2010年11月30日

『Amethyst Eyes』開設2周年記念リクエスト企画 01

Repeat 1



※設定:『ロスカラ ギアス編』終了後、ライが本編stage1に逆行すると云うお話しです。
C.C.以外、ライの記憶について、正体を知る存在は居ません。

これはharukaさまのリクエストです。
リクエスト有難う御座居ました。

 再び、彼は長い眠りについた…。
結局、『ギアス』の能力に…振り回された…と云う事なのか…。
それでも…
―――再び出来た…大切な存在を…傷つけたくない…。二度と…失いたくない…。
その思いから…彼は、自ら神根島に赴いた…。
そして、再び…長い眠りにつく事となった。
眠りの落ちる時…彼が思ったのは…
―――心残りがあるとしたら…多分…僕の特別な存在を…
その想いだった…。
その時…
『お前は…まだ…未練があると云うのか…?』
―――誰だ???
『お前は…あの存在に未練があると云うのか…?』
不思議な声が…眠りにつこうとして、薄れて行く意識の中に語りかけてきた。
この感じ…覚えがある…。
しかし、色々考えられるだけの余裕はなく…。
―――ないと云ったら…ウソになる…。あの人が…僕にとって…きっと初めて…
『ならば…もう一度会わせてやろうか?』
―――一体…何を…
『お前の事を知らないあいつに会わせてやってもいい…。次で3回目だ…。間違わない方法を見つける事が出来るかもしれない…』
―――云っている意味が…
『もう、返事を聞いている暇はないな…。とりあえず…連れて行ってやる…。お前がそこまで望む…その存在の元へ…』
―――っな…何を…
『安心しろ…。今の記憶はすべて消える。もっと云えば…お前はあの連中との出会いを1からやり直す…と云う事になる…』
―――やり…直す…?
『そうだ…。何もない状態からお前はあの世界であの連中と出会った訳だが…。また、何もない状態から違った出会い方をすれば…手放さずに…お前が再び眠りにつかなくても良くなるかもしれないぞ?』
―――バカな…僕の『ギアス』は…
『また戻るんだぞ?それを抑える方法もあるかもしれない…』
脳に直接語りかけて来るその言葉は…。
余りに魅力があり過ぎて…。
本当は…『彼』と離れたかった訳じゃない…。
でも、一緒にいたら…何れ…自分の手で…
その恐怖を抱いてしまい…そして…身を引いたと云えば聞こえはいいが…。
結局、その力を押さえる事が出来ずに、逃げ出した…と云う事だ…。
『お前は…本当にあんな形で身を引いて…何の後悔もないのか…?』
その一言は…ある意味トドメとも云えるかもしれないと…。
彼は思った…。
その一言は、ある意味卑怯とも云えるほど…そちらの方向に思いを傾かせる力を持っていた。
それこそ、自分の心の中をほじくり返され、曝け出されて、目の前に突き付けられた…。
そんな気分にさせた。
―――僕は…僕は…
『迷っている時間はない…。それに、お前の存在が仇成すものであると云う恐怖を抱くのはある意味仕方ない…。しかし、そうじゃない結果を齎す事もあるかもしれない…。勝手な思い込みで…物事を決めるから…あの時の悲劇は起こったのではないか…?』
この言葉は…。
とどめだった…。
―――解った…。君と行こう…。そして、君なら…失敗はするかもしれないけれど…間違ったりはしない方向を…探す為の力になってくれるのだろう?
『あまりアテにはするなよ?』
その言葉で…彼はその声について行く事にしたのだった…。

 目が覚めると…そこは…
「なんだ…ここは…」
どこかの廃墟にいる様な…そんな感じで…。
火薬の匂いがする…。
そして、ちょっと見まわすと煙も見える。
軍の装甲車やKMFが走っているのも見える。
「ここは…。それに、なんでこれほどブリタニアの軍人が動いている…って…何故僕は…」
自分の口から出てきた言葉に驚いている。
何故、そんな言葉がすらすらと自分の口から飛び出してくるのか解らない。
否、そんな事より、何故、自分がこんなところで目を醒ましたのかさえ解らない。
ここがどこなのかも良く解らない。
ただ、なんだかよく解らない残像が時々、頭の奥に映し出されている事に気付く。
それは…一体何であるのか…解らない。
とにかく、ここはどこであるかも解らないし、自分が何故ここで倒れていたのかも解らない。
はっきりと自分の事で口に出して云えるのは…。
恐らく名前だけだろう…。
頭の中を過って行った…
『ライ』
と云う名前…。
それ以外は自分が何者なのか解らないし、ここで生まれた訳ではなさそうな事だけは解るけれど、自分の生まれたのはどこだったのか解らない。
どこで生まれて、どこからここにどうやってきたのかも解らないまま…この、崩れかけた建物の中を歩いていると…
左側の方から強い光がこちらまで照らして来た。
そして、その光に反射的に彼は身を翻して、物陰に隠れた。
「なんで咄嗟にこんな行動を取れるんだか…。まぁ、とても平和な場所とは云い難いところである事は確かだな…。何がそうさせているのかは解らないが…今はこの、自分でもわけの解らない潜在的な記憶を頼るしかなさそうだ…」
一人で口の中で呟きながら一つ一つ、物事を整理していく。
ここは恐らく、自分がそれまで生きていた場所とは違う…。
それは、確かに記憶を失っているらしい事が解っても、本能がそれを覚えている。
身体がその場所は自分が生まれ育った場所でない事を教えてくれている。
そのくせ、この場所は…以前にも来た事ある様な感覚もある。
一体何が起きているのかさっぱり解らないが…。
それにしても知らない場所である筈なのに…。
今の状況を全く知らない筈なのに…。
―――僕は…多分、『知って』いるんだ…。この…今立っている、この世界を…。
そんな風に考えながら…周囲の様子を窺う。
それは…ライは思った。
―――この緊張感…初めてではない…。
と…。
以前にもきっと、こう云った場面に出くわしている。
でも、それは頭では覚えていなくて…身体が覚えていると云う感じだ。
身体が教えてくれる…彼の記憶…。
しかし、そんな事を考えていられる余裕などないと云う事はすぐに解る。
先ほど、光った場所から銃声が連発して聞こえてきた。
恐らく、先ほどからこの辺りを騒がしている軍人の誰かが撃ったものである事は容易に想像が付く。
しかし…こんな誰もいないところ…。
しかも、確かにテロリストが隠れている可能性もあるが、作りから見て、テロリストが隠れ場所にするには余りに目立ち過ぎるし、こんなところに逃げ込んできたら袋のねずみになる事くらいは想像付きそうなものだ。
―――そんな事も想像できない程の、テロリストなのか?そんな相手に今この辺りを横行している軍人たちは出動しているのか?

 頭の中でも色々な可能性やら、この場の現状把握から導き出される様々な物がぐるぐると回っている。
そんな自分を少々自嘲したくなるが…。
―――どうやら僕は…こうしたところに立った事があるらしいな…。
非常に冷静だ。
恐らく、そう云った経験のないものがこんなところに立っていたら、平常心ではいられないであろうことも頭の中で冷静に分析しているのだ。
少なくとも、恐らくこの、崩れかけの建物の中でも軍人に怯えながら隠れている人々よりもこう云った場面でどうするべきか、どんな可能性があるかを判断できるだけの『経験』がある事だけは良く解った。
先ほど、何発か銃声が響いた後…。
この周囲には恐らくKMFや装甲車が先ほどよりも殺気だったような音を上げながら移動しているし、ライが隠れている周辺にもどたばたと軍人たちの足音が聞こえる。
とりあえず、自分が何者であるか解らない以上、のこのこと軍人の前に出て行くのは自殺行為だ。
どう見ても戦争と云うよりも反体制勢力の鎮圧をしているように見える。
だとするなら、身元がはっきりしないライが軍人に捕まればロクな事にならない。
その事だけは良く解る。
とりあえず、ライが逃げ込んだ場所は、恐らく、テロリストたちがいざという時に身を顰める為に用意されていたものなのかもしれない。
非常に外の様子を窺い易いが、外からは解り難くなっている。
息を潜めていれば見付からないと云う確信を持てた。
良く出来ていると思うが…。
そう思った時…。
外では更に大きな戦闘をしている音が聞こえてきた。
「KMF同士の…戦いか…?」
そんな事まで何の疑問も抱かずに言葉に出した。
それは…一体何を示しているのか…。
どう見ても正規軍と反体制勢力との戦いに見える。
だとしたら、テロリスト側は正規軍に対して真正面からぶつかるような真似はしないだろう。
理由はある。
正規軍の方が遥かに軍備を整えているからだ。
そして、真っ向勝負で勝てる相手であれば、今頃、こんな反体制勢力がテロを起こしたりはしない。
だからこそ、テロリストは周囲の目から見て『卑怯』な手段を取ることが多い。
街中のゲリラ戦や公共施設や交通網の不当占拠などは戦力を温存しながら、相手にダメージを与える事の出来る手段である事は確かだ。
ただ、正攻法とは云えないし、それを鎮圧する側にとっては非常に面倒な相手となるので、鎮圧する側は『卑怯』というレッテルを貼る。
そもそも、正規軍と対等に真正面から戦えるだけの力があれば、正規軍側も相手の話しを聞く耳を持たざるを得なくなる訳だが…。
実際に、反体制勢力側はゲリラ戦を繰り広げるしか術がないと云う事だ。
それだけの力がないから、結局は、こんな形での悲劇を生みだしている…と云う事なのだろうか…。
状況を見ていると…どうやら、あの正規軍の方は進駐軍…のようにも見える。
恐らく、戦争をしてこの国が負けて現在、どこかの国の支配下にあると云う事か…。
だとするなら、力が小さくとも、抵抗しようと云う芽は次から次へと出て来そうなものである。
「にしても…さっきの光と銃声は…」
この辺りの軍人たちの靴音が小さくなった事に気づいた。
そして…ライがそう、口に出して呟いた時…
「心配はいらん…」

 後ろから声をかけられた。
そして、振り返ると…なんだか…。
非常に違和感を覚える黄緑色の髪の長い…そして、良くは解らないが、囚人の高速服の様な服を着て立っていた。
それだけでも驚くべき光景なのに…。
その白い拘束服には血痕が残っている。
普通は、袖口や腰のベルトがその身体を拘束すべく、占められている筈なのだが…。
その少女の来ている拘束服は…それらがすべて解かれている状態であった。
「え?…あの…君は…?」
ライが恐る恐る…と云った感じでその少女に声をかけた。
そのライの声に、その少女はふっと笑った。
「私は…まぁ、どう云っていいかは困るのだが…。そうか…お前が例の男か…」
ライの質問に答える事無く、独り言をぶつぶつと呟いていた。
ライを見て、質問には答えず、勝手に納得しているのだ。
正直、これは見ていてあまり気持ちのいいものではない。
ライが少し、ムッとした表情を見せる。
しかし、目の前の少女は相変わらず不遜な態度のままで、ライの事などお構いなしだ。
「君は…一体何をして軍に捕まったんだい?それ…拘束服だろ?作りを見ると、恐らく、刑事事件で捕まったって、そんなものを着せられる事はない…。恐らく、軍の重大な軍紀違反でも犯したか、テロリストか…そんなところに見えるんだけど…」
ライの言葉に…。
C.C.と名乗ったその少女が一度、ライを睨みつけるように見てから、ふっと笑った。
「なるほど…話しの通りだな…。記憶はなくとも…その能力は消えない…と云うところか…」
「!」
彼女の言葉にライの表情が変わる。
そして、彼女はまた、クスッと笑った。
「お前な…。もし、私が何者かを捕まえる為のおとりでこんなものを着せられていたとしたらどうするんだ?あまりバカ正直に顔に出すな…」
彼女の言葉にライはぐっと奥歯を噛み締める。
確かに、彼女の云う通りだ。
記憶がないし、解っている事は『ライ』と云う名前と、自分の身体が教えてくれる、身体にしみついている記憶の中身だけだ。
そんなもの、話しをしたところでそのまま受け入れて、納得できる者などいる訳がない。
特に、軍の様にそう云った事に対して警戒心をむき出しにするような組織であればなおさらだ。
「まぁ、相手が私で良かったぞ…。とりあえず、お前の事は私が面倒見てやる…。まぁ、身分証明書がないのは私も同じ…だが…」
云っている事が…結構めちゃくちゃだと思うが…。
ただ、彼女自身、この世界の理を知っていてこんな風にあっけらかんとしている様に見るのは確かで…。
何も解らないライにとっては彼女がこうして声をかけて来てくれた事に感謝すべきなのだろうか?
良くは解らないが…。
それでも、一人でふらふらしているよりも遥かにまし…と云うところであると考える。
実際にこんなところにいつまでもいたところで、軍人に見つからなくても、先ほど、正規軍を相手にしていたテロリストたちに見つかる可能性は高いのだ。
正直、そんな面倒な事に首を突っ込むのは御免だ…。
そう思っていると…。
「今のこの世界で…身分証明も出来ない奴が騒ぎに巻き込まれない…と云うのはあり得ない話しだ…。否、古今東西…その社会に認められていない存在はどうやったって何かに巻き込まれるぞ…」

目の前の少女は…一体どこまで本気で云っているのだろうか?
どう考えても初対面の相手だ。
そして、その相手がなんだか自分よりも自分の事を知っている…。
そんな風に思える。
そう思った時…
「その通りだ…。少なくとも、記憶のないお前よりもお前の事を私は知っているぞ…」
さっきから、全て彼女に自分の頭の中を読まれているかのように彼女の口から色々な物が出て来る。
「僕の事を…知っている…?」
「ああ、ちょっとな…。まぁ、少なくとも私がこんなカッコしている時点で私がその辺の学生には見えないだろう?」
「確かにね…」
彼女の一言にライは素直に答えた。
恐らく、初めて素直に返した…。
「まぁ、ちょっと事情があって、今のお前は記憶が封印されている…。恐らく、お前にとってはその方が幸せかもしれないが、何れ知りたいと思うだろう事は予想出来るが…」
彼女がさっきから良くぺらぺらと良く喋っている。
確かに彼女の云う通り、彼女はその辺の中高生には見えない。
今、着ている衣服だけではなく、その醸し出されている雰囲気でもそう…見える。
「今は…生きる為にその気持ちも記憶と一緒に封印しておけ…。きっと、必要になれば…解放されるからな…」
この辺りは行っている事が良く解らないが…。
それでも、何も解らないライにとっては彼女の力を借りざるを得ないと云う…その判断だけはしっかりと下せる。
「とりあえず…君の話しを聞いている限りは…。今の僕が頼りに出来るのは…君だけって判断出来るけれど…。そう云う事なのかな?」
「まぁ、他の連中に連れて行かれるよりは多少まし…と云う程度だがな…」
「今の状態が正直、あまり僕にとってあまり喜ばしい状況でない事は解るよ…。とりあえず、身の振り方が決まるまでは君を頼りにさせて貰おうかな…」
「見かけによらず結構尊大だな…」
「それはお互い様だ…。それに、君が僕の事を知っていると云うのなら、僕は君について行くのが賢明だろう?僕がどうしてここにいるのかも、ここがどこなのかも解らないんだ…」
「状況把握が早い奴は助かるな…」
そう云って、彼女はふっと笑う。
敵ではないかもしれないが…味方でもない…。
ライはそう判断した。
とりあえず、自分に害が及ばない内は彼女と行動を共にした方が賢明だと…。
そんな風に思えてきた。
先ほどまでの自分を思い返してみれば、自分自身、ある程度の身の危険を察知できるだけの能力があると判断出来そうだ。
「済まないが…暫く世話になる…」
「私としては私の計画を遂行したいんでね…。その為の布石だ…お前は…」
「なら、僕も遠慮する必要はないって事か…」
「口が減らんな…」
二人の会話は…。
今会ったばかりの相手と話している様には聞こえないけれど…。
「僕はライだ…」
「私はさっきも云った…。とりあえず、ついて来い…。きっと、この先のお前の生きて行く道が何本も見えてくる場所に連れて行ってやる…」
彼女のその言葉は…。
正直よく解らないが…。
でも、何となく…その言葉に惹かれている自分がいる事に気付きながら…敢えて、無視する。
自分がここに来た理由と意味は…。
きっとその先にあると…そう判断出来た…。

To Be Continued

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2010年11月28日

質問(BlogPet)

きょうスザクは震えも見え隠れしなかった。
だけど、和泉綾は策力っぽい質問しなかった?

