それでも…ここまで来て引くことは出来ないとばかりに…
態度がさらに硬化してしまったのだった。
―――僕は…一体何をしているんだ…。ルルーシュ…君は今…無事でいるんだろうか…

 結局…焦りと戸惑いを抱えた人々の多い中…
『行政特区日本』の式典が開かれる日が来た。
その場には…
『キョウト六家』の桐原をはじめ、様々なイレヴンの来賓も来ていた。
ここではナンバーズでも来賓として扱われ、そして、会場には入りきらない程のイレヴン達が集まっている。
スザクは騎士服を着て…ユーフェミアの傍に控えている。
結局…何もできなかった・・
その思いだけが…募っている。
なにしろ、シュナイゼルの言葉は大きい。
そのお陰で、政庁内では誰も反対できなくなった。
こんな状態で…『行政特区日本』を建設したところで…何もいい事などない。
寧ろ、いらぬ争いの火種が生まれるだけだ…
そんな風に思えてくる。
式典が始まり…ユーフェミアが会場のステージで挨拶をしようとしていた時…
「あれは…ガウェイン…?」
1機のKMFが現れた。
流石に会場は騒然とする。
騒然とする中で落ち着いていたのは…
イレヴンの来賓として出席していた桐原だけだった。
その顔を見た時…スザクは何かを感じた。
桐原自身、ここに出席をしているが、この『行政特区日本』を認めているわけではないと…
確かに…多少なりとも政治や民族と云うものを知っていれば…このような傲慢な形での方針は付いて行く事が出来ないだろう。
しかも、エリアは狭くて…とても全ての日本人が入れるだけの余地はない。
恐らく、この式典に集まって来た人々の住居で精一杯だろう。
ここに来る事が出来なかったイレヴン達は…恐らく、この中に入る事が出来ず…
やがて、差が生じ始める。
そこに入れた者と…入れなかった者の違い…
それは大きなものと云えるだろう。
結局、この『行政特区日本』は…
ブリタニアに対して『イレヴン』と呼ばれる事を忌み嫌う…それをこうした形で表現している事となるのだ。
つまり、付きつめて行けばそれは…ブリタニアにとっての危険分子となりうる存在達…と云う事になる。
勿論、ブリタニアに対して反発の意を強く示している者達はここに来ていない可能性もあるけれど…『黒の騎士団』がこの式典をぶち壊しに来ていない時点で、彼らは反対の意思を示していないと云う事にもなる。
この時点で…『黒の騎士団』の意思が固まったと云う事を認識されても…
ある意味仕方がない。
しかし…ここにガウェインが現れたとなると…その意思は…どこにあると云うのだろうか…
スザクが思わず、ステージの方に駆け出して行く。
ユーフェミアに何かあった時…
その時点でまた、様々な形でひずみが生じて来るのだから…
「来てくれたのですね…『ゼロ』…」
ユーフェミアの嬉しそうな声が会場に響いた。
これは…『ゼロ』がこの施策に賛同したと云う事なのか…それとも、潰しに来たのか…
まだ解らない・
だから、スザクは構えるけれど…
ユーフェミアがそんなスザクを抑える。
「大丈夫です…スザク…」
にこりと笑った。
『ユーフェミア=リ=ブリタニア…折り入ってお話ししたい事があります…。二人きりで…』
『ゼロ』のその言葉に…スザクの緊張はさらに高まる。
―――まさか…何をする気だ!?
スザクの中で様々な可能性が頭の中を過って行った。

 『ゼロ』がガウェインから降りて、ユーフェミアに近付いて行く。
そして、ユーフェミアも『ゼロ』に近付いて行く。
「お待ちください!副総督!」
「あの…『ゼロ』…彼も、ご一緒してはいけないかしら?彼は…イレヴンですし…きっと、貴方の憂いを晴らして下さると思いますわ…」
ユーフェミアの言葉にスザクはいい加減、我慢の限界が来た。
彼女自身は悪気がない。
悪気がないと云っても…だからと云って何をしてもいい訳ではないのだ…
「皇女殿下!自分はもう…貴女のやり方について行けません…」
スザクが小さく…呻くように云った…
まるで、絞り出すような声だった。
「スザク…?」
ユーフェミアが不思議そうな顔をしている。
『ゼロ』は…仮面を被っていても…そんなスザクの表情を見て、どんな表情をしているかが…解る様な感じで少しだけ頭を動かした。
「皇女殿下…貴女の優しいお心は…確かに本物だと思います…。そして、本当にそうなればどれほど嬉しいかと願ってしまう程…。でも…今の状態では…今のこのエリアの状態では…ダメなんです!」
スザクが叫ぶようにユーフェミアに訴えた。
スザクのその言葉に…ユーフェミアが驚いた顔を見せる。
流石にこの式典でこの様な事を云われるとは夢にも思っていなかったのだろう…
『これは…一体どういう事なのです?ユーフェミア副総督…』
『ゼロ』が一言、ユーフェミアに尋ねる。
ユーフェミアも『ゼロ』の問いにどう答えていいか解らず、ただ…黙ってしまった。
『ブリタニア側は…きちんと基礎づくりもしないまま、このような提案をされたのですか?ユーフェミア副総督…』
その『ゼロ』の問いは…その場にいた全ての人々…それこそ、ブリタニア人、イレヴン関係なく…動揺を撒き散らす事になる。
否、これは元々あったはっきりと解らなかった、靄のかかっていた不安が…具体的にその姿を見せた瞬間であった。
「そ…それは…その…」
会場内もざわざわとし始める。
そして、ユーフェミアの護衛の為に配置されていた者達も慌てるが…
すぐ傍に『ゼロ』が立っており、すぐ傍には『ゼロ』を乗せていたガウェインが鎮座している状態…
迂闊に動けないと判断した。
「皇女殿下…本当の意味で『日本人』が『日本人』に戻れるのは…このエリアがブリタニア人の手で治められているのではなく…自らの手で治める事が出来る様になった…その時だけです…」
「スザク…私は…」
ユーフェミアがスザクの言葉に…おろおろしているけれど…
そんなユーフェミアを見てスザクはユーフェミアににこりと笑った。
「自分は…殿下の仰って下さった…『『日本人』の皆さんに『日本人』と云う名前を取り戻して欲しいのです…。』という言葉…自分はとても嬉しかった…。でも…今の時点では…まだ、それが出来る段階じゃないし…それを貴女がやってしまったら…日本人は本当に日本人ではなくなってしまいます…。だから…自分は…今はまだ、貴女のその提案を…受け入れる訳にはいきません…」
―――これで…死罪になっても…きっと悔いはない…。否…これでこそ…本望だ…

 スザクがそんな事を考えている時…
『ユーフェミア副総督…貴女の騎士はこのような事を云っておりますが…彼への処分はどうされるおつもりですか?』
『ゼロ』が尋ねて来た。
何を云いたいのか…
何を云おうとしているのか…
何を訴えたいのか…
「ゼ…『ゼロ』…私は…別にスザクを罰するなんて…」
『そんなだから…お飾りの副総督と云われてしまうんですよ…。現実には、彼は確実に懲罰の対象となる。主の施策をこのような公の場で否定しているのです。最悪の場合、居っけですよ?』
「そ…そんな…私は…」
『ゼロ』の言葉にユーフェミアがうろたえている。
恐らく、本当に解っていなかった。
『ならば…彼をブリタニアの政庁からの追放を下して下さい。私が彼の身を預かります。何れ…貴女の云う施策が実現できる時に…必ず力になる様にする事を…お約束致しましょう…』
『ゼロ』の言葉に…スザクは勿論、ユーフェミアも驚いた表情を見せる。
否、その会場にいる殆どの人々が『ゼロ』のその言葉の真意を測れずに…戸惑いを感じているのは間違いない。
「『ゼロ』?」
『枢木スザク…お前はまだ、ユーフェミアの騎士を務めるにはまだ早い…。だから私が…』
『ゼロ』がそこまで云いかけた時…スザクは思わず口を開いた…
「ユーフェミア皇女殿下…自分はやはり、貴女の騎士にはなれない…。それはきっと、どれほど時間が経ったとしても…。でも…貴女のやろうとしている事には…僭越ながら力になりたいと考えています…。ですから…」
こんな事を云って、たとえ、この場は収まったとしても、スザク自身はブリタニア軍から追われる立場となるに違いない。
ブリタニア人であっても皇女に対して不敬罪が適用される。
「私は…まだ…勉強が足りなかった…と云う事なのでしょうか…」
ユーフェミアが小さく呟いた。
スザクがそのユーフェミアの言葉にはっとしてユーフェミアの方を見た。
「私は…やはりまだ、何も知らずにいたのですね…。『ゼロ』、スザク…もし、その時が来たら…その時に、日本人の皆さんに喜んで頂けるように…一緒に協力して頂けますか?」
ユーフェミアが二人に尋ねて来た。
『もし…その時が来たら…』
「自分も…その時には…」
二人の答えを聞いて、ユーフェミアは二人の前に進み出て、右手を差し出し、握手を求めて来た。
「『ゼロ』…やはり私はあなたには勝てないのですね…」
『何を仰っている…?私にはあなたの様な発想こそ出来ませんよ…』
『ゼロ』の一言にユーフェミアが苦笑した。
「スザク…必ず、貴方が本当に守りたいものを…守って下さい…。私の代わりに…」
「え?」
ユーフェミアの言葉に…スザクが驚いた顔をする。
「お願いしますね…スザク…」
そう云って、ユーフェミアは姉の付けてくれた護衛役たちの元へと歩いて行く。
そして、その護衛役であるダールトンが駆け寄ってきた。
「『ゼロ』、枢木スザク…追って、話し合いの場を設ける…。その際には、二人の同席を命ずる…との事だ…」
『命じられるいわれはない…。私は私の意思で、その席に出席しよう…』
そう云って、『ゼロ』が踵を返した。
『枢木スザク…一緒に来い…。君は…ユーフェミアに解任されたのだから…』
『ゼロ』の言葉に…スザクは『ゼロ』と共にガウェインに乗り込み…そして、その場を後にした。
ガウェインからは…混乱が起きない様に、配備されていたブリタニア兵たちが場の収集に努め始めていた。