*このエントリは、ブログペットの「スザク」が書きました。
posted by 和泉綾 at 11:32| Comment(0) | TrackBack(0) |

2010年11月26日

ふと思いついて書いた1時間仕上げ小説220

黒猫ルルにゃん17



 あの時…ルルーシュの衝撃的な言葉により、再起不能になったかと思われたルルーシュの異母兄…シュナイゼルは…。
「ロイド!私のルルーシュはどこへ行った!!」
もの凄い剣幕でロイドの職場に乗り込んできていた。
そして…
「まぁ…シュナイゼル異母兄さま!ルルーシュは私のルルーシュです!ルルーシュにあんな事とか、こんな事とか、あまつさえそんな事までしていいのは私だけです!」
「シュナイゼル異母兄さま!ユフィ異母姉さま!全力で間違っています!お兄様は私のお兄様です!ユフィ異母姉様…思いっきり物騒な発言をかまさないで下さい!」
「何を云っているの!ナナリーだって同じ事を考えているくせに!」
「いいえ!私はそんな事を考えてはいませんわ…。ただ、お兄様が眠っている時…猫の姿になってパジャマの中にコソコソっと…」
「おや…ナナリー…君は意外といい事を思いつくんだね…。私もそれをしてみたいね…」
とまぁ…完全に煩悩を吐きだしている状態となっていた。
尤も、シュナイゼルに関しては、今のところ、ロイドにルルーシュの行方を訊ねているだけで、煩悩を暴露はしていないのだが…。
物騒な発言をかましているのはユーフェミアとナナリーだ…。
「ナナリーったらズルイ!私もそれをやりたい!」
既に話しの種子が変わっている様である…。
そのうるさい云い争い(?)を背後に聞きながら…。
ロイドはルルーシュが作って置いて行ったプリンの最後の一つに手をつけようとしていた。
プリンと云うのは市販のぷっちんプリンならともかく、手作りのプリンの賞味期限は非常に短い。
前日にルルーシュがスザクに休みをくれたお礼と云う事でルルーシュがロイドの為に10個、プリンをおいて行ったのだが…。
一晩で残り一つとなっていた。
「ん…この匂いは…」
シュナイゼルがどうやらプリンの匂いに気づいたらしい。
人間であるセシルは驚いた顔を見せるが、猫の嗅覚は人間の嗅覚よりも遥かに鋭いのだ。
「あ…これはルルーシュのカスタードプリン…」
「お兄様のプリンですか?あ、ロイドが持っています!」
「ゲッ…」
このメンツが揃っている中で食べようとしているロイドが間抜けなのだが…。
ロイドがそのプリンを守る様に3人を恐る恐る見ている。
ルルーシュの手作りプリンはここには一つしかない。
昨夜、ロイドは一人で9つ食べてしまっていたのだ。
何故、この時間に1つだけ残っていたのかと云えば…。
単純に仕事で呼び出しをくらったからであり…実は、楽しみを先延ばしにされそうになったところをセシルに首根っこを掴まれてずるずると引っ張って行かれたのだ。
そして、ようやくありつけたプリンだから…守る為に必死である。
気持ちは解らないでもないが…このメンツがいる中で食べようと思うこと自体、少々無理があるのではないかと云うツッコミは敢えて、明後日の方向に追いやっておこう。
「ロイド!私のルルーシュを隠した上に更にはルルーシュ手作りのプリンまでも一人占めしようと云うのか!」
「ロイド!貴方は皇族に対して逆らうのですか?」
「それは…国家反逆罪に問えないんですか???」
3人が好き勝手な事を云っている。
こう云った時にこの発言を一つ一つ実行されていたら、恐らくロイドは100回死んでも足りないだろう。
今更なので、ロイドも動じないが…そんなロイドにセシルが一喝入れる。
「ロイドさん!あんまりバカな事ばかりしているとプリンは没収です!」
その一言で、ロイドは押し黙り…。
セシルのそのオーラを見た皇族3人…ポカンとその姿を見ていた。

 職場ではそんな騒ぎとなっていたのだが…。
当のルルーシュとスザクは…。
大掃除の疲れでそのまま寝てしまったらしく…到着当日はとりあえずルルーシュを溺愛する異母兄妹達にとっては『事なきを得た』ようである。
とはいっても、まだ二日目だ…。
スザクがそんな風に構えていたら、さっさと1週間など過ぎ去って行くだろう。
ただ…今回は天もスザクに味方をしたらしい。
「みゃあ!」
そう云って寝室のベッドから這い出てカーテンを開けたルルーシュがまだ、ベッドにもぐりこんだ状態のスザクに声をかけた。
一応、解説すれば、この寝室には二つのベッドがあり、ルルーシュが窓側のベッドを使い、スザクが廊下に続く扉側のベッドを使っていたわけだが…。
「ん…どうしたの…?ルルーシュ…」
「みゃあ!みゃあみゃあ!」
ここは山間部の別荘地…。
平地よりも冬の訪れは早い。
そして、今年はラニーニャ現象と恐らく、地球規模の異常気象によって夏が長く、秋はあっという間に消え去ったと云う…中々寂しい年ではあったのだが…。
ルルーシュの声に促されて外を見ると…
「ああ…雪だね…。僕、多分、この時期に雪を見るのは初めてだな…。この辺り、冬が早いとは聞いていたけれど…今年は変な気候だったからかな…」
スザクがそう云いながらルルーシュの後ろに立った。
窓からはひんやりとした空気を感じる。
いくら暖房があるとは云っても、パジャマ姿で外は雪が降っている状態で窓際に立っていたら寒いに決まっている…。
「ルルーシュ…そんなカッコで寒いだろう?それにこれだけの降りだと…お昼頃には地面も白くなるかもしれないよ…」
「みゃ?みゃみゃあ…。みゃあ…」
ルルーシュがスザクに促されつつも…何となく名残惜しそうに窓を見ながらそんな事を云った。
「東京じゃ、滅多に雪なんて降らないしね…。ルルーシュはあの時、どのくらいこの世界にいたの?」
「みゃあ…。みゃあ…みゃあ…」
考え込んでいるそぶりを見せて…。
そして、スザクの手に『紅葉は見た』と書いた。
「そっか…あの時点でこっちに来てからそれほど経っていなかったって事か…。まぁ、あの状態では放っておいたらルルーシュ…飢え死にしていたかもしれないもんね…」
スザクは自分でそこまで云って…さぁ〜〜〜と青ざめてきた。
―――もし…僕がルルーシュと出会わなかったら…世知辛いこの日本の中でも更に世知辛い東京では…
そう考えると、あの時、驚きはしたものの、ルルーシュを連れて帰った自分を褒めてやりたくなった。
「あの時の僕…偉いぞ…。良くやった…」
口の中でぼそりと呟いた。
「みゃ?」
ルルーシュがスザクのその一言をきちんと聞いていたかどうかは知らないが、怪訝そうにスザクを見た。
「ううん…何でもないよ…」
スザクが適当に笑って誤魔化した。

 外の天気は…どんどん雪が強くなって行っている。
「みゃ…みゃみゃあ…。みゃあ…」
ルルーシュが外を見ながら不思議そうに何かを云っている。
何か、納得できないと云った感じなのだが…。
恐らく、ルルーシュは、ネットか何かで『雪』の資料を見たのだろう。
そして、ルルーシュにしてみると、何となく違うと云いたいと判断した。
雪と一口に云っても霙の様な水っぽい雪であれば、粒が大きく、そして落ちたらすぐに消えてしまう。
しかし、粉雪の様な雪は粒が小さい。
そして、その粉雪に近い雪は解けにくく、積り易い。
今降っている雪は…どうやら、積もるタイプの雪らしい…。
「ああ、それは上空の気温の問題もあると思うんだけど…雨粒が凍って雪になるんだけど、気温が高めであれば雪は落ちてくる間に水っぽくなって、低いと凍った状態でさらさらした雪になるんだ…」
「みゃあ…みゃみゃあ…」
ルルーシュがスザクの言葉にそう返した。
何を云っているのか、良く解らないけれど…。
そう云えば…初めて会った時にはルルーシュは猫の姿で…。
でもって、猫の姿のまま食べ物を強請ってきた…。
人間の言葉で…。
それが…今は一緒に暮らして…ルルーシュは人間の事をちょっと勘違いしながらも、頑張って勉強して、スザクと一緒にいる為に色々してくれている。
「ルルーシュ…雪は初めてなの?」
スザクがそう訊ねるとルルーシュはこくこくと頷いた。
きっと、ルルーシュの暮らしている『猫帝国』とやらは温暖な気候なのだろうと思った。
「じゃあ…こう云う寒いのって…辛いと思う事はある?」
スザク自身、一体何を訊いているのだろうと…思いながら、質問を続けている。
その質問にはルルーシュはふるふると横に首を振った。
「どうして?」
ルルーシュのその返事にスザクがそう、訊ねた。
猫の鳴き声しか音に出す事の出来ない今のルルーシュに…。
スザクに解る言葉で答える事が出来ない事を解っているのだけれど…。
思わず訊ねてしまった。
スザクの解らない言葉で話す時のルルーシュだから…訊けた事なのかもしれない…。
暫くの沈黙が続く。
スザクはルルーシュが困ってしまっているのだろうと…そんな風に思っていたが…。
「……から…」
今、言葉を出したのはスザクではない。
スザクは声を出していないのだから…。
しかし…猫の鳴き声以外の『言葉』を聞いた…。
「え?」
スザクが一瞬止まって、やっと出てきたのは、ひらがな一文字だった。
「…って…スザクの…傍にいれば…温かいから…」
その先に続いたルルーシュの言葉は…。
ここまで、ルルーシュが猫の鳴き声しか出せなくなってしまったのは、スザクの所為だと云う思いがあっただけに…。
スザクは動きを止めた。
「ルルーシュ…?」
恐る恐る、スザクがルルーシュの名前を呼んだ。
「あ…俺…」
どうやら、ルルーシュも気付いていなかったらしく…本人も驚いている様子だ。
二人の間にある空間は約1.5メートル…。
その空間に…静寂が訪れた…。
その時間が一体どれほどの時間なのか…。
長いようにも…短いようにも…感じてしまうその時間…。

 先に動いたのは…
「ルルーシュ!」
そう、ルルーシュの名前を呼んでその二人の間の距離を簡単に狭めて…。
そして、抱きしめたスザクだった…。
人間の姿でも…きっと苦しい程の力で…。
その時のスザクに、その力加減を出来る程の精神的余裕はない。
自分が何を考えているのかも解らないし、何を感じたのかも解らない。
ただ…ルルーシュの細い身体を力いっぱい抱きしめていた。
そして、抱きしめられているルルーシュに伝わる…。
スザクの身体の震え…。
小刻みにスザクの身体が震えている事が解るし、泣きそうになって我慢していて、逆に嗚咽が我慢できなくなっていると云う…。
そんな感じに思えた。
そんな状態のスザクに…スザクの力で力いっぱい抱きしめられて、苦しいし、接触している部分は相当痛いのに…。
でも、ちょっとの間だけ…ルルーシュはそんな状態にある事を体で感じる事が出来なかった。
ただ、ルルーシュの身体に触れているスザクの身体が震えていて、力いっぱいルルーシュの身体を抱きしめていると云う事だけは…きちんと解るが…。
苦痛を感じる事はなく…。
スザクのぬくもりとスザクの気持ちをひしひしと伝えて来るその震えと必死にスザクが我慢している嗚咽を感じていた。
「ルルーシュ…ルルーシュ…」
スザクがやっと、声を出したかと思ったら…ただ、ひたすらルルーシュの名前を呼び続けていた。
ずっと、心配していたのは知っている。
頭の中で理解していた。
でも、こんなに全身で感じさせるのは…。
スザクの中で緊張の糸が切れたからなのかもしれないと…ルルーシュはぼんやり思った。
普段であれば、これだけ強い力で抱きしめられていたなら、痛みとか、息苦しさとか、感じている筈なのに…。
でも、今はそう云った物は一切感じる事が出来なかった。
そして、ルルーシュが自分の両腕をそっと持ち上げて…スザクの背中にまわした。
背中にまわした腕から更にスザクが震えていて、嗚咽を漏らしている事が良く解った。
「ごめん…スザク…。心配…かけた…」
ルルーシュが小さくそう云った時…初めてスザクの抱きしめているその力が強過ぎて、呼吸がうまくできておらず、声がうまく出て来ない事に気が付いた。
「違う…ルルーシュの所為じゃない…。僕が…僕が…」
これほどまでにスザクは自分を責めていたのかと…初めてルルーシュは知った。
そして、少しだけもがいて、スザクの腕を緩めて欲しいと云う意思を伝える。
その事から、スザクは少し不安になった様で、顔をみるとすごく不安そうな顔をしている。
ルルーシュは少しだけ困った顔をしてスザクの頬に流れている涙をぺろりと舐めた。
スザクの表情が不安そうな表情から、驚いている顔に変化する。
そして、何かを耐えているような表情になる。
「スザク…?どうした?どこか…痛いのか…?」
ルルーシュの子供みたいな質問…。
普段ならここで止める事が出来たのに…。
今は…。
「ごめん…ルルーシュ…」
そう云って、スザクがルルーシュの身体をふわりと持ち上げた。
そして、先ほどまで眠っていた寝室へとルルーシュを運んで行く…。
流石のルルーシュも…スザクが何を考えているのかが解り…胸がドキドキし始めていた。

 先ほどまでスザクが眠っていたベッド…。
二つあったとはいえ、二人で眠っても大丈夫なほど大きなベッドで…。
ビジネスホテルなら普通にダブルとして利用されている様な大きさだった。
そのベッドの上にルルーシュをそっと下ろした。
それこそ、大切な…壊れものを、クッションに置く様な…そんな感じだ。
スザクの表情は…。
―――こんなスザクの顔…見た事無い…。
そんな風に思えるほどその顔は…真剣で…。
と云うか、いつもルルーシュの心配をして説教する時の真剣な顔ともちょっと違うと思った。
なんだか…怖いと思えてくるような…。
そんな表情…。
さっきまで泣いていたのに…と思うが…。
「ルルーシュ…この先…ずっと…僕と一緒にいて…。僕と一緒にこの世界で泣いたり、怒ったり、笑ったり、時にはけんかしたり…。そんな風にしたい…。だから…僕とずっと一緒にいて下さい…」
ルルーシュの上に覆い被さる様な体勢でスザクがルルーシュに告げている。
まるで、逃げる事は許さない…もし、断る様な事をしたらルルーシュが『はい』と云うまでそこを動かないし、ルルーシュも動かさない…と…。
無言でそう云っている様な表情だ。
敬語を使っているくせに…雰囲気が命令的である事に…ルルーシュの身体がふるりと震えた。
返事をしなければ…と思うのに…。
スザクのその、これまで見た事のないまなざしにルルーシュは言葉を紡ぐ事も、こくりと頷く事も出来なくなっていた。
「ルルーシュ…返事は…?」
スザクはそんなルルーシュの事情を知ってか知らずか、中々返事が出来ずにいるルルーシュに訊ねてきた。
―――答えたいのに…。俺、スザクと契約して、一緒にいたいって…そう云いたいのに…。
ルルーシュの頭の中ではそんな焦りで満たされている。
こんなスザクを見るのは初めてだったから…と云う事もあるかもしれないし…。
まるで予想外の状態で、ルルーシュの優秀な頭もうまく機能していない様である。
何となく察したのか…スザクがクスッと笑った。
「じゃあ、これから、僕がルルーシュにキスするから…もし、『はい』って事だったらちょっとだけ口を開いて…。口を開かなかったら…僕がこじ開けてあげるから…」
云っている事がむちゃくちゃだ…。
ルルーシュはそんな風に思う。
ルルーシュの意思なんて聞くつもりはないと…はっきりそう云っているのと同じだから…。
でも…いつもと違うスザクに…胸がドキドキしているのは解る。
そして…スザクがルルーシュの両頬をスザクの両手で包みこんで…。
ルルーシュの唇にスザクの唇が重なった…。
ルルーシュの答えなんて決まっていたから…。
最初から…その答えの状態になっている。
―――なんで…目を閉じているんだよ!
心の中で悪態づきながらも…ルルーシュにとって、初めての『恋人』のキスを…受け入れていた…。
最初は悪態づく余裕があったルルーシュだが…スザクのその口付けに頭がぼんやりして来て…。
自分自身も目を閉じてしまった事に…。
気付いていたのか、いなかったのか…。
知る術はないのだが…。
ただ、ルルーシュはスザクのキスをひたすら…『OK』の返事の状態で受け入れていたのだった…。

END

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posted by 和泉綾 at 23:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 二次創作(単発もの)

ちこっとお知らせです。

ご無沙汰しております。
和泉綾です。
えっと、冬コミの原稿は脱稿して、入稿するだけの状態となっておりますが…。
現在、知らなかったんですが…。
画像はないのですが、プリンセスサイドさんの方で予約受け付けが開始されていました。
リンクを張っておきますので、通販でご購入をお考えの方はこちらからご予約をお願い致します。

少しだけあらすじを云いますと…。
ルルーシュはある巨大組織の跡取り息子で、スザクはあるきっかけからルルーシュの護衛役となっています。ルルーシュには婚約者がいたり、ルルーシュの命を狙ったり、ルルーシュの婚約者の座を狙うものがいたりと…結構複雑な状況に置かれている…という、結構ベタっぽい話しとなっております。
一応、シリアスなのですが、ところどころに笑いが入っております。
ちなみにちょっとだけ大人のシーンも加えてあります。
今回も1冊で終わらなかったのですが…。
よろしければお手に取って下さいませ…。

Un sanctuaire solitaire (前編)

完全パラレルでいろんなところに予想外のフラグをばらまいてあります。
よろしければお手に取ってやって下さい。
宜しくお願い致します。

ひょっとしたら、この本も『Miss Rain2』同様、書店さんの取り扱いが終わるまでは自家通販はなしになるかもしれませんので、通販でご購入をお考えの方は、書店さんでお願い致します。

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posted by 和泉綾 at 18:15| Comment(0) | TrackBack(0) | おしらせ

2010年11月21日

冬コミの原稿…脱稿しました…(BlogPet)

和泉綾の「冬コミの原稿…脱稿しました…」のまねしてかいてみるね

こんばんは、なぜにお入り下さい)

*このエントリは、ブログペットの「スザク」が書きました。
posted by 和泉綾 at 11:00| Comment(0) | TrackBack(0) |

2010年11月20日

冬コミの原稿…脱稿しました…

こんばんは、和泉綾です。
ここのところ、ホントに更新できずにおりまして、申し訳ありませんでした。
すっごく頑張って、冬コミ原稿脱稿致しました。
割と、締め切りは真面目に守っている和泉ですが、今回、なぜにこんなに早いかと云いますと…。
まぁ、色々脱稿後のこまごまとした作業をお手伝い下さる方が現れて下さった事もありますし…。
1月のインテを申し込んじゃったからです。
新刊出そうと思うと、このペースでも遅い…。
というのも1月のインテ…規模を見ずに申し込んじゃったんですが…。
締め切り早いんですよ…(; ̄ー ̄A アセアセ・・・
なので、これでも遅いくらいでして…。
明日から京都に行ってくるんですが、その後も暫く修羅場を頑張らなくちゃいけないかも…と思っております。
今回も妄想が膨らみ過ぎて、1冊で終わらなかったので、出来れば1月のインテはこの続きを出したいと思っております。
和泉はどうも…150ページ以上の本を出す勇気がなくて…。
なので、100ページ前後で何とか収めようとすると、どうしても長くなる傾向にあるので、何冊かに分かれてしまう訳ですが…。

今回はちょっと自分でもびっくりなCPも出てきておりまして…。
シリアスなんですが、『心から『ありがとう』をあなたに…』の様なシリアスじゃなくて、ところどころ、笑いも入れています。
和泉にしちゃ頑張ったと思います。
冬コミ用の原稿が終わったので、とりあえず、インテの分も頑張らんとな…。
結構きついな…(; ̄ー ̄A アセアセ・・・
まぁ、頑張れるだけ頑張ってみます。
どの道インテでダメでもHARUコミで出す予定となると思うので…。
HARUコミはスペースさえ頂けていれば必ず参加する予定です。
ちょうど、千葉の入院をそこに合わせたので…。

今回は、ちと、ヘンな話になっていますが…。
というか、書いている本人がどこに話がすっとんで行くか解らない状態なのですが…。
冬コミの際にはお手に取って頂ければ幸いです。
というわけで、生存報告でした。

追伸:
多分、京都から帰ってきたら、もう少し更新が出来るようになると思います。
30日からリク企画の掲載を始めて行きます。
そちらも楽しみにして頂ければ幸いです。

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posted by 和泉綾 at 20:58| Comment(0) | TrackBack(0) |

2010年11月15日

病院…ひどいぜ…

今日は月一の定期検診だったのですが…。
今日は早めの予約だったので、はやめについたのですが…。
なんだか病院内の様子がおかしい…。
微妙に薄暗くて…。
まぁ、ある程度の電気は点いていたのですが…。
ただ…
本当にいつもとちと違う…。
なんだ…と思い…いつもの受付窓口に行くと…。
『病院内のコンピュータシステムに不具合が生じて全面停止しております…』
との説明…。
それを聞いて…一瞬思考が止まった和泉ですが…。
えっと…
確か、5月から電子カルテになって、病院内はコンピュータがないとまったく機能しない状態…。
―――そういや…いつもなら結構救急車が入ってくるのに…救急車の入ってくる音…聞こえねぇなぁ…
などと考えていた訳ですが…。
まぁ、話はそんな簡単なものではなく…。
とりあえず、受付のおねえちゃんに事情を聞いてみる事に…
『システムが全面ダウンしておりまして…現在、受付も薬の処方も…というか、カルテも開けない状態です…』
つまり…機能停止ってことか???
早めの予約だったのに…
と思いつつも、まぁ、コンピュータの場合システムダウンする事もあるだろうし、きっと、大きな病院だから予備システムくらいはあるだろうと軽く考えていました。
『えっと…復旧のめどは…?』
『一応、今から30分後という事になっていますが…それは延長する可能性が高いです…』
『……』
つまり…復旧めどが立たないまま…病院に缶詰めになるってことか???
ってか、コンピュータシステムオールダウンって…一体何があればそんな事になるんだ???
とか、色々考えていた訳ですが…。
まぁ、ごちゃごちゃ考えていても始まらないので、とりあえず、復旧を待つことに…。

病院についてから2時間でとりあえず、外来患者用のコンピュータシステムが回復…。
やっと受け付け開始と思いきや…先ほど説明を受けたときに渡された整理番号が55番…。
復旧してもまだ、カルテの電子化になれていない受付のおねえちゃんたちが殺到している患者の受付に追われているのですが…。
病院のシステムが全てダウンしていたので、どこの受付も右往左往…。
助っ人を呼ぶ事も出来ず、行列がどんどん長くなり、行列の整理をしていても、通路をふさいでしまっている状態…。
和泉が受付に再度到着したときには番号札は180番を超えていて、更に数字が増えている様子でした。(そりゃ、予約時間に合わせて患者さんがきますから…)
そう云った外来の受付が確か、10か所くらいあったのかな…。
どこもそんな感じだったらしいのですが…。
検査のための採血は割とすんなりいったのですが、問題は診察…。
予約時間から2時間遅れていつも通っている科の診察…(多分、皆さんの聞き慣れない科だと思いますが、『移植・内分泌外科』と云います。和泉の通っている病院はここの患者さんが多いです)
で、とりあえず、少々不安もあったので主治医に訊ねてみる事に…
『えっと…今朝のシステムダウンって…』
『ああ、あれはウィルスだよ…』
『Σえ?外部からの?』
『そうらしいねぇ…』
『個人情報…大丈夫なんでしょうか…?』
『……』
という会話となり…。
病院は個人情報を商売の種としている業者さんにとっては宝の山です。
振り込め詐欺の組織などはそれこそ金ヅルの情報が入っている宝ですし…。
和泉は流石にこれまでどんな神様も不思議な薬も和泉の病気を治してくれたものはなかったので…。
主治医の云う事しか信じておりませんが…。(というか、主治医に対しても半分は疑ってかかる事もあります)
これは、まぁ、病院慣れしているから出来る事ですけれどねぇ…。

そんなこんなで、えらい目に遭ってきました。
これがJRの駅とか役所関連とか東京の超有名な大規模病院ならニュースになったかもしれないんですけれど…。
というか…もう、こういうのは勘弁して下さい…と、素直に思いました。
病院って、全てコンピュータ管理にしている場合、こういったシミュレーションってしていないんですかね…。
こういう時にアナログに切り替えるとか、予備システムを作っておいて対応できるようにするとか、してほしいものだと思いました。
そして、ウィルスが原因だったと云う事で…。
年配の方はよく解らないと云う感じだったのですが、見たら『あ、この人、パソコンについて多少なりと知識があるな…』という顔をしていました。
まぁ、和泉に説明してくれた主治医がそう、大した問題でもないと云う感じで云っていたので、大丈夫だと信じております…ハイ…

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2010年11月14日

皇子とレジスタンス 〜準備〜

 その後、ルルーシュが襲われる事はなくなったが…。
ただ、非常に居心地の悪い視線を感じる。
完全に見張られている状態だ。
いかにして、ルルーシュの隙を探しだすか…と云う感じである。
正直、うんざりもするが、これを命じられて頑張っている者達に対してある意味、敬意の様なものさえ抱いてしまう。
それだけ、ルルーシュに監視の目が張り付いているのだ。
カメラなどではなく…実際の人間が…。
恐らく命令は…
『隙を見つけたらすぐに殺せ…』
と云う事なのだろう。
この離宮には行ったばかりの段階で早速あてがわれてきたアサシンをさらりと捕らえてしまい…。
可能性としては、ブリタニア側の使いである事が解ったものだから、とりあえず、シュナイゼルが付けてくれたSPの一人に監視させている。
そして、ルルーシュからは秘密裏にシュナイゼルに報告しているが…。
その報告の度にシュナイゼルが失笑している事が良く解る。
シュナイゼルもルルーシュを守る為のSPはそれ相応の腕の者を付けている。
少数精鋭ではあったが、シュナイゼルが外交の際について行った経験のあるSPも数名つけられていた。
「ブリタニアと云うのは…本当に仕事がないのか?」
ルルーシュがポロリと零した一言…。
目の前にはスザクにねじ伏せられている、どう見てもラティスの人間ではないアサシンがいた。
ルルーシュ自身、様々な戦場や紛争の起きている地域の前線に立っている。
王宮に籠って、権力争いをしている皇族とは訳が違うのだ。
こうした実戦の場は嫌と云うほど経験しているのだ。
「そんな事を云っている場合か!ラティスに来て4日目…あと3日もあるんだぞ!」
「そうだな…。そろそろ、捕まえた連中の生活環境も相当しんどい状態になっているだろうな…」
あっけらかんとスザクの言葉にルルーシュが答える。
正直、あたふたしたところでどうにもならない事だし、ルルーシュも腕に自信はなくともこう云った危険をある程度避ける事の出来るだけのものはそれなりに身につけている。
「ルルーシュが殺すなって命じているからだろうが!」
「とりあえず、生きていればいいぞ?帰れば恐らく、徹底的に尋問は出来るだろうし…」
「お前な…。その所為でシュナイゼル殿下のSPの皆さんの生活環境まで侵されているんだぞ?」
「それは申し訳ないな…。大丈夫だ…シュナイゼル異母兄上にきちんとその分の手当てを付けて貰おう…」
「そう云う問題じゃないだろうが!」
この二人のやり取りを見て…まだ意識のあるアサシンが驚いた顔をしている。
目の前にいるのは…自分の半分程の…否、自分の半分も生きていないかもしれない少年がこれほどあっけらかんと自分を狙ったアサシンの前でこんな会話をしているのだ。
「お前…本当に…ブリタニアの皇子なのか…?」
アサシンが思わずそう、口に出した。
信じられなかったのだろう…。
シュナイゼルを狙うのはいつも必ず誰かがいるし、彼自身も狙われている自覚があり、周囲の者達もその意識を持って彼の傍にいる。
目の前の皇子は…シュナイゼル程の後見もなければ、護衛もいない…。
それなのに…

 そんなアサシンの言葉にルルーシュは苦笑して彼を見た。
「残念ながら…私は神聖ブリタニア帝国第11皇子、ルルーシュ=ヴィ=ブリタニア…だ…。ただ、私の母上の事は知っているか?元々、庶民の出で他の皇妃たちの家柄と比べると、どうしても劣ってしまうのだが…。その所為で影武者を置く事も出来なくてね…。そのお陰で、自分で護身術を覚えたんだ…。プロのお前でも仕留められなかったところを見ると…私も中々の者ではないか…。なぁ?スザク…」
あっけらかんと話している目の前の皇子に…。
専任騎士であるナンバーズが大きなため息を吐いている。
そのため息から、彼の苦労の多さが窺えるが…。
問題はそこではない。
―――仕留められなかった…。
それは彼にとって命取りであり、捕まった時にその場で自決するのがアサシンとしては通例なのだが…。
ただ、この二人のやり取りが目に入って来てしまい…。
今のこの時点では口の中に毒薬を放り込んで…と云う訳にもいかなくなってしまった。
アサシンは人を殺す訓練も受けるが…。
もし捕まった時、その場で死ぬと云う心構えやら、もし、その場で死ぬ事が出来なかった場合、情報が漏れる事を防ぐために拷問に耐える訓練も受けているし、様々な形で身体を改造してあらゆる苦痛に普通の人間よりは絶える事が出来る様に訓練されている。
それでも、並みの人間よりも我慢できる…と云うものであり、痛みや苦痛を感じるのだから、彼にとって望ましい事ではない。
それを思い、眉をひそめている。
既にスザクが男に猿轡をして、その身につけているもの…それこそ、上着などを全てはぎ取っている。
そして、ルルーシュがクローゼットの中にあった、ガウンを出してやった。
「スザク…これをかけて連れて行け…。流石にその恰好では気の毒だ…」
「ああ…正直、見たくもないからな…」
スザクはルルーシュからガウンを受け取り、その男の腕を拘束したままガウンをひっかけた。
そして、到着したシュナイゼルの付けてくれたSPに引き渡す。
「申し訳ありません…。これほどまでに不埒者が多いとは…」
「大丈夫だ…私達もかなり予想外だったからな…。シュナイゼル異母兄上もこれだけの数のアサシンを見たらお前達を責めるような真似はしないだろう?」
その男を引きとりに来たSPが頭を下げると、ルルーシュは苦笑して返した。
正直、王宮にいた時にだってこうした事に神経を使っていたけれど…。
いくら戦争状態に陥っている国に来ているとはいえ、ここまで酷いとは思わなかった。
おまけに殆どが、ラティスの人間ではなく、どう考えてもブリタニアの関係者としか思えない輩ばかりだったからだ。
「とりあえず、これがこの男の所持品です。それぞれ、調べてみて下さい…」
「イエス、マイ・ロード…」
スザクがその男の所持品をSPに引き渡した。
そして、男はSP達に連行されて行った…。
扉が閉まるのを確認して、ルルーシュもスザクも…
そこにあったソファにドカリと腰を落とした。
まだ4日目…
最終日まで生き残れていたら、最終日は一体どうなるのだろうか…などと考えてしまっている。