 中には…黄緑色の髪の少女が操縦席に座っていた。
「おい…『ゼロ』この後…どうするつもりだ…」
『どうするも何も…桐原の元へ戻る。この先、奴にも動いて貰うところが増えるからな…』
二人の会話に…スザクが驚きを隠せない。
「え?桐原さん?」
「おい…こいつには正体を知らせておいた方がいいぞ…。この先、いろいろ面倒な事になるぞ…」
『そうだな…。多分、こいつは…薄々感づいている様だったがな…』
そう云いながら仮面を外す。
スザクは…確かに驚いた顔を見せるけれど…すぐにその表情が緩んだ。
「やっと…教えてくれたね…ルルーシュ…。それにしても…本当にガサツになったよね…。それに…強引だ…」
「そうでもしなければ…お前はこのエリアに混乱の種をばら撒く手伝いをさせられるところだったんだ…。こっちも手段を選んでいられる余裕はなかったからな…」
苦笑しながらルルーシュが答えた。
「ルルーシュ…本当に…彼女の力になれるかな…」
「それはお互い次第だ…。俺が欲しいのはたった一つだ…」
ルルーシュのその言葉に…スザクはクスッと笑った。
「相変わらずナナリーばっかりなんだね…君は…」
そんなスザクの言葉に、ルルーシュは少し呆れた様な息を吐きつつ…答えた。
「俺が欲しいのは…あの枢木神社にいた頃の様に…3人で笑い合える…あの時間だ…」
ルルーシュの言葉に…スザクがくしゃりと表情を崩した。
ルルーシュの方は、そんなスザクの頭をポンポンと叩いた。
「よく…頑張ったな…スザク…」
ルルーシュのやさしい声が聞こえて来て…一気に緊張が緩んだ。
そして…それまでのあらゆる感情が溢れ出て来た。
「必ず…取り戻そうね…ルルーシュ…」
「大丈夫だ…。俺達二人が組んだら…出来ないことなんてない…そう云ったのはお前だ…」
「うん…そうだったね…」
二人は顔を見合わせて…
そして、笑い合っていた。
「おい!お前たち…いい加減にしろ!というか、『黒の騎士団』の連中はあの会場の安全維持の協力をしているらしい…。で、その後はシンジュクに戻るそうだ…。お前はどうするんだ?」
「これからの事を…スザクと話したい…。枢木神社の傍に下ろしてくれ…」
ルルーシュがそう云うと…操縦していた少女が…『やれやれ…勝手な奴だ…』と呟いて、枢木神社の方へと向かって行くのだった…

END

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posted by 和泉綾 at 01:28| Comment(0) | TrackBack(0) | Novel Rebellion開設2周年

2010年06月03日

Novel Rebellion開設2周年記念リクエスト企画 14

Be Together 03



※設定:1期のユーフェミアがスザクを騎士にした頃から始まります。
ユーフェミアが理想論とも云える様な提案と、現実のギャップに…周囲の困惑が広がっていきます…
ユーフェミアの騎士となったスザクの決断は…?

このお話しはRinka様からのリクエストです。
リクエスト、有難う御座居ました。

 目の前にいる…自分の主…
自分の中で、どこまでこの目の前の人物に従っていけるか…不安を抱いている。
「ユーフェミア皇女殿下…失礼を承知で、お尋ねしたい事があります…」
スザクがユーフェミアのティータイムに付き合いつつ…やっと、踏ん切りがついたかのようにスザクが口を開いた。
恐らく、この場で訊かなければ…この先、きっと、尋ねる事が出来なくなると…
そう思ったから…
「なんでしょうか?スザク…」
にこりと笑って、ユーフェミアが返して来た。
周囲から見れば対照的な表情に見えるだろう。
それは…スザクにも自覚はある。
それでも、これから尋ねる事に関しては…
あまり、笑顔で尋ねると云うわけにもいかない様な気がするし、気持ち的にそう云うわけにもいかない。
「自分は…何故…ユーフェミア皇女殿下の騎士と…選ばれたのでしょうか?自分はナンバーズであり、そして、コーネリア皇女殿下が申された様に…自分が殿下の騎士となった時の…大きな影響を考えた時…」
スザクがそこまで言った時…ユーフェミアがスザクの言葉を遮った。
「スザク…お姉さまの仰ったこと…気にしていらっしゃるの?」
その言葉に…
彼女には、現在のこのエリアのこと、ブリタニアの国是の現実が解っていないのだと…思ってしまった。
「それもありますし、自分は名誉ブリタニア人として、軍に所属し、名誉ブリタニア人の現実をこの身に感じております。軍の中での名誉ブリタニア人には、軍人でありながら、反旗を翻した時に危険とみなされ、銃器を持つ事を許されず、反旗を翻す際の連絡手段になる可能性があるからと、通信機を持つ事も許されておりません。そんな立場だった自分が…いきなり、殿下の騎士となると云うことは…様々な場所で、ひずみ、波紋を生みだすことになるのではないかと…自分は、僭越ながら心配しているのです…」
これは…
スザクが指名されて、『No』と云えない状態の中でもずっと、思っていた事だ。
軍の中にはブリタニア軍はブリタニア人だけで構成すべき…と考える者もいるのだ。
まだ…時期が早すぎる…
スザクはそう考えている。
何の基盤も出来ていない状態の中で、ただ、混乱を招くだけだ。
実際に、政治の中枢には関係のないアッシュフォード学園の中でさえ…
何かを成そうとして…
スザクにとって、ブリタニアを中から変えて行くと云う点では…今のスザクがいきなりその様な地位を得たところで、ブリタニアの強い力に飲み込まれていく。
自分が望む、望まないを別にして…今のところ、誰もが認める功績を治めているわけではない。
今のところ…
『ユーフェミアが指名したから』と云う、そんな脆弱な大義名分の下にスザクはその地位を得ているのだ。
そして、身分はナンバーズ…
地位と身分は別物だ。
いくら地位が高くとも、身分には勝てない…
「それは…勿論…この日本の皆さんに…」
ユーフェミアがそこまで云いかけた時…
スザクの中で彼女の考えている事の甘さを改めて思い知ることとなる。
―――これでは…形だけの地位…。そして、お人形の副総督…そこから動くことは出来ない…

 スザクの中でその思いが過って行った時…
このままでは自分の成すべき事を見失ってしまう事になりそうで…
自分が何の為に、『日本人』である事を決して忘れる事無く…『名誉ブリタニア人』という立場を選んだのか…
それさえ忘れてしまっては…
「殿下…現在のこのエリアの状況を…本当にご存知ですか?何故、これほどまで、ブリタニアに対するテロが起きているか…ご存知ですか?」
スザクは…
下手をしたら、その場で不敬罪としてそのまままた、死刑囚として捕らえられる可能性がある事さえ…忘れてしまったかのように言葉を出した。
でも、このままでは本当に…
「解っている…と云ったらきっとおこがましいのかもしれません…。でも…私の中で考えている事もあります!スザクには…その手伝いをして欲しいのです!」
ユーフェミアのその言葉に…少しだけ光を見出せるかもしれないと…淡い希望を抱いた。
何が出て来るのか…解らないけれど…
それでも、こんな風にしていたとしても、あのコーネリアの妹姫であり、あのルルーシュと仲の良かった異母妹だと云う…
なら…
こうした中で何かを見出す事が出来るのかもしれない…
そう云った勉強をしてきたのかもしれない…
そう云った思いを抱く。
―――彼女は…『慈愛の姫』と呼ばれているのだから…確かに…気持ちだけでそんな風に呼ばれる筈がない…
スザクは…その可能性にかける。
既に…自分がここにいる理由も解らなくなっているのだから…
なら、彼女の考えている事を確かめて…
そして…
スザクの望む世界に近付けるのなら…
「あの…殿下の考えている事とは…何なのか…お教え頂けますか?」
スザクが静かに尋ねる。
その中には…期待をしようと思う何かと…
その先に何があるのかという不安と…
見ている限り、差別意識というものは希薄に見える。
本当に心根の優しい皇女なのだろう事は解る。
ただ…
知らない事が多過ぎる。
スザクの中で、それがネックになっている。
きっと、スザクが今、一番相談したいと思っているその存在にも…同じ結論を告げられるだろう事を予想する。
「私は…『日本人』の皆さんに『日本人』と云う名前を取り戻して欲しいのです…。皆さんが…ブリタニアに対してここまで嫌悪の気持を抱いているのは…ブリタニアの強引なやり方の所為です…。だから…」
恐らく、彼女の中で精一杯考えたその答えなのだろう…
でも、スザクはその先の結果が…何となく見えてしまう。
「しかし…それは本国が黙ってはいないのでは?」
スザクは恐らく、彼女を思う彼女の従者ならきっと、抱くであろう疑問を投げかけた。
すると…
「確かに…このエリア全部…と云う訳にはいきませんし、私自身も身を切らなくてはならないでしょう…。それでも…」
ユーフェミアの言葉の中の…
穴がいくつか見えて来た。
恐らく、
―――彼なら僕よりももっとたくさんの穴を見つける…。否、コーネリア皇女殿下も…
今のこのエリアの状況の中で、どうやったらそんな事が可能となるのであろうか…
「殿下!そんな事をしたら…」
「解っています…でも…私は…貴方に『日本人』に戻って頂きたいのです!そして…」
彼女がスザクに訴えかけるその話しを…
スザクは…何となく虚しい気持ちで聞いていた…