 その頃…様々な報告を受けていたシュナイゼルだったが…。
「これはまた…凄いね…」
その報告データを見ながらシュナイゼルが苦笑しながら零した。
「ルルーシュ殿下は…?」
「なんとか持ち堪えているようだ…。あのイレヴンの少年…有言実行…しているようだね…」
「しかし…この数は尋常ではありませんよ?」
「そうだね…。かと言って、こちらの予定を変える訳にはいかないからね…。ルルーシュ自身、それをよく解っているから、今、この状態を逐一報告して来ているだけなのだろうからね…」
シュナイゼルはどこまでも優秀さを見せつけているルルーシュと、シュナイゼルに放った『宣戦布告』の様な言葉を使ったスザクを考えると…
「私もうかうかしていられないね…」
「殿下?」
「このままでは、あのルルーシュの騎士に私のルルーシュを持って行かれてしまいそうだからね…」
シュナイゼルの言葉にカノンが苦笑を零さざるを得ない。
「殿下は…何故そこまでルルーシュ殿下を…?」
「手放したくないから…だよ…。マリアンヌ皇妃があのような死に方をした時点で、あの兄妹の運命の選択を迫られてしまったのは…カノンも知っているだろう?」
「はい…。マリアンヌ様は色々な意味で複雑なお立場でしたし…彼女がいなくなった時、ルルーシュ殿下もナナリー皇女殿下も…選べる運命は限られていましたから…」
あれから既に…6年が経つ…。
あの時のルルーシュは…まだ…10歳にも満たない子供で…ナナリーは更に幼い子供だった。
ルルーシュは自分の立場をよく理解していた…。
否、せざるを得なかった。
シュナイゼルが目にかけていたおかげでシュナイゼルの離宮に訪れる事もあったし、シュナイゼルがアリエス宮に訪れる事もあった。
その中で…ルルーシュは幼いながら学習し続けた。
ルルーシュは特に意識をしていたとは思わないけれど…。
ただ、ルルーシュはそんな無意識の中で様々な物を吸収していき…そして、自分なりに咀嚼して自分のものにして行った…。
「あの子がもし…あそこまで優秀な子供でなかったら…素直に私の庇護の腕の中には行ってくれたのかな?」
シュナイゼルがそんな事をぼそりと云うと…カノンが小さく笑った。
「何を仰っているのです?ルルーシュ殿下があのような方であったから、シュナイゼル殿下は手放したくないと思われているのでしょう?自分と対等の立場の人間として…」
カノンの尤もな言葉にシュナイゼルはふっと笑った。
「確かにね…。世の中…ままならないものだね…」
「で、これだけの報告書…どうされるのです?この写真を見て…結構見覚えのある顔もあるのですが…」
カノンが書類を手にシュナイゼルにそう、話しかける。
「そうだねぇ…。しかもルルーシュは律義に全員、生かしたまま捕らえているのだろう?ラティスの離宮は、このブリタニア王宮の中にある離宮の中でも広くはないアリエス宮より手狭だと聞くが…」
「ルルーシュ殿下も心配されていましたね…。殿下が御付になったSPの生活空間が狭まって行く事を…」
「優しい子だね…相変わらず…」

 そんな会話の中…
―――♪♪♪♪♪…
シュナイゼルのパソコンの専用通信の呼び出し音が響いた。
「これは…」
「エリア11のロイドからだね…。どうしたのかな…」
そう一言零してから通信を繋いだ。
「どうしたんだい?ロイド…」
『どうもぉ〜〜〜。なぁんか、ラティスでは色々大変な事になっているようですねぇ〜〜〜』
この男の情報網は把握出来ていない。
しようとも思わない。
恐らくいくら潰しても新たに情報網を作るだけで、更にややこしい事になるだけだからだ。
もし、その情報で彼が要らぬ事をした時には情報網を潰す前に彼を潰せばいいと考えているのだから、今のところ、彼の情報網を潰す気はない。
そして、彼の情報網は今のところ、シュナイゼルの役に立つ方向で働いているのだから一々問題視もしていない。
「相変わらず、情報が早いね…」
『今回は僕のオリジナル情報網じゃなくて…殿下のナイト君からの情報なんですけどねぇ…。流石に数が多くて大変みたいですよぉ〜〜〜』
「まぁ、確かにね…。ルルーシュが私の付けたSPの生活空間が狭まっている事を心配しているくらいだから…相当な物だね…」
『で、僕の情報提供者からの伝言です…。『現在4日目ですが…これだけの数が失敗しているとなると…最終日には空港へは簡単に行けません。恐らく、5日目の夜から6日目の朝にかけてが山です…』とのことですが…』
ロイドの言葉に、その場にいた二人が表情を険しくした。
思ったよりも早かった…と云う事だ…。
「解った…。まぁ、こちらの準備は整っているからね…。君はどうする?」
『『ランスロット』なしで役に立ちますか?こちらには、志願兵まで居ますけどぉ〜〜〜』
「志願兵?」
『はい…ルルーシュ殿下が色々と目にかけていたゲットーの…元々スザク君と一緒にレジスタンスをやっていた女の子なんですけどねぇ〜〜〜』
「ああ…一度、ルルーシュ殿下が捕らえた事があった…あの、ブリタニアとイレヴンのハーフの…」
『そうそう…。どうしますぅ?』
「その彼女がルルーシュにとって敵であるのか、味方であるのか、私には判断しかねるが…」
『それは大丈夫ですよぉ〜〜〜。彼女、ルルーシュ殿下には借りがありますしねぇ…。もし、そんな事をしたら今のエリア11がどうなるか、良く理解していますよぉ?』
ロイドの言葉にウソはないと…そうは思うが…。
ただ、一度はルルーシュを襲っているレジスタンスだ…。
「しかし…ロイド…。そのレジスタンスが殿下に対して…」
『大丈夫ですよ…。スザク君がいるなら絶対にそれはさせませんよ…。今のところ、ナイトメアでの戦闘は五分ですが…肉弾戦になればスザク君の方がダントツですよぉ〜〜〜』
ロイドの言葉にシュナイゼルが小さく息を吐いた。
「解った…。エリア11からの合流軍は明日、カリフォルニア時間の正午に中華連邦駐屯基地に来るように…。遅刻は許さないよ…」
そう云って、シュナイゼルは通信を切った。

 通信を切られて…
「良かったねぇ…。君の申し出…通ったみたいだよぉ?」
「すみません…。無理を云いまして…。ただ、色々なニュースを聞いているだけでも…かなり大変な状況にあるみたいだし…。出来ることなら私…アイツに総督でいて欲しいと…そう思っているんです…」
ロイドがカレンにそう告げて、カレンがロイドに返した。
現在、ゲットー内の治安維持の為にシンジュクゲットーにいる現在藤堂がリーダーとなっているグループのメンバーは軍施設のある程度の部分には自由出入りを許されている状態だが…。
ここまで入り込むのはそれ相応の許可が必要だった。
その時、報告を受けていたロイドが彼女の申し出を受けてここに連れてきた訳だが…。
「でもさぁ…今じゃ、ルルーシュ殿下は現皇帝陛下が指名された次期皇帝陛下だよ?まぁ、この騒ぎのどさくさでどうなるかは解らないけどねぇ…」
「だから…行くんです…。日本の為とか…そんな大層な事を云うつもりはないんです。ただ…私はアイツに総督でいて貰いたい…それだけなんです…」
「そっかぁ…個人の事情が動機ともなるとなぁ…僕としてもどう判断していいか解らないけれど…。良かったねぇ…シュナイゼル殿下にその辺りの追及を受けなくって…」
「そうなった時には私、適当に理由でも何でも付けてごり押しするつもりでした…。大丈夫です…。貴女に迷惑をかけるような真似はしないと思いますから…」
カレンのその言葉に…ロイドはクスッと笑った。
本当に…頭のいい少女だと思ったからだ。
「言葉は使い方次第だねぇ…。ま、いいけど…。『ランスロット』も持って行く事になっているから…多分、君と一緒にラクシャータもついて来るんだろう?」
「まぁ、そうでしょうね…。貴方が『ランスロット』を他の人に障らせたくない様に…ラクシャータさんも『紅蓮』を他の人に障られたくないと思っているでしょうから…」
「とりあえず、この用紙を持って帰って必要事項を書いて来てね?君の義理の兄君も今、中華連邦で頑張っているし…。君自身がどうしたいのか…そろそろ立場をはっきりした方がいいと思ってはいるんだけど…。この機会にちゃんと…決めなよね…。殿下もこの後どうなるか解らないけれど…君達のグループの立場や地位、身分の保障に関してはきちんと考えているみたいだからさ…」
「え?」
「今更何を驚いているの…。君達にシンジュクゲットーの治安を任せて、なおかつスザク君をご自身の騎士にしている時点でその事を切り離して考えている訳がないでしょぉ?だから、君も…色々ある立場だけど…今度こそ、ちゃんと立場を考えてね?でないと、これまでルルーシュ殿下がなさって来た事はすべて…無駄になる事になるから…」
ロイドが色々話している事の中には…カレンが聞いても大丈夫なのか…と思ってしまう事も含まれていて驚きを隠せない。
「もう一つ教えてあげるとね…ルルーシュ殿下が皇帝になった時にはスザク君がナイトオブワンになるんだよねぇ…。ナイトオブワンの特権って知っているかい?」
ロイドの言葉に…カレンがごくりと唾を飲み込んだ。
―――ナイトオブワン…ナイトオブラウンズの中の最高の地位…。そして、その存在には…望んだ地を自分の支配に置ける…自分で統治できる権限を持つ…

To Be Continued

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posted by 和泉綾 at 16:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 皇子とレジスタンス

表現(BlogPet)

ルルが瑠美依姫の内密が表現されたみたい…

*このエントリは、ブログペットの「ルル」が書きました。
posted by 和泉綾 at 11:35| Comment(0) | TrackBack(0) |

2010年11月12日

リクエストネタ募集終了しました。【11月13日追記】

こんばんは、和泉綾です。
今日の19:59まで募集していたリクエストの受付は終了致しました。
4名の方、5作品のリクエストを頂きました。
お送り下さった皆さま、有難う御座居ます。

掲載日程ですが、11月30日火曜日から開始致します。
長さとしては、1作品につき、4回程度になります。
なので、年内は連載物以外の小説はリクエスト作品となります。
あと、お一方、お礼送信用のメールアドレスを送って頂いていない方がいらっしゃいます。
再度、記事に貼り付けてある拍手で結構ですので、お礼送信用のメールアドレスをリクエストに使ったハンドルネームを記載の上、お送り下さい。(混乱を防ぐため、敢えてこの場ではハンドルネームを伏せさせて頂きます。お心当たりのある方、もしくは、送ったか不安に思われていらっしゃる方は再度送って下さい。個人情報となりうるものですので、リクエスト企画の告知で記載した通り、一定の期間が過ぎたらデータは削除させて頂きます。)
【11月13日追記】メールアドレスをきちんと送って頂きました。
ご丁寧に送って頂きまして、有難う御座居ました。
リクエスト作品、今しばらくお待ち下さい。


前回、企画倒れとなってしまったリク企画だったので、少々不安もあったのですが、お送り下さった皆さま、有難う御座居ました。
今回は初めて挑戦するCPもありまして…和泉自身、ドキドキしております。
これで、和泉の引き出しが増えればいいなぁ…と思っておりますが…。
今回、リクエストされなかった方にも楽しんで頂けるように頑張ります。
久しぶりのリクエスト企画!
実は、この緊張感、結構好きだったりします。
リクを送って下さった皆様にも、リクエストされなかった方にも楽しんで頂けるよう、精一杯書かせて頂きます。
掲載開始まで、今しばらくお待ち下さい。

和泉綾拝


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アンケートを設置しました。アンケートのご協力、よろしくお願いします。
posted by 和泉綾 at 23:03| Comment(0) | TrackBack(0) | おしらせ

『Amethyst Eyes』開設2周年企画リクエスト実施のお知らせ【11月09日追記】

10月末からリクエストを行うかどうかのアンケートを撮らせて頂いていた訳ですが…。
もし、あのリクエストを行うか否かのアンケート用拍手にポチをしてくれた方が全員、一人一ずつでもリクを送って下さった場合には、何とか、企画として成り立つだけの拍手を頂きました。
なので、一応、リクエスト企画のお知らせをしたいと思います。
12月1日に和泉綾が開設しているウェブサイト『Amethyst Eyes』の2周年となります。
そこで、記念企画をしたいと思います。
今年、リクエスト企画を行ってリクエストネタを募集したのは二度目ですが、前回は空振りだったので、今回こそは実施出来るといいなと思っております。
なので、アンケート拍手にポチをしなかった方も是非、リクネタをお送り下さい。

リクネタの条件ですが…
下記の通りになります。

※ルルーシュ受けである事(スザルルでなくてもOKです)
※6,000文字を1回として大体3〜4回程度で収まるお話しでお願いします。(これより短くてもかまいませんが、長くなるとリク企画期間がどんどん延びてしまうので、和泉がおさまらないと判断した場合には一部、内容を変更させて頂く事も御座居ます)
※ニョタ、年の差、BL、GL、NLはとりあえずお受け致しますが、あまり過激表現は出来ません。ご了承ください。
※リクネタは必ず指定されている拍手ボタンからお願いします。和泉綾の個人メールアドレスを知っている方でも必ず、拍手ボタンでお願い致します。(以前、携帯電話へのメールでリクを頂いた事もありましたが、色々と不都合な事が起きてしまうのでご協力を宜しくお願い致します)
※おひとり様、おいくつネタを送って頂いてもかまいません。その代わり、一つのネタで一つの拍手でお願いします。
※リクを送って下さる場合には必ず、『@amethysteyes.com』のドメインのメールが届くメールアドレスを書いて下さい。(これは文章部分にお願いします。URL欄だとこちらで読み取れない場合がございます)リク企画が終わった時点で、お礼を送らせて頂きます。
※リクを送って下さる場合には必ず、普段使われているものでなくて結構ですので、HNを書いて下さい。なお、メールアドレス含めて個人情報となりうるものはすべて、企画終了して、お礼を発送した後1ヶ月ですべて削除させて頂きます。
※募集期間は2010年11月05日20:00〜2010年11月12日19:59とさせて頂きます。この記事もリクエスト募集終了と同時に削除されます。
※【11月09日追記】大人のシーンをご希望の方は必ずリクエストの際にお伝え下さい。もし、その明記がない場合には大人のシーンなしで書かせて頂きます。現在、リクエストを送って下さった方の中で大人のシーンを加えて欲しいと思われる方は改めてリクエスト用の拍手ボタンからお知らせ下さい。(現在、その明記をされている方は居ませんので)書き忘れてしまい、申し訳ありませんでした。

以上の事をご了承頂いたうえで11月05日20:00から受け付けを開始させて頂きますので、お送り下さい。
なお、パソコンからのアクセスの場合、サイドバーの拍手ボタンからも送って頂けます。
どうぞ、宜しくお願い致します。

和泉綾拝

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2010年11月09日

バカでも風邪をひきます…

えっと、タイトルの通りです。
どうやら風邪をひいたらしく…ずっと37度台後半を維持している状態でして…。
頑張って、仕事して、冬コミの原稿をやっているのですが…。
今度の月曜日、定期検診でインフルエンザの予防接種…して貰おうと思っていたのですが…。
多分、この調子だと無理ですね…(; ̄ー ̄A アセアセ・・・
まぁ、ここのところ本当に更新が滞っている状態なのですが…。
更にペースが落ちそうです。
リクエスト企画に関しては、準備などを考えると、11月の末辺りから掲載開始となります。
なので、リクエストネタがある方は是非送ってやって下さい。
それまでに風邪を治しますので、その辺りの事は気にしないで下さい。
とりあえず、あったかくして寝ます…。

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It's Destuby38

蘇る過去



 ここまで、自分自身が能動的に動いてきた。
中々動けないルルーシュの分まで動いて来たと思っていたけれど…。
ここに来て…
「ユフィ…」
先ほど、肩がぶつかった少女…。
正直、ここで…とは思うが…。
あの時に…自分が守れなかった、守るべきだった筈の存在…。
ここに来て…初めて、迷いが生まれた。
彼女が今、どう云う存在として生まれ変わったのかは解らない。
でも…この現世に彼女は存在していて…。
ブリタニア人である事は解るが…それでも、日本の事を全く知らずに降り立った…と云う感じには見えなかった。
そして、彼女の後ろに立っていたのは、初めてスザクを見た時に『イレヴン』だと云う事でスザクに対しておどおどしていたニーナだった。
スザクが思わず口にしてしまった彼女の愛称に対して、無礼であると食ってかかってきた。
あの頃の…『イレヴン』に対して過剰反応していた彼女とはまるで別人だと思ったが…。
それでも、あの時だって、ユーフェミアの仇…『ゼロ』を討つ為に必死になっていたのは知っている。
最終的にはその気持ちがシュナイゼルに利用されて…大量破壊兵器の開発と云う形になってしまった。
そんなものを開発した科学者ともなれば、どこの国もその開発者を色んな意味で狙う。
ルルーシュが色々調べていたが…その中には『超合衆国』加盟国もあったと云う…。
そもそも、あの頃の世界は完全にブリタニアと『超合衆国』…そして、僅かに自国だけで成り立っていた国は数えるほどしかなかった。
そこに第四の勢力としてシュナイゼルが『ダモクレス』と『フレイヤ』を世界に知らしめた。
カテゴリーで行けばシュナイゼルはブリタニアの反ルルーシュ皇帝派…と云うカテゴリーではあった。
世界はあの頃、本当に一言で説明出来ないほど複雑な状態だったのを…。
ルルーシュとシュナイゼルが解り易くした…と云ったところか…。
しかし、そうやって世界が二分していたとしても、その組織を作っている個々はそれぞれの思いがあったのだろう。
あの時ニーナを狙っていたのは、既にノウハウのあるシュナイゼルだと考えられるが、もっと簡単に考えられるのは、あの威力を見た各国の中枢にいる者達だろう。
尤も、あの頃の世界の中であれを一つ作れるだけの経済力があったのはブリタニアだけだったとも云えるが…。
あの時、シュナイゼルは『トロモ機関』のかなりの経済力、技術力を使ってあれを作ったのだ。
あのシュナイゼルでさえ、『ダモクレス』を放棄した時の段階では、『トロモ機関』単独ではあの『フレイヤ』を作る力も『ダモクレス』を作る力もなかった。
ニーナを狙った国がそれを嗅ぎつけていたとは思えないが…。
それでも、自国で確保しておけば何れ、確実にその国の強力なカードとなる事は確かだった。
だから、アッシュフォード学園の地下に隠れていたところを…ロイドに確保させたわけだが…。
そんな前世がある事も何も知らなくとも…彼女はあの時…心から慕ったユーフェミアの傍にいる…。

 ルルーシュを攫おうと思ったのは本当だ。
そして、今日だってその為にこんなところを歩いていると云うのに…。
「ダメだ…。迷いは…僕の…」
「こう云う時は記憶があると厄介よねぇ…」
スザクが何か独り言を口にしようとした時…背中から声をかけられた。
それは…
「カノン…」
「彼女がいれば貴方の決意も簡単に崩せると思ったのよね…。あながち間違いでもなかった様ね…」
ふっと笑いながら話すカノンに対して…スザクはぐっと唇をかんだ。
彼女に対して、ルルーシュに対する気持ちと同じものを抱いている訳ではない。
ただ…彼女に対してはどうしたって思うところがあるのだ。
スザクも、ルルーシュも…。
「もう少し付け加えると…あの子が今の彼の許嫁なのよね…。昔からとても仲が良かったわ…。今日だって、空港についてその足で彼に会いに行くつもりだってみたいだし…」
カノンの言葉に…。
スザクの目の前が一瞬真っ暗になる。
ここに来て…そんな現実が待ち受けているとは思いもしなかった。
「ルルーシュの…許嫁…?」
「そう…。まぁ、家同士で決めた事なんだけどね…。でも、彼女…とても嬉しそうだったでしょう?」
くすくす笑いながらカノンが喋る。
正直、このまま殴り倒して黙らせたいくらいだけれど…。
流石にここでそんな事は出来ないし、スザクにはもっと知らなければならない現実がある。
カノンがここまで喋るのは、スザクの動揺を誘う為だろう。
確かに…今のスザクが冷静かどうか…訊ねられれば…。
「ルルーシュも…承知している…と云う事ですよね…」
「勿論…。記憶が戻ってしまって、相当しんどい思いをしていたみたいだけれど…。尤も、ギネヴィア様もシュナイゼル様も…可愛い一人息子を他人である女の思う通りにさせるつもりはないようだけれど?」
カノンがまるでスザクをからかうように言葉を続ける。
でも、云っている内容は確かに本当だと思えた。
それは…彼らが本当にゆがんだ形でルルーシュを愛している事を知っているからだ。
「また…ユフィを…」
「あの時のは不可抗力でしょう?まぁ、シュナイゼル様がそれを有効利用した事は認めるけれどね…」
何故…ここまで酷い事が出来るのかと…スザクの中では思う。
あの笑顔がルルーシュに向けられているものであるのなら…彼女は本当に今のルルーシュを愛していると云う事だ…。
子供なりに…。
「どの道、あの子は利用されるだけよ…。まさか、あの子を助ける為に戦線離脱してくれるならこちらとしては願ったりかなったりなんだけどね…。ああ、でも、マンションに貴方を入れる訳にはいかないとは思うけれど…」
「そんな…。何故そこまで出来る!ユフィはあの時だってあんな形で…」
「じゃあ、神聖ブリタニア帝国第三皇女の騎士として…彼女を守りなさいな…。ルルーシュ様の事は心配する事はないわ…。シュナイゼル様がちゃんと幸せにして下さるもの…」
そんな過去の肩書に今更何を思う訳でもない…。
それなのに、目の前の男はそんな言葉をも使ってスザクに揺さぶりをかけている。

 天秤にかければ、ルルーシュの方が重い…。
そう思っている筈なのに…。
カノンの言葉に対しての反論に力が入らない。
―――ふっ…過去に拘って罪悪感を抱き続けるからよ…。過去の『罪』を忘れろとは言わないけれど…。でも、不毛な拘りを持つのをやめないといつまでも付け込まれる事になるわよ…
カノンは目の前で迷いを露わにしているスザクを見ながらそう思う。
カノンが『行政特区日本』の失敗や『ブラック・リベリオン』について調べていて何故、『ゼロ』が記憶を取り戻して前進する事が出来たのか…。
きちんと承知しているし、分析もしている。
彼の中に『罪悪感』がなかった訳ではない。
実際に、枢木神社での二人のやり取りを見る限り、ルルーシュが過去の自分の罪を忘れていたようには思えない。
ただ、表に出していなかっただけだ。
表面しか見ない人間には解らないところで、彼は自分を断罪していたのだ。
「そんな事…」
やっと絞り出す様にスザクが言葉を口にする。
しかし…その言葉に力はない。
迷いがある事が…良く解る。
ここを付け込めばスザクは完全に堕ちる…。
スザクが堕ちれば、ルルーシュが堕ちるのも時間の問題だ。
「あるでしょう?実際に貴方はユーフェミア様の姿を見てそうして迷っているわ…。それは…本当に騎士としての役目を果たせなかった事への贖罪だけなのかしら?」
恐らく、冷静さがあればここでスザク自身、我に返ったかもしれないが…。
ユーフェミアの姿を見てしまった直後だ。
そこに付け込むように現れたカノンは確かに巧みだと思う。
スザクが一人しかいないところを狙ったのも…狡猾だと思う。
しかし、そう考えられるのはスザクが冷静である時だけだ。
元々、スザクはルルーシュの様に自分自身を第三者的に見つめる自分を自分の中に存在させている訳ではない。
簡単に云うと、非常に単純で明瞭…なのだ。
いくらたくさんの経験があったとしても、自分の奥底に眠っている部分をほじくり返されてしまってはそう云った表面上の者などきれいさっぱりなくなってしまうものだ。
スザクはそんな分析をする事も出来ないまま…。
ただひたすらにカノンの言葉を聞き続けている。
本当は耳を塞ぎたくなる様な…そんな言葉に聞こえるのだけれど…。
スザクの身体が硬直して動く事が出来ない。
「あの頃の貴方は…彼女に対して恋をしていたんじゃなくて?話しを聞いているとそんな風に思っちゃうのだけど…。好きな女性が自分の目の前で殺されてしまったんですものねぇ…。それが…記憶を取り戻した時にその相手があの時に彼女を殺した張本人の許嫁で…彼の為に笑顔を作ってい…」
「カノン…その辺にしていた方がいいと思うよぉ?僕もスザク君に殴られちゃったことあるんだけどさぁ…。相当痛いんだから…」
カノンの長々と続いている言葉を遮ったのは…
「ロイド…さん…?」
この時代では…この世界では…初めて見た姿…。
しかし、見ればすぐに解るほど変わっていなかった…。
「やぁ、スザク君…久しぶりぃ〜〜〜」

 右手をひらひらと振りながらロイドがスザクに相変わらずの笑った表情を見せる。
「ロイド…何をしに来たの?」
「ちょっと野暮用でねぇ…。ホントに偶然だよ…。そしたら…カノンが大人げなくスザク君に意地悪を云っているからさぁ…」
相変わらずの口調…。
相変わらずの何を考えているか解らない風貌…。
「別に私は殴られるくらい…」
「スザク君…相当なバカ力だからねぇ…。君の綺麗な顔…変形しちゃうよぉ?」
相変わらずふざけた口調だけれど…。
カノンにこれ以上要らぬ事を云わせないようにしているのだけは解る。
スザクにも…カノンにも…。
ここで、記憶の戻っている人物が3人揃ってしまい…。
態度があいまいなロイドがここに来た事で変な話になっても困ると判断したのか…。
カノンも諦めた様である。
「まったく…余計なところで貴方に会っちゃったわね…。とりあえず、私はこのままシュナイゼル様のところに行くわ…」
「あ、シュナイゼル様のところに行くなら、ルルーシュ様、そろそろ退院しても大丈夫ですよって云っといてねぇ〜〜〜」
ロイドは背を向けたカノンにそう云って、また、手を振っている。
―――そろそろ…退院…?
スザクの中でその言葉が重くのしかかった。
正直…カノンに云われた事は色々な意味でスザクの内面を抉られた感じだったからだ。
あれを否定できるか否かを訊ねられたら…。
多分、否と答えてしまいそうだ…。
「あ〜あ…気になったから来てみて良かったよ…。陛下の御判断…やっぱり、君の事となるとホントに的確だねぇ…」
ロイドがそんな事を云いながら歩き出した。
スザクはロイドの後を吐いて行く事が出来ず、立ち竦んでいた。
「ね、スザク君…ちょっと僕とお茶しようよ…。話したい事もあるしねぇ…。今、ルルーシュ様の主治医…僕だから…」
その場を動けないスザクに対して、ロイドがそう云った。
すると、やっとスザクが頭を上げた。
「ロイド…さん…?」
スザクはロイドが考えている事が解らなくて、不思議そうな顔をする。
「大丈夫だよぉ…僕がおごるからさ…。その代わり僕の好きな店に行くからねぇ…」
本当に…人の話しを聞かずに先に進めて行く人物だ。
それでも、呆けている場合じゃない事は確かで…。
確かめたい事もたくさんあるのだ。
この際、自分の気持ちの整理は話しを聞いてから…でいいと思う。
一方的な話しだけで判断して…過去に過ちを犯しているのだ。
ロイドの話しなら…恐らく、カノンとは違った視点での話しが聞ける筈だ。
その先の事は彼らの話しを自分なりに噛み砕いて、判断するしかない。
「解りました…。僕も…聞きたい事があるんです…。ちょっと、会社に電話しますね…」
そう云ってスザクが携帯電話を取り出した。
「そっかぁ…。陛下が中学生で…君はサラリーマンか…。ちょっと不思議な感じがするねぇ…」
ロイドの言葉に…呼び出し音が聞こえている状態なのか…スザクが返事してきた。
「僕にしてみれば貴方が人間相手の医者をやっていることの方が不思議ですよ…」

 スザクからの電話を受け取ったのは…
「あ、そうなの…。解った…。とりあえず、有給扱いにしてあげるわよ…。ここのところずっと頑張って貰ってたしね…」
『すみません…』
謝罪の言葉を貰ってから電話を切った。
「ミレイ部長…スザクからですか?」
「うん…そう…。ちょっとね…今は彼にとってちょっと正念場だから…」
ジノの質問にミレイが答えた。
「そう云えば…最近、スザクの奴…俺にも色々頼んで来ていたんですよね…。俺にしてみれば超意味不明に見えるんですけど…」
「個人的な事情なんてそんなものでしょ?貴方だっていずれ、解るわ…」
「色々めんどくさそうですね…」
「本人にとってはとても必要な事なのよ…。ヴァインベルグ君が訳解らない事でも、彼にとっては意味があるし…。その内に彼からも同じ事を云われる日が来るんじゃないかしら…」
ミレイがジノを見てにこりと笑った。
ジノには記憶がないから…説明しても解らないだろうし…。
知る必要もない事だ。
ジノにとって、スザクが大切な友人であると云うそれだけで十分だ。
「俺にそんな日が来るのかなぁ…。俺、将来、ヴァインベルグを背負わなけりゃいけないと云う自覚はあるから、今だって遊んでるけど…無意味なバカはやっていないつもりだし…」
「それが解っていても、無意味なバカをしなくちゃならない時が来たら解るって事…。枢木君のやっている事は…きっと、他人の私達には理解出来ない事かも知れないけれど…。彼にとってはとても大切なことなのよ…」
「それで有給ですかぁ?」
ジノがなんだか面白くないと云う表情でミレイに訊ねた。
「君と違って彼は残業とかも文句を云わずにやってくれるからね…。と云うか、枢木君…。調べたら有給を全く使ってないのよ…。入社してから一度も…」
「え?」
「ホント…真面目よねぇ…。だから、たまにはハメを外すのもいい勉強だわ…。ただ真面目なだけじゃ、この先、きっと息がつまっちゃうもの…」
ミレイのその瞳の奥には…。
何か云い知れない何かを抱えている様なそんな色をした部分がある様に見えたのは…。
ジノの中で気の所為だったと云う事にした。
「とりあえず…この後スザクが有給なら俺、スザクの分も仕事しないと…」
「この後って云ったって1時間だけどねぇ…」
「スザク…ここのところ色んな取引先を開拓しているから…書類の仕事だけで結構大変なんですから…。下手すると俺…珍しく残業ですよ…」
「あんたは真面目に仕事をすると云う事を勉強しなさい!」
ミレイがぴしゃりと締めくくった。
「はぁい…。じゃあ、スザクのデスクの上のロムだけ整理しておきますよ…」
「お願いねぇ…」
ジノがそう云って自分のデスクに戻ると、ミレイは、回転いすを180°回転させて外を見た。
―――いよいよ…色々動き始めた…。スザクと出会った事がきっかけで、二人の記憶を取り戻して…そして、周囲が動き始めている…。ロイド伯爵…お願いしますね…。
窓の外の僅かに見える空を見ながら…ミレイはそう願わずにはいられなかった…。

To Be Continued

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posted by 和泉綾 at 00:01| Comment(0) | TrackBack(0) | It's Destiny

2010年11月07日

きょうは否定した(BlogPet)