 アッシュフォード学園では…
スザクに対しての感情が様々に渦巻いて…
学園の経営者達にも戸惑いの空気が流れて…
アッシュフォード家は決してイレヴンに対して冷たい態度をとってはいない。
スザクだって、確かにユーフェミアの計らいがあったけれど…もし、スザク本人が望んでこの学園に通いたいと云うのであれば、イレヴンであろうが、ブリタニア人であろうが、受け入れる態勢は出来ていた。
ただ、イレヴンと呼ばれる人々がこれまでここに入学して来なかったのは…
入学しなかったのではなく…出来なかったのだ。
名誉ブリタニア人となっているイレヴンであれ、名誉ブリタニア人になっていないイレヴンであれ、子供を学校に通わせられる程余裕のある過程は殆どないと云っていい…
スザクの場合は、皇族からの殆ど命令に近い推薦があり、そして、彼自身のバックアップがブリタニア軍となっていたからだ。
バックアップと云っても、所詮はイレヴンと云う扱いだ。
学園内で何が起きようと、関知はしない。
名目上、学校優先で軍の仕事をするという条件で、学費や必要物品に関しては用立ててやる…と云う程度のものだ。
それに、学業優先と云いつつも、スザクの場合、授業を受けられる機会の方が少ない。
それがいいとか、悪いとかではなく…
アッシュフォード学園としても、そんな面倒な事情を抱えている学生を請け負ったのも上からの命令に近い様な申請があった為だ。
当然、初めてのイレヴンの学生と云う事でトラブルもあったけれど…
そこに学園側は一切手を出さなかった。
学生達がスザクに対して何をしていたのか解ってはいても、完全に放置していた状態だった。
それが、ルルーシュのお陰で治まったかと思ったら…
今度は皇族の騎士となったと云うのだから…
頭を痛めるのは至極当然で…
つい数日前…
スザクと深く関わりのあるルルーシュには学園側の決定を告げたのだ。
その決定がなされてから…スザクはまだ、一度も学校に来ていないのだ。
ユーフェミアの騎士ともなれば…そんな通達は軍にするしかない。
その軍の中でも、今では浮いてしまっている存在…
とすると、学園側から一方的に通達の連絡を入れたところできっと、本人に伝わっていない可能性が高い。
ならば…
―――スザクはもう一度…学園に来る筈だ…
ルルーシュはその可能性を信じた。
あの…『ランスロット』のパイロットが…
スザクだと解った時に…
本当は解っていた筈…
もう…スザクは自分達にとって、危険な存在でしかないと云う事…
そして、ルルーシュが守ろうと思う存在を…
ナナリーを…
守る為には…学園の決定は正しい…
学園としても、どちらかを切り捨てなければならないと判断を迫られた時…
ミレイの祖父である理事長は…
ルルーシュとナナリーを掬い上げるだろう。
どちらも…危険な存在と云う意味では同じなのだけれど…
それでも、同じ危険度であるなら…
それに、ルルーシュだってナナリーと比べたら…
―――俺だって…迷わず…ナナリーを選ぶ…
そう思った時…涙が流れて来た…

 何の涙であるのか…
ルルーシュには解らない。
否、こんな事で、自分が涙を流すなんてあり得ないと云う気持ちだろう…
「バカな…この…俺が…?あの時…覚悟をしていた筈だ…。俺は…」
ユーフェミアが何を考えているのか解らない…
もし、皇女の我儘と気まぐれだったら…
絶対に許せないと思っている自分がいる。
そんな筈はないと心の中で否定しているけれど…
それでも…ルルーシュの頭の中では…何でも持っている異母妹を…
何でも持っているくせに…ルルーシュとナナリーにとって数少ない失いたくない物を簡単に攫って行く異母妹を…
憎しみの対象となってしまいそうで怖い…
ずっと仲の良かった異母妹だったのに…
ナナリーにとっては大好きな異母姉だったのに…
二度と会う事の叶わない相手ではあるけれど…
二度と口を聞くことさえ許されない相手だけれど…
それでも…
こんな形で憎みたくなんてなかった…
それでもルルーシュの中で自問自答する。
―――元々…俺がこの日本に送られた時点で…彼女は…俺とナナリーにとって危険な存在となっていた筈…。ただ、遠くにいたから…そう思わなかっただけで…。よく考えてみれば…そんな事は解っていた事の筈なのに…何故…今になってこれほど…悲しいと思ってしまう…?
本当は失いたくなかった…
本当は綺麗な思い出のままでいて欲しかった…
「俺には…それさえも許されないと云う事なのか?でも…どの道、俺とナナリーもいつまでもここにいる訳にはいかない…と云う事か…」
色々考えている内に…
この、ルルーシュとナナリーが今日までいたアッシュフォード学園と云う名の箱庭も…
自分達にとって箱庭ではなくなる。
いくら学園側がスザクをこの学園から除名したところで…
下を向いて、ルルーシュはこの先の事を考え始める。
ここにいたら…
スザクがいた痕跡のある場所にいたら…
きっと…否、確実にルルーシュとナナリーに危険が及ぶ。
ここまでずっと、誰にも知られずにひっそりと生きて来た筈なのに…
自分が親友だったと思う相手と、自分が大好きだった異母妹によって…
そんな隠れ家が壊されようとしているのだ…
ブリタニア軍に見つかれば…
ルルーシュとナナリーの身は一体どうなるか…
コーネリアやシュナイゼルは…どうするのだろうか…
クロヴィスを殺した時に出て来た…二人の名前…
ユーフェミアはそのコーネリアの実の妹姫…
これほど危険な構図があるだろうか…
『ゼロ』として動き始めてしまっている自分…
しかしこの場所もこれほどまでに危険に晒されているのだ。
「あの場所に…行くか…」
ルルーシュはある場所を思い浮かべた。
それは…
このエリアはブリタニアの植民エリアであり、懇意にしていたクロヴィスが総督となった時…
流石にのんきに構えているわけにもいかなくなって…
誰にも悟られないように…
知られないように…用意していた場所があった。
「あそこは…多少不便だけれど…大丈夫だよな…」
そう一言呟いて…ルルーシュは踵を返して、現在、自分の住居となっている、アッシュフォード学園のクラブハウスの…自室へと足を向けた。
ある決意を固めて…
そして、何かとの決別を心に決めて…

 スザクが学園に来られたのは…
ルルーシュが一人、色々考えていたあの時から3日後の事だった。
ずっと、忙しくて…
学園に足を運ぶ事が出来なかった。
やっと…学園に来られるだけの時間が出来た時…
一見、普通の学園の空気だったけれど…
ただ、スザクに対しての視線は…相変わらず複雑なものだったが…
けれど…
「あれ?何かが…おかしい…」
スザクが小さく呟いた。
生徒会室に来ると…
何かが足りない…
そんな風に思った。
「あの…会長…ルルーシュはいない事、ありますけれど…あの…ナナリーは…?」
スザクがミレイに…何か不安を抱えているような表情で尋ねた。
何が起きたのかは…具体的には解っていない。
でも…
ミレイは…そんなスザクの手を引っ張って生徒会室を出た。
そして、今は誰もいない…ルルーシュとナナリーの居住スペースの…リビングに入った。
「あれ…?」
スザクはいつもと違う事に気づいた。
何が違うと訊かれれば…いろいろあり過ぎて…
答え様がない。
「ルルーシュとナナリーは…出て行ったわ…。流石に貴方があの、KMFのパイロットで…おまけにユーフェミア皇女殿下の騎士ともなってしまえば…彼らにとってどれほどの脅威であるか…解らないとは云わせないわ…」
ミレイの言葉に…
スザクが驚愕の表情を見せる。
確かに…予想が出来る事…
「貴方の所為じゃない事は解っているわ…。でもね…私としては…八つ当たりだって解っていても…貴方を恨んでしまいそうよ…」
ミレイの言葉に…
スザクは声も出ない…
「ま、不幸中の幸いと云うのかしらね…。何故か、咲世子さんも姿を消しているから…。多分、あの二人と一緒に行ったのね…。お互いに承知していたのかどうかは…知らないけれど…」
ミレイの声は…いつものように、明るい声ではない。
何か、何かを抑えている様な…そんな声…
それが意味している事は…スザクも解らない訳じゃない。
「学園の方針として…貴方を自主退学をお願いしようと云う決定が下されたの。ルルーシュ達がいなくても、貴方の存在はこの学園に混乱を招いたのは事実よ…。そして、今日、何日かぶりに貴方が来て…やっぱり、学園の中は浮足立っているわ…。うちの学園は、平民の為の学校なの…。特別階級の人が来る場所じゃないのよ…」
ミレイがそこまで云った時…スザクはカタカタと身体を震わせた。
「ねぇ…スザク…。どうして…って訊くのは愚問か…。貴方に拒否権なんてないんだものね…。ルルーシュは…ずっと、貴方に軍をやめて欲しいって思っていたのは知っているでしょ?それの理由…解る?」
ミレイのその問いに…
スザクはドキッとして…そのまま膝をついて、両手を床の上に付いて…身体を震わせていた…

To Be Continued


あとがきに代えて



御無沙汰の小説更新です。
とりあえず、オフの入稿も済ませましたし、ちょっと、ミスがあったので、表紙だけ再入稿したのですが、それも無事済んで…
ほっとしております。
で、また、こんなギリギリ時間ですが、リクエスト再開です。
1週間、お休みを頂いちゃったんですね…
それでも、このブログに来て下さって、拍手コメを下さった皆様、本当に有難う御座居ました。
1週間ぶりにかいてみたのですが…
結構難しい内容だったのだなぁと…悩みながら書いておりました。
本当に、リクエスト企画の時はたくさん勉強させて頂いています。
凄く盛り上がるところで今回は終わりましたけれど…
ドキドキ感を楽しんで頂ければ幸いです。


細々と、ランキングに参加中…。この記事を読んで、お気に召して頂いた方は、お手数ですが、バナーを一回クリックしてください。拍手ページは10ページほどの対談(2010/05/26更新)を用意しています。
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Novel Rebellion開設2周年記念リクエスト企画 14

Be Together 03



※設定:1期のユーフェミアがスザクを騎士にした頃から始まります。
ユーフェミアが理想論とも云える様な提案と、現実のギャップに…周囲の困惑が広がっていきます…
ユーフェミアの騎士となったスザクの決断は…?