きょうは否定した?
それで瑠美依姫はキャラクターを統治しなかったよ。

*このエントリは、ブログペットの「ルル」が書きました。
posted by 和泉綾 at 11:11| Comment(0) | TrackBack(0) |

2010年11月06日

皇子とレジスタンス 〜数多の暗殺者〜

 十数時間のフライトの後…。
ルルーシュを乗せた飛行機はラティス最大の国際空港へと到着した。
エリア11に入る時同様、緊張してしまう状態であるが…。
あの時とはまた違う種類の緊張感だ。
恐らく、あの、ルルーシュ殺害未遂の当事者であるだけでも充分に厄介なことであるのに…。
現在は皇帝の戯れで『次期皇帝候補』だ。
相手としても厄介な相手が来る事になったと思っているに違いない。
飛行機の窓から見える空港の様子は…。
「まるで…超VIPの国賓待遇だな…」
ルルーシュが零した一言がそれであった。
確かに…仰々しい出迎えだ。
ラティスの王が空港でホワイトタイで出迎えるなど…本来、ブリタニアからの来賓であっても宰相であるシュナイゼルか皇帝くらいだ。
他の国に対しては国賓であったとしても、このようなVIP待遇はあり得ない。
「なぁ…俺…普通の騎士服でいいのか?」
「構わないだろ…。そもそも、私達がここまでのVIP待遇って云うのは何か裏がありそうだし…。それに、『ルイ家』が絡んでいる以上、彼らの思惑もあるんだ…。私は私の役目を、お前はお前の役目を果たせばいい…」
ルルーシュがさらりと返した。
元々、相手が勝手にやった事だし、こちらがそこまで相手のやる事にビビっていたらこの先、それが後を引く事になる。
「スザク…これは外交だ…。相手に付け込まれたら後々それがずっと尾を引く事になる…」
ルルーシュが着陸寸前の飛行機の中でスザクに告げる。
それは…スザク自身も解っていた事だが…。
日本も…自分の父親も結局、国力の違いと云う弱みを見せてしまったから付け込まれた。
そして、その時に、他の国に対しても助けを求める事が出来なかった。
その結果、日本は、『エリア11』となった。
「そうだな…」
「相手が最敬礼しているからと云って、相手がそれを必要だと判断しただけだ。私達はこれでいいと云う判断でここに来ている。だから、そう気にする事はない…」
ルルーシュの様子は落ち着き払っているが…。
ただ、周囲の建物の配置や停車している車などのチェックを入念にしている。
―――そうか…暗殺の恐れか…
流石にこんな世界中のカメラが来ている中で堂々と暗殺するような真似はしないだろうが…。
尤も、今、この状態でルルーシュを暗殺する様な事があれば、ラティスの方がブリタニアに付け込まれるのだが…。な
ルルーシュが恐れているのは…。
ルルーシュが消える事で、ラティスとブリタニアに決定な的な亀裂が入る事を望んでいる反シュナイゼルの勢力もあるし、『ルイ家』もラティスと深い関わりがある分、どんなアクションを起こしてくるか解らない。
ラティスが国の方針でルルーシュを暗殺する事は考えにくい。
まして、こんな空港では…。
ただ…現在のブリタニアの状況を考えると、敵はラティスじゃなくて、自国の他の勢力である…と云う事は事実で…。
正直…こう云った場面ではかなり厄介な相手であると…ルルーシュは思っている。

 タラップを降りて行く…。
エリア11に…日本に降り立った時とは大違いだ。
「ようこそ、ラティス公国へ…。私が国王のガイウス=アウル=ラティスです…」
「この度はこのようなお出迎え…恐縮で御座居ます。神聖ブリタニア帝国第11皇子ルルーシュ=ヴィ=ブリタニアで御座居ます…。後ろにいるのが、我が騎士、枢木スザクで御座居ます。以後、色々とお世話になるかと思いますゆえ…どうぞ、頭の片隅に置いてやって下さい…」
ルルーシュがそう、自己紹介とスザクの紹介をした。
互いに丁寧な言葉を使い、傍目には和やかな雰囲気を作り出しているように見えるが…。
しかし、周囲も当事者たちもかなりの緊張状態である。
マスコミ関係者達はそんな緊張感を世界に発信する訳にもいかず、どのアナウンサー達も『和やかな対面…』との報道をしているし、新聞記者達もそう伝える記事二すべくメモを取る。
ただ、この場にいる者達には確実に解る緊張感…。
実は、いつ戦争が起きてもおかしくない状態にいる中…。
神聖ブリタニア帝国が堂々と…しかもつい最近、皇帝が条件付きであるし、単なる戯言と云う噂まで流れているが、自らの後継者と指名した皇子を送りこんで来ているのだ。
しかも、僅かな護衛だけを連れて…。
この皇子の実力は何かの形で耳に入ってきている。
それが、デフォルメされたものであれ、真実であれ、何かあった時には確実に外交問題に発展する。
一部の噂ではルルーシュに何かあった時の為に既に、神聖ブリタニア帝国の宰相であるシュナイゼルが軍備を整えて待機していると云う話しまである。
それが真実である事はここでは、ルルーシュと、ルルーシュと共に飛行機に乗ってきた者達しか知らない事…。
流石にラティス公国と縁のある『ルイ家』も伝えたところで、シュナイゼルが本気で歓待を率いてラティスに乗り込んでしまったらどうにもならないし、ラティスが敗れた時にはルルーシュの殺害未遂から全ての罪を問われる事になる。
それに、ルルーシュもこのラティスはかつて、戦場に立つ立場として降りている事は、周知の事実だ。
「では、これより王宮へと御案内致します。殿下方には離宮の一つをご用意させて頂いております…」
「お心遣い…感謝致します…」
二人の会話を…黙って聞いているだけだが…。
これほど心臓に悪い会話もない物だと思った。
そして、レジスタンスのリーダーがこんな場に居合わせていると云う事に…なんだか不思議な感じがする。
―――こんな事で…俺はルルーシュの為に何か働けるのか…?しっかりしろ!
二人の間に様々な思惑と謀略、策力が見え隠れする様な会話の中…。
スザクはこの慣れない空気に戸惑っていた。
しかし、それを表に出す訳にもいかない事は解っていて…。
なんとか表面上取り繕いながらも絶対にこちらに話しが振られない事をただ祈っていた。
これが、国のリーダーの息子だと云うのなら…。
もし、あのままスザクの父が生きていたら…自分もこんなギスギスとした空気の中に和やかな空気を装いつつ、こんな会話を繰り広げていたのだろうかと考えてしまうが…。
―――俺には絶対に真似出来ないな…。
素直にそう思ったのだった。

 とりあえず、晩餐会まで時間があると云う事で、案内された離宮に入った。
正直、こうした席はルルーシュ自身も得意な方ではないし、常に、陰の働きに徹していた為に、こうした表向きの舞台と云うのは、皇族だから知っていると云う程度で決して慣れている訳ではなかった。
「はぁ…やれやれ…。皇帝陛下の戯言に付き合わされる方は大変だ…」
やっと、スザクと二人になって少し、安心したのかそんな事を零した。
どこで誰が聞いているか解らない…と云う事はあったが…。
しかし、ルルーシュだってあのような戯言を云われた後、公式にルルーシュの意思については発表されていない。
だからこそ、様々な思惑が絡み合っているこの場所でなら好きな事を云って、逆にルルーシュを狙う者達を混乱させてしまった方が色んな意味で楽かもしれないとは思った。
正直、ルルーシュが皇帝になどなるつもりはないのは事実だし、周囲が慌しくなってきていて、しかも、皇帝の言葉であったのだが、その皇帝からもその後、公式な発表をされていないものだから、周囲としては混乱状態に陥っているわけだ。
だとするなら、真偽のほどがはっきりしないと云う事なので、その状況を利用して周囲の注意を皇帝が云ったらしい、次期皇帝候補についての話しに周囲が色々想像してくれていればいいとは思っている。
ルルーシュ自身、あの場でその様な事を云った父に対して、あの言葉など真実味の…現実味のない話しに聞こえていたのだから…。
「ルルーシュ…滞在期間は1週間…。毎晩のように晩餐会があって、昼間は公式訪問の数々…。凄いスケジュールだな…」
「まぁ、仕方ないだろ…。観光に来ている訳じゃないんだ…。と云うか、私は観光旅行と云うものをした事がないからな…」
ルルーシュの言葉に…スザクはまた、何かを思ったらしい。
いつも顔に出る。
「お前はあるのか?観光旅行とか…遊ぶ為に出かけた事は…」
「そりゃ…あるさ…。まぁ、こんな大規模なものじゃないし、近所を飛び回っている延長戦だったけれどな…」
「私の場合は…お前みたいに友達と呼べる存在は…いなかったからな…。今は…もし、友達と云うカテゴリーに当てはまるとしたら…お前やライ…だな…。紅月カレンも一緒にいると中々面白い…。お前たちは私に対して遠慮なく好きな事を云ってくれるからな…」
「俺はお前を主だなんて思って守った事なんてないぞ?確かに表向きの立場はあるけれどな…。ただ、俺自身の気持ちで云えば、守りたいから守る…。一緒にいたいから一緒にいる…って感じだしな…」
スザクの言葉にルルーシュがふっと笑った。
「そう思ってくれる存在がいると云うのは…これほど嬉しい物だと教えてくれたのは確かに…お前たちだ…」
相当緊張していたのか…。
普段なら絶対に聞く事が出来ない様なルルーシュの言葉だ。
―――そうか…ルルーシュも緊張していたんだな…。まぁ、当たり前だよな…。ずっと…陰の存在で功績を上げていて…表舞台に上がらないのに名前が有名になったんだからな…。こう云った場面ってのは経験…少ないよな…。

 とりあえず、離宮内を一回りしたが…。
ブリタニアの王宮の、『ヴィ家』に与えられているアリエス宮よりもやや狭い…。
元々国土が広い国ではない。
都市国家より少し広い程度の国だ。
人口比を考えた時に、王宮にだってそれほど広い土地を割く事が出来ないと云うのは何となく解る。
日本も、ブリタニアの王宮の様に全ての敷地を回る為に車が必要な広さを一個人の為に提供されたらそれこそ、迷惑な話になってしまう。
「ルルーシュ…シュナイゼル殿下が付けて下さったSP達の部屋をそれぞれ確保されているし、俺もお前の隣の部屋が用意されている。アリエス宮ほど広くはないが、大罪には困らない様だ…」
「ブリタニアの王宮が広すぎるんだ…。このくらいの方が落ち着く…。それに、このくらい狭い方が、異質な気配には気付き易くなるからな…」
ルルーシュがそう云いながら、窓の方を見た。
ルルーシュは武道をやっている訳ではないし、肉弾戦をやらせたら軍人相手では到底敵わない。
しかし、こうした気配には敏感だった…。
それは、自身に自信を守りきれるだけの力がないからと云う事…。
スザクが現れるまで四六時中共にいられる騎士がいなかったと云う事…。
それらが重なってこうした気配には敏感に反応できるようになっていた。
「到着早々…いきなりか…」
「殺すな…。どうせ口は割らないだろうが、喋り方などでかなりの情報が得られるからな…」
ルルーシュとスザクの小声でのやり取り…。
「イエス、ユア・ハイネス…」
スザクがそう云って部屋を出て気配を殺した。
そして、ルルーシュの方は知らん顔をして部屋の中の物色をし始める。
すると…その部屋の窓の外の気配が動いた。
ルルーシュはその事は完全に無視して、その部屋に置かれている書籍を一つ一つ眺めてその中の熱めのハードカバーの本に手をかけた。
その時…。
―――ガッシャァァン…
窓が壊される音…。
空港での警戒体制から、王宮内で遠くから狙い撃ち出来るほど、警備は甘くはない。
それに、そんな甘い警備であったと云う事になれば、ラティスはブリタニアだけでなく、世界からの信用を失う事になる。
それゆえの…直接攻撃…。
そして、ここに入り込める人間は限られているが、ルルーシュにとって、この国にいる限り、命の安全が保証される場所などありはしないのだ。
「スザク!」
―――バン!
扉をぶち壊さんばかりの勢いでスザクが入ってきて…。
その後ろには…。
ルルーシュとの距離が短いのは…賊の方で…。
それでもルルーシュは顔色一つ変えない。
スザク達がじりじりと囲む中…その賊がルルーシュの手首を掴んだ。
その時点でルルーシュがにやりと笑い、その賊と向き合った時に指輪に仕込まれていた針をその賊に突き刺すと…。
その賊は目を見開いて…その場に崩れ落ちた…。

 ルルーシュがその賊から離れて、目配せして、自分の護衛について来たシュナイゼルの部下達にこの属を拘束する事を命じた。
「初日からか…。まったく…」
「ルルーシュ…あの賊…」
「ああ…どう見てもラティス人には見えないな…。まぁ、何も情報がない時に想像だけで色々決めつけるのは危険だ…」
ルルーシュはその指輪の飾りを元に戻して、スザクに云った。
「お前…普段からそんな物騒な物を?」
「敵地に入る時にはな…。少なくとも、政庁や屋敷では指輪などしていないだろう?」
「まぁ…確かに…」
本当に、ルルーシュの生きて来た場所が…どんな場所であるのかが良く解る発言だ…。
「今回も…ライやジェレミアが来ていればそんなものを身につけるつもりはなかったがな…。シュナイゼル異母兄上の付けて下さった者達を信じていない訳じゃないが…それでも、気心を知れている者とそうでない者では…どうしても普段とは違ってくるだろう?」
云っている事は解る…。
確かにその通りだ。
彼らはシュナイゼルの部下であって、ルルーシュの部下ではないのだ。
シュナイゼルがどのような命令を彼らに下しているかは想像がつくけれど…。
それでも、ああ云った時に何も云われずに動けるのは…。
「ルルーシュ…さっきの奴…」
「ああ、可能性としては、『ルイ家』を疑うのが妥当だな…。ラティスの王宮のこんなに奥深くに忍び込めるなど…。内部協力者がいなければ出来ない事だ…」
「じゃあ…国王も?」
「可能性としては考えていた方がいいとは思うが、まだ、断定的に決まった訳じゃない。シュナイゼル異母兄上の部下達は有能だ…。あの賊がどこから来たかくらいはちゃんと把握して私のところまで報告に来るだろう…」
ルルーシュの頭の中では…。
様々な可能性が羅列されているに違いない。
ただ、これまでのルルーシュの立場であれば、そう心配する事もなかった相手が敵となっている可能性もある。
ブリタニア皇帝のあの発言によって、ルルーシュの周囲が大きく変化している…。
だからこそ、ルルーシュもどう判断を付けていいのか迷うところなのだろう。
決めつける事は出来ない。
かと言って、疑い始めるときりがない…。
「スザク…」
ルルーシュがスザクの名前を呼んだ。
「なんだ?」
スザクは普段と変わらない様子で返す。
そんなスザクに対してルルーシュが言葉を続けた。
「この先…ラティスでは確実に私は常にアサシンのターゲットだ。これを皮切りにどこにいても命を狙われるだろう…」
ルルーシュの言葉…。
もの凄く重みを感じる。
自分でその事を自覚しているのに、ここまで冷静に話しが出来るものなのか…と思えてくるが…。
「スザク…お前がブリタニアを出発する前に…お前がシュナイゼル異母兄上と話していた事を覚えているか?」
ルルーシュが云っているのは…
『もう、自分は殿下に対して…かすり傷一つ、負わせるつもりはありません。自分は、殿下の盾になるべく…きっと、倒れはしません…。殿下の為に…』
の事だろう。
「ああ…」
「ならば…改めて命じる…。お前は決して倒れず…私を守れ…。私がここで死んだ後…ナナリーの問題だけではなくなってしまった…。だから…お前は私を守りつつ…お前も死んではならない…。いいな?」
スザクはこの時、ルルーシュに笑いかけてこう答えた。
「解った…。お前がそう望むなら…俺は絶対に死んだりしない。きちんと役に立つ盾として…お前の傍にいる…」

To Be Continued

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posted by 和泉綾 at 23:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 皇子とレジスタンス

2010年11月03日

ふと思いついて書いた1時間仕上げ小説219

決別の決意と未来への扉



※設定:『ロスカラ』の『黒の騎士団編』ベースです。
CPは和泉としては珍しいライ×ルル←スザです。
和泉の作品はスザルルしか読まないと思われている方は引き返して下さい。