このお話しはRinka様からのリクエストです。
リクエスト、有難う御座居ました。

 目の前にいる…自分の主…
自分の中で、どこまでこの目の前の人物に従っていけるか…不安を抱いている。
「ユーフェミア皇女殿下…失礼を承知で、お尋ねしたい事があります…」
スザクがユーフェミアのティータイムに付き合いつつ…やっと、踏ん切りがついたかのようにスザクが口を開いた。
恐らく、この場で訊かなければ…この先、きっと、尋ねる事が出来なくなると…
そう思ったから…
「なんでしょうか?スザク…」
にこりと笑って、ユーフェミアが返して来た。
周囲から見れば対照的な表情に見えるだろう。
それは…スザクにも自覚はある。
それでも、これから尋ねる事に関しては…
あまり、笑顔で尋ねると云うわけにもいかない様な気がするし、気持ち的にそう云うわけにもいかない。
「自分は…何故…ユーフェミア皇女殿下の騎士と…選ばれたのでしょうか?自分はナンバーズであり、そして、コーネリア皇女殿下が申された様に…自分が殿下の騎士となった時の…大きな影響を考えた時…」
スザクがそこまで言った時…ユーフェミアがスザクの言葉を遮った。
「スザク…お姉さまの仰ったこと…気にしていらっしゃるの?」
その言葉に…
彼女には、現在のこのエリアのこと、ブリタニアの国是の現実が解っていないのだと…思ってしまった。
「それもありますし、自分は名誉ブリタニア人として、軍に所属し、名誉ブリタニア人の現実をこの身に感じております。軍の中での名誉ブリタニア人には、軍人でありながら、反旗を翻した時に危険とみなされ、銃器を持つ事を許されず、反旗を翻す際の連絡手段になる可能性があるからと、通信機を持つ事も許されておりません。そんな立場だった自分が…いきなり、殿下の騎士となると云うことは…様々な場所で、ひずみ、波紋を生みだすことになるのではないかと…自分は、僭越ながら心配しているのです…」
これは…
スザクが指名されて、『No』と云えない状態の中でもずっと、思っていた事だ。
軍の中にはブリタニア軍はブリタニア人だけで構成すべき…と考える者もいるのだ。
まだ…時期が早すぎる…
スザクはそう考えている。
何の基盤も出来ていない状態の中で、ただ、混乱を招くだけだ。
実際に、政治の中枢には関係のないアッシュフォード学園の中でさえ…
何かを成そうとして…
スザクにとって、ブリタニアを中から変えて行くと云う点では…今のスザクがいきなりその様な地位を得たところで、ブリタニアの強い力に飲み込まれていく。
自分が望む、望まないを別にして…今のところ、誰もが認める功績を治めているわけではない。
今のところ…
『ユーフェミアが指名したから』と云う、そんな脆弱な大義名分の下にスザクはその地位を得ているのだ。
そして、身分はナンバーズ…
地位と身分は別物だ。
いくら地位が高くとも、身分には勝てない…
「それは…勿論…この日本の皆さんに…」
ユーフェミアがそこまで云いかけた時…
スザクの中で彼女の考えている事の甘さを改めて思い知ることとなる。
―――これでは…形だけの地位…。そして、お人形の副総督…そこから動くことは出来ない…

 スザクの中でその思いが過って行った時…
このままでは自分の成すべき事を見失ってしまう事になりそうで…
自分が何の為に、『日本人』である事を決して忘れる事無く…『名誉ブリタニア人』という立場を選んだのか…
それさえ忘れてしまっては…
「殿下…現在のこのエリアの状況を…本当にご存知ですか?何故、これほどまで、ブリタニアに対するテロが起きているか…ご存知ですか?」
スザクは…
下手をしたら、その場で不敬罪としてそのまままた、死刑囚として捕らえられる可能性がある事さえ…忘れてしまったかのように言葉を出した。
でも、このままでは本当に…
「解っている…と云ったらきっとおこがましいのかもしれません…。でも…私の中で考えている事もあります!スザクには…その手伝いをして欲しいのです!」
ユーフェミアのその言葉に…少しだけ光を見出せるかもしれないと…淡い希望を抱いた。
何が出て来るのか…解らないけれど…
それでも、こんな風にしていたとしても、あのコーネリアの妹姫であり、あのルルーシュと仲の良かった異母妹だと云う…
なら…
こうした中で何かを見出す事が出来るのかもしれない…
そう云った勉強をしてきたのかもしれない…
そう云った思いを抱く。
―――彼女は…『慈愛の姫』と呼ばれているのだから…確かに…気持ちだけでそんな風に呼ばれる筈がない…
スザクは…その可能性にかける。
既に…自分がここにいる理由も解らなくなっているのだから…
なら、彼女の考えている事を確かめて…
そして…
スザクの望む世界に近付けるのなら…
「あの…殿下の考えている事とは…何なのか…お教え頂けますか?」
スザクが静かに尋ねる。
その中には…期待をしようと思う何かと…
その先に何があるのかという不安と…
見ている限り、差別意識というものは希薄に見える。
本当に心根の優しい皇女なのだろう事は解る。
ただ…
知らない事が多過ぎる。
スザクの中で、それがネックになっている。
きっと、スザクが今、一番相談したいと思っているその存在にも…同じ結論を告げられるだろう事を予想する。
「私は…『日本人』の皆さんに『日本人』と云う名前を取り戻して欲しいのです…。皆さんが…ブリタニアに対してここまで嫌悪の気持を抱いているのは…ブリタニアの強引なやり方の所為です…。だから…」
恐らく、彼女の中で精一杯考えたその答えなのだろう…
でも、スザクはその先の結果が…何となく見えてしまう。
「しかし…それは本国が黙ってはいないのでは?」
スザクは恐らく、彼女を思う彼女の従者ならきっと、抱くであろう疑問を投げかけた。
すると…
「確かに…このエリア全部…と云う訳にはいきませんし、私自身も身を切らなくてはならないでしょう…。それでも…」
ユーフェミアの言葉の中の…
穴がいくつか見えて来た。
恐らく、
―――彼なら僕よりももっとたくさんの穴を見つける…。否、コーネリア皇女殿下も…
今のこのエリアの状況の中で、どうやったらそんな事が可能となるのであろうか…
「殿下!そんな事をしたら…」
「解っています…でも…私は…貴方に『日本人』に戻って頂きたいのです!そして…」
彼女がスザクに訴えかけるその話しを…
スザクは…何となく虚しい気持ちで聞いていた…

 アッシュフォード学園では…
スザクに対しての感情が様々に渦巻いて…
学園の経営者達にも戸惑いの空気が流れて…
アッシュフォード家は決してイレヴンに対して冷たい態度をとってはいない。
スザクだって、確かにユーフェミアの計らいがあったけれど…もし、スザク本人が望んでこの学園に通いたいと云うのであれば、イレヴンであろうが、ブリタニア人であろうが、受け入れる態勢は出来ていた。
ただ、イレヴンと呼ばれる人々がこれまでここに入学して来なかったのは…
入学しなかったのではなく…出来なかったのだ。
名誉ブリタニア人となっているイレヴンであれ、名誉ブリタニア人になっていないイレヴンであれ、子供を学校に通わせられる程余裕のある過程は殆どないと云っていい…
スザクの場合は、皇族からの殆ど命令に近い推薦があり、そして、彼自身のバックアップがブリタニア軍となっていたからだ。
バックアップと云っても、所詮はイレヴンと云う扱いだ。
学園内で何が起きようと、関知はしない。
名目上、学校優先で軍の仕事をするという条件で、学費や必要物品に関しては用立ててやる…と云う程度のものだ。
それに、学業優先と云いつつも、スザクの場合、授業を受けられる機会の方が少ない。
それがいいとか、悪いとかではなく…
アッシュフォード学園としても、そんな面倒な事情を抱えている学生を請け負ったのも上からの命令に近い様な申請があった為だ。
当然、初めてのイレヴンの学生と云う事でトラブルもあったけれど…
そこに学園側は一切手を出さなかった。
学生達がスザクに対して何をしていたのか解ってはいても、完全に放置していた状態だった。
それが、ルルーシュのお陰で治まったかと思ったら…
今度は皇族の騎士となったと云うのだから…
頭を痛めるのは至極当然で…
つい数日前…
スザクと深く関わりのあるルルーシュには学園側の決定を告げたのだ。
その決定がなされてから…スザクはまだ、一度も学校に来ていないのだ。
ユーフェミアの騎士ともなれば…そんな通達は軍にするしかない。
その軍の中でも、今では浮いてしまっている存在…
とすると、学園側から一方的に通達の連絡を入れたところできっと、本人に伝わっていない可能性が高い。
ならば…
―――スザクはもう一度…学園に来る筈だ…
ルルーシュはその可能性を信じた。
あの…『ランスロット』のパイロットが…
スザクだと解った時に…
本当は解っていた筈…
もう…スザクは自分達にとって、危険な存在でしかないと云う事…
そして、ルルーシュが守ろうと思う存在を…
ナナリーを…
守る為には…学園の決定は正しい…
学園としても、どちらかを切り捨てなければならないと判断を迫られた時…
ミレイの祖父である理事長は…
ルルーシュとナナリーを掬い上げるだろう。
どちらも…危険な存在と云う意味では同じなのだけれど…
それでも、同じ危険度であるなら…
それに、ルルーシュだってナナリーと比べたら…
―――俺だって…迷わず…ナナリーを選ぶ…
そう思った時…涙が流れて来た…

 何の涙であるのか…
ルルーシュには解らない。
否、こんな事で、自分が涙を流すなんてあり得ないと云う気持ちだろう…
「バカな…この…俺が…?あの時…覚悟をしていた筈だ…。俺は…」
ユーフェミアが何を考えているのか解らない…
もし、皇女の我儘と気まぐれだったら…
絶対に許せないと思っている自分がいる。
そんな筈はないと心の中で否定しているけれど…
それでも…ルルーシュの頭の中では…何でも持っている異母妹を…
何でも持っているくせに…ルルーシュとナナリーにとって数少ない失いたくない物を簡単に攫って行く異母妹を…
憎しみの対象となってしまいそうで怖い…
ずっと仲の良かった異母妹だったのに…
ナナリーにとっては大好きな異母姉だったのに…
二度と会う事の叶わない相手ではあるけれど…
二度と口を聞くことさえ許されない相手だけれど…
それでも…
こんな形で憎みたくなんてなかった…
それでもルルーシュの中で自問自答する。
―――元々…俺がこの日本に送られた時点で…彼女は…俺とナナリーにとって危険な存在となっていた筈…。ただ、遠くにいたから…そう思わなかっただけで…。よく考えてみれば…そんな事は解っていた事の筈なのに…何故…今になってこれほど…悲しいと思ってしまう…?
本当は失いたくなかった…
本当は綺麗な思い出のままでいて欲しかった…
「俺には…それさえも許されないと云う事なのか?でも…どの道、俺とナナリーもいつまでもここにいる訳にはいかない…と云う事か…」
色々考えている内に…
この、ルルーシュとナナリーが今日までいたアッシュフォード学園と云う名の箱庭も…
自分達にとって箱庭ではなくなる。
いくら学園側がスザクをこの学園から除名したところで…
下を向いて、ルルーシュはこの先の事を考え始める。
ここにいたら…
スザクがいた痕跡のある場所にいたら…
きっと…否、確実にルルーシュとナナリーに危険が及ぶ。
ここまでずっと、誰にも知られずにひっそりと生きて来た筈なのに…
自分が親友だったと思う相手と、自分が大好きだった異母妹によって…
そんな隠れ家が壊されようとしているのだ…
ブリタニア軍に見つかれば…
ルルーシュとナナリーの身は一体どうなるか…
コーネリアやシュナイゼルは…どうするのだろうか…
クロヴィスを殺した時に出て来た…二人の名前…
ユーフェミアはそのコーネリアの実の妹姫…
これほど危険な構図があるだろうか…
『ゼロ』として動き始めてしまっている自分…
しかしこの場所もこれほどまでに危険に晒されているのだ。
「あの場所に…行くか…」
ルルーシュはある場所を思い浮かべた。
それは…
このエリアはブリタニアの植民エリアであり、懇意にしていたクロヴィスが総督となった時…
流石にのんきに構えているわけにもいかなくなって…
誰にも悟られないように…
知られないように…用意していた場所があった。
「あそこは…多少不便だけれど…大丈夫だよな…」
そう一言呟いて…ルルーシュは踵を返して、現在、自分の住居となっている、アッシュフォード学園のクラブハウスの…自室へと足を向けた。
ある決意を固めて…
そして、何かとの決別を心に決めて…

 スザクが学園に来られたのは…
ルルーシュが一人、色々考えていたあの時から3日後の事だった。
ずっと、忙しくて…
学園に足を運ぶ事が出来なかった。
やっと…学園に来られるだけの時間が出来た時…
一見、普通の学園の空気だったけれど…
ただ、スザクに対しての視線は…相変わらず複雑なものだったが…
けれど…
「あれ?何かが…おかしい…」
スザクが小さく呟いた。
生徒会室に来ると…
何かが足りない…
そんな風に思った。
「あの…会長…ルルーシュはいない事、ありますけれど…あの…ナナリーは…?」
スザクがミレイに…何か不安を抱えているような表情で尋ねた。
何が起きたのかは…具体的には解っていない。
でも…
ミレイは…そんなスザクの手を引っ張って生徒会室を出た。
そして、今は誰もいない…ルルーシュとナナリーの居住スペースの…リビングに入った。
「あれ…?」
スザクはいつもと違う事に気づいた。
何が違うと訊かれれば…いろいろあり過ぎて…
答え様がない。
「ルルーシュとナナリーは…出て行ったわ…。流石に貴方があの、KMFのパイロットで…おまけにユーフェミア皇女殿下の騎士ともなってしまえば…彼らにとってどれほどの脅威であるか…解らないとは云わせないわ…」
ミレイの言葉に…
スザクが驚愕の表情を見せる。
確かに…予想が出来る事…
「貴方の所為じゃない事は解っているわ…。でもね…私としては…八つ当たりだって解っていても…貴方を恨んでしまいそうよ…」
ミレイの言葉に…
スザクは声も出ない…
「ま、不幸中の幸いと云うのかしらね…。何故か、咲世子さんも姿を消しているから…。多分、あの二人と一緒に行ったのね…。お互いに承知していたのかどうかは…知らないけれど…」
ミレイの声は…いつものように、明るい声ではない。
何か、何かを抑えている様な…そんな声…
それが意味している事は…スザクも解らない訳じゃない。
「学園の方針として…貴方を自主退学をお願いしようと云う決定が下されたの。ルルーシュ達がいなくても、貴方の存在はこの学園に混乱を招いたのは事実よ…。そして、今日、何日かぶりに貴方が来て…やっぱり、学園の中は浮足立っているわ…。うちの学園は、平民の為の学校なの…。特別階級の人が来る場所じゃないのよ…」
ミレイがそこまで云った時…スザクはカタカタと身体を震わせた。
「ねぇ…スザク…。どうして…って訊くのは愚問か…。貴方に拒否権なんてないんだものね…。ルルーシュは…ずっと、貴方に軍をやめて欲しいって思っていたのは知っているでしょ?それの理由…解る?」
ミレイのその問いに…
スザクはドキッとして…そのまま膝をついて、両手を床の上に付いて…身体を震わせていた…

To Be Continued


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御無沙汰の小説更新です。
とりあえず、オフの入稿も済ませましたし、ちょっと、ミスがあったので、表紙だけ再入稿したのですが、それも無事済んで…
ほっとしております。
で、また、こんなギリギリ時間ですが、リクエスト再開です。
1週間、お休みを頂いちゃったんですね…
それでも、このブログに来て下さって、拍手コメを下さった皆様、本当に有難う御座居ました。
1週間ぶりにかいてみたのですが…
結構難しい内容だったのだなぁと…悩みながら書いておりました。
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posted by 和泉綾 at 23:39| Comment(0) | TrackBack(0) | Novel Rebellion開設2周年

2010年05月26日

Novel Rebellion開設2周年記念リクエスト企画 13

Be Together 02



※設定:1期のユーフェミアがスザクを騎士にした頃から始まります。
ユーフェミアが理想論とも云える様な提案と、現実のギャップに…周囲の困惑が広がっていきます…
ユーフェミアの騎士となったスザクの決断は…?

このお話しはRinka様からのリクエストです。
リクエスト、有難う御座居ました。

 スザクが…ユーフェミアの騎士に…
これまで…諦めなくてはならない物がたくさんあり、その度に諦めて来たものがたくさんあった。
それは、ナナリーを守る為…
常にそれを考えて…ルルーシュ自身、自分の事は後回しにしてきた。
現在のブリタニアの国是を考えた時…あの、スザクが…
―――耐えられるだろうか…
そんな心配をしてしまうが…
でも、すぐに、それは単なる自分の自分に対する…気持ちの誤魔化しでしかない事に気づいて…
その後に…気付かぬ振りをする。
スザクの心配をしているように見せて…
自分がそれを嫌だと思っているのは明白で…
そんな自分が嫌になる。
ただ、確かに、今のブリタニアの国是でスザクが皇族の…しかもブリタニア人からの支持の厚いユーフェミアの騎士になるなど…
自ら針の筵の中に入っていく様なものだ。
そして、恐らく、ユーフェミアが考えている以上に、スザクには十隻が科されることになる。
ルルーシュの中では思う。
―――どうしてもスザクを騎士にしたいと云うのなら…自身でそれだけの何かを構築しないままにしてはいけない…
そんな思いが自分の頭を過って行った時…
その気持ちが怒りとなってこみ上げてくる。
世間知らずな…あの皇女殿下の為に…振り回される人間が数多くいる事を完全に忘れている。
スザクがユーフェミアに指名されたとなれば、スザクに最早拒否権はない。
もし、そこで、拒否の意思を見せたりしたら…究極になれば、スザクにブリタニアに対する反逆の意思ありと、見なされ兼ねない。
そもそも、何故、コーネリアがそんな事を許したのか…
―――否、恐らく、ユフィのその場の思いつきに近いものだったのだろうな…。コーネリアさえ…その事を予想だに出来ない状態での…
皇族ともなれば、自分の専任騎士を選ぶ時が来る。
その為に、生まれた時に、自ら決めたその存在に渡す為の騎士章を手渡される。
ルルーシュも、ナナリーも、今では廃嫡の身であるとはいえ、今でも幼いころに持たされた騎士章は持っている。
ルルーシュ自身、この騒ぎが起きるまでは自分の騎士章など忘れていたが…。
それに、そんなもの、持っていたところで何にもならないし、今となっては、ルルーシュの騎士章もナナリーの騎士章も何の意味もない、飾りでしかない。
でも…ルルーシュは…あの時…
ナナリーの騎士章を…スザクに渡そうと思っていた…
そして、ナナリーを守って欲しいと…頼むつもりだった。
その後は…
―――俺が傍にいたら…確実に、ナナリーにとって災いの種にしかならない…
そこまで考えていたから…
スザクにナナリーを託して、自分はアッシュフォード学園から姿を消すつもりだった…
それなのに…
結局、それが権力の力…
それを思い知らされることになった。
何故…もっと早く決断しなかったのかと…
これは…ルルーシュに力がなかったから…
だから、起きた結果だ…
確かにそれは解っている。
どんな世の中であったとしても、こうした形で力でその優越を行使する者が当然、現れる。
それが…その力があるからこそ、そして、それだけの事が出来ると云う自覚があるものであればいい…
そして、その力が伴っているものであれば…
しかし…

 あの様子だと…
彼女は解ってはいない…
自分の持つその権力の大きさを…
そして、その権力を使う事によって、世の中がどれほど動くことになるのかを…
実際に、こんな、学生の集う学園の中でさえ、戸惑いと困惑が満ち満ちているのだ。
「お兄様…」
後ろから声をかけて来たのは…
ナナリーだった。
これまで、ずっと、何に代えても最優先してきた…最愛の妹…
「ナナリー…どうしたんだい?」
いつもと変わらない、兄の仮面を被った。
ナナリー自身、解っているのかもしれない…
現在のこの学園の異様な空気を…
「スザクさん…ユフィ異母姉さまの…騎士になられたのですね…」
少しだけ、何か、思うところがあると云う…そんな口調で、ナナリーが口にした。
それが…何を意味しているのだろうか…
「そう…だな…。軍人のスザクにとっては大出世だ…。そうだ…俺とナナリーでスザクのお祝いを…」
「お兄様!」
取り繕って話しているルルーシュにナナリーがぴしゃりとその言葉を切らせた。
ナナリーのその表情に…ルルーシュはびくりとなる。
普段なら…決して見せる事のない…
ナナリーの怒りの色見せている…その表情…
それでも…ルルーシュはそのナナリーの怒りをスルーしようとする。
ここで、そのナナリーが云いたい事を聞いてしまったら…自分自身でも、どうしたらいいか、解らなくなってしまうから…
そして、力のない自分を…そのまま、追い落として行く事になりそうだったから…
「待って下さい!お兄様…。スザクさんが…今の状態でユフィ異母姉さまの騎士になるだなんて…」
「スザクも…自分で決めたことだろう?だったら俺は…」
「本気で仰っているのですか?今のスザクさんは…あの時…いつも、私を庇っていたお兄様と…」
「いいんだ!ナナリー…」
声を荒げて、ナナリーの言葉を遮った。
これまで…ナナリーに対して声を荒げるなんて…殆どなかった。
枢木家のあの、土蔵で…ナナリーが精神的不安定な状態に陥った時…
どうしたらいいか解らなくて…
そして、ナナリーを叱った時くらいか…
「お兄様は…本当に、それは、スザクさんの御意志でお決めになられたと…本気で思っていらっしゃるのではないでしょう?」
「でも…俺には…どうする事も…」
確かに…スザクの意思がそこにあったのかどうか…
怪しいところではあるのだけれど…
「私たち…どうなるのでしょうか…お兄様…」
「どうも…ならないよ…ナナリー…。これまでと…変わらない…。ただ…スザクとあまり話すことが出来なくなる…。それだけだよ…」
そう…ナナリーにも解っているのだ。
自分たちが、既に存在しない皇子と皇女である事を…
これまで…暗殺に怯えつつも、ひっそりと暮らして来た…
ナナリーにとって、それは幸せな時間であった。
スザクはいなかったけれど…
それでも、ルルーシュがいてくれたから…
だから…ナナリーは、ずっと、幸せだった。
怖いと思う事もあったけれど…幸せだった。
―――それなのに…今…いろいろなものが…一気に壊されている気がします…。創る為の破壊ではなく…ただ、壊されていく…
ナナリーの中で…そんな風に思えていた…