 カーテンの隙間から差し込む光で目を醒ました。
隣では、まだ、ルルーシュが寝息を立てている。
彼が『ゼロ』だと知って、その後、『行政特区日本』での合意文書に同意していくらか時間が経っている。
それでも、『行政特区日本』成立ともなると、ブリタニアは勿論、日本国内でも様々な意見の相違があり…。
そして、『ゼロ』に対しての反発を示す者達もいた。
確かに、問題はたくさんあるし、これから解決しなければならない事、考えて行かなければならない事はたくさんある。
それ故に、ルルーシュはそれまで以上にハードな生活を強いられていた。
ルルーシュが『ゼロ』だと…彼は自ら話してくれた。
それだけ、彼の中でライを信頼してくれた…と云う事で誇りに思った。
その分、ライもルルーシュに対して特別な感情を持ち合わせているから、あまりにハードな彼の生活を見ていて…心配になる。
ルルーシュを起こさないように…ゆっくりと身を起こす。
そして、布団から出ている手をそっと持ち上げて…彼の手首に自分の指を巻き付けると…
「また…痩せたな…」
そんな事を漏らしてしまう。
昨夜だって帰って来たのは日付が変わるか、変わらないかくらい…。
『黒の騎士団』のトップは『ゼロ』なのだから仕方ないと云えば仕方がない…。
『ゼロ』の正体を誰も知らない以上、誰もルルーシュの事を気遣う事は出来ない。
学校の授業を休む事も増えてきた。
それと比例してルルーシュの幼馴染だと云う、イレヴン…否、今では『行政特区日本』の中では日本人となっている枢木スザクも授業を欠席している。
スザクの場合は、それでも学校側が考慮してくれている。
それは、スザクがブリタニアの軍人であり、あの『ランスロット』のパイロットであり、今は皇族としての身分を失ったが、『ユーフェミア皇女』の騎士と云う事で、最大限の配慮がなされている。
でも、ルルーシュの場合はそれを望む事が出来ないから…ハードな生活に身を置いている。
ルルーシュはライの秘密を知っている。
だから、ライがそう云った交渉の場に出て行っても問題ない事は解っている筈なのだけれど…。
それでも、ルルーシュは決して首を縦に振らない。
ルルーシュが云うには、ユーフェミアは既にルルーシュが『ゼロ』である事を知っていると云うのだ。
確かに…ユーフェミアが主催している会議ではルルーシュの立場を考慮した招集がかかっている様には見えるけれど…。
でも、細かい事務手続きはブリタニアの他の文官達が行っている。
『黒の騎士団』から副官である扇が出席すればいいと思った時期もあったが…。
―――あの男ではブリタニアの云い分を全て聞き入れて帰ってきそうだな…。
そんな風に思えた。
あくまで対等の立場で駆け引きをしなければならないのだ。
それが出来ない人間にそんな交渉事の席に一人で行かせるなど、自殺行為に等しい。
ユーフェミア個人がどう思っていようと、交渉の席に着くのはブリタニアの文官であり、ブリタニアの国益の為に動く。
そもそも『行政特区日本』を成立させたこと自体ブリタニアはかなりの譲歩である。

 そんな事情からルルーシュは学校と『ゼロ』としてブリタニアとの会談と生活費を稼ぐために色々とやっている。
出来ることなら、少しでも彼の負担を減らしたいと思うのだけれど…。
「ルルーシュ…あまり…無理しないでくれ…」
そう云いながら、ルルーシュの額にかかっている黒髪をそっと上げて、その額に口づけた。
本当に疲れているのか、この程度では起きる気配が全くない。
とりあえず、ルルーシュは昨夜、帰って来たままルームウェアに着替えて眠ってしまったのだ。
「起きたら入浴できるように準備するか…」
そう呟いて、ライがベッドから降りて、バスルームに向かう。
そして、湯を溜める為に蛇口をひねって、廊下に出た時…。
「あの坊やはまだおねんねか…」
「C.C.…。どうしたらルルーシュはあんな風に無理をしなくなる?」
目の前の魔女に対して、そんな事を訊いてしまう。
本当は彼女に訊くなんて…絶対に避けたかったけれど…。
こうなってしまうと背に腹は代えられないと…本当に思えて来るものだから…。
「お前…何故そんな事を私に訊く?と云うか、アイツの素性を知っているのだろう?アイツだって必死なんだよ…。愛していた異母妹に、唯一の友達を奪われて、後に引けなくなった時に…」
魔女はそこまで云って言葉を切った。
ルルーシュは異母妹のその案を受け入れた…。
そこに潜むあらゆる不安と問題を全て…ルルーシュが受け入れる形で…。
今回のこの施策は…。
余りにルルーシュ一人への負担が大き過ぎる…。
ただ、『ゼロ』は既に、世界に名を知られており、そして、ブリタニア人の中にさえ、彼を特別視しているものがいる程だ。
日本人は当然の様に、彼に期待している。
確かにルルーシュ類稀な才を持っているかもしれないが…。
それでも、ルルーシュはまだ17歳の少年…。
一人の少年が背負うには…きっと…
―――みんなの期待が大き過ぎる…。みんな…『ゼロ』に…ルルーシュに頼り過ぎだ…
そんな風に思う。
ライも…この現世で目覚める前…王として、国を治めていたのだ。
国を治めて、民が生きる為に必要な物を最低限与えることの難しさを…
―――僕も…知っている…。僕は…自分の謝った統治に耐えきれずに…眠りに着いたのだから…。
「あの坊やは、頭がいい癖にバカだ…。ちゃんとお前が見張ってやれ…。あの、枢木スザクがあちらについてしまった今、あの坊やが心のよりどころと出来るのは…恐らくお前だけだ…」
「僕が…?」
「あの坊やがあんな風に安心してお前の隣で眠っているんだぞ?本来なら、ナナリー以外の人間に対してはあり得ない行為だ…」
C.C.の言葉に…少しだけ縋りたくなった。
それが真実であれば…どれほど嬉しい事だろうかと…。
「とりあえず、あの坊や、いい加減休ませないと本当に倒れて、お前がブリタニアとの交渉に出て行かなければならなくなるかも知れんな…。まぁ、少なくとも扇よりはまともな会談が出来ると私は思っているが…」
「それは、自惚れではなく僕もそう思っているよ…」

 その言葉を残し、ライはルルーシュの部屋のクローゼットからルルーシュの着替えを出して、バスルームの脱衣場に準備しておく。
そんな事をしている内にちょうどいい量の湯が溜まっていた。
ライが流れている湯を止めて…その湯船の湯に映し出されている自分の顔を見つめる。
あの頃のライとは…別人の様な顔をしていると…ふっと笑ってしまった…。
そうして、ルルーシュが眠っている部屋に戻ると…ルルーシュがうっすらと瞼を開け始めているところだった。
「ルルーシュ…起きたか?」
「…ん…。今…何時だ…?」
「7時だよ…。風呂の準備ができているけれど…入るかい?」
「あ、有難う…」
ルルーシュがゆっくりと身を起して、ベッドから降りた。
本当に深く眠っていたのか…まだ、頭がぼーっとしている様にも見える。
普通なら、こんなルルーシュを見る事は殆どない。
ライがルルーシュの部屋に泊まる時もこんな風に疲れている顔を見せた事はない。
余程疲れているのだろうと、予想が出来る。
「着替えとかも用意しておいたから…はいって目を醒まして来るといいよ…。あと、今日は、学校を休むかい?」
ライが心配からそう訊ねると…。
ルルーシュはまだきちんと覚醒していないと思われる頭ではあったのだろうが…。
首を横に振った。
「否…今日は何もないし…。スザクと違って、俺には何のフォローもないからな…。朝のホームルームはさぼるが…授業には出るよ…。また、寝ているかもしれないけれどな…」
そんな事を云いながらバスルームへと入って行った。
ルルーシュの足取りに…少しだけ心配になってしまうが…ルルーシュの云っている事も本当だから、何ともできない。
ここのところ、かなり会談が続いているから…余り授業に出ていないのはライも知っている。
成績だけで云えば、ライがノートを取って見せればテストでしっかりとトップクラスの成績を修めている。
最近では、学年トップはルルーシュかライになっている事が殆どだ。
それでも、授業の出席日数が足りなければ単位が足りなくなるから…。
今日みたいに授業に出られる日はしっかりと授業に出ようとする。
ため息を吐きながらライも学校へ行く為に制服に着替える。
着替えてリビングに行こうと廊下に出た時…
「ライ…」
その声の主は…
「スザク…。こんな朝早くに…どうしたんだ?」
スザクのその表情に思わず挨拶も忘れてしまっていた。
尤も、スザクも人の事を云えないのだが…。
「ライこそ…なんでこんな時間に…こんなところに…?君は…確かにクラブハウスで暮らしているけれど…」
スザクのその言葉は…心なしか、震えているように聞こえた。
多分、気の所為ではない。
彼も…ルルーシュに対してライと同じ気持ちを抱いている事を…ライも気がついている。
でも…スザクは…あの『ランスロット』のパイロットで…。
既に、あの戦いの時に…ルルーシュは絶望を味わっていたから…。
ライ自身、スザクに対して譲る気はなかった。
「昨夜、ルルーシュの帰りが遅くて…。で、ナナリーも心配していたから…待っていたら遅くなって…」

 ライがそこまで云った時、スザクがライの襟首を掴んでいた。
ライもそれなりに武道の心得がある。
スザクが怒りを抱いている事を解っていたから、顔色一つ変えずにそれを受け入れた。
殴ってくれば、それ相応に対応しようと考えている。
「ライ…君は…ルルーシュに何をした!」
「君にとやかく云われる覚えはないよ…。君は…ルルーシュの立場を知っていて…『黒の騎士団』に対して敵対していたのだろう?」
ライが冷静にスザクに返した。
スザクはライが『黒の騎士団』のメンバーで『ゼロ』の補佐役を務めている事を知っている。
そして、スザクと対等に戦えるだけのナイトメアフレームの操縦が出来る事も…。
「僕は…あんな間違ったやり方で…」
スザクが更に怒鳴ろうとした時にライがその言葉を遮った。
「スザク…君は日本人なんだろう?なのに…何故、ブリタニアのルールを順守して日本を何とかしようと考えているんだ?」
「今の日本は…ブリタニアの占領下にあるから…ブリタニアに納得させて、日本を…」
スザクのその綺麗事に聞こえてしまう言葉に…ライはただ、苦笑した。
それは…ただの夢物語でしかない…。
それが良く解る。
それは、ライがかつて、国を治める立場にあったから思う事なのだろうか…。
そんな事を考えてしまうけれど…。
「スザク…君は仮にも日本国首相だった人の息子なんだろう?そんな綺麗事で国を守るとか、解放するなんて…出来ないとは思わないのかい?」
「最初から出来ないと決めつけなくても…」
「出来ないから云っている…。それに、日本人には日本人のルールがあるだろう?それを踏みにじったブリタニアに対してそんな従順に従っていても…ただ、付け込まれて、利用されるだけだ…」
ライはスザクの言葉をさらりと切って捨てた。
国を治めると云う事は…国を解放すると云う事は…人々を導くと云う事は…。
―――綺麗事だけではやっていけないんだよ…スザク…。それを無理に押し通そうとすれば…結局、要らぬ犠牲者をいたずらに増やすだけだ…。
「そんな事無い!ユーフェミア皇女殿下なら…。だから『ゼロ』だって…」
「その為に『ゼロ』にどれほどの負担をかけているか…君は知らないだろう?その行く末次第でルルーシュとナナリーの運命だって変わるんだぞ?君の綺麗事は…あの二人を窮地に追い込んでまでやる程勝ちがあるのかい?」
相手は…様々な事が理解できていない相手だ。
知っているライがどれほど云ったところで、スザクは綺麗事で返してくる。
「僕は傍で『ゼロ』を見ている。なんとか…日本人にとって平和的にと…そして、あの『行政特区日本』の山積みの問題点について解決するべく…寝食を二の次にして頭を悩ませているなんて…君も、君の仕えているお姫さまも知らないだろう?」
何も出来ないもどかしさをぶつけている様な…そんな気がしてきた。
「君も、君の仕えているお姫さまも…ブリタニア皇族の一言がどれほどの影響力があるか…考えた事無いだろう?そして、それをなんとしても成功させる為に『ゼロ』がどれほど心血を注いでいるか…知ろうともせずに…。これからの世界の動向を考えずに、個人的感情をぶつけて僕に対してヤキモチかい?少しは…」

―――シュッ…
 ライがそこまで言葉にした時、バスルームの扉が開いた。
「どうした…?あ、スザクか…どうした?」
どうやらルルーシュが風呂から出来た様で…。
まだ、髪が濡れていた。
ルルーシュの登場によって、スザクは掴んでいたライの襟首を放した。
「なんでもない…。僕がスザクの逆鱗に触れる無神経な事を云っただけだ…。済まない…スザク…」
ライはそう云ってその場を取り繕った。
しかし、スザクを見るライの目は…相当厳しいものである。
この場でごたごたしたい訳ではないスザクも…ライの言葉に乗る事にした。
「否…。僕の方こそ…熱くなってしまって…ごめん…」
何となく、解らないこの空気に…ルルーシュは首を傾げるが…。
深く詮索するつもりはない様である。
「ライ…いろいろ有難う…。朝から済まなかったな…」
ルルーシュがそう云うと…ライとスザクが正反対の表情を見せる。
「否…少しは役に立てたなら…嬉しいよ…」
「朝からって…君達…」
二人の正反対の表情と言葉…。
そんな事を特に気にする事もなくルルーシュが続けた。
「ああ、昨夜、ちょっと遅くなってしまって…。ライが遅くまでナナリーに付き合ってくれていたんだ…。で、遅くなってしまったから…ここに泊まって…」
ルルーシュがそう云い終える前に…スザクが数歩…後ろに後ずさった。
「ルルーシュ…ライを…ここに泊めたの…?」
「?ああ…。スザクにもこれまで色々面倒をかけたけれど…もう…」
ルルーシュが特に悪意なくそんな事を云っている事は…。
ライには解っている。
頭に血が上っているスザクがどこまでその辺りを冷静に受け止めているか解らないが…。
「待ってよ…。だって…ルルーシュは…君の帰りが遅い時には…」
「スザク…お前はユーフェミア皇女殿下の騎士…枢木スザク少佐…だろう?もう…お前にそんな事は…頼めない…」
ルルーシュが視線を少し下に落としてそう告げた。
「大丈夫だ…。ライだってここに暮らしていて…俺が帰って来るまで…」
「…めない…」
ルルーシュの言葉を最後まで聞かずに…スザクが小さく低い声でそう、音に出した。
「え?」
「認めない…認めないよ…僕は…。だって…ライが来るまでは…その役目は僕が…。僕の役目…」
スザクの言葉に…ルルーシュが少し辛そうな瞳でスザクを見た。
「スザク…もう、俺達の事は忘れてくれ…。お前は…ユーフェミア皇女殿下の騎士なんだ…。自覚しろ…」
「でも!」
「その事を議論するつもりはない…。そんな事を云いたいなら…帰れ…」
ルルーシュのその言葉は…どこまでも冷静で、どこまでも冷たく…そして、どこか、悲しげだった…。
多分、ルルーシュにとっての…過去との決別…なのだろう…。
ここまで、難題を抱えていて…。
そして、今もまだ…ふらふらになる程、その難題を解決する為に尽力している。
恐らく、余計な事を考えていられる程の余裕がないのだ。
ルルーシュはスザクの方から目を背けていた。
スザクはその空気に耐えきれず…その場から走り出した…。

 スザクの姿が見えなくなると…。
ルルーシュはライに背を向けていたけれど…。
その細い背が…震えている事が解った…。
「ルルーシュ…我慢しなくていい…。少なくとも…僕の前で…我慢する必要はない…」
ライの言葉に…ルルーシュは少し声を震わせて…一言告げた。
「もう一度…風呂に入って来る…」
そして、そのままバスルームに入って行った…。
ライは黙ってその後ろ姿を見ていた。
―――いつか…きちんと…スザクと話しが出来る日が来ればいいと…願ってしまうな…。
そんな事を思ってから、踵を返して…もう一度、先ほど眠っていたその部屋へと足を向けたのだった…。

END

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posted by 和泉綾 at 00:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 二次創作(単発もの)