 未だに解らない…
現在の、スザクの主の考えていること…
今となっては、迂闊に尋ねる事も出来なくなっている。
しかし…それが解らない事には…スザク自身、前に進む事も、後ろに戻る事も出来ない。
その事だけは解る…
「きちんと…尋ねて…それからでないと…前に進めない…」
今は、政庁の会議で自分の傍にはいない…現在の自分の主…
こうした形で、何故…ここにいるのだろうか…
確かに、自分は内側から変えて行こうと…そう決めていたけれど…
それでも、内側から変えて行くのにも順序と云うものがある。
一気にこんなところに引っ張り込まれてしまっては、逆に身動きが取れなくなってしまう。
恐らく、名誉ブリタニア人の軍人からは複雑な思いをぶつけられるだろうし、その中で、今、スザクのやりたいと思っていること…願いを…望みを話したところで…
―――きっと、誰も耳を貸してくれない…
実際に、政庁の中でも軍の中でもスザクを見る目が変わっていることが解る。
そして…今のスザクは…大切な存在に、戸惑いを生み、不安を与えている事も…解る…
生徒会のメンバーたちは…
中にはスザクのこの、騎士の拝命に対して、他意なく祝福してくれているものもいる。
でも、そうでないものもいる。
戸惑いと不安が…
彼らの中にあることは解る。
特に…スザクを絶望の底からすくい上げてくれたその存在にとって、今、スザクは脅威となってしまっているのだから…
やがて、スザクの主となったユーフェミアがスザクの前に姿を現した。
「お疲れ様です…ユーフェミア皇女殿下…」
会議が終わり、ユーフェミアが少し、疲れた表情で出て来た。
「スザク…ありがとう…。こんなところで待っていて下さったのね…」
ユーフェミアがにこりと笑いながらスザクにそう返した。
その笑みを見ていると、そこに悪意を感じることはない。
裏側に何かあるようにも見えない。
ナンバーズの地位向上…
それを考えての事だったのかもしれない。
「あの…この後…お時間はあるでしょうか?」
「はい…今日の公務はこれで終わりです。一緒にお茶でも頂きましょう…」
相変わらず無邪気に笑う皇女に…
スザクは複雑な思いを抱く。
初めて会った時には…驚かされることがたくさんあって、そして、つい、目が離せない…そんな感じだったのだけれど…
こうして見ると、本当に何も知らない、温室育ちな姫君だと思える。
「解りました。どちらに準備致しましょう?」
「そうですね…。折角ですから…サロンに行ってみませんか?」
「承知致しました。すぐに準備致します…」
こうした事も、騎士の務めと…解らないなりに騎士として傍にいるのだけれど…
それでも…
スザクの中で、何かが違っているように思える。
それが…
なんであるのか…
解っているけれど…今のスザクにはどうする事も出来ない現実で…
それは…今のところ…撥ね退けるだけのものがなくて…
今は…ただ、こうして、ユーフェミアの騎士として、傍にいるしかない…
―――僕は…一体何をやっているんだ…。何のためにここにいるのかも解らないまま…僕は…

 そんな事を考えながら歩いていると…
正面から、コーネリアの騎士であるギルフォードが歩いてきた。
スザクは先任であるギルフォードに道を譲ろうと、廊下の隅によって、礼を払って、ギルフォードを見送ろうとした。
「君かな?ユーフェミア皇女殿下の騎士となった…枢木スザク…と云うのは…」
いつも厳しい顔しか見た事のない…コーネリアの騎士…
コーネリアは自分に対しても、他人に対しても厳しい。
その所為もあるのか、彼女の周囲を取り巻いている人々は任務の際には非常に厳しい態度で臨んでいる。
「はっ…枢木スザク少佐であります…」
「そう…かしこまらなくてもいい…。ただ、いろいろと大変だとは思うが…」
こうして話している時には、穏やかに喋る…
そんな感想を抱いた。
「いえ…自分には身に余る…」
「君は…どうやら、自分が何故、ここにいるのか…そんな風に考えているんだね…?」
見事にぴしゃりと当てられてしまい…
スザクとしても返答に困ってしまうが…
「確かに…君はナンバーズであり、我が姫様としても、いろいろ複雑な思いはあるのだろう…。今のブリタニアの国是…いいにしろ、悪いにしろ、君たちナンバーズに対しては区別すると云う立場をとっている。その辺り、『差別』と『区別』の差をつけられない物が多い事も問題を大きくしている要因ではあるのだけれど…」
「いい、悪いはともかく…我々はそのルールの下に生きているのです…。ですが…現在、主と呼ぶその存在の考えていることがさっぱり解らず、自分が何故ここにいるのか…」
「まぁ、悩むだろうな…。実際にユーフェミア皇女殿下のあのやりようは…姫様も相当ご立腹の様子だった。君の知らないところで事が進められていたようだし…。コーネリア様は君個人に嫌悪を抱いているわけではない。寧ろ、好意に近いかも知れん…」
そのギルフォードのその言葉にスザクは驚いた顔を見せた。
それが…意外な言葉であったことは確かだ。
「ただ、姫様は決して公私混同を許されない方だ。前線に出れば、必要となれば、専任騎士である私にも『死ね』とお命じになるだろう…。それが、ご自身の傷となる事をも承知で…。まぁ、そんな姫様であるからこそ、私はどんな命令でも喜んで受けることが出来るのではあるのだけれど…」
ギルフォードのその言葉は…スザクの中でずしりとのしかかってきた気がした。
今のスザクに…
そこまでのユーフェミアへの忠誠心があるのだろうか…
本当は思うところがあるのに…
その事を尋ねる事も出来ない自分に…
「自分は…ユーフェミア皇女殿下の騎士…失格なのでしょうか…。自分が…ここにいる理由が…未だに解らず…。主の考えている事も…」
「君の場合は、複雑な事情がありそうだが…。それでも、今、君はここにいるのだろう?」
ギルフォードのその言葉に…
何か…目が覚めたような気がした。
「そう…ですね…。自分は…今…ここにいる…」
これは…ギルフォードに対していった事なのか…
自分に対していった事なのか…
そのあいまいさが残っているけれど…それでも、何か、掴んだような気がした。

 その日も…スザクは学園に姿を見せることがなかった。
確かに、皇女の騎士ともなれば…
学校どころではないだろう。
寧ろ、現在も在籍している事の方が不自然と思える程だ。
主であるユーフェミアは既に学校をやめているのだから…
生徒会室の中には…複雑な空気が流れていた。
「ルルーシュ…ちょっと話があるから来て頂戴…」
ミレイがルルーシュを指名する。
「ここではダメなんですか?」
正直、誰かと1対1で話せるような気分ではないと思っているのだけれど…
それでも、ミレイ相手では何を云ったところで逃げ切る事など出来はしない。
それに、スザクがユーフェミアの騎士となったことで、学園全体が浮足立っているような状態だし、生徒会室の空気もなんだか微妙だ。
確かに、生徒会メンバーはスザクが転入してきたばかりの時の事を鮮明に覚えている事もある。
スザクがルルーシュを助ける…
それがなければ今だって、スザクは一人だったのかもしれない。
イレヴンの肩書を持つスザクは…そう云った環境に放り込まれているのだ。
それが…いきなり、これまで、スザクをイレヴンとして差別してきた学生たちも複雑な気持ちを抱えつつ、その、学園内の妙な空気を作っている一員となっている。
そして、ミレイはルルーシュを屋上まで連れて行った。
「ねぇ…大丈夫なの?本当に…」
「何がですか?」
「それ…ここで言っちゃっていいわけ?何を云いたいのか、ルルーシュが一番よく解っている筈なんだけど…」
ミレイの言葉に…ルルーシュは言葉が続かない。
確かに…スザクの今の立場で…ルルーシュとナナリーの傍にいると云うことは…彼らを匿っているアッシュフォード家にも影響が及ぶことは…考えるにたやすい。
「俺たちなら…いつでもここから出て行く準備は…」
「そんな事を云っているんじゃないの!お祖父様も…この事態にいろいろ困っていたみたいだけれど…あなた達を放り出すようなことは考えていない…。と云うか…スザクを…このまま置いておくわけには…と云う話になっているのよ…」
「まぁ、確かにそれは、学園の安全を考えた時には…そうでしょうね…」
ナンバーズの騎士…
それは、ブリタニア人から疎まれるのと同時に、イレヴンの中からも『裏切り者』としてのレッテルを張られることになる。
確かに、認められればその様な地位を戴ける…と云う見方もできるかもしれない。
しかし、自分たちは日本人であり、ブリタニア人から地位を与えられる事に快く思わない者だっているのだ。
それが…シンジュクゲットーにいくつも存在するテロリストたちの標的になることだって考えられるのだ。
「俺の力では…どうにも出来ませんよ…。俺もナナリーも…それを止めるだけの手立ても力もない…」
認めたくはないが…
それでも、これは、確かに現実を見た真実だ。
「なら…アッシュフォード学園としては…」
「そう、決断せざるを得ないことは解っています。ナナリーには…俺から伝えておきますから…」
ルルーシュはその一言を置いて、屋上から校舎の中へと入って行った…

To Be Continued


あとがきに代えて


なんか…
話しがどろどろして来てしまいました。
えっと、1期のスザクがユーフェミアの騎士になった辺りから始まっていますが、話しは完全に作り替えられたものになっています。
まぁ、リクエスト作品なのですが、和泉なら…こんな風に思う…なんて考える事を文章にしている感じです。
あの辺りの話し…スザクは元首相の息子として、もっと、立場を考えて欲しかったし、ユーフェミアの無自覚の権力の乱用はいろいろ考えさせられることがありますし…
だから、Rinka様から頂いたリクネタをベースに、和泉自身もこれだけはいいたい!という事を書かせて頂いています。