2010年11月02日

It's Destiny37

イレギュラーの予感



 今、自分のやろうとしている事に…正直信じられないと云う…そんな気持ちにもなる。
と云うか、本当に…あの時の…あの子供の頃のあの事件の後…こんな風に考えた事などなかった。
どんな事をしてでも…何かを欲するなんて…。
尤も、あの時には…自分の望んだものの為に…などと云う事を考えられるだけの余裕などありはしなかった。
ナンバーズと云う、植民エリアの原住民としての扱いは…。
それまでの日本では考える事さえなかった苛烈な差別社会だった。
そんな中で…スザクは中から変えて行こうと…。
ルルーシュは、外から崩して行こうと…。
互いに正反対の方法を取った。
あの時、もし、互いに意思の疎通ができていたら…彼らの思いは…成就したかもしれないと…。
スザクはルルーシュから『ゼロ』の仮面を受け取ってから…何度も思った。
あの、『ゼロ・レクイエム』の後…世界はスタートラインに立った。
神聖ブリタニア帝国と云う巨大国家の脅威を排除した状態で…。
そこから、世界はそれぞれが手前勝手な事を始めた物だから…再び混沌に陥った。
今度は、一つの巨大帝国が存在した訳ではなく…それぞれが対等の立場として自己主張を始めたのだから…。
当然と云えば当然の事と云えるだろう。
結局、ブリタニアの脅威の下に『超合衆国』は一つとなっていた事を思い知らされた。
そして、自分の望むものは自分の力で手に入れなければ意味がないと悟った。
ルルーシュがお膳立てした『ゼロ・レクイエム』…。
『革命』とは呼べない。
かと云って、『クーデター』でもない。
茶番劇に踊らされた世界は…結局、ルルーシュとスザクが世界に何を遺し、何を伝えようとしたかを解らないまま迷走を始めたのだ。
なんであれ、どうしても自分の欲するものは、自分の力で手に入れなければ意味がないという事…。
否、その大切な物ものの存在さえ希薄になり…どうやって手に入ったかを考える事さえなく…。
誰かに与えられたものだから、大切にする事も出来ない。
本当に大切な物であれば…。
本当に欲しい物であれば…。
―――自分の力で手に入れなければ、結局最終的にはただのゴミになる…。
スザクがあの時に自分の中で出した結論だし、思い知らされた事でもあった。
ルルーシュは世界に対して、『力』で物事を解決するのではなく、『話し合い』で解決する世界を望んだ筈なのに…。
それも、世界全体が望まなければ結局は当人達の気付かぬところで、するりとその両手の隙間から逃げて行ってしまう事を…知ってしまったから…。
『ゼロ』の仮面は…『ゼロ・レクイエム』から時間他経てば経つ程…重く感じていた事は事実で…。
そして、様々な事に気づかされて…。
そんな経緯があるから、今、どんな事をしても…。
何を使っても…。
そんな風に思う事が出来るのかもしれないと思う。
あの頃…そんな風に思ったのは…。
カレンがブリタニア軍に捕らえられて、そして、『ゼロ』の事で焦っていて…『リフレイン』を使おうとした…その時だけだったと思う…。
それでも…結局思い留まった。
「今の僕なら…目的の為に必要となれば躊躇う事はなかったかもしれないな…」

 その頃…
「陛下…準備できましたよぉ?本当はこれ、見つかったら犯罪ですよぉ?」
「やっていること自体は犯罪だがな…」
「まぁ、そこで見つからない様には出来ましたけどぉ…。それに、見つかっても多分、お説教だけで済んじゃいそうですけれどねぇ…」
「俺が頼んだ事となれば、多分、法的にはともかく…ランペルージ家の中ではそうもいかないと思うがな…」
自分でやらせておいて、バカな事を云っていると思うが…。
それでも、頼んだ相手がロイドだから、この方法をとれるのだけれど。
「後はぁ〜〜〜」
「そっちの方が問題かもしれないな…。もし、カノンが嗅ぎまわっているなら、急いだ方がいい…」
「そんな事は解っていますけれどねぇ…。ただ、相手がねぇ…厄介なんで…」
ロイドがそんな事を云いながら、少し疲れた表情を見せた。
いつも飄々としているのに…中々珍しい姿だと思うが…。
「流石にお前でもてこずるか…。どこまで出来ている?」
「これは渡しておきますねぇ〜〜〜」
ルルーシュの質問に、それを言葉で返すのではなく、小さく折り畳まれたメモ用紙を渡した。
ルルーシュがそのメモ用紙を開くと…。
少し驚いた表情を見せた後、ふっと笑った。
「お前…ここまでできるからあのシュナイゼルに対して好き放題出来たんだな…」
そう云うと、ロイドはいつものふざけた顔になる。
「あの殿下の場合、僕なんてまだマシな方ですよぉ〜〜〜。一番の側近があの、カノン=マルディーニですしねぇ…。それに、僕、最近良く、彼と食事に付き合わされるんですけどぉ…」
「医者の割に…随分暇なんだな…」
「陛下が入院されている時には僕、陛下の専任なんで…。貴方の『お父君』から、そう、命じられているんですよ…。ホント…あの方ももう少し素直に愛情表現なされればよろしい物を…」
ロイドの言葉があまり理解できていないルルーシュだけれど…。
しかし、ロイドはそんなルルーシュの思っている事など、どうでもいいと云わんばかりだ。
と云うか、そう云われても説得力を感じない。
「あの人は…昔も今も変わらないじゃないか…。考えている事は解らないし、自分の事以外に興味はない…」
「随分ひどい云われようですねぇ…。別に、シュナイゼル殿下だって人間ですよ?感情はありますし、欲しいものだってある…。人並みに何かを感じて生きてますよ?まぁ、その辺りは陛下と似ているところがありますけれどねぇ…」
ロイドの言葉にルルーシュはあからさまにムッとする。
今も昔も…ルルーシュにとってシュナイゼルはコンプレックスの対象でしかないのだから…。
そんなルルーシュを見てロイドがやれやれと云った表情を見せた。
「陛下?貴方だって御自身ではきちんと考えているし、何かを感じておられるでしょう?ただ、貴方の場合は意図的にそれを隠そうとしている。シュナイゼル殿下は、それが当たり前過ぎて、あまりに自然だから…。だから、誤解を受けているかもしれませんが…。シュナイゼル殿下だって、人間なんですよぉ?」

 正直…ロイドがルルーシュに何を訴えようとしているのかが解らない。
あの頃は…確かにルルーシュよりもロイドの方がシュナイゼルと共にいた時間は長いかもしれないが…。
それでも、ルルーシュは異母兄として長い間彼を見続けてきた。
だから、ルルーシュなりにシュナイゼルを分析していたつもりだったが…。
「まぁ、あの頃の環境では、今の様な、ある意味間違っているけれど…あんなあからさまな愛情表現は今の母君であるギネヴィア皇女殿下同様、出来なかったんですよ…。ギネヴィア皇女殿下だって…生まれる家を間違っていなければ…あんな風にはなっていないですよ?」
ロイドの云っている事は、あの時、ブリタニアの皇族として生まれた者すべてに当てはまる事だと云える。
王宮の中で何からも守られて、魑魅魍魎の存在に直接触れる事のなかったユーフェミアが稀有な存在であり、寧ろ、ルルーシュが皇帝を名乗った時に反発した皇族の方があのブリタニアの王宮ではごく当たり前の事だった。
「そんな事を云ったら、みんなにそう云えるだろう?今更な事だ…」
「確かにそうですけれど…。ただね…陛下はあまりにあの時のシュナイゼル殿下やギネヴィア皇女殿下を意識し過ぎている…。彼らにはあの時の意識の名残があるかもしれませんが、記憶がないんです…。だとするなら、今陛下に向けられている彼らの行動や思いは、純粋に貴方様に対してのものだと思うんですよねぇ…僕としては…」
ロイドの言葉に…ルルーシュは表情を曇らせる。
敢えて、その部分を無視しようとしていたが…。
しかし、事がここに至ってロイドは何を考えているのか…。
今のルルーシュには解らずに困惑する。
しかし、何かの意図を持っている事は確かだし、もし、ルルーシュを裏切っていたとするなら、カノンと接触が頻繁にあるという事をわざわざルルーシュに伝える必要は内だろう。
逆に、そんな事を伝えてしまったら、ルルーシュの方が警戒してロイドの知らない部分で策を練るかもしれない。
だから、ロイドが陰でルルーシュを裏切っているという事はあり得ないし、そんな事をしなければならない程、ロイドは誰か一人に対しての執着はない。
敢えて云うなら、彼のモルモットとなり得るスザクに対しては執着を持つだろうが、こんなややこしい腹の探り合いの中でそんな事をする理由が見つからない。
「お前は…何が云いたいんだ?俺は何を云われようと…考えを変える気はない。もう…あんな間違いを犯したくはない…。確かに…これからやろうとする事には…失敗があるかもしれない…。失敗すればその失敗の数だけ達成がこんなになる事も解っている…。それでも…俺は…」
ルルーシュがそこまで云った時、ロイドはにこりと笑った。
そして、何かほっとしたような表情を見せた。
「安心しましたよ…陛下…。貴方がそこまで強い思いをお持ちなら…僕も安心して力をお貸し出来ますよ…。とはいっても、出来る事なんて限られていますけれどねぇ…」

 なんだか…誘導尋問された…と云う気分になる。
実際その通りだろう。
なんだか…面白くない。
「ロイド…お前…。俺をバカにしているのか?」
ルルーシュが上目づかいでロイドを睨みつける。
そんなルルーシュを見てロイドが…いつものえへら…と云う感じに笑った。
「まぁまぁ…そう怒らないで下さいよ…。とりあえず、面白い情報も手に入りましたしねぇ…」
気分を害したという表情を崩していないルルーシュに対して、宥めるかのようにロイドが笑った。
その笑いも…なんだか子供扱いされているようで面白くない。
尤も、実際にルルーシュは子供なのだけれど…。
ロイドはあの時も年上であったが、あの頃より更に歳の差が開いている。
ルルーシュは年齢が下がっているし、ロイドは上がっている。
大体、こんな大病院でランペルージ家の嫡子の主治医を務められる医者は…それ相応に腕を求められる。
とすると、医者になったばかりの若い連中では決して務まらない。
「面白い情報?」
その一言にルルーシュは反応して、表情は完全に戻ってはいないけれど、そう訊き返した。
その先の言葉を聞いたら、ルルーシュはそんな、ちょっとからかわれたからという怒りの表情を見せている訳にはいかなくなるが…。
「これはカノンから聞いた訳じゃなくて…ちょっとだけ、調べ物ついでに…あるところを覗いてみたんですけれどねぇ…」
何か、もったいつけた様な…そんな言葉にルルーシュが少しイライラしてくる。
「さっさと本題に入れ…」
ルルーシュが堪らず低い声でそう告げる。
「一応…心の準備をして下さいね?流石にあの時と同じ失敗を繰り返す事は…ないと思うんですが…」
「?」
ルルーシュが不思議そうな顔をしているのを見て、一呼吸置いてからロイドが口を開いた。
「えっとですね…。ユーフェミアさまが…日本に戻って来られるんですよ…。予定よりも早く…」
「……!」
ルルーシュが寝耳に水と云った…そんな表情を見せる。
「ひょっとして…陛下が高校入学と同時に日本に戻って来る事も知らなかったのでは…?」
ルルーシュの目を見開いている姿を見て、ロイドが訊ねてきた。
ルルーシュの方は…なんとか言葉を絞り出すような…そんな感じに言葉を紡ぎ出した。
「俺が…高校…入学と…同時に…?」
「そうですか…その事も知らなかったんですねぇ…。こちらはギネヴィア様が動いていらっしゃる様ですが…。本当に…使える者なら何でも利用する…というスタンスの様で…」
ルルーシュ自身、彼女と幼い頃に婚約している事は承知していた。
現在、ユーフェミアはブリタニアに留学中で…少なくとも向こうのハイスクールを卒業まで日本に戻らない事になっていた筈なのだ…。
「また…ユフィは…」
「まぁ、スザク君の事もありますし…現在のこの状況を承知していて、前世を知る陛下にとっては…望んではいないでしょうねぇ…。どうせ、姿を消して、自分が最低男になればいい…とでも思っていたのでは?」
ロイドのその言葉は…。
ルルーシュには否定する事が出来なかった…。
その、答える事の出来ないルルーシュの姿が…答えだとロイドも思うが…。
しかし、知らないままのんびりしていたら、ルルーシュがスザクと共に…と云うのがかなり遠い話しになってしまう事は確かであった…。

 その情報をルルーシュに齎されたその頃…。
「久しぶりの日本…。早くルルーシュに会いたいわ…」
希望に満ちた瞳でその地に降り立った少女がいた…。
「お待ち下さい…ユーフェミアお嬢様…。そんなに急がれなくてもルルーシュ様は逃げたりはしませんよ?」
「ルルーシュが私から逃げるなんて考えていないわ…。私が早くルルーシュに会いたいの…。だって…おばさまから見せて頂いた最近のルルーシュの写真…最後に会った時よりも更にカッコ良くなっていたんですもの…」
本当に、純粋に恋する少女の瞳だった。
そんな彼女を見ていて…彼女の世話役がそんな彼女の笑顔に笑みを零す。
「ルルーシュ様も…ユーフェミアさまにそう仰って頂けば…きっと御喜びに…」
「あら…ニーナはまだ、ルルーシュの事を理解していないのね…。ルルーシュはきっと、そっぽ向いて『恥ずかしい事を云うな!』って顔を赤くして全然怖くない怒り方で怒鳴るに決まっているわ…」
本当に…大好きで仕方ない相手の話しをしている瞳をしている彼女に…。
ニーナと呼ばれた世話役がにこりと笑った。
「では、早いところ、マンションに行きましょう…。そして、荷物を置いたら、病院に行きましょう…。ルルーシュ様もユーフェミアさまのその笑顔を見たらキッとお元気になりますよ…」
「ルルーシュったら…本当にそんなに具合悪くなるくらい頑張らなくてもいいのに…。カノンの話しだと…ルルーシュ…担任の先生に苛められているんですって…」
「何も持たない人間が、眩しく見える人間に対して抱く感情は2種類です。一つは憧れ、一つは妬みです…。きっと、その担任の先生はルルーシュ様の事を妬んでしまったのですね…」
「ルルーシュは優しいから…ずっと我慢していたのね…。確かに、ランペルージの名前を持つ人間が下手な事を云うとその人の人生を変えちゃいますものね…。だからって…ルルーシュったら…自分が倒れる程頑張らなくてもいいのに…」
ユーフェミアが切なそうにそう、呟いた。
ニーナはそんなユーフェミアを見て、なんとか元気な表情に戻そうと必死になる。
「だから、ギネヴィア様はユーフェミアさまをルルーシュ様の元へと…」
「そうかしら?私が行ったら…ルルーシュ…喜んでくれるかしら…」
無邪気に話しながら歩いていると…。
―――ドスン…
ユーフェミアがよそ見をしていて誰かにぶつかってしまった。
「あら…御免なさい…。私ったら…ちゃんと前を見ていなくて…」
ユーフェミアがそう云うと…そのぶつかった人物は…。
一介のサラリーマンの様で…。
ユーフェミアの顔を見て…驚いた表情をしていた。
「え?ユフィ…?」
その男はユーフェミアに対して、親しい人物しか呼ばない愛称を口にしたのだ。
それにいち早く反応したのはニーナだった。
「貴方…一体誰です!初対面の女性に向かってそんなぶしつけに…」
「あ、ニーナ…いいのよ…。と云うか…どなたに似ていたんかしら?その人も私と同じ名前なのでしょうか?」
ユーフェミアがニーナを制止してその男に訊ねる。
しかし、その男の方ははっと我に返った様で…
「あ、すみません…。とんだ失礼を…。どうか…忘れて下さい…」
そう云って、その男はその場から足早に去ろうとした時…ユーフェミアがその男に声をかけた。
「えっと…お名前、教えて頂けますか?」
「あ、すみません…急いでいるので…」
そう云って、その男は足早に去って行った…。
ユーフェミアはその後ろ姿をじっと見つめていた。
そして…本人に自覚あるかどうかは解らないが…
「綺麗な…翡翠の瞳…。ルルーシュのアメジストと…同じくらい綺麗…」
そう…口の中で呟いていた…

To Be Continued

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posted by 和泉綾 at 00:01| Comment(0) | TrackBack(0) | It's Destiny