あと、今日のお昼ごろ、拍手を入れ替えました。
よろしければまた、読んでやって下さい。
それと、『心から『ありがとう』をあなたに…〜紅の戦士編〜』が快適本屋さんで扱って頂ける事になりました。
そこには『ギアスターボ6』のフリーペーパーをお付けいたします。
来週あたりから取り扱いが始まる様に納品したいと思います。
取り扱って頂ける事になったので、ほっとしております。
通販を利用される方は、出来るだけ書店さんにお願いします。(現在、書店さんで扱っていない本の方が多いので、自家通販も並行しているのですが…。少々しんどい状態にあります。出来れば書店委託されているものは書店通販を利用して頂けると助かります)
あと、『皇子とレジスタンス〜第一部〜』の在庫確認をしたら…考えていた以上に在庫が少ないので…ご希望の方は早めのお問い合わせをお願いします。


☆拍手のお返事


Rinkaさま:こんばんは、コメント有難う御座居ます。
リクエスト、有難う御座居ます。

あのあたりの頃は…和泉自身、言いたい事がたくさんありましたし…
そう云う意味では、このリクは頂けて光栄でした。
今回も、スザクはうだうだ考えているし、ルルーシュは自分を抑え込もうと苦しんでいるし…
この先はホントに捏造の域に入って行くのですけれど…
まぁ、本編でもユーフェミアは自分の持つ権力の大きさを、影響力を知らずに振り回している状態でしたから…
その辺りで憤りを感じる人が出てきてくれないと困るので…
だから、ナナリーは本編のようにスザク云々と云うよりもルルーシュに対して…という部分を強調させて頂きました。
そして、ミレイさんの活躍も期待している訳ですけれど…

実際、ナンバーズがそうした形で出世すると云う基盤が全くないまま、そして、権力だけで強引に据えたらどうなるのか…
その辺りの想像力が欠けていると思いますし、その辺りは本編ではきちんと描写されていませんでしたからね。
ナンバーズを騎士にした事でユーフェミアへの支持が上がると云う設定でしたけれど…
それはまず、民族感情から云ってあり得ないと思うんですよね…
まぁ、中にはいるかもしれませんけれどね。
だから、少々白姫にはきつい形で書かせて頂いています。
これから、話が進んでいくにつれて…どう変化していくのか…楽しみにして頂けると嬉しいです。


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posted by 和泉綾 at 23:54| Comment(0) | TrackBack(0) | Novel Rebellion開設2周年

Novel Rebellion開設2周年記念リクエスト企画 13

Be Together 02



※設定:1期のユーフェミアがスザクを騎士にした頃から始まります。
ユーフェミアが理想論とも云える様な提案と、現実のギャップに…周囲の困惑が広がっていきます…
ユーフェミアの騎士となったスザクの決断は…?

このお話しはRinka様からのリクエストです。
リクエスト、有難う御座居ました。

 スザクが…ユーフェミアの騎士に…
これまで…諦めなくてはならない物がたくさんあり、その度に諦めて来たものがたくさんあった。
それは、ナナリーを守る為…
常にそれを考えて…ルルーシュ自身、自分の事は後回しにしてきた。
現在のブリタニアの国是を考えた時…あの、スザクが…
―――耐えられるだろうか…
そんな心配をしてしまうが…
でも、すぐに、それは単なる自分の自分に対する…気持ちの誤魔化しでしかない事に気づいて…
その後に…気付かぬ振りをする。
スザクの心配をしているように見せて…
自分がそれを嫌だと思っているのは明白で…
そんな自分が嫌になる。
ただ、確かに、今のブリタニアの国是でスザクが皇族の…しかもブリタニア人からの支持の厚いユーフェミアの騎士になるなど…
自ら針の筵の中に入っていく様なものだ。
そして、恐らく、ユーフェミアが考えている以上に、スザクには十隻が科されることになる。
ルルーシュの中では思う。
―――どうしてもスザクを騎士にしたいと云うのなら…自身でそれだけの何かを構築しないままにしてはいけない…
そんな思いが自分の頭を過って行った時…
その気持ちが怒りとなってこみ上げてくる。
世間知らずな…あの皇女殿下の為に…振り回される人間が数多くいる事を完全に忘れている。
スザクがユーフェミアに指名されたとなれば、スザクに最早拒否権はない。
もし、そこで、拒否の意思を見せたりしたら…究極になれば、スザクにブリタニアに対する反逆の意思ありと、見なされ兼ねない。
そもそも、何故、コーネリアがそんな事を許したのか…
―――否、恐らく、ユフィのその場の思いつきに近いものだったのだろうな…。コーネリアさえ…その事を予想だに出来ない状態での…
皇族ともなれば、自分の専任騎士を選ぶ時が来る。
その為に、生まれた時に、自ら決めたその存在に渡す為の騎士章を手渡される。
ルルーシュも、ナナリーも、今では廃嫡の身であるとはいえ、今でも幼いころに持たされた騎士章は持っている。
ルルーシュ自身、この騒ぎが起きるまでは自分の騎士章など忘れていたが…。
それに、そんなもの、持っていたところで何にもならないし、今となっては、ルルーシュの騎士章もナナリーの騎士章も何の意味もない、飾りでしかない。
でも…ルルーシュは…あの時…
ナナリーの騎士章を…スザクに渡そうと思っていた…
そして、ナナリーを守って欲しいと…頼むつもりだった。
その後は…
―――俺が傍にいたら…確実に、ナナリーにとって災いの種にしかならない…
そこまで考えていたから…
スザクにナナリーを託して、自分はアッシュフォード学園から姿を消すつもりだった…
それなのに…
結局、それが権力の力…
それを思い知らされることになった。
何故…もっと早く決断しなかったのかと…
これは…ルルーシュに力がなかったから…
だから、起きた結果だ…
確かにそれは解っている。
どんな世の中であったとしても、こうした形で力でその優越を行使する者が当然、現れる。
それが…その力があるからこそ、そして、それだけの事が出来ると云う自覚があるものであればいい…
そして、その力が伴っているものであれば…
しかし…

 あの様子だと…
彼女は解ってはいない…
自分の持つその権力の大きさを…
そして、その権力を使う事によって、世の中がどれほど動くことになるのかを…
実際に、こんな、学生の集う学園の中でさえ、戸惑いと困惑が満ち満ちているのだ。
「お兄様…」
後ろから声をかけて来たのは…
ナナリーだった。
これまで、ずっと、何に代えても最優先してきた…最愛の妹…
「ナナリー…どうしたんだい?」
いつもと変わらない、兄の仮面を被った。
ナナリー自身、解っているのかもしれない…
現在のこの学園の異様な空気を…
「スザクさん…ユフィ異母姉さまの…騎士になられたのですね…」
少しだけ、何か、思うところがあると云う…そんな口調で、ナナリーが口にした。
それが…何を意味しているのだろうか…
「そう…だな…。軍人のスザクにとっては大出世だ…。そうだ…俺とナナリーでスザクのお祝いを…」
「お兄様!」
取り繕って話しているルルーシュにナナリーがぴしゃりとその言葉を切らせた。
ナナリーのその表情に…ルルーシュはびくりとなる。
普段なら…決して見せる事のない…
ナナリーの怒りの色見せている…その表情…
それでも…ルルーシュはそのナナリーの怒りをスルーしようとする。
ここで、そのナナリーが云いたい事を聞いてしまったら…自分自身でも、どうしたらいいか、解らなくなってしまうから…
そして、力のない自分を…そのまま、追い落として行く事になりそうだったから…
「待って下さい!お兄様…。スザクさんが…今の状態でユフィ異母姉さまの騎士になるだなんて…」
「スザクも…自分で決めたことだろう?だったら俺は…」
「本気で仰っているのですか?今のスザクさんは…あの時…いつも、私を庇っていたお兄様と…」
「いいんだ!ナナリー…」
声を荒げて、ナナリーの言葉を遮った。
これまで…ナナリーに対して声を荒げるなんて…殆どなかった。
枢木家のあの、土蔵で…ナナリーが精神的不安定な状態に陥った時…
どうしたらいいか解らなくて…
そして、ナナリーを叱った時くらいか…
「お兄様は…本当に、それは、スザクさんの御意志でお決めになられたと…本気で思っていらっしゃるのではないでしょう?」
「でも…俺には…どうする事も…」
確かに…スザクの意思がそこにあったのかどうか…
怪しいところではあるのだけれど…
「私たち…どうなるのでしょうか…お兄様…」
「どうも…ならないよ…ナナリー…。これまでと…変わらない…。ただ…スザクとあまり話すことが出来なくなる…。それだけだよ…」
そう…ナナリーにも解っているのだ。
自分たちが、既に存在しない皇子と皇女である事を…
これまで…暗殺に怯えつつも、ひっそりと暮らして来た…
ナナリーにとって、それは幸せな時間であった。
スザクはいなかったけれど…
それでも、ルルーシュがいてくれたから…
だから…ナナリーは、ずっと、幸せだった。
怖いと思う事もあったけれど…幸せだった。
―――それなのに…今…いろいろなものが…一気に壊されている気がします…。創る為の破壊ではなく…ただ、壊されていく…
ナナリーの中で…そんな風に思えていた…

 未だに解らない…
現在の、スザクの主の考えていること…
今となっては、迂闊に尋ねる事も出来なくなっている。
しかし…それが解らない事には…スザク自身、前に進む事も、後ろに戻る事も出来ない。
その事だけは解る…
「きちんと…尋ねて…それからでないと…前に進めない…」
今は、政庁の会議で自分の傍にはいない…現在の自分の主…
こうした形で、何故…ここにいるのだろうか…
確かに、自分は内側から変えて行こうと…そう決めていたけれど…
それでも、内側から変えて行くのにも順序と云うものがある。
一気にこんなところに引っ張り込まれてしまっては、逆に身動きが取れなくなってしまう。
恐らく、名誉ブリタニア人の軍人からは複雑な思いをぶつけられるだろうし、その中で、今、スザクのやりたいと思っていること…願いを…望みを話したところで…
―――きっと、誰も耳を貸してくれない…
実際に、政庁の中でも軍の中でもスザクを見る目が変わっていることが解る。
そして…今のスザクは…大切な存在に、戸惑いを生み、不安を与えている事も…解る…
生徒会のメンバーたちは…
中にはスザクのこの、騎士の拝命に対して、他意なく祝福してくれているものもいる。
でも、そうでないものもいる。
戸惑いと不安が…
彼らの中にあることは解る。
特に…スザクを絶望の底からすくい上げてくれたその存在にとって、今、スザクは脅威となってしまっているのだから…
やがて、スザクの主となったユーフェミアがスザクの前に姿を現した。
「お疲れ様です…ユーフェミア皇女殿下…」
会議が終わり、ユーフェミアが少し、疲れた表情で出て来た。
「スザク…ありがとう…。こんなところで待っていて下さったのね…」
ユーフェミアがにこりと笑いながらスザクにそう返した。
その笑みを見ていると、そこに悪意を感じることはない。
裏側に何かあるようにも見えない。
ナンバーズの地位向上…
それを考えての事だったのかもしれない。
「あの…この後…お時間はあるでしょうか?」
「はい…今日の公務はこれで終わりです。一緒にお茶でも頂きましょう…」
相変わらず無邪気に笑う皇女に…
スザクは複雑な思いを抱く。
初めて会った時には…驚かされることがたくさんあって、そして、つい、目が離せない…そんな感じだったのだけれど…
こうして見ると、本当に何も知らない、温室育ちな姫君だと思える。
「解りました。どちらに準備致しましょう?」
「そうですね…。折角ですから…サロンに行ってみませんか?」
「承知致しました。すぐに準備致します…」
こうした事も、騎士の務めと…解らないなりに騎士として傍にいるのだけれど…
それでも…
スザクの中で、何かが違っているように思える。
それが…
なんであるのか…
解っているけれど…今のスザクにはどうする事も出来ない現実で…
それは…今のところ…撥ね退けるだけのものがなくて…
今は…ただ、こうして、ユーフェミアの騎士として、傍にいるしかない…
―――僕は…一体何をやっているんだ…。何のためにここにいるのかも解らないまま…僕は…

 そんな事を考えながら歩いていると…
正面から、コーネリアの騎士であるギルフォードが歩いてきた。
スザクは先任であるギルフォードに道を譲ろうと、廊下の隅によって、礼を払って、ギルフォードを見送ろうとした。
「君かな?ユーフェミア皇女殿下の騎士となった…枢木スザク…と云うのは…」
いつも厳しい顔しか見た事のない…コーネリアの騎士…
コーネリアは自分に対しても、他人に対しても厳しい。
その所為もあるのか、彼女の周囲を取り巻いている人々は任務の際には非常に厳しい態度で臨んでいる。
「はっ…枢木スザク少佐であります…」
「そう…かしこまらなくてもいい…。ただ、いろいろと大変だとは思うが…」
こうして話している時には、穏やかに喋る…
そんな感想を抱いた。
「いえ…自分には身に余る…」
「君は…どうやら、自分が何故、ここにいるのか…そんな風に考えているんだね…?」
見事にぴしゃりと当てられてしまい…
スザクとしても返答に困ってしまうが…
「確かに…君はナンバーズであり、我が姫様としても、いろいろ複雑な思いはあるのだろう…。今のブリタニアの国是…いいにしろ、悪いにしろ、君たちナンバーズに対しては区別すると云う立場をとっている。その辺り、『差別』と『区別』の差をつけられない物が多い事も問題を大きくしている要因ではあるのだけれど…」
「いい、悪いはともかく…我々はそのルールの下に生きているのです…。ですが…現在、主と呼ぶその存在の考えていることがさっぱり解らず、自分が何故ここにいるのか…」
「まぁ、悩むだろうな…。実際にユーフェミア皇女殿下のあのやりようは…姫様も相当ご立腹の様子だった。君の知らないところで事が進められていたようだし…。コーネリア様は君個人に嫌悪を抱いているわけではない。寧ろ、好意に近いかも知れん…」
そのギルフォードのその言葉にスザクは驚いた顔を見せた。
それが…意外な言葉であったことは確かだ。
「ただ、姫様は決して公私混同を許されない方だ。前線に出れば、必要となれば、専任騎士である私にも『死ね』とお命じになるだろう…。それが、ご自身の傷となる事をも承知で…。まぁ、そんな姫様であるからこそ、私はどんな命令でも喜んで受けることが出来るのではあるのだけれど…」
ギルフォードのその言葉は…スザクの中でずしりとのしかかってきた気がした。
今のスザクに…
そこまでのユーフェミアへの忠誠心があるのだろうか…
本当は思うところがあるのに…
その事を尋ねる事も出来ない自分に…
「自分は…ユーフェミア皇女殿下の騎士…失格なのでしょうか…。自分が…ここにいる理由が…未だに解らず…。主の考えている事も…」
「君の場合は、複雑な事情がありそうだが…。それでも、今、君はここにいるのだろう?」
ギルフォードのその言葉に…
何か…目が覚めたような気がした。
「そう…ですね…。自分は…今…ここにいる…」
これは…ギルフォードに対していった事なのか…
自分に対していった事なのか…
そのあいまいさが残っているけれど…それでも、何か、掴んだような気がした。

 その日も…スザクは学園に姿を見せることがなかった。
確かに、皇女の騎士ともなれば…
学校どころではないだろう。
寧ろ、現在も在籍している事の方が不自然と思える程だ。
主であるユーフェミアは既に学校をやめているのだから…
生徒会室の中には…複雑な空気が流れていた。
「ルルーシュ…ちょっと話があるから来て頂戴…」
ミレイがルルーシュを指名する。
「ここではダメなんですか?」
正直、誰かと1対1で話せるような気分ではないと思っているのだけれど…
それでも、ミレイ相手では何を云ったところで逃げ切る事など出来はしない。
それに、スザクがユーフェミアの騎士となったことで、学園全体が浮足立っているような状態だし、生徒会室の空気もなんだか微妙だ。
確かに、生徒会メンバーはスザクが転入してきたばかりの時の事を鮮明に覚えている事もある。
スザクがルルーシュを助ける…
それがなければ今だって、スザクは一人だったのかもしれない。
イレヴンの肩書を持つスザクは…そう云った環境に放り込まれているのだ。
それが…いきなり、これまで、スザクをイレヴンとして差別してきた学生たちも複雑な気持ちを抱えつつ、その、学園内の妙な空気を作っている一員となっている。
そして、ミレイはルルーシュを屋上まで連れて行った。
「ねぇ…大丈夫なの?本当に…」
「何がですか?」
「それ…ここで言っちゃっていいわけ?何を云いたいのか、ルルーシュが一番よく解っている筈なんだけど…」
ミレイの言葉に…ルルーシュは言葉が続かない。
確かに…スザクの今の立場で…ルルーシュとナナリーの傍にいると云うことは…彼らを匿っているアッシュフォード家にも影響が及ぶことは…考えるにたやすい。
「俺たちなら…いつでもここから出て行く準備は…」
「そんな事を云っているんじゃないの!お祖父様も…この事態にいろいろ困っていたみたいだけれど…あなた達を放り出すようなことは考えていない…。と云うか…スザクを…このまま置いておくわけには…と云う話になっているのよ…」
「まぁ、確かにそれは、学園の安全を考えた時には…そうでしょうね…」
ナンバーズの騎士…
それは、ブリタニア人から疎まれるのと同時に、イレヴンの中からも『裏切り者』としてのレッテルを張られることになる。
確かに、認められればその様な地位を戴ける…と云う見方もできるかもしれない。
しかし、自分たちは日本人であり、ブリタニア人から地位を与えられる事に快く思わない者だっているのだ。
それが…シンジュクゲットーにいくつも存在するテロリストたちの標的になることだって考えられるのだ。
「俺の力では…どうにも出来ませんよ…。俺もナナリーも…それを止めるだけの手立ても力もない…」
認めたくはないが…
それでも、これは、確かに現実を見た真実だ。
「なら…アッシュフォード学園としては…」
「そう、決断せざるを得ないことは解っています。ナナリーには…俺から伝えておきますから…」
ルルーシュはその一言を置いて、屋上から校舎の中へと入って行った…

To Be Continued


あとがきに代えて


なんか…
話しがどろどろして来てしまいました。
えっと、1期のスザクがユーフェミアの騎士になった辺りから始まっていますが、話しは完全に作り替えられたものになっています。
まぁ、リクエスト作品なのですが、和泉なら…こんな風に思う…なんて考える事を文章にしている感じです。
あの辺りの話し…スザクは元首相の息子として、もっと、立場を考えて欲しかったし、ユーフェミアの無自覚の権力の乱用はいろいろ考えさせられることがありますし…
だから、Rinka様から頂いたリクネタをベースに、和泉自身もこれだけはいいたい!という事を書かせて頂いています。

あと、今日のお昼ごろ、拍手を入れ替えました。
よろしければまた、読んでやって下さい。
それと、『心から『ありがとう』をあなたに…〜紅の戦士編〜』が快適本屋さんで扱って頂ける事になりました。
そこには『ギアスターボ6』のフリーペーパーをお付けいたします。
来週あたりから取り扱いが始まる様に納品したいと思います。
取り扱って頂ける事になったので、ほっとしております。
通販を利用される方は、出来るだけ書店さんにお願いします。(現在、書店さんで扱っていない本の方が多いので、自家通販も並行しているのですが…。少々しんどい状態にあります。出来れば書店委託されているものは書店通販を利用して頂けると助かります)
あと、『皇子とレジスタンス〜第一部〜』の在庫確認をしたら…考えていた以上に在庫が少ないので…ご希望の方は早めのお問い合わせをお願いします。


☆拍手のお返事


Rinkaさま:こんばんは、コメント有難う御座居ます。
リクエスト、有難う御座居ます。

あのあたりの頃は…和泉自身、言いたい事がたくさんありましたし…
そう云う意味では、このリクは頂けて光栄でした。
今回も、スザクはうだうだ考えているし、ルルーシュは自分を抑え込もうと苦しんでいるし…
この先はホントに捏造の域に入って行くのですけれど…
まぁ、本編でもユーフェミアは自分の持つ権力の大きさを、影響力を知らずに振り回している状態でしたから…
その辺りで憤りを感じる人が出てきてくれないと困るので…
だから、ナナリーは本編のようにスザク云々と云うよりもルルーシュに対して…という部分を強調させて頂きました。
そして、ミレイさんの活躍も期待している訳ですけれど…

実際、ナンバーズがそうした形で出世すると云う基盤が全くないまま、そして、権力だけで強引に据えたらどうなるのか…
その辺りの想像力が欠けていると思いますし、その辺りは本編ではきちんと描写されていませんでしたからね。
ナンバーズを騎士にした事でユーフェミアへの支持が上がると云う設定でしたけれど…
それはまず、民族感情から云ってあり得ないと思うんですよね…
まぁ、中にはいるかもしれませんけれどね。
だから、少々白姫にはきつい形で書かせて頂いています。
これから、話が進んでいくにつれて…どう変化していくのか…楽しみにして頂けると嬉しいです。


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posted by 和泉綾 at 23:54| Comment(0) | TrackBack(0) | Novel Rebellion開設2周